ジャングルのピンポイント攻撃
 
 今日のASLは、シナリオ62 Bungle in the jungle「ジャングルで下手こいた」。日本軍の攻撃によりイギリス軍はラングーンまで後退させられた。しかし新たに北アフリカからやって来た経験豊富な装甲部隊「砂漠のねずみ」たちを加え、そこからイギリス軍は反撃に転じた。浅いジャングルの太平洋地形で、北東から南西への道路だけはあり、田んぼは乾いています。
 イギリスは10ターン以内に北東部から35VP以上を突破させたらその時点で勝利し、これには破壊した日本の対戦車砲1つにつき4VPが加わります。そしてゲーム終了時には、マップの北東部にいる混乱していないイギリス歩兵とリコールでないイギリス可動戦車もVPを得られます。
 日本は13個分隊と、南西が見える所に隠匿無しで配置される37L対戦車砲4門を配置し、第6ターンには37ミリのハ号軽戦車3両が来ます。ハ号砲は例によってTK5として扱うことにします。
 イギリスは10−2指揮官付き11個分隊と37LLのスチュアートI3両、80ミリ盤外砲観測用キャリア1台を南西に初期配置し、第7ターンにはスチュアートIがもう3両入ってきます。
 太平洋地形ですが、イギリスは主にヤシ林や田んぼを進み、日本の方は不利なクナイや盤外砲に弱いジャングルで守ることになるので、戦力評価時に困難地形はつけません。しかしそれでも日本が15%の優勢で予想勝率9割5分なので、日本軍から5個分隊と砲1門を減らし、イギリス軍には1個分隊を加えて、0%台の互角に調整しました。子供がイギリス、私が日本です。


 日本は3門の砲を中央付近の少し下がった所に距離を置いて配置します。そしてその射界に囲まれた中央の竹林付近に歩兵を集中して置きました。イギリスが中央のヤシ林から来るか、左手の田んぼから来るか、右手のジャングルに回るか分かりませんが、ここならどちらに来ても迅速に対応できるとの考えです。ただジャングルは一般に攻めにくい地形なので、イギリスは中央から圧力をかけて日本軍を下がらせ、その後射撃戦に有利な田んぼから進むだろうと、日本は想定していました。

 第1ターン、イギリス軍は西側を前進し、日本軍の先頭に対して5へクスの距離で対峙して来ました。これはイギリスだけ射程内になる有利な距離です。
 このまま戦うのは不利なので日本軍は後退します。イギリスが東に進んで戦いやすい田んぼを目指すことも、中央から南に進んで直接勝利条件を目指すことも考えられるので、日本はどちらにも対応できるように防御線を作りました。
 すると第2ターン、驚いたことにイギリスは戦車を残したまま歩兵をジャングルに突入させてきました。これではせっかくのイギリス歩兵の長射程を生かせなくなるのでは?

(下が北)

 しかし日本が動く段になってみると、すばやくジャングル側に移動できるヤシ林のルートが戦車と盤外砲に狙われていて、ここを通るのは危険そうです。そうするとジャングル方面に先着できるのは一部だけで、これでイギリス軍を止められるのか?東側で田んぼを見張っていた中機関銃も慌てて走り出します。
 第3ターン、イギリス軍は日本の対戦車砲に隣接するジャングルに部隊を進め、さらに鬼スタックは日本軍側を奥まで見渡せる所まで出て来ました。そして白兵戦では対戦車砲の脇に隠れていた日本半個分隊が登場。イギリス兵はちかれてダメなので、不意打ちは日本が3有利!なのに不意打ち取れず倒せませんでした。これは日本苦しい?
 イギリスのファイアレインがあるので、日本軍はジャングルの出口に広がれない。仕方なく主力は対戦車砲脇の小ジャングルに隠れ、遅れている部隊は裏側を回ることにします。ここでやっと通じたイギリスの無線が砲撃を拒否されたのは、日本にとって救い。

 第4ターン、イギリスは小部隊を対戦車砲に隣接させ、主力は北側に回して日本主力と5へクスの距離で対峙して来ます。こちら側には中機関銃も無く、日本ははっきりと不利になってきました。
 4ターン後半、一部の部隊がまだ迂回中の日本軍は火力で劣り、やはり撃ち勝てません。そして第5ターンに、イギリスが6へクス離れた観測弾から動かして攪乱砲撃に変えると、丁度これが36分の1の確率のベスト位置にずれます。攪乱なので威力は弱いものの、日本軍はすっぽり覆われて逃げることもできず、しかもイギリスの射撃を邪魔することもありません。さらに対戦車砲を失ったことで、イギリス戦車も接近して来ました。これにより日本軍の損害が増え始めます。


 もうこうなると日本軍は太刀打ちできず、中央の主力は壊滅的。第6ターンには一気にイギリス軍が勝利条件エリアに接近します。日本に残るのは出口付近で待ち受ける別動隊と増援の軽戦車隊だけですが。
 やって来たハ号たちは近くのイギリス兵にオーヴァーランを敢行するものの、先頭車両は破壊され、イギリス軍には僅かな損害を与えたのみ。しかしここにきて中央の残存日本兵が、機動中のイギリス戦車に白兵戦を仕掛け、これを仕留めました。
 とは言え第7ターンには、スチュアートがやってきて日本戦車隊はあっさり全滅。日本の最終防衛隊も、ウミガメ戦術で近接されて壊滅状態となります。そして最後に踏ん張って押し動かしてきた日本対戦車砲が、致命的命中でスチュアートを破壊してきらめきを見せたものの、もはや日本に抵抗できる戦力は無く、イギリスの勝利です。


 ベスト位置への盤外砲着弾はイギリスの早期勝利に貢献しましたが、その前に日本の配置の弱点を的確に突いたジャングル迂回作戦で勝負は決まっていました。日本歩兵の初期配置は後方のクナイ地帯にして、イギリスから見えない所で対応移動するべきだったようです。

 
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