衰退途上国
バランスルールCでイクリプスをやり、下の子オリオン、上の子ヒドラ、私エリダニです。
我がエリダニ帝国が経済大国だの技術大国だのともてはやされていたのは、いつの頃だったであろうか。我々にはもう過去に蓄えた富と、時代遅れになりかけた技術だけしか残っていない。勢いある新興国家は今や破竹の勢いで、強力な戦闘力を持つオリオンの覇権は内周星域を次々と武力制圧して前文明の遺産も手に入れていき、煌めくような技術革新を続けるヒドラの発展は科学を中心にずば抜けた生産力を誇った。我が国は最初から最も生産力に劣り、衰退への道しか見えない。
第3星紀から第4星紀にかけ、オリオンは進化経済を持って高度経済の星々を開拓し、植民数15経済力21の巨大な国力となった。またヒドラも順調な探査による植民数13と、古代の超技術アクシオンコンピューターを得ていた。
一方我がエリダニの発見は、古代超技術とは名ばかり、イオン砲を2つ積めるだけのイオンタレット。遅れた国にはふさわしいということか。一応戦艦に積んでおいたが、これが地味に利いて古代艦隊を続けて倒すのに役だった。さらにそれらが高度資源の星だっため、進化採掘を開発してこれを活用。そしてその後にオービタルを開発して経済力、科学力も伸ばし、この古に言う黄金の道がいっとき衰退を食い止めたかに見えた。

第5星紀から第6星紀、強力なオリオンの進撃は止まらない。銀河中心を楽々制圧し、クルーザーは片手間に外周の古代艦隊を倒す。多くの古代艦隊を倒したオリオンは、それにより名声と発見による実績を伸ばしていき、植民数も21に上った。
だがヒドラもその科学力を遺憾なく発揮する。彼らもまた黄金の道に進んで、植民数20とオリオンに迫る。しかも反物質砲、タキオンソース、クォンタムグリッドと、先進技術を早々と開発し他の追随を許さなかった。
そんな中で我がオリオンだが、もはや金の貯えも底をつき、老いて遅れていくのをごまかせなくなっていた。人口は全く増えず13のままで、技術もフュージョンソースただ1つを開発できたのみ。もう勝ち目の無い戦いを避けるため星域連絡路を閉じ、残った辺境星域を探査してみることくらいしかできなかった。
第7第8星紀、我がエリダニにも久しぶりに小さな朗報、クォンタムグリッドの開発成功である。と言ってもこの遅い時期では、情勢に大した影響はない。せめてそれを使って技術の数でも増やしておこう。だがそれも強力な武装はもう他国に買いつくされており、攻められたら対抗できる軍事力はない。が、こんな過去の栄光以外何もない衰退途上国に、わざわざコストをかけてまで手を出そうという国もなかろう。
今やこの宇宙で一番伸びているのは、間違いなくオリオンである。支配星域の価値が最も高く、名声の数も最大で、発見も3つ持っている。次はヒドラであり、支配星域価値では一歩譲り、名声は全く持っていないものの、技術は既に2系統が満杯になっており、次の星紀には全てを埋めるだろう。
そしてさらに重要なことは、ヒドラが反物質砲とプラズマミサイルという強力な兵器技術を独占しており、プラズマ砲しか持たないオリオンを圧倒していることだ。ヒドラは着々と艦隊の武装を強化し、最後の総攻撃を狙っているのである。
そして第9星紀。ここで宇宙の覇権が決まる。ヒドラはオリオンに攻め掛かる。そしてオリオンの装備に対してより効果的と考え、ヒドラは戦艦を反物質砲型からミサイル型に更新した。オリオンもミサイル迎撃のためプラズマ砲とグルーオンコンピューターを満載する。蚊帳の外の我がエリダニは、せめて作れる技術を作って艦隊をそこそこアプグレードし、皆が行動を終えた後おもむろにモノリスを造って終わりだった。

最初の戦闘はクルーザー1ユニット同士。オリオンはプラズマ砲で先撃ちしたもののヒドラ艦を倒しきれず、反物質砲に消し去られてヒドラの勝利。ただヒドラも銀河中心で勝てるだろうと、唯一の影響ディスクは使わずに残しておく。そして次のオリオンクルーザー3対ヒドラクルーザー2は、数の差で順当にオリオンの勝ち。
最後勝敗を分ける銀河中心の戦い。共に戦艦2ユニットずつ。ヒドラの16発のミサイルに対し、オリオンは16火力のプラズマ砲で迎撃し、ダブルグルーオンコンピューターによって1以外で撃墜できる。そして結果は1つ外して2発のミサイルが飛来。戦艦は紙装甲で命中は3以上、ヒドラの勝ちか?しかし結果はなんと2発とも外れ。
だがヒドラの戦艦にはまだ反物質砲があり、これで最後の攻撃を行える。しかしこれも1ユニットを討ちもらした。次のラウンド、残ったオリオン戦艦は4門のプラズマ砲をダブルグルーオンコンピューターで正確にヒドラ艦隊に命中させ、銀河中心を守り切った。
宇宙の覇権は誰の手に落ちたのだろう。ヒドラは星域支配こそ12VPだけだったが、技術は全スロットを埋め15VP。意外と良かった8名声と合わせて35VPとなかなかの高得点だ。
そしてオリオンは星域支配が15VPで、技術は3VPだけだが、発見が3つで6VPと名声が5つで13VPの合計37VP。思いのほか僅差で、ヒドラは惜しかった。
さて数えるまでもなかろう我がエリダニだが、星域支配は12VP、技術は頑張って2スロットを埋めていて10VP、そして発見を4つしていてこれが8VPあった。それから名声だが、大した勝利も無い割に過去の栄光によって11VP、そして最後に作ったモノリスが3個で9VP。全部で50VP。
50?生産力も軍事力も低く何も取り柄のない我がエリダニだったが、ひっそりと稼いでいて実は勝利者だった。これが老いた衰退国ならではの老獪さというものなのか。
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