風向きが変わった瞬間
 
 浜甲子園さんとのVassal対戦2回目。今回はSX1 La Drole de Guerre奇妙な戦争。ドイツがポーランドに侵攻すると、英仏は協定に従ってドイツに宣戦布告したが、実際には小規模な部隊が限定的な攻撃をしただけだった。そしてポーランド戦が終わり引き返して来たドイツ軍は、撤退を始めたフランス軍に攻撃を加えた。
 7ターンの終了時により多くのVPを持っている方が勝利です。最後にMMCがいた石造建物・橋1つにつき2VP(最初は全てフランス支配で、アパートは全体で1つとする)、生き残っている味方戦車、破壊した敵戦車が1VPとなります。C6の建物は木造で、S1,T1の小丘が麦畑になりますが、そのことから季節外ですが麦畑はあることにしました。
 守るフランス軍は8.5個分隊ですが、アーカイヴではダブルスコア以上でドイツが勝っているので、バランスでもう1個追加します。他に37*のR35戦車が3両、37*歩兵砲(HIP可)とATRが1つずつと、ロードブロック1です。R35は機械的信頼性の対象となり、さらに配置後それぞれ秘密drして、1で走行不能、2〜4で1へクスサイドごとに追加1移動力が必要になります。
 一方攻めるドイツは、12個分隊とATR、軽迫撃砲1つずつを初期配置。そして37Lで装甲3の3号F型2両、同じく装甲1の3号D型1両、75*の4号A型1両が、第3ターンに入ってきます。
 浜甲子園さんがドイツ、私がフランスです。


 隙間やアパートが多くて守りにくい町ですが、フランスは中央の道路にロードブロックを渡して隙間を塞ぎ、そこと左右端の前面建物にR35を置きます。今回フランス戦車は動ける保証が無いので、できるだけ動かなくても良い場所にしました。また歩兵は前面に並べて戦線を作りますが、中機関銃は中央少し後方の塔2階に、隠匿の37*砲はさらに後方の建物3階に置きました。

 第1ターン、ドイツ軍は中央左右に分かれて近づきますが、途中で塔の中機関銃に撃たれて損害が出ます。ターン後半にもフランス軍は射撃してドイツに損害を与えました。
 第2ターン、ドイツの前哨部隊が前面に対峙し、フランスの布陣を探りに来ます。これにフランスはずらりと連なった前面の歩兵で撃ち、ドイツ軍に損害を与え続けました。一方ドイツの主力は後方で待機し、次に戦車が来るのを待っています。

 フランス良い調子と思っていた第3ターン初め。丁度戦車が到着するこのタイミングで、風が起きてしまいます。ドイツ大チャンス。4号戦車は風と煙幕を考えて、都合の良い位置に着きました。
 フランスも射撃でドイツ歩兵を混乱させていきますが、撃たれたドイツ半個分隊の1つがヒーロー&クラス上昇に。さらにドイツも戦車が加わってフランス軍に混乱を与え始め、特に3号の機関銃で塔のフランス中機関銃を混乱させたのが大きい。

 第4ターン、局面を大きく左右する煙幕。まず上側へは成功し、この後上部のフランス軍を煙で覆うことになります。一方下側へ撃とうとしたのは主砲が故障してしまいましたが、この機に両脇から戦車が回り込んで行きます。その結果正面から近付いた3号F型は撃破されたものの、2両が後方への回り込みに成功しました。さらに上側では歩兵も奥に浸透し、後方の建物占領を狙います。まさに風向きが変わった瞬間。
 しかしここで満を持して登場する37ミリ砲。最初の射撃は効かなかったものの、次の準備射撃がある。しかしそれも弾かれてしまう。でもまあ次にはやれるだろう。
 いや次は無い。防御射撃で3号F型が機銃で反撃すると、5でNMC。そして操作班は12を出して昇天。どひゃー。ところが今度はフランス兵が拾った中機関銃を前進射撃で3号D型に撃ち、なんとこれを破壊。機関銃で戦車を打ち抜く時代。これからも何が起きるか分からない。


