本日のBGMはROUAGEの『SINGLE COLLECTION』。
彼らにハマったのはデビュー時だったが、ルックスではなく音で気に入ったのが幸い。
おかげで彼らがいわゆる脱ヴィジュアル路線を辿ってからも、べつに嫌いになってない。
音の方向性もずいぶん変わった気はするけれど、根本的なとこって案外変わってない気がして、だからたぶん嫌いにならないんだろうと思う。
ちなみに、俺はべつに彼らを特別に大好きなわけではない。なんとなく、けどずうっと、好きなのだな。
彼らと同じく「なんとなく好き」なミュージシャンはいっぱいいる。「なんとなく」だからこそなのかな、よっぽどの駄作でも提示されない限り、嫌いになることはない。
その中でもROUAGEはなーぜーか、これ以上好きにならないけど嫌いにもならない方々。なんでかは不明。考えたことないなぁ…う〜ん…。
それから本日は、某コンビニ限定販売だったGacktのビデオをようやくゲット。予約してたんだが、受け渡しが先月末からだったのをコロッと忘れてて、今日になった。
ざざっと見たが…いや、楽しそうだな、Gackt。
やっぱ楽しい方がいいやね、悲壮感漂ってるよりね。人生楽しくいこう。
とりあえず俺は音楽聴いてられれば楽しいから、今んとこ幸せだね。うん。
<本日の戦利品>
・Gackt『CONCERT TOUR MARS〜空からの訪問者〜軌跡』〔V〕
弐〇〇〇年八月五日(土)
本日は親父の居ぬ間におかんとバカンス(笑)。美術館を二つ見に行ったなり。
遠出になるのはわかってたので、前夜からドライビング・ミュージックを用意。
選んだのはなぜかFANATIC◇CRISISの『THE.LOST.INNOCENT』だった。
彼らはインディーズ中期くらいからかな、聴いてる。これまた「なんとなく好き」な人たち。
特に好きなポイントが、ボーカル石月努の声。子供の頃に声楽やった声っぽくて好き。他にはGacktとかex.MASCHERAのMICHIさん。俺は努もこのグループに入れる。
なんせ声の響きがいい! 抜けがいいと言おうか?
ギターなんかでもよく言うやね、「抜けのいい音」って。まさにあれ。
うちの車のカーステはボロな上にテープしか聴けないしスピーカーも相当メケメケなのだが、そんな中でもちゃんと聴こえる努の声。改めて惚れちゃうね。
同乗したうちのおかんも、努の声は認めていた。おかんはママさんコーラスなんぞやってるので発声にはうるさいんだが、そのおかんが「いい声してるね」と褒めていた。
いい声のお唄歌いさんがいるバンドは、曲がつまんなくても音がショボくても良しとしてしまうのね、俺様。悪い癖だとは思うんだが、その「いい声」が聴ければそれでいいんだから、いいんである。かなり無理矢理な自己正当化。
昨日のROUAGEもそうだが、好きになるきっかけはたいてい「歌」なのだ。
「歌」が「歌」になってれば、それでいい。「唄」でもいい。だからZI:KILLとかも好きだしねぇ。
なにかしら「…ん?」って引っかかるものがあれば、それでもう好きになってる浮気モノ。
……いいじゃん、「好き」の範囲が広いだけなんだからさ。
本日は、名古屋づいてた前日までと変えようと思い立って、選んだのがLUNA SEAだった。なんとなく『LUNACY』。発売当初、友人相手に「なんか印象が変」と評したアルバム。
なにがどう変なんかっつーと、なんかが、としか言えないが。やりたいことがいっぱいいっぱいとっちらかってて、アルバムとしての印象が定まらんといったところか。
クオリティの高さや楽曲の独自性なんかについては文句なく「いい作品」なんだが、どうにもこうにもJさんの曲が浮いててなぁ…バカハードロッカーだからねぇ、あの人…。
とか言いつつ、結局Jさんの曲好きだったりするんだけど。
『LUNACY』ではSUGIZOの曲も面白いのが多くていいやね。「FEEL」好き。
そうそう、俺様さっき「バカ」なる単語を使ったが、音楽野郎に使う場合のみ、これは褒め言葉である。もう俺としては最高級の讃辞を送ってるつもりなのよ、これで。
「バカ」になれるって最高じゃん? 理性働かせて落ち着いちまっても誰も文句言わねぇだろうにさ、あえて「バカ」やれるくらい音楽にのめり込んでる連中を、俺は敬意と好意を込めて「音楽バカ」って言ってやる。
これは、日記開始以来まだ当たってないGARGOYLEの牙様のお言葉参照。
「眉間にシワ寄ってる人はそれ伸ばして楽しい顔しよう!
ついでに脳ミソのシワも伸ばして、みんなバカになろう!」
一九九八年十二月十八日、新潟CLUB JUNK BOXにて。
いい言葉だ。俺の座右の銘。長いけど。
それをライヴのステージで言えてしまう牙様も、周りで笑ってたメンバーも、その言葉に煽られる客も、みんな見事にバカだったのよ。
いや、音楽でバカになれる、音楽にバカになれるって素晴らしいと思うのよ、マジで。
……って書いてたらがぁごさん聴きたくなってきた…よし、CD変えよう。
弐〇〇〇年八月七日(月)
昨夜聴きたくなった衝動のままにGARGOYLEである。
選んだのはメジャーのベスト盤『borderless』。好きなのよ、これ。
彼らの場合、アルバムをどれか一枚聴こうと思うと選択肢が多くて困る。
インディーズのベスト盤『異人伝』もいいんだが、コンセプトがかなりはっきりしてるインディーズ三部作+αだから…うまく言えないが印象が偏ってるとでも言おうか?
