ウォリック伯の武勇と知略
 
 Plantagenet: Cousins' War for England, 1459 - 1485、中期シナリオのウォリック伯の反乱。Y君がヨーク家、私がランカスター家です。


 いきなり決戦になりそうな状況から始まる早期・末期のシナリオと違い、このシナリオは貴族が各地に散る興味深い状況で始まります。まずヨークの筆頭エドワード4世がロンドンに、ランカスターの筆頭ウォリック伯がカレーに。またウェールズではヨークのペンブルック伯がペンブルック、ランカスターのジャスパー・テューダーがハーレックで、隣接して対峙しています。そしてヨーク公の息子でありながらウォリック伯に唆されて反乱に加わったクラレンス公ジョージは、他と離れたヨークにいます。
 第1ターンの召集では、ヨークのデボン伯がエクゼターに召集されます。そして付けた能力は、
ランカスター
ウォリック伯 武勇が+2される「熟練顧問」 全海域を自由に行き来できる「グレートシップ」
ジャスパー・テューダー ウェールズでの戦闘で弓兵2つが加わる「ウェールズの支配者」
クラレンス ウォリック伯と一緒にいると影響+2命令+1になる「ネヴィル家との婚姻」 交渉時に影響+1される「王の名において」
ヨーク
エドワード4世 味方都市にいると命令+1になる「トーマス・バウチャー」 ヘイスティングス卿と装甲兵2個と命令+1を得る「ヘイスティングス」
ペンブルック伯 「ウェールズの支配者」と同様の「ペンブルック」 使い捨てで1D6射撃ヒットを与える「カルバリンとファルコネット」
 そして戦役では、まずウォリックがグレートシップを使ってジャスパー・テューダーに合流すると、エドワードがヘイスティングスの能力でクラレンスの所まで急進し、勝ち目の無いクラレンスは亡命。その後エドワードはロンドンに取って返し、今度はウォリックらがペンブルックを攻めて亡命させました。

 第2ターン、ウォリックらは遥々東岸に渡ってこの付近で友好地を広げます。しかしヨークは「ドーセット」を引いており、エクゼターにいるデヴォンは影響力コスト無しで隣接地域への交渉を自動成功させていきました。さらにエドワードの命令の多さもあり、ヨークは友好地数で優勢になっていきます。
 第3ターン、エドワードは部隊が8個になっていて維持補給効率が悪い(6個につき1消費し端数切り上げ)ので、ここで徴兵をして12個の大部隊となりました。そしてランカスターが北部、ヨークが南部の完全支配を狙いますが、最終的にランカスターは北部を支配し、ヨークの南部支配を阻止するのに成功します。しかしヨークもカレーを中立化し、友好地数で大きく上回ったので、全体としてはまた少し影響力がヨークに傾きました。


 第4ターン、北部支配を終えたランカスターは、次にウェールズに入ってここの支配を目指します。最終的にウェールズは丁度ランカスター支配になりましたが、グレートシップを手に入れたデヴォンがカレーを友好化した上、北部の支配を崩してしまいました。これで南部も支配したヨークの影響力は9ポイントにまで上がり、はっきりと優勢になります。
 そして第5ターン、復活したペンブルックがニューカッスルに上陸。さらにデヴォンがエドワード4世と別れてカレーに上陸すると、これをチャンスと見たウォリックとジャスパーはロンドンに突入します。ヨークは前のターンに密偵でランカスターに「疑惑〜」カードが無いことを確認していたので、ここは戦力を統合してロンドンを攻める所。
 ところがこのターンも引いていた「密偵」でヨークがカードをまた調べてみると、丁度ランカスターは「疑惑〜」を引いていました。ランカスターの罠だったか。しかしここでエドワードは無意味となった合流を諦めただけでなく、わざわざウォリックとジャスパーの攻撃圏内にあるウェルスへ出てきます。これはどういうこと?
 ブラフの可能性もありますが、何かカードを持っている可能性もあります。不審に感じたランカスターは安全を取って攻撃せず、ロンドン近辺の友好化を優先することにしました。するとなんとエドワードの方からウォリックらを攻撃してきます。やはり何か持っていたか。とは言えランカスターの方も既に影響ポイントで劣勢なため、亡命して大量の影響力を失う訳にはいきません。決戦です。
 ここでヨークが出してきたのは「風下の戦列」。これは敵の射撃力を半減させるカードで、カルバリン砲を持つ今のランカスターには影響が大きい。しかしそれでも兵数で同等のランカスターは、部隊の質と家臣の数を含めれば若干有利なはず。ただこのシナリオには特別ルールがあり、マーガレットが出る前のエドワード4世は、戦闘で負けても自動的に亡命して生き延びられるので、ヨークにとってそう悪くない賭けなのです。
 そして戦闘は前半ランカスターの回避率が低く、ヨークに傾きつつあるかと思われましたが、後半になってヨークが回避を失敗しまくり逆転。ランカスターの勝利となりました。ランカスターはこれに加えて友好都市数でも初めて勝ったことにより、影響ポイントは一気に3ポイント優勢まで揺り戻します。


 第6ターン、影響力5のエドワードはこのターンすぐに復帰し、ニューカッスルでペンブルックと合流します。また同じくこのターンに戻って来たクラレンスはサザンプトンに上陸し、そのままなら2影響ポイントを稼げます。このターンは浪費ターン直後で両者とも物資が少なく、冬場でアクションも少ないので、お互いほとんど補給に時間を費やし、他にはランカスターが家臣の本拠に道が繋がるよう移動したくらい。
 第7ターン、ヘンリー解放イベントが起こり、ロンドンを支配していたランカスターは5影響ポイントを得ました。これに危機を感じたヨークは、エドワードの能力とカルバリン砲を頼みに再び戦いを挑もうと考えます。そこで手始めにまたもや引いた密偵でカードを探りましたが、今度はランカスターの方に「風下の戦列」が。今ヨークが戦いを仕掛けるのは無理です。
 ですがそうすると悪いことに、エドワードとペンブルックは2人とも本拠から遠く離れた所での復帰のため徴税もできず、このままでは維持費が足りなくなります。仕方なくヨークは、金持ちのデヴォンにグレートシップで迎え来てもらい、全員をカレーに連れ帰ることにしました。
 こうなると敵の居ないランカスターはやりたい放題。ジャスパー・テューダーはブリストルからハーレックに渡り、デヴォンのグレートシップ外交で奪われたここを取り返します。さらにウォリックもグレートシップでニューカッスルに渡り、北部の支配を取り返しました。
 これによってランカスターは、全地域に領主がおり、ウェールズを支配し、友好都市数や特殊拠点でも影響力を増やすことになって、このターン一気に21影響ポイントにも達しました。ここまで影響増加力の差が開いてしまうとそう簡単には取り戻せず、決戦で早急にランカスターを撃破できる見込みもなく、2ターン以内にランカスターが勝利条件に達するのはほぼ確実です。そのためここでランカスターの勝利としました。



 プランタジネットは戦闘だけでなく、支配、補給、維持費、影響力、特殊能力、外交、活性化計画など様々な要素が絡んで来て、なかなか面白いゲームです。今回ランカスターはウォリック伯の活躍で勝利できたのは良かったですが、できればマギーの登場を見たかった。
 
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