 第5ターン、ATRは何度撃っても効かず、砲の故障した4号戦車の近接を許してしまいます。しかしフランス分隊はこれに立ち向かい、街路戦闘で走行不能にしました。さらにドイツ歩兵が煙に隠れて上側から町の内部に突入し、戦車への白兵戦を狙いましたが、これも臨機射撃で混乱。しかし3号F型が移動射撃で下側フランス分隊を混乱させた上、さらに隣の分隊を迂回して射撃を封じます。そしてヒーローとエリート半個分隊は、下側で唯一残ったフランス分隊へ煙に隠れて隣接しました。最後に4号戦車が正面からフランス戦車の前に出たものの、撃たれて走行不能。恐るべきドイツの大立ち回りがやっと終わり、白兵戦はどちらも戦果ありませんでした。
 そしてターン後半、前に出て来ていた重中機関銃2個分隊と9−1ドイツスタック。
フランス「まんまと火力ポケットに嵌ったな。これで状況を一気に好転させる。準備射撃16火力+2修正で6、1MC、ヨシ!」
ドイツ「4、4、4、12。どうでもいい戦車操作班だけ除去で、主力は無傷。」
フランス「あー、やばいやばいやばい。反撃で死ぬ。」
(セリフは想像)
 フランスはとりあえず戦車で撃って走行不能の4号を倒すと、塔の中機関銃でもドイツスタックを撃ちますが故障。戦車が撃ってもやはり効かず、ドイツスタックの反撃でフランス分隊が混乱しました。さらに白兵戦でも、ドイツ指揮官を倒しに行った半個分隊は討ち漏らし、迂回戦車への街路戦闘でも倒せず。それどころか半個分隊+ヒーローと混戦していた分隊は、一方的に倒される始末。フランス最初あんなに調子良かったのに、もう下側の防衛線は崩壊して、逆風は強まるばかり。

 第6ターン、回復に期待するフランス。塔の中機関銃、直らない、分隊、直らない、下のDMの無い分隊、これすら直らない。さらにドイツの準備射撃で下側の分隊が混乱。中軽機関銃の射撃で正面のATR分隊も混乱。
 そして迂回されていた分隊が混乱したので、ドイツはそこの戦車を動かし、2か所のフランス混乱分隊にDMを付けながら、塔を迂回します。ここで戦車はハッチを開けたので、2階の分隊が撃ちましたが効きません。その後ドイツ歩兵がどんどん浸透して来ますが、撃てる部隊が大きく減ってしまったフランス軍は、一部しか止められませんでした。
 その結果下側では混乱したフランス分隊が降伏。そしてフランス戦車2両と混戦の半個分隊に、それぞれ分隊、ヒーロー、半個分隊が突撃して、上側の戦車が走行不能、フランス半個分隊が除去されました。まずいまずいまずいまずい、フランス負ける。
 ターン後半、中機関銃が直り、フランスは撃てるだけ撃ちましたが全然効かない。でもドイツの射撃もまた効かない。そして白兵戦。上の走行不能R35は破壊。一方下のR35はドイツヒーローを倒す。また下で半個分隊に挑んだフランス分隊はなんと相打ち。しかし塔で最後のドイツ戦車に突っ込んだ分隊は見事討ち取って、これでドイツ可動戦車は全滅です。これは大きい。フランス何とかなるか?


 最終ターン、ドイツ中軽機関銃の準備射撃は効かず、ドイツは最後の突進を試みます。しかし奥の方で移動した部隊は、2つとも中機関銃分隊に撃たれて止められてしまいました。そのため取れたのは手近な2か所だけ。これでドイツにVPを逆転できる可能性は無くなり、フランスの勝利となりました。


 フランスの全体作戦は良かったと思うのですが、状況をうまく利用したドイツの浸透戦術が巧みで、フランスはぎりぎりの勝利でした。風を利用した煙幕の時、フランスは1個分隊ほどを後方の守りに下げた方が、安全だったかもしれません。
 一方ROARではダブルスコア超えでドイツ有利にもかかわらずフランスが勝てた事で、集中決戦戦術の有効性はある程度示せたと思います。また戦力評価の方は逆にフランス7%の優勢で予想勝率7割と結果通りになったので、評価の適正さも確認できました。

 
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