それに対して『borderless』。バラエティに富んだ三枚のアルバムからのセレクトなので、問答無用で面白い。
がぁごさんをちゃんと聴いたのは大学入学後だから、彼らが四人から五人編成になった時も、『natural』で打ち込みを導入した時も、リアルタイムでは聴いてない。それぞれの当時はやっぱり賛否両論あったとかなかったとかって話はなんとなく知ってるが。
でも、『borderless』聴くと、そういった変化も含めてやっぱりがぁごさんだと実感できる。
なぜだか大好きな「カタルシス」、ライヴで当たったことのある「あめえば らいふ」、俺もこうあれたらなって思う「雨ニモ負ケズ」、そしてライヴで見た時思わず本気で泣きかけた「約束の地で」。
そんな曲たちが詰まったこのベスト盤、大好きなのである。
今年は今までの傾向からいくと「LIGHTNING &
THUNDER」があるはずだが…。
久しぶりに行こうかな、がぁごさん。そんで、こんな俺でも六人目としてこの世に存在できることを確認して、またがぁごさんに会える日まで元気でいようって思えるように…行ってこよう。そうだ、そうしよう。うん。
弐〇〇〇年八月八日(火)
昨日に引き続きがぁごさんである。今日は思うところあって『我意在〜GAIA〜』である。
なにを思ったかっつぅと、俺様ここんとこ微妙にへこんでるからである。
もちろん、凄まじいへこみ方をすることだってあるし、今回はそこまでひどくないんだが…たぶん夏のせいだ。
で。そんな状況でなにゆえ『我意在〜GAIA〜』かつぅと、このアルバム、非常に強いからである。強いものにはもう問答無用で「ごめんなさい」したくなっちゃう。そのくらいこのアルバムは強い。
けど、あくまでも人間的な強さだから、嫌味にも綺麗事にもならない。そこポイント。
いや、歌詞だけ見たら綺麗事なのもあるよ。「若草の君」「やがてひかる」「散美歌」「匣」辺りそうだと思う。
だがしかし。ここで注目したいのがブックレットの「若草の君」の歌詞が載ってるページ。
ここにだけ、「若草の君」にサブタイトルがついてる。
「あの頃の私と現在の貴方へ」
このアルバムが出た一九九八年夏、俺様かなり人生なるものについて悩んでた。
で、その夏にがぁごさんのライヴ初参加。で、一曲目にこれがきて、マジで泣きそうになったのを覚えてる。
強いし、ある意味綺麗事なんだけど、でもサブタイトルがね、刺さるのよ。
牙様もこんなふうに思ってた時期がある、一人の人間なんだ。そう思える。
だから、そういうふうに思ってた時期を乗り越えて、今こうやって唄ってる牙様の唄というものは、嫌味にも綺麗事にもならずにちゃんと届いてくるのだ。たぶんそういうことなんだろうと思うのだ。
このアルバムから、牙様の言葉がすごく自分の中に、あるものは刺さりあるものは染み渡ってくるようになった。
牙様だって人間だよ。俺も人間だよ。だからちゃんと染み込んでくるんだろうね。うん。
……やっぱライヴ行きてぇ…「baby cat」とか「人の為」とかで踊りてぇ…マジ行くか、十月。
<本日の戦利品>
・DEAD END『shámbara』〔AL〕
・FANATIC◇CRISIS『Behind』
・FANATIC◇CRISIS『DEFECT LOVER COMPLEX』
弐〇〇〇年八月九日(水)
本日は朝っぱらからDEAD ENDである。ネタは昨日の戦利品と、その前に買ったベスト盤『ALL IN ONE』。
実は昨日DEAD ENDを買った時に、その店の店長がDEAD
ENDファンであることが発覚(笑)。ボーカルのMORRIEのソロのビデオを持ってることを話したら、
「う〜わぁ! まぁじっすかぁ! 貸してくださいよ〜!」と騒がれた(爆笑)。
代わりにDEAD ENDのビデオを貸してもらう約束をしたんだが…なんだかな。いいけどさ。
というわけで本日はDEAD ENDである。
いろんなバンドのインタビューなんか読んでて、そこかしこでぶち当たってきた名前である。
当然のことのように気にはなっていたのだが、初めてちゃんと聴いたのは去年の秋くらいだろうか? 友人その一から『ZERO』を借りたのが最初である。
その前にたまたま中古でMORRIEのソロアルバム『ignorance』も入手しており、MORRIEの声にハマっていたので、『ZERO』を借りた時点でDEAD
ENDにもしっかりハマる。
が、いかんせん……DEAD END古いんだよな。大半のCD屋がとっくの昔に置かなくなってる。俺が買いに行った店だけは、ぞろっと並んでるんだが(笑)。
それはね、チェーンじゃない個人営業の店のね、店長の趣味っつーもんで(笑)。だから、他では見られない光景なわけだ。
いや、もったいないね、マジで。今の高校生とか知らねぇだろ、こういうの。
音のクオリティといい、アレンジといい、素晴らしいというのにさぁ……いやもったいねぇ。
勉強のために聴くだけでも価値あるって、これ。つぅか、この時代の方々みんな。上手いもん、基本的に。
だいたい、機材とか今ほど発達してないはずの時代にこんだけの音出せたのに、今の若いのってなんで機材にばっか頼って基礎テク積むのを怠るかね? だからヤなんだ、若いの。
「じゃあなんでF◇C買うんだ!」とか言われそうだが、あれはいいの。声が目当てだから。
楽器隊には正直あんま期待してないのよ。ヘタではないけど壮絶に上手いわけでもないし。
DEAD ENDみたく勉強になるバンドに限って、廃盤になってたりするんだよねぇ…あぁ、もったいねぇ…。
もったいないおばけが出てきそうな雰囲気を背負いつつ、聴き浸る。
『shámbara』のラスト手前、「Heaven」がお気に入り。アジア系の雰囲気を持つ曲には弱いらしいよ、俺様。
弐〇〇〇年八月十日(木)
本日、なぜか幸せになりたかったらしく、終日kyoちゃんの『strip』に聴き浸る。
前夜から一曲目の「My Dear」が頭の中で回ってたのだ。幸せな曲。幸せになろうねって思える曲。
なんでだかわからんが、このアルバムのkyoちゃんは、幸せモード全開に思える。
そんなはずはないんだが…DIE IN CRIES解散した後だったしねぇ…。
でもね、「My Dear」とラストの「Love of my life,Let's get together」はね、幸せの曲なの。
あ、当然のことだが「俺の中では」っていう限定付き。当たり前だ。こう思わない人もいて当然だしな。
俺の中では幸せの曲。DIE IN CRIESの「I Wish You'll be Happy」と並んで、幸せの曲。
幸せになりたいと思ってるわけじゃないのだ。
いや、不幸せになりたいとは思わんが、それは常に幸せでいたいというのとは少し違うわけで。
日々、ちまっちゃくていいからなんかしらの幸せがあったらいいなぁっていう、そのくらいの「幸せでいたい」なのだ。『strip』には、そのくらいの「幸せ」が詰まってる感じがする。
だから、なんとなく塞ぎ気味だったり疲れ溜まったりしてる時に、なんとなく聴きたくなる。
kyoちゃんの他のアルバムはちょっとまた違うのだ。このアルバムじゃないと、幸せ度はアップしない。
例えばの話、hideちゃんの遺作『Ja.Zoo』より発売が後になった『ZOO』じゃあ、幸せにはなれんのだ。
不幸せになるわけじゃなくて、なんとなくどことなくなんだけど、悲壮感に裏打ちされた強さを感じる。
哀しみを乗り越えた者の持つ強さと言ったらいいだろうか? そんなもの。が、詰まったアルバム。
それで幸せ度がアップするっていう人がいたら、是非一度話してみたいもんだ。
嫌味じゃなくて、どういう感覚なのか聞いてみたい。俺とは違う感覚だろうから、どんなもんかな、と。
今日は朝から何回も何回も「My Dear」と「Love of
my life,Let's get together」を唄い続けて、少し喉を潰しかけた代わりに、だいぶ幸せな気分になれた。
明日はなにを聴こうかねぇ?
弐〇〇〇年八月十一日(金)
前日ささやかな幸せに浸ってたっつぅのに、なぜか今日は雫...である。いや好きだったのよ、彼ら。
選んだのは『戦争を知らない大人達 〜END OF THE
Lost Age〜 Second Image』と『夢を忘れた遺伝子』。
前者はインディーズ盤とメジャー盤の両方を持っているが、今日のはメジャー盤。
彼らは結成当初から「終末観」をバンドコンセプトにしてたことで有名だった。
終末ったって幅は広いが、彼らはストレートに戦争による世界の終わりにまず着手してた。
そういうことするとネタ切れ早いぞ〜と思ってたら、途中でガッと幅が広くなった。
これはいい、先が楽しみだ! なんて思ってたら、メジャーに出るかどうかでメンバー間で意見が分かれたとかで、解散。正確には活動休止だったか停止だったか…なんせ復活はまずないだろう。もったいないことだ。
雫...のボーカルのMITSURUさんは、どっちかっつったら「歌」ではなく「唄」の人だと思う。
だから好きなんだろうな。決して上手くはないけど、伝えたい届かせたいって想いが強い感じ。
加えて音がね、いいのよこのバンドは。ベースぶいぶいいってて、ギターの音軽くなくて。
彼らが浮上してきた時代はいわゆる名古屋系の全盛期。ちゃりちゃりしたギターと絵に描いたような黒服と白塗り寸前メイクとおどろおどろした雰囲気が特徴の、あれ。
初期なんてみんなインディーズの頃の黒夢まんまって感じで、しかも音ちゃりちゃりしてて(笑)。そう、名古屋系の元祖は黒夢だったからねぇ。そりゃ真似すらぁな、みんな。
ところが雫...。超初期こそそういう色もあったものの、すぐに独立系統に走った。
『夢を〜』の頃なんて特に、凄まじいことこの上ない。ギターの音がずしっとした感じになった。良いのだ。
そういう「軽くない」「個性的な」音には基本的に弱い俺様、傾かぬはずがない。
好きだった、ほんとに好きだった。過去形じゃないけど。今でも好きだけど。
そういうバンドは他にもいる。大半は、CDとビデオと、あとはメディアでしか知らない。
ライヴを見に行く機会に恵まれなかったところは凄く多い。解散してから知ったバンドだって多い。
雫...は、頑張れば一度だけ見に行く機会はあった。当日券に期待して行けばよかったと、今でも思う。
行って、「なんだこの程度か」と思う結果になってもいい。行かなきゃ判断できないんだから。
とか言う割には、俺はライヴにはあんま行ってない。最近は見たいと思うバンドが少ないってのもあるが、ライヴは行きたい。だが、金がない。
三枚のCDを買うのを我慢して一バンドのライヴに行くよりは、CD三枚を選ぶ人間だから、しょうがねぇっちゃしょうがねぇんだが。ま、自業自得だやね。ちょっと愚痴ってみた。
弐〇〇〇年八月十二日(土)
本日より三日間、旅先につき、カーステ用のテープ一本と手持ちのMD十四枚で過ごさねばならぬ。つらい。せめてもの救いはこの三日間に俺好みの新譜が出ないこと。
こないだテープに落としたF◇Cは行方不明。急遽LUNA
SEAの『LUNACY』を落とす。
しかし百二十分テープ。片面で終わる。同じのをもう一回入れるのも芸がないかと思い、ちょうど聴きたいと思ってたTHE
TRANSFORMERをダビング。
『感情漂流』は凄く好きだが、今年四月と七月に出たマキシが良かったのでマキシのカップリング集にした。欲張ってタイトル曲も入れたら、最新マキシの『水の中の小さな太陽』が入らんかったんだが(泣)。
というわけで、テープB面の曲たち。
1 | Nothing to lose(Live) | 7 | 黒いビルと滲んだ空 |
2 | 錆びた雨(Live) | 8 | クルッタキセツ |
3 | 物憂げなMonday(Live) | 9 | 八月の残像 |
4 | 背徳のMelody(Live) | 10 | あるがままに |
5 | 限界の一秒前に | 11 | 真実の色彩 |
6 | Butterfly | 12 | Clay |
1〜4、最高&最強&最凶。普通ライヴテイクっつったらPA録りじゃねぇの!?
違うんだもん。外音なんだもん。したがって、凶悪なまでの歪み具合。
THE TRANSFORMERはデビュー前から「爆音故にライヴハウス泣かせなバンド」だったらしい。
今年六月に、音の良さには定評のある新潟CLUB
JUNK BOXにて彼らのライヴを見たが、実際問題すごかった。同じ会場でGARGOYLEを見た時はなんともなかった俺様の耳、崩壊。そのくらい爆音。
このところ、行きたいライヴは少ねぇわ、行きたいのは遠くて行けないわで、禁断症状出てるので、よけいにTHE TRANSFORMER聴きたかったのかもしれない。久しぶりに聴いたライヴテイク、やっぱいい。
しかし。移動の車中でこれかけてたら、同乗のおかんがぽつり。
「この曲、こないだストリートでやってた子、いたよ。ヘタだったけど」
どうやら「錆びた雨」だったらしい。
ふざけんなー! 爆音でやるからいいんじゃ、THE
TRANSFORMERはー!
それも上手いなら許せるが、ヘタだとー!? 腹立つ。
俺さ、一回やってみたいんだよね。ストリートで演ってるヘタなヤツの真正面に陣取って、歌唱指導(爆笑)。もしくはギターのチューニング。
嫌味だよ、もちろん。マジでやっていい?
弐〇〇〇年八月十三日(日)
本日は爆眠の日につき、音楽はほとんど聴いてない。珍しいこともあるもんだ。
唯一聴いてたのは、物議を醸し出したLUNA SEAの今年五月の武道館ライヴの曲順通りに編集したMD。
俺様はライヴが好きである。ただ、金が飛ぶのであんま行かない。
幾つものファンクラブを掛け持ちし、ツアーとなれば三分の二は参加し、グッズを端から買い漁り、さらにファンクラブに入ってないミュージシャンのCDやビデオもたくさん買い、普段のお洒落も手を抜かん。
そんなお姉さん方が世の中にはけっこういそうな気がするのは俺だけか?
そういう人を非難する気は一切ない。どうぞ存分に楽しんでくれと暖かく見守ってる。度を越した追っかけだけは反対するが。
ただ俺には真似できんな、と思うし、したいとも思わない。だから前述のようなお姉さん方の中でもし、「ここまでやんなきゃファンじゃない」なんて思う人がいるなら(ほとんどいないとは思うが)、こんなヤツもいるんだ、くらいに思ってもらえたら嬉しい。俺はこんなヤツである。
ちょっと話を戻して、ライヴに行かないもう一つの理由。音響。PAである。
音にもの凄いこだわりを持ってるミュージシャンのライヴを、音楽向きじゃない会場で見ることに、俺はもの凄く抵抗がある。例えば、スタジアムとか総合体育館とか、そういうとこ。
実例を挙げれば、昨年五月のLUNA SEAの野外。入場無制限だったにも関わらず、行かなかった。音が悪いのは明白。だから、行かなかった。もちろん金銭的な問題もあったがな。
あれだけ音にこだわるバンドのライヴ。どうせなら音向きに作られたホールがいい。
ホントはアリーナクラスさえ好きじゃない。行ったことないのに食わず嫌いで行きたくないっつってるだけなんだが、嫌なもんは嫌だ。
スタンディングの会場だって、音が悪いとこは嫌だ。
一昨年の「LIGHTNING & THUNDER」、新潟PHASEにて参加した。ここは音楽向きじゃない多目的ホール。L'luviaとかDearとかROUAGEが出たイベントと、L'Arc〜en〜Cielのワンマンも、過去ここで見た。
三回全部、音響最悪。音楽が騒音にしかならない。知ってるはずなのにどの曲演ってるかわからない。
だからこそ、音の良さに定評のある会場で、音の悪いライヴしかできない連中は、二度と見たくない。いるんだ、そういうの。インディーズは特に。しかもいっぱい。嫌だね〜。
対して六月に見たTHE TRANSFORMER。音は良いのだ。もの凄く良いのだ。
ただ、音がバカでかいのだ。そりゃあ、ライヴハウス泣かせって言われるわなぁ…。
ああいうのには闘争心を煽られる俺様。「あんたらの音でもバカにならんくらい耳鍛えてやるー!」と思った。
でも、ツアー追っかけとかはやんない。その間、そのミュージシャンだけに染まる生活は、俺にはできん。
話題ふりだし。エンドレス・リピート。そんな俺様、それでもやっぱりライヴは好きなんである。むぅ……。
弐〇〇〇年八月十四日(月)
本日帰宅。旅先に持っていき損なったTHE TRANSFORMERのマキシ『水の中の小さな太陽』を、帰宅早々ヘビーローテーション。聴きたかったんだってば。好きなんだってば。
どうでもいいが、うちの車はボロである。カーステがテープとラジオのみって辺りからもわかるだろうが、とにかくボロい。スピーカーが時折、爆音ノイズだけを残してフェイドアウトする。冗談じゃない。
今日はまた、やたらめった機嫌が悪かった。一般道を時速四十キロで走ってても聴こえない。
おかげで『LUNACY』もTHE TRANSFORMERも、ロクに聴けたもんじゃない。凄いのだ、マジで。
そんな凶悪な音環境でも、うちのおかんはちゃんとボーカルを聴き分ける。
いい声のお歌唄いさんのをかけてると、けっこう喜んだりもする。ちなみに親父ではこうはいかん。
おかんと二人旅だったため、BGMには不自由しなかった。いや、スピーカーの機嫌の悪さには困ったが。
好きなミュージシャンの音をドライビング・ミュージックに、高速を時速百キロちょうどでたりたり走る。
楽しい。
車の免許取ったばっかなので、まだまだ運転には気を遣うが、BGMかけとくだけで楽しい。
しかも一緒になって歌っちまったりすると、もう楽しくて仕方ない。
隣でおかんが寝てようがなんだろうがお構いなしに、でもちょっと小声で歌ってたりする。
すると、眠くならん。いや、ちょっとはなるけど。壮絶に眠くはならん。楽しいのだ。
バイクで流してる時は、それはそれで楽しい。
誰にも聴こえないのをいいことに、独りで悦に入って朗々と歌っちまったりできる。楽しい。
だが、欠点が一つ。その時に思い浮かんだ曲しか歌えない(爆笑)。
いろんなのを歌いたくても、ギターソロの時とか歌詞が出てこない時とか、困ることは多い。
車だとその点に関しては楽だな。ただ運転に不慣れな分、カーステのスイッチを操作するのは一大事なんだが。
そろそろ天寿を全うしつつあるうちの車。買い替えは来年になるらしい。
その時はカーステ、MD聴けるのにしてくれと、親父にはすでに頼んである。来年が楽しみだ。気ぃ早いけど。
終戦記念日になんでしょね? 本日はTM NETWORKでございます。TMNではなく。
選んだのは『CAROL』と『DRESS』。「COME ON LET'S DANCE」聴きたくてさ。
いや、なんとなくなんだけどね。考えてみたら、邦楽ポップス・ロックで一番最初にハマったのがTMだった。原点回帰なんざする気もないが、それでもね。なんとなく戻りたくなる時ってあるもんで。
TMは元々、我が兄が中学の時にすぽっとハマったのが最初だった。影響受けまくりな俺様、兄の後に続く。
んで、その後B'z、accessと順当にそっち路線へ流れていたのが、俺だけ急にXに転んだっていう。
そんな経路の大元がここだった。やっぱ懐かしい。
それにしても小室哲哉、やはり恐るべし。『CAROL』なんて十二年前だぜ? すっげぇいい音なのに。
十二年も前に、小室はすでにこれだけのことをやらかしてた。信じられん。
ついでに、XのYOSHIKIとのユニットV2。あれも凄かった。今で言うミクスチャーの走り?
ハードロックと打ち込みの融合。見事なモンである。これだって八年前。
小室は凄い。それは認める。
だが気に入らんのはTMN終了宣言前後から、女の子ばっかプロデュースすること。
生半可な女じゃダメなのだ、小室の音は。いや、男でもだけど。
ちゃんと「自分の唄」を歌える人じゃないと、小室の音は我が強いから、小室カラーにしかならんのだ。
その点、宇都宮隆。誰のどんな曲を歌っても、ちゃんと「宇都宮隆の唄」である。だから好きなんだよ。この人がいるから、TMはTMたりえるんだろうなと思う。無論、木根氏も同様。小室もそう。
特にアイドルやヴィジュアル系バンドのファンに多いように思うんだが、こういう人、いないだろうか?
「私は○○(グループ名)の△△(メンバー名)が好き!」と公言してる人。
あれは好きじゃない。俺もそういうことを言う時があるけれど、それはそのメンバーの性格とかルックスのみの話であって、その人がいれば他のメンバーはいなくてもいいとか、そんなことは絶対に言わない。
メンバー全員が揃わなきゃ、そのグループの音にならんのだからさ。TMなら三人いなきゃダメなんだからさ。
「○○が好き」って言葉は、俺にとっては「○○のメンバー全員好き」ってのとほぼ同義語である。
だから、メンバーチェンジなんかあっても、そのグループの音が俺の好みから大きく外れてしまわない限り、俺はそのままファンでいる。前の人の音も新しい人の音も、ちゃんと受け止めてるつもり。
「△△が抜けたからファンやめる!」なんて言っちゃえる人は、そのグループの音をどう受け止めてるのか?
