町に戦車が来る前に
 
 今日のASLは、Wacht Am Rhein 2nd EditionのWaR2 満ち潮。1944年末、ドイツはルクセンブルクで反攻を始めたが、一刻を争うにもかかわらず、国民擲弾兵の部隊が迂回命令を無視して不要な町を攻撃し始めてしまった。ドイツは9ターン以内に、30VP未満の損害で、石造複数へクス建物を5個以上支配したら勝利です。道路以外は軟らかい地面で、戦車はヘクスサイドごとに追加0.5MPが掛かります。
 アメリカ軍は、左手前の町を守る6個分隊と、右中ほどの木造建物付近で守るのが2個分隊で、可能なら狐穴に入れます。そして3〜6ターンの間に、4.5個分隊と37LLキャニスター弾装備のM5軽戦車3両、75ミリのシャーマン3両が、右手前から入ってきます。
 これを攻めるドイツ軍は、第1ターンに9個分隊と80ミリ迫撃砲4門がアメリカの右手から、第2ターンに3個の8−3−8突撃工兵を含む9個分隊と火炎放射器1、爆薬3、パンツァーシュレック2が左手から入ってきます。また第1ターンの準備射撃で、事前登録された150ミリロケット砲攻撃を行えます。
 子供がドイツ、私がアメリカです。


 一見戦力的にはアメリカがかなり有利に見えますが、ドイツ軍は2つに分かれて配置される上、戦力の過半を占める増援はゲーム半ばまで出て来ません。これを分割防御と見れば、戦力バランスは悪くないようにも思えるので、このままやってみることにしました。
 ドイツはロケット砲をアメリカ右手の木造建物付近に落としましたが、あまり効かず、町のアメリカ軍は防御態勢を整えます。冬なので麦畑の無い平地を進むことになり、ドイツが最初のアメリカ軍を速やかに倒して増援前に町へ突入する、なんてことは到底できそうに見えません。アメリカの戦車6両に待ち構えられたら、町を攻めるなんて絶対不可能。
 ドイツ軍もやはり2つに分かれて遠くから出て来ることもあり、この状況を分割防御と見做すのは無理でした。戦力を調整した上でもう一回やり直します。


 1回目の様子から、今度はドイツ軍が平地攻撃すると見て0.5倍で評価し、戦力を調整します。これによりアメリカから戦車2両と4個分隊を減らし、評価が正しければ優劣0%です。
 ドイツのロケット砲が狙ったのは町の前面で、アメリカの3スタックにかかる良い位置に落ちました。しかし1つはダミー、1つは効かず、1つは混乱クラス低下させたものの、2回目でクラス上昇回復して結局損害無し。ただ前面の建物2つに火事が起きたのが、良いのか悪いのか。

 第1ターンの移動で入って来たドイツ軍を、アメリカ中機関銃が撃ったらいきなり故障。これでドイツ軍の全速移動を止められなくなります。ドイツはこれに乗じて機関銃のフルスタックを一気に進めますが、今度は軽迫撃砲が指揮官に致命的命中して、死にはしなかったもののスタックは混乱やピンになります。さらに入って来たドイツ軍の内、1個分隊がバーサーク。極端な目が多すぎです。
 後半にはアメリカ中機関銃が直らないまま混乱。町ではロケット砲範囲を避けて防衛態勢を作ります。
 第2ターン、最初のドイツ部隊はアメリカ軽迫撃砲に煙幕を落として前進。2番目の部隊も全速で町に向かって進み、アメリカはフルスタックに迫撃砲を撃ちましたが効果ありませんでした。
 第3ターン、右手でドイツバーサーカーはアメリカ軍を潰して回り、他の部隊は全く抵抗無しに進みます。アメリカの機関銃が故障したのは痛かった。左手でも町の左側建物が盤外砲火事で潰されたので、ドイツ軍は途中の建物の影に隠れて安全に進めます。アメリカ唯一の頼みの増援も来ず。


 第4ターン、突撃工兵含むドイツ第2部隊は、町の前面の建物群に到達し、攻撃準備完了。さらに第1部隊は町の側面に取り付いて、アメリカ前衛の安全な退却路を切ってしまいます。これはアメリカきついんじゃないか?
 ターン後半にはアメリカの増援が到着しますが、入り口が離れていて良い位置までたどり着けない。アメリカ前衛も撃たれて混乱し、なんとか潰走には成功したものの、町はもう守りようが無い。
 第5ターンにはドイツ軍が周り中から町に突入し、突撃工兵の突撃火力で防衛部隊は半壊。建物も回り込まれて過半が占領され、これから増援が町に駆けつけたとしても、奪還はもう無理。こんなことなら迫撃砲、パンツァーファウスト、機関銃に撃たれまくるのも覚悟で、戦車が頭を出して道路を町まで突っ走った方がましだったか?何にしろアメリカもう負けです。



 右手はたとえ機関銃が故障しなかったとしても、迫撃砲煙幕でアメリカ軍の防御を無力化するのは簡単です。また左手も配置が町中に制限され、それを狙って大抵事前登録ロケット砲を当てられるので、左手でアメリカが平地を狙い撃ちするのも難しいでしょう。
 そのため2回目に平地攻撃補正を付けて戦力評価したのはやり過ぎで、攻撃補正無しで計算するのが妥当だったようです。ただそれでもアメリカの増援時期によってバランスが大きく変わるので、良い勝負にはなかなかなりにくいかもしれません。

 
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