essay

　■ So long!

　正直に言います。このＭＶの出来、安っぽいです。長岡を紹介してくれるのはありがたい。大林監督も昔から大好きです。物語のテーマもいたって真面目なものです。それゆえにクロマキーによる、合成映像ありありの仕上りが情けなく思えてしまいます。売れっ子アイドルゆえの厳しいスケジュールの中、限られた時間での撮影だということも重々承知しています。しかし、なんとかならなかったものか……大林監督としても不本意なんではないかな？
　このＭＶにも、映画「この空の花」にも登場している舞台の地、信濃川の土手、長岡花火、水道公園、長岡造形大学、中越高校等は、僕の住む町の至って近所です。歩いていける距離です。ふるさとが舞台になるというのはとても嬉しいことです。映画、ＭＶを見て、少しでも興味を持っていただけたら、すごくありがたいのですが……「一度見てみたい」と思う方がおられれば、是非ご一報ください。ご案内致します。（笑）
　余談ですが、ＭＶで高橋みなみの親父役をやっていたのは、僕の地元の知り合いでした。びっくらこいた！（笑）

　■ 東京女子流　*Tokyo Girls' Style

　最近ハマりにハマってます、東京女子流。（ひとりひとりの名前までは覚えていないが……）こんなハイレベルな楽曲、アイドルオタクに聞かせて理解出来んのか？（偏見でゴメンなさい。^^;）
　いきなりのギターカッティングで始まるイントロ、ホーンセクション風キーボードの打ち込み、16の裏打ちで入るドラムのスネア音、そして踊るようなスラップベース。（今、チョッパーって言わないんだってね？）7th、5th、のジャジーなコードを使った、80年代バブル期を彷佛とさせる艶やかなアレンジ。例えて言うなら、当時久保田利伸のバッキングギターやってた羽田一郎、林田健司等の洋楽指向のアレンジといったところか？（と言ってたところでライタークレジット見たら、ホントに林田健司がいた！まだ現役だったんかいっ！？（笑））そして圧巻なのは、全編通してハモリとコーラスがかぶせられている。もちろんレコーディングでは、ゲストコーラス参加がいるのであろうが、彼女たちがメインコーラスだとしたら驚異の実力である。アイドルのバックでもいいから、こんなバンドでギター弾きたかった。おっさん世代にはドンピシャです！
　エイベックスからデビューするにあたり、オーディションで選ばれたらしいんだけど、楽曲の方向性ありきのプロデュースチームが仕掛けてる感見え見えだね。まあそれにしっかり引っ掛かっちゃってる俺だけど。（笑）ダンスありきの安っぽいアレンジではないし、ちゃんとメロディーも洗練され、横ノリのグルーブ感もしっかり表現されている。ミュージシャンサイドが「こうやりたい」という思い入れが強過ぎて、一曲に対して若干詰め込み過ぎの嫌いはあるが、アイドルと侮るなかれ、一度聞いてみて損はないと思う。ライター陣も林田健司、BOUNCEBACK等、往年のポップス路線だし、プロジェクトチームとしてある程度ライターも固定化しているようだ。それがひとつのカラー作りに成功している所以だろう。僕の好きなバンド、SCANDALでもそうなのだが、まだなにも知らない子供たちを騙して、オッサンたちがやりたかった音楽に導き、自分たちが楽しみながら金儲けをする手法が横行しているようだ。許せん！うらやましい。（笑）
　彼女たちは、まだ14～15歳？くらいなのだろうか？　歌唱に関しては上手い方だと思うが、いかんせん声も若いし、ダンスもまだまだぎこちないことは否めない。ただLIVEではバックバンドもついていて、生バンドに合わせられるのも好評価である。昨今の、カラオケだけでしかも口パク、派手なパフォーマンスを繰り広げるアイドルとは一線を画し、演奏の醍醐味も味わえるLIVEは、見ていても楽しいものである。彼女たちがいい大人になり、表現力もついて観客を魅了出来るようになったとき、そのステージを見てみたい。息の長い活動を期待したいものである。
　くどいようだが、彼女たちは本当にアイドルファンに受け入れられているのであろうか？楽曲の難易度が高すぎるんじゃないか？アイドルフェスに参加させたり、エイベックスは売り方を間違えてんじゃないか？（笑）とはいえ、昨年末の武道館ワンマンも満員になったという話だし、やはりそれなりの人気はあるんだろう。しかしこの手の楽曲は、アイドル並の爆発的な売れ方は期待出来そうもないはず。僕も初めて見たのは専門の音楽チャンネルだった。エイベックスはそういう売り方で、長い目で見てくれているんだろう、と勝手に信じている。そしてこの方向性をいつまでも維持してくれる、と信じたい。

　おすすめ楽曲！「W.M.A.D」「ヒマワリと星屑」「Liar」「Limited addiction」「それでいいじゃん」「Dont' Be Cruel」「Rock you!」「大切な言葉」～この辺を聞いて頂くと、僕の言う意味がわかってもらえると思います。初期の作品にはアイドルらしいものもあるけど、それだけを聞いて諦めちゃいけません。（笑）しかしそれはそれで、かなりいいアレンジだから楽しい仕上りになってます！(^^)

【HOME】