一度聞いてみたいもんである。
メンバーチェンジと言えば、CRAZE。メジャーデビューからカウントして、ボーカルこれで四人目か。
新しいボーカル祐の唄は好きだ。ZI:KILLもソロもTHE
SLUT BANKSも好きだ。早く音源出してほしいね。
前夜にCRAZEのことを書いて、なぜだかD'ERLANGERを聴きたくなった。
今日はCDトレイ三枚フル活用して、全部D'ERLANGER。『LA
VIE EN ROSE』以外の三枚エンドレス。
夕方からは本日の戦利品もちょこっと混ざる。THE
DEAD P☆P STARS好きなのよ。
作る曲と弾いてるラインとついでにルックスも好きなベースのSeigoさん、脱退しちゃったけどね。でもバンドは相変わらず好き。
話は戻ってD'ERLANGER。大好きである。特にライヴ盤の二枚目の「1999〜SHY BOY STORY〜」。JIMMYさんゲスト参加。これはもう師弟対決だからね。大好き。
このギタリスト師弟、弟子は四年前の冬にCRAZEでボーカルRODさんの頃に一度、師匠は昨年三月と八月にφで二度、それぞれ生で見ている。
どっちも凄いね、やっぱ。バンドの音楽性とかは違うけど、凄いもんは凄い。
なんせ、ヘタすっとボーカル喰っちゃうからね、この師弟。もちろんボーカルもタダじゃ喰われんが。
そう。バッキング部隊に喰われちまうボーカルは、俺は問答無用で嫌い。意味ないじゃん。
歌が上手いだけじゃなくて、存在感で他のメンバーを圧倒できるようなボーカルが好き。
他のメンバーも、ただ黙って引き立て役に落ち着いてるんじゃなくて、対抗してるのが好き。
そういう緊張感、緊迫感。それが強いロックがいい。だから生温いポップスじゃ足りないのか、俺。
売れ線なだけのポップスよりも、自分の主義主張ありったけの想いを詰め込んだロックが好き。
不器用でもいい。賛否両論分かれたって全然OK。それでも我が道を突き進むヤツ。これが俺は好きなのだ。
特に三十代以上の人が我が道を行くのは大好きだ。その歳なら落ち着いてカド取れても不思議じゃないのに、歳取るに連れて落ち着きのなくなっていくロックバカ。大好きだね。たまんないね。
考えてみたら、LUNA SEAも今年で全員三十代突入だし、CRAZEはとっくにそうなってるし、まだ他にもたくさんそういう人たちがいて、我が道を行くべく曲作ってたりするんだよな。
これだからやめらんないんだよね、音楽バカ。
演ってる人たちもバカだし、俺もバカ。いや、音楽バカ万歳。
<本日の戦利品>
・V.A.『Anarchist Records U 〜すべてのFamiryに捧ぐ〜』
弐〇〇〇年八月十七日(木)
本日は杏子姐さんである。我が心の姉御様。中山加奈子姐さんと並ぶろけんろーらーな姐さん。
選んだのは『TOKYO DEEP LONDON HIGH』とベスト盤『MEMORY
LANE』。
特に『MEMORY〜』におまけでついてるシングルが良い! 非常に良い。
シンディー・ローパーの「Time After Time」を山崎まさよしとカバーしてるんだが、絶品。
大好きである。めちゃくちゃかっこいい。
美形な男と、かっこつけが似合う男には基本的に弱いが、それよりもっとずっと、かっこよくてかつ色気のあるおねいさんには弱い。めちゃくちゃ弱い。
そんな俺様が最も弱い女性シンガー。杏子姐さん。いやかっこいい。
元々Barbee Boysの頃から好きだった。かっこいいなーとガキ心に思っていた。十年経った今でも継続中。
ハードロックナンバーをスマートにかつかっこよく唄えるお姐さん。そこにまずコケた。
でもってここ数年のアコースティック派な姐さん。これもまたかっこいい。けど、凄く柔らかい。
どっちもいけるってのが俺の中で凄くポイント高い。
ジャンルに限らず、「いい曲」ってのはどんなアレンジしても「いい曲」だと俺は思ってる。
だから例えば美空ひばりだって「いい曲」は多いと思ってる。
ロックなアレンジしたってかっこいいんだ、あれは。ってーか美空ひばりのトリビュートに杏子姐さん、参加してますがな。かっこいいよ、マジで。曲は「真っ赤な太陽」だしさ。もうバリバリのハードアレンジ。
杏子姐さんのオリジナルに話を戻せば、『TOKYO〜』収録の「イヌ」と「Happy
Birthday」は、一曲につき二つのバージョン、計四曲分が入ってる。
こういうことができちゃう人に、俺はとことん弱いらしい。ましてそれが数少ない女性ロッカーなら尚更。
自分もこのくらいかっこいい女であれたらな〜なんてだいそれたことをちょいと考えた。無理だけどな。
弐〇〇〇年八月十八日(金)
本日はMASCHERAである。好きだったのだ、これも。いや、いい声してるね、MICHIさん。
セレクトしたのは『PRETTY NEUROSIS』『tales』『iNTERFACE』の三枚。
彼らの音をちゃんと聴いたのは、確か『PRETTY〜』のちょっと前くらいかな? オムニバスだった。
で、声でハマって、アルバム買って。当時住んでた東北某所での彼らのトークイベントは皆勤賞(笑)。サイン入りのポストカードとかあるよ(笑)。
でもね、メジャーデビュー後の進み方を間違えたバンドの典型をたどってしまったと思う。
メジャーに出て音が変わるのはいい。だが音が放つ空気の色っつぅかな? そういうものが変わるとアウトだ。
彼らの音は、メジャーデビュー前後で大きく変わった。そこでは俺は離れなかった。これもありだと思った。
けれど、『iNTERFACE』発売前後だろうか? 彼らはまた変わった。
今度は音じゃなかった。彼らの雰囲気だった。
言っとくが、衣装の傾向が変わった程度じゃ騒がないよ、俺は。
変わったのは、本人達の放つ雰囲気。最悪だった。なんか悪いモンに憑かれてんじゃねぇかってくらい。
特にMICHIさんがひどかった。悪いモノを放ってると言ったのは友人その一だけれど、同感だった。
声にも張りがなくなって、バンドの音のまとまり方も今ひとつ。そんな状況で発表された解散。
ショックはなかった。ここまでハマったバンドで、解散がショックじゃなかったのは彼らくらい。
しょうがないんだろうな、疲れたんだろうな。そう思った。少し休みなよって思った。
……休まないんだな、これが。MICHIさん、ソロワークの噂がある。休めよ、いいから。
ただ、バンドっていう集合体が重荷になってたとかいうなら、むしろ独りの方がいいのかも、とは思う。
そこは本人の気持ちのことだから、一ファンである俺にはわからんが。
今のMICHIさんの歌声を聴いてみたいと思う。切実に。
いい声で、いい表情で歌える人だと思ってるから、またそういうふうに歌えるようになってるのかどうか、見てみたい。早く発表されねぇかな。
本日はMICHIさん二十六歳のお誕生日。後から気づいた。
誕生日だから聴きたくなったわけじゃないだろうけど…どうでしょね?
