フロントフォークの強化

99年式W650のフロントフォークはフワフワ、グニャグニャでショボイ!
数年前にフォークオイルをG10→G15にかえて油面も上げてごまかしてきましたがカスタム虫がムラムラ・・・・
1年以上前にヤフオクでフロントフォーク一式を落として放置プレィ
昨年末にヤフオクでワークスのスプリングとイニシャルアジャスターのセットを落としたのを機に重い腰を上げました。
バネレートはノーマルより少し強い感じです。


そもそも99年式フォークのインナーシリンダーは穴が4ヶあいていてダンパーの効きが弱い。
01年式以降は穴を2ヶに減らしてダンパーの効きをupした(らしい?)
で落としたフォーク(01年以降だったはず?)をバラしたら09、00年式だった(穴4ヶ) ヘロヘロ〜
今更01年式インナーを買うのはシャクなのでそのままカスタムに突入。



まずはキャップをはずします。
はずれる際に10mmほど上にポンと飛び出してくるので上から押さえながら
慎重にはずします。














スプリングを抜き取ります。
このときスプリングにオイルが付着したまま上がってきて周囲にタレて
しまうのでウェスで押さえながら抜き取ります。














フォークをひっくり返してオイルを抜き取ります。
結構時間がかかるのでしばし放置。















ダストシールをはずします。
なるべく薄いマイナスドライバーを使って周囲を少しずつ浮かします。
分厚いマイナスドライバーを使うと隙間になかなか入りません。
ある程度浮いてくると一気に取れます。













こんな感じになります。
















底にある8mmのボルトを抜きます。
サービスマニュアルでは専用工具で内側のインナーシリンダーを固定
した後にボルトをはずすとありますが、専用工具なんてありません。
そこでインパクトレンチで一気に回して抜き取る作戦を実行。
が〜通常の8角レンチは長さが足りなくて新たに買うハメになってしまった。
これで左側フォークはなんとかとれました。











が〜 右側のフォークをバラそうとしたらネジが空周り!!!
なんとしても取れない。
専用工具を買うかバイク屋に持ち込むかしばし思案。

はずした方のインナーをじっくり見たらなんとM16のナットがピッタシ入る。
ということは専用工具はT型レンチの先にM16ナットをつけたもの?
だったら作るベ〜
ホームセンターにいったら両端にM16ナットが付いた600mmボルトが360円。
(450mm以上あればOK) 速攻で買ってきてボルトを溶接。
溶接はメチャメチャへたくそなのではみ出した部分をサンダーで削る。
これで専用工具の完成〜。






これでインナーシリンダーの内側に入れて固定したらあっさりととれました。
あ〜 よかった。















付け根のワイヤーをマイナスドライバーでコジってはずします。

その後上の方にコツコツと引っ張るとインナーがスッポンとはずれます。














これがはずしたインナーシリンダー。
左側(フォークの底側)に穴が2ヶ見えます。
反対側にもあいているので計4ヶ。

ずっと01年以降式だと思っていたので大ショック!

買うと12000前後だったはず・・・・

困った場合の常套手段としてこの問題は無かったことにしてしまうことにする。

今回のカスタムの主目的はアウターチューブを磨いてW1風のピカピカ
フォークにすることだった。と無理矢理自分を納得させる。





ほんでもって これがアウターチューブ。
















サンダーに#320番のスポンジディスクをつけて軽く磨いてみたら
表面はザラザラのブツブツ。

このブツブツばなくなるまで#320番で削り込む。
幸いに材料がアルミだったので比較的簡単に削れました。












削り終わってから軽くバフを掛けてみました。
左がバフ前、右がバフ後。
画像だとピカピカに光って見えますが#320の研磨痕が残っています。

更に#600番、#1000番で研磨することにしました。












次に右側のアウターを研磨しようとして またまたガビ〜ン!

ディスクブレーキ用の取り付け部分が出っ張っていてサンダーが入らない!














