間違った戦力評価と布陣方針
 
 今日のASLは、J245 Factory Fodder 工場の飼料。ちょっと意味が分かりませんが、ドイツの頓挫した北風作戦の一幕です。アパートは黒線の無い工場となっており、ドイツは6ターン終了時に、工場5個以上と、10Z6の地上3ヘクス以上を支配していたら勝利です。積雪があり、小川は橋でしか渡れませんが、ドイツは秘密裏に3か所の歩兵橋を置けます。またこのシナリオは防御側のアメリカが、先に配置して先に移動します。
 守るアメリカは11個分隊と57L対戦車砲を、町の中央から西に初期配置しますが、2個分隊相当だけは、小川から4ヘクス以内に隠匿配置しなければなりません。そして第4ターンには、3個分隊と76Lの駆逐戦車2両が西から入って来ます。
 攻めるドイツは、SS12個分隊(半分は5−4−8)と9−2指揮官に、4号戦車2両、ハーフトラック積み81*迫撃砲1門を、小川の東に初期配置します。さらに第2ターンには、SS2.5個分隊とパンター2両、輸送ハーフトラック3台が、東から入って来ます。
 防御側の3倍以上の攻撃側戦車が、防御側増援戦車より先着するため、戦力評価では防御側戦車を0.5倍すると、ドイツの予想勝率は43%と良いバランスながら若干不利だったので、ドイツバランスで2個の5−4−8を6−5−8に置き換えました。しかし実はこれは評価誤りで、パンターは57L砲に正面から倒され得ないので、防御側0.5倍の半先着ではなく、0.25倍の完全先着で見るべきものでした。そうするとドイツの予想勝率は64%になり、むしろアメリカバランスにしていなければなりませんでした。
 子供がドイツ、私がアメリカです。


 第1ターン、先手のアメリカは左側の森に放火して成功し、正面の建物にも移動して放火することにしました。しかしこの作戦は失敗だったことがじきに判明します。また前線の隠匿配置も置ける場所が限られており、防御射撃で炙り出されてバズーカ分隊が混乱しました。
 ターン後半、ドイツ軍が前進すると、もう1個のアメリカ隠匿分隊が平地に倍火力射撃しましたが、箱車で絶好の機会を不意にします。そしてドイツは4号戦車1両で、放火しようとしたアメリカスタックを狙ってきました。

 第2ターン、こうされると放火が危険な割にメリットが小さいので、アメリカは諦めて後退しますが、戦車が狙っているので全速で下がることもできません。しかも森につけた火も、木が雪で濡れているため、じきに消えてしまいました。隠匿分隊が白兵戦で勝利する健闘はあったものの、アメリカの布陣方針は完全に失敗です。
 ターン後半には、ドイツ主力が町の外殻に到達し、もう1両の4号が正面の建物に突っ込んで来ました。

 すると第3ターン、アメリカ建物の脇に隠れていた対戦車砲が、近距離からおうち4号を撃ち見事撃破。そしてアメリカ軍は建物に広がって布陣しますが、強力なSS相手に軟弱なアメリカ兵がどれだけ持ちこたえられるのか。
 ターン後半、SSの強さを頼みにドイツ軍はどんどん突き進んできます。いくらアメリカ軍が撃っても、これを全て止めるのは無理で、陣地前面を占領され、前進射撃でかなり混乱させられました。

(下が西)

 しかし第4ターン、アメリカは増援部隊で逆襲。森側に入り込んで来たドイツ2個分隊を混乱させ、戦車で後ろに回り込み、潰走不能で除去します。
 さらにターン後半、ドイツは故障していたパンターと迫撃砲が両方壊れてリコール。しかも前に出ていたアメリカ駆逐戦車が、4号の射撃を躱した上、狂ったように連射して、4号と隣接してきたドイツ歩兵を軒並み撃破する大殊勲を立てました。これだけ頑張ればアメリカもまだ戦えるか?

 と言うと、そんなことはありません。ドイツのハーフトラックが後方に回り込んでいて、混乱したアメリカ兵は逃げられず、二階に追い詰められています。そしてもう拠点建物にはドイツ歩兵だけでなく、パンターまで突っ込んで来ており、アメリカにはこれを倒す術がありません。
 第5ターン初めには、拠点建物内のアメリカ軍はほぼ排除される寸前で、アメリカは森の増援部隊で反撃を試みましたが、強力なSSとパンターには太刀打ちできず、損害が増すばかり。そのままドイツは勝利条件を達成して、アメリカに奪還の可能性はほぼ無くなったので、ここでドイツの勝利です。



 アメリカのサイの目はとんでもなく良く、ドイツ戦車はパンター1両しか残りませんでしたが、それでもアメリカは勝てませんでした。やはりASLは戦力と布陣で勝負が決まるもので、両方で負けていたらサイの目ではまず逆転できません。
 濡れた森に放火するのは無理で、アメリカは放火するなら、それぞれバズーカを持たせたスタックで、拠点建物前側左右の建物にするべきでした。今回は工場なので、建物内からもバックブラスト無しでバズーカを撃てて4号戦車を牽制でき、建物内なら火事も雪の影響を受けません。あるいは不確実な放火に賭けるよりも、最初から築壕した方が安全かもしれません。
 ただそれでもアメリカは元々戦力的にやや不利で、前に強制配置させられる2個分隊が各個撃破される上、増援の到着も遅いので、不利は否めなさそうです。

 それから今まで輸送ハーフトラックはほとんど火力にならないということで、固有のSQ/HS以外は戦力評価に入れていませんでした。しかし今回のような背後回り込みや、奇襲的な兵員輸送、繋がっての射撃グループ等、その力はもう無視できません。
 そこで今後攻撃側のハーフトラックは、最も予想精度が高くなった1台当たり0.5個分隊相当のその他戦力として計算することにします。なお防御側のハーフトラックは、計算に入れても勝率向上効果が認められなかったので、含めません。
 するとこのシナリオの予想勝率はドイツ74%となり、より実感に近づきます。また過去のものを再計算すると、予想精度の向上は僅かですが、攻撃型だった米独ソの攻撃特性が緩和されました。
 具体的には主要国全体の攻撃特性の平均が、+1.9%の攻撃寄りから、+0.3%とほぼフラットになりました。特に+4.2%の攻撃型だったアメリカが+0.4%のフラットになったことは、アメリカの攻撃性がほぼハーフトラックの分だったことを示しています。
 またドイツも、対米で+5.4%だったのが一気に−0.7%になった一方、対ソでは+14.3%が+12.3%になったにとどまりました。これはドイツもやはり攻撃性の高さはハーフトラックによるものなのに対し、ソ連は純粋に攻撃型だということを表していると思われます。
 この修正により、今後は攻撃側と防御側の違いによる予想勝率のずれが、より小さくなると期待できますが、独ソ戦だけは攻撃側が若干予想勝率より有利と思ってよいでしょう。

 
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