― 警告 ―
このページには催眠音声を聴く場合に、効果を減退する恐れのある内容が含まれています。
これからも催眠音声の製作に携る考えが無い方、催眠音声の仕組みなどを勉強するつもりの無い方は、
このまま戻る事をお勧めします。
一見被暗示性を下げるような文が見当たらなくても、気付いたら下がってるという可能性がありえます。
まんがいち読んでしまった後に何らかの不都合が生じたとしても、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。








































Rasping pharmacy
むしろ毒と言った方が近いかもしれません



 この文章を書く事のきっかけとなったのは、サイミー☆さんがご自身のBlogで「催眠音声という、既に聞き手が受身になっており・・・」 という発言をされたのを読んでからずっと心に引っかかっていた事がありまして。
 サイミー☆さんが仰る事に直接の反応ではないんですが、なにかもやもやとするものずっと引っかかっていた訳です。
 たしかに催眠音声を聴こうとする人の大半は受身になっていますが、催眠音声を聴く準備が出来ているかといえば決してそんなことは無いんですよね。

 自分自身、自信満々で「催眠トレーニング」作ったところ、あれだけオーソドックスな暗示を盛り込んだのに効果が全然出ていないのに愕然とした記憶があります。
 当時は「直接の施術のように行かないから、被験者に合わせた誘導できないのが原因かな?」程度に考えていたんですが、それは原因の半分でしかないと最近思うようになりました。

 ところで
 みなさんも何か苦情とかを言いに役所やお店に出かけたものの、事前の勢いや電話口ほど強く出られなかったって経験は無いでしょうか?
 それは人間が「(直接)コミニュケーションが取れない相手に対して批判的になる」って習性があり、批判的な状況で怒りを募らせたりしていても、いざ相手と対峙すると多少なりともそれまでの勢いをそがれてしまうものです。
 逆に言えば、直接会って話している人間に対しては批判的になり辛いって事です。
 これは群れで生活する人間が、トラブルを極力避けようとする本能だと思われています。
 実際、企業の苦情対策には「極力クレームには直接会って対処する」ってマニュアルがあったりします。
 この、直接会う(一時的接触が可能な状態)ってのが実際の催眠誘導には欠かせない要素だと自分は考えています。

 催眠音声による誘導では、この重大な要素が補えないって事ですよね。
 自分の経験では、直接会う>電話>チャット>BBS ぐらいの段階を置いて、人間同士の親和性が上がり下がりしていると見られます。
 直接会う状態から離れれば離れるほど、相手を人間じゃないと見なしてくる感じでしょうか?
 2chが荒れるのは、ただ匿名だからなだけではなく、BBSという形が旧来どおりの人間関係のに対して大きく不自然だからだと思われます。

 催眠音声はチャットとBBSの間ぐらいで、人同士の距離って意味ではかなり分が悪い状態。

 相手に合わせた誘導も出来ないし、自動的に聴き手が批判的になってしまう。
 これってどう対処したらいいんでしょうか?

 えー、思いつきません。

 人間対人間のカウンセラー方式だと、どうしても直接会って話すことが前提でマニュアル等が考えられています。
 当然、エリクソン式も直接会う事が前提で・・・いや、直接会って話をすることがカウンセリングの必須過程とされていますので、録音による誘導などは切り捨てられています。(教材用のテープはありますが)
 まあ、カウンセリングとしては当然の形ですよね。
 会わないで催眠誘導とか、診察をしないで薬を投与するようなもの・・・まともな医者なら考えもしないでしょう。

 まあ、我々が求めている催眠は娯楽としてですので、診断等神経質になる必要は無いのですが・・・。
 過去以来催眠術は主に医療の現場で研究されてきたもので、カウンセリング前提の作りになっているのは仕方の無い事。
 ショー催眠等を覗けば、他の分野では研究が進んでいない未開の分野といえるかも知れません。

 過去に会った催眠音声も(自分の作品も含めて)旧来の誘導を当て込めるか、ドラマの味付けをしてシチュエーションで攻めるかしているわけです。
 特に実際の誘導経験のある施術者は、今まで自分が誘導したクライアントの反応を参考にしてスクリプトを組まれてると思います。
 聴き手が、過去のクライアントで最も多かった反応をしていると前提されてるのではないでしょうか?
 きっと自分でもそうしますし、そう考えるしかないのでしょうが、聴き手は録音である催眠音声に対し批判的な上。
 施術者を作者と声優さんのどちらに置いたらいいか判断できない事もあって、ラポールなど形成し様の無い状態だって事を考えないといけないでしょう。
 距離軸も時間軸も、そして対象へのベクトルすら確定しない状態ってまとめると、催眠音声に対して心を開けない事も当然のように思えます。

 へっぽこさんやサイミー☆さんなど実際の術者の方が、エロパート苦手なのは
「普段ここまで誘導していれば、当然ある程度の深度に達してる訳で、軽いきっかけを与えればフラッシュバックを起こすだろう」
 って考えられているんでは無いかと思いますが、違いますでしょうか?

 実際、最適化モデルってものを作れないのもあって(各々の心理の問題ですから)、催眠音声で深く誘導するのは困難な状況のままです。
 自分の場合、AtAさんやそれまでの製作者さんの作った催眠音声を聴いていた時の、自分の反応を思い出して言葉選びや誘導方を考えているのですが・・・。
 参考になっているのか参考になっていないのか解らない状態です。
 しかも、そんな事を考えながら聴いていると、かかりが浅くなったりするんですよね。

 話が逸れっ放しですが、催眠音声での誘導は通常のカウンセリングスタイルのように、ラポールの構築を重視した形では非常に困難な状況にあります。

 個人的な結論としては、コミニュケーションのウェイトを極力小さくし、個人差が出難い人間の本能。
 社会心理学や群集心理学の方からの、アプローチが有効なのではないかと考えています。

 自分が双子を作ろうと思ったきっかけは
「実際の誘導と同じ状況を再現できないんだから、実際の誘導では再現できない事を作ってみよう」
 と考えたからなのですが、当時は聴き手の距離感を考えていた訳では無いので、今思うと超まぐれで部分的にいいところを付いていたわけです。
 左右から別々の事を言われるのは気持いいんですよね。
 これはおそらく、誘導のテンポを早めずに情報量を増やす事に成功したからではないかと思っています。
 ニコチン中毒などの例からも解るとおり、人間は情報量が増えるとそれだけで快感を感じる業の深い生き物です。
 トレーニングの「スキ」連呼も、スクリプト考えた時には全然想定していなかった効果がありましたね。
 これはキャッチセールス等でよく使われる「人間は口に出した言葉を引っ込め辛い」って習性が現れてるんじゃないかと思われます。
 擬似ラポール作りたかったんですけどね。




 結局何が言いたかったか解らなくなりましたが、結局言いたい事は2つ。

・催眠音声を作るときは、聞き手が批判的になっている事を意識したほうが言いと思います。
・催眠音声ではラポールの構築は至難なので、人間の習性を利用したアプローチが有効と思われます。



 です。

モドル    .