急遽サンドブラスターで塗装を落とすことに変更。

エアコンプレッサがパワー不足で連続使用が出来ない。
圧力回復を待って休み休み落とすことに・・・・

3相200Vのハイパワーコンプレッサーが欲しい〜
誰か余っている人がいたらチョーダイ。










デコボコ部分をメインに塗装を落としました。
灰色にくすんでいますが なかなかいい感じ。
ガラスビーズで仕上げたら これはこれで いいかも・・・
でももう一本のアウターをバフ掛けしてしまったので泣く泣く
サンダーで研磨することになりました。
へこみ部分は組み立てれば見えなくなるので見える部分を中心に研磨。












#1000番研磨後とバフ掛け後
バフ掛けした方は周囲が写り込んでいます。
ウレシイ〜♪

でも夢はここでオシマイ。












夢から覚めれば現実に戻るのは世の常。
再度インナーの問題に直面することに・・・・















インナーの穴をマジマジ見つめること暫し・・・

まず上の穴を埋めるか下の穴を埋めるか検討
フォークのストロークは115mmなのでそれを踏まえて採寸したら
上の穴は隠れてしまい下穴ぎりぎりまで沈むことが判明。
よって下穴を塞ぐと上の穴が隠れた時点でオイルの流れる穴がなくなり
そこで止まってしまう。
その結果ストロークは105mmになってしまう。
上穴を塞げばその心配はなくストローク115mmのままになるので上穴を塞ぐことに決定!





次にどうやって埋めるかいろいろ考えた結果
1.鉄片を溶接する。(溶接の腕がない。ド下手)
2.リベットで埋める。(フォークが沈み込む時に相当な圧力が発生すると思われ強度的に不安。ホントはリベッターを持ってない)
3.金属棒を貫通させて両端をカシめる。
4.同半田付けする。

(3)なら貫通しているため両端から圧力がかかってもバランスするため棒は動かず、カシメ部にも力がかからない?
これに決定。カシメた後に半田付けして完全に隙間を塞ぐことにしました。
棒材は鉄、真鍮、銅で悩んだ末、加工性から銅に決定。



まずは上側の穴をザグって広げます

















ザグった後バリを取るためにエッジ部をヤスリでコリコリと削る。
















5Φの銅棒を20mmに切断して真ん中に2Φの穴を少しだけあける。
これはカシめる際にセンターが出やすくするため。















インナーに入れた後ポンチでコツコツと叩いてカシめていきます。
両側を交互に叩きながら穴になじませます。

カシめ終わったらはみ出した部分がないかチェックしてはみ出し部分は
ルーターで削り落とします。












最後はハンダ付けです。
パーツクリーナーで完全に脱脂してから
フラックスを塗ってからバーバーで炙ります。
充分加熱したら周辺からそっとハンダを流し込んで隙間を埋めます。
冷えたら完成〜!! なかなかいい感じに仕上がってる(自己満足)
インナーの内径は約16φそこを5φの棒が塞ぐので断面積はかなり減少。結果として01年型以降のダンパーより強力になったはず?
これで各パーツの加工は終了。







2008.01..20 作業



今日は変更前→変更後の諸元の変化を調べました。
まずはカラー 99年式のカラーは100mm
kawasaki_HPのパーツリストでは115mmと書いてありますがウソです。
これをイニシャルアジャスターに交換したらどうなるか比べてみました。
イニシャルアジャスターを思い切り押し込んだ状態で殆ど同じ長さです。
ということは01年以降と同じ115mmにしようとしたらカラーを15mm追加しないといけない?
まあいいか。









次にスプリングの比較
ノーマル 長さ405mm バネ径3Φ  巻数30
変更後  長さ405mm バネ径3.2Φ 巻数28

バネレート調査。測定器がないのでかなりいい加減な方法。
スプリングに4kgのおもりをつけて縮み量を計りました。
ノーマルは6mm動いたため0.66kg/mmと推定
変更後は5mm弱動いたため0.75〜0.8kg/mmと推定
若強くなったような気がしますが測定方法がいい加減なため信憑性は低い?




