弐〇〇〇年八月十九日(土)
本日お出かけにつき、どらいびんぐ・みゅうじっくのテープを編集し直すことにした。
こないだの表LUNA SEAで裏THE TRANSFORMERのヤツを、表ZIGZOで裏THE
TRANSFORMERにした。
ところが、うちの車のカーステ、いよいよもってヤバいらしい。
二日しかかけてない新品だったテープが、再編集中に、伸びた。びろろ〜んと。
どうしてみようもないじゃんねぇ……。しょうがないので急遽、いらん六十分テープを発掘して使用。
なんとなく昨日からの流れでいい声のお兄さんにしたかったので、半ば必然的にGackt。
『MARS』を落として、残りのとこへ「鶺鴒〜seki-ray〜」と『Mizerable』の「Leeca〜Plorogue〜」を入れた。
MALICE MIZERの頃も好きだったが、ソロになってからの方が、より好きになった。
バンドにいた頃はやっぱり、コンセプチュアルなことが好きなバンドなだけに、制約も多かったんだろね。
ソロになってそのことがよく分かった。ソロってことは、自分のやりたいようにやれるってことだから、制約つけるもつけないも本人次第ってことで。その分、自由度は凄く高いね、やっぱ。
ただ、やりたいことやり放題にした割に、綺麗にまとまっちゃってる印象があるんだよね、『MARS』。
我が兄は「優等生なアルバム」と称しておった。まったくもってその通りだと思う。
聴いてる途中で飽きちまうってこたぁない。聴き応え十分。だがしかし。あまりにも綺麗すぎる。
「アルバムっていうのはね、こういう流れ方が一番美しいんだよ…」って、あの声で語られたら納得できそうな。そういう見本品とでも言おうか。
とにもかくにも模範的。だからって他人が真似できるもんじゃないが。
こういうモノを作れるっていうのは、才能だと思う。だけど、その才能によって生み出されたものを、諸手を挙げて賞賛しちゃうことは俺にはできん。
かえってあっちこっち文句つけたくなるんだ、俺の性格上。
ただし、文句つける気になるのは、文句つけるに値するものだけである。
どうしてみようもない駄作には、文句を並べる気力すら失せる。
文句つけるのは愛があるからなんだよー! って言ったって、盲目的なファンには理解しがたいかもしれんが。
お出かけした先の街の中古屋で、懐かしきものを幾つかゲット。
好きなんだもん、JILL姐さんの唄も本田さんのギターも杏子姐さんの唄も悠介さんの唄も。
<本日の戦利品>
・PERSONZ『DREAMERS ONLY』〔AL〕
・PERSONZ『PRECIOUS?』〔AL〕
・Barbee Boys『Freebee』〔AL〕
・HYPERMANIA『虹の向こうへ…』〔AL〕
弐〇〇〇年八月二十日(日)
昨日の戦利品の中からPERSONZをセレクト。
考えてみたら、日記スタートした初日に聴いてたのがROUAGEだったんだよね。
ROUAGEの中ではRAYZI君が一番気になる存在な俺様、彼のフェイバリット・ギタリストである本田毅氏も気になるのである。
PERSONZ脱退後、いろいろやった後で現在はGITANEで活動中の本田氏。
いやー、そっくりなんだわ(笑)。RAYZI君てばホントに好きなんだね〜と思うほど、本田さんとRAYZI君の音は似てる。音色・フレーズの面ではかなーり似てる。
でもやっぱ別人。違うところもちゃんとたくさんある。当たり前だけどさ。
しっかし、前にも書いたがPERSONZ含め八十年代に出てきた人たちというのは、ホントに上手い。
一番振り幅が広いのはボーカル。「歌」はヘタなのもたまにいる。そういう人は「唄」が上手い。
それ以外のパートは、テクニック的にとりあえず文句なしに上手い。まず、上手い。
上手い上に、個性がプラスされる。そうやって、レベルの高い音楽ができあがる。
八十年代にアマチュアからメジャーへ上がって、その後バンドは解散したりしても、ライヴサポーターとかスタジオミュージシャンとして現在も活動中の人というのは、けっこうな数いるはずだ。それができちゃうくらい上手いのだ。
そういう人たちの音を聴いて育った世代が、今現在三十歳前後くらいか。その辺までは、まだ上手い。
まずテクニックがあること。その上で個性もあること。
この二つが揃わないと、上へは上がれなかった時代。羨ましい。非常に羨ましい。
今みたいに話題性とツラの良さかルックスのとんでもなさだけで上へ上がれちまうのとは訳が違う。
話題性だけで、流行りそうだからというだけでデビューさせてもらったヤツらになにができる?
なんもできてねぇじゃん。ヘタなまんまデビューしてるから、それ以上上手くなんなくてもいいとでも思ってんだろうか?