最後にサビ防止&部品紛失を防ぐため仮組み立てしてお終い。
ピカピカになってウレシイ〜

























次はアウターチューブのクリア塗装(サビを防ぐため)と組み立ての予定。なんですが・・・・
気温が低くて塗装が出来ない。
よって暖かくなる頃まで作業中断。 インプレも春までお預けです。

本来ならここで完成予定が 一時の気の迷い(?)で塗装を剥がしてしまったため終わらなくなってしまった。
と言うわけで 春先に続く・・・・・・・・

------------------------------------------------------------------------------------------------------------

'08.08.25 追記
更新をすっかり忘れてました。とりあえず続きです


その前にフォークブーツの塗装。
以前から染めQを使ってみたいと思っていましたがなかなか機会がなかった。
今回丁度いい機会なので試してみました。

ますは中性洗剤に一週間浸して汚れを落とした後 → 乾燥 → 吊し



















塗装前 フラッシュの影響で白く見えますが
実物はそこまで白くはありません。



















染めQ(黒)で塗装後

真っ黒に仕上がりました。
ちょっとツヤがありすぎですが愛嬌ということで・・・

一回で厚く塗装するより

パラパラッと薄く塗装し、乾燥後重ね塗りを繰り返す方が
いいみたいです。












染めQ塗装前と塗装後の比較

月とスッポン(古い!)ほど違います。
パッと見には新品に近い!

これはおすすめです。














で〜 本題に戻ってアウターの塗装です。
前回バフ掛けした物を脱脂をかねて洗浄します。
バフ研磨材は油分を含んでいるので落とさないと塗料の
乗りが悪くなりそう。
カーボン除去剤があればいいのでしょうが そんな物はない。
よってマジックリンにどぶ浸け
バケツに放り込むこと一昼夜

予備のヘッドライトケースも今回ついでに塗装することとし
ドブ浸け

その後 水洗いして乾燥








いよいよ塗装

ミッチャクロンを40℃程度に暖めます。
暖めると格段に乗りが良くなります。

















 ← 必需品です。

さらに塗装時は帽子をかぶり、
顔等露出部はニベアを塗り保護します。

以前 ウレタン塗料を防護なしで塗装したら
顔が日焼け状態になって一週間ほど皮がむけました。

屋外で風に吹かれながら塗装するなら大丈夫そう(多分?)
塗装ブース内は密閉状態に近い(隙間だらけだけど・・・)










アウターを吊してミッチャクロンを2回塗装




















2液性ウレタンクリアを調合



















混ぜ混ぜする

この後塗装なのですが
塗装ブース内は塗料の霧が充満していて
撮影できないので割愛

3回重ね塗りしました。














旋回作り直した乾燥箱(?)に入れて乾燥開始



















規定通りに70℃に設定

このまま2時間ほど乾燥。

化学屋さんに聞くと 塗料は毛糸を短く切ったような
ものらしい。
それを高温で焼き付けると毛糸の表面のケバケバ
同士がくっついて強固な膜を形成する。
これを架橋と呼ぶ(?)
常温硬化だと結合せず単に絡み合ったまま固まるらしい。

よってウレタンの場合は70℃で架橋するので楽です。
(ラッカー系は120℃なので専用炉が必要)








いよいよ組み立て

塗装を完了したアウターにインナー類を入れていきます。


















これはオイルシールプッシャー
オイルシールを均等に打ち込むために必要です。


















単に上からコツコツたたくだけ



















割ピンを止めて出来上がりです。



















垂直に保持するところがなかったので
壁にガムテープで固定。

実際には1本毎に固定し、垂直を出します。(おおむね・・・)

















フォークオイル注入
今回もチョト固めにG15番を使用

 ←は油面を調整するために治具

百均のステンレスパイプにビニールテープで
マーキングします。
それをフォークの上部につっこんで注射器で
余分なオイルを吸い出す












キャップを付けて ブーツを履かせて・・・・
フロントフォークの完成です〜〜〜


















で〜もって〜 W650 に装着・・・・  (出来なかった)
このアウターは02年式 オラのW650は99年式 アクスルシャフトの径が違う!!!!! (再び ドッヒェ〜!)

でもってアクスルシャフト一式購入(カラー含む)

またまた ドッヒェー でフロントハブに入らない

対策案1 フロントハブ交換
  案2  フロントハブはそのままでベアリンブだけ02年式アクスルシャフトと同径に交換 (周辺を削る必要あり)
  案3  99年式アウターを入手する

ということで またまたしばし中断 (幸いに99年式アウターは入手したけど 銀ピカにスルのが面倒くさい)

よってもって この項 またまた続く・・・・・・