ヘタなまんまで売れなくなっていって自然消滅する。ざまぁみろ。
その裏で非常にもったいないことに、上手くても個性があっても上に上がれない人たちもいる。
音が、曲が時代遅れだから、流行らないから。
それだけの理由で上がれない人たち。もったいない。
ヘタすぎて救い様のない連中なんかよりよっぽどいいと思うんだけどな。
八十年代のバンドの音を聴く度、そんなことを考える。
そうやって俺は若手嫌いになっていくんだな(笑)。
弐〇〇〇年八月二十一日(月)
本日、なにを血迷ったかDir en greyである(爆笑)。彼らのは『GAUZE』しか持ってないので、必然的にそれ。
常々「若手は嫌い」とかほざいてるくせに、二十歳そこそこのドラマー抱えてるバンド聴いてんな! って感じではあるんだが、だがしかし。
ここのボーカルの京君とかギターのDie君は、若手と言うにはちと歳いってるぞ、絶対。彼らが聴いてきたモノから察するに、二十代後半以上なのは間違いないだろう。
というわけで、俺は彼らを若手卒業寸前くらいと思っている。
そうでなくても、テンポの速い曲ってのは基礎テクちゃんと積まないと演れないのだ。
彼らはそれができている。それだけでも十分、若手ってことをチャラにしてやれる。
ただ、楽曲のオリジナリティの面では、先人の五番煎じくらいになっちまってるのは否定できん。
細かいことを言えば、京君の歌い方もそうだし、各パートのフレーズ一つとってもそうだ。
だいたい、今の二十代半ばから下の世代で、音をちょっと聴いただけで「あ、あいつだ」とわかるプレイヤー、何人いる? 俺ははっきり言って思い当たらん。世代が下になればなるほどいない。
ボーカルまで間違うことが多くなっちまってるからなぁ…もはやどうしてみようもない。
ボーカルが目立つのは当たり前なのだ。それがどんな「歌(又は唄)」を歌う人であっても、目立って当然。
個性の塊だからね、ボーカルは。声や歌い回し、言葉の発音とか、細部に至るまで全部が個性。
けど、たまにいるんだよね。とんでもない個性の塊なヤツ。存在感そのものが強い人なんてもう最強。
それを喰ってしまいかねないくらいの存在感のあるプレイヤーがいい。そんなプレイヤーとボーカルのバトル。
たまんねぇ。そういうのがいい。
けど、今の若手にはそれがいない。両方いない。
ヴィジュアル系の雑誌パラパラめくってて、どれがどのバンドだかわかんない。
ヴィジュアル系に限らない。俺は19とゆずとうたいびと
はねの区別がつかん。ストリート系さえ同じ状態とはこれいかに。
書店で目次見ないで雑誌パラパラめくってて、「これはもしかしてあいつでは!?」と思ってそのページに戻ってみたくなる。そのくらいの存在感を放ってる人。そういう人が集まっちゃってるバンド。そういうのがいいんだなやっぱり。
弐〇〇〇年八月二十二日(火)
今日はROUAGEリターンズである。CDトレイ三枚フル活用。『SOUP』と『カルチャー』のdisc-1と『Lab』。『カルチャー』のdisc-2はあんま好きじゃないので避けた。
彼らのアルバムはどれもだいたい好きだ。特にどれがっていうんじゃなく、均等に。
アルバムごとの好きな曲の傾向はバラバラ、好きな曲の数はほぼ均等。
だから彼らのを聴こうと思うと、その時に思い浮かんだ曲が入ってるアルバムっていう形になることがほとんど。
今日はここ二年ほどでずいぶん増えたキャッチーでポップな路線とは対照的なハードナンバーに行きたかった。
「black box」「Sink...TANK」「自称、イラナイコドモ」「ムーンサルト」辺り。
それと同時に、ミディアムナンバーも聴きたいのが何曲か。「Home
sick」「つきのながめかた」「胸に降る雨、胸に咲く花」辺りかな。なんでだろう? 好きなんだよな〜…。
その他に、「-piano instrumental- Queen」。これ。大好き。
ピアノを習った経験はあるものの、クラシックをなぞるより「やさしく弾けるピアノ曲集」なんぞと銘打ってる、ポップス・ロックをピアノアレンジした楽譜を買ってきて弾く方が好きな俺様。
この「Queen」、楽譜出ないかな〜なんて思うくらい、このアレンジは好き。
LUNA SEAのピアノアレンジの楽譜なんかも持ってたりする。付録CD付きの。
だが、あれは却下。嫌い。
たぶんそれは、アレンジャーの癖と俺の好みが合わないっていう、それだけなんだろうけど。
でもそれ以上になにが嫌いって、付録CDの演奏。アレンジャーが自ら弾いてるんだが、あれが嫌。
可愛げもなければ表現力もない。基礎テクだけはちゃんと積みました! って感じの、押しが強いだけのピアノ。あれが嫌。
あんだけの表現力を持つバンドの音を、そんなんで表現しようなんて土台無理ってもんでしょ。
その点、「-piano instrumental- Queen」。これは凄く良い。
表現してるものはバンドの音とは違うかもしれないけど、押しが強いだけの見本品とは訳が違う。
なにかがちゃんと伝わってくるような音。
だからってこれを弾いた人を素晴らしいピアニストと言えるわけじゃないけど。だけど、このピアノは好きだ。
ピアノ…俺ももうちょっと真面目にやればよかったかな、と思いつつ、このくらいでちょうどよかったのね、とも思う。
「Queen」、耳で音取るだけで弾けるかなぁ…?
弐〇〇〇年八月二十三日(水)
今日はMALICE MIZERである。『Voyage』『ma cherie』『merveilles』の三枚。っていうか要するにGackt。
でもね、嫌いじゃないどころか、MALICE MIZERは好きなのだ。
ただ、Gackt脱退がいまだに納得いかん。いや、その事実そのものじゃなくて、不鮮明なままの経緯が。
大人なんだからさ、ちゃんと話し合った上でGackt脱退の発表に持ち込んでほしかった。
実情はケンカ別れでもいいけどもさ。話し合いってロクになかったんじゃなかろうか?
当時のインタビューなんかひっくり返して読み漁ると、どうもそんな気がしてならない。
まあ、結果的に脱退っていう形で決着ついたんだし、もう過去のことだしね、いいんだけどさ。
なだれ込みで脱退っていう形になっちまった場合、ファンの気持ちってのはどうにもやり場がなくなるもので。
Gacktの場合はまだいい。本人失踪してないからね。ぶつけられるじゃん。
そうじゃない、本当になだれ込みでメンバーにも相談しないまま失踪っていう形で脱退したヤツがいる。
CRAZEのデビュー時のボーカル、藤崎“ROD”賢一。あの時は本当にどうしようもなかった。
事務所からの発表が先で、後にメンバーインタビューで細かい経緯が明らかになった。
事務所が出した文書はこういう場合のお定まりに近いもので、だからわからなかった。藤崎が失踪したってのが。
メンバーインタビューでそれを知った時は、怒りもわいたし「なんで?」っていう疑問もあった。でもそれを残ったメンバーにぶつけるわけにはいかないでしょ。
ただ、それを忘れられるくらい、新しいボーカルの緒方豊和の歌はかっこよかった。
その点、MALICE MIZER。その後新しいボーカルを入れず、インストのみで活動。
それはいい。だが、音を聴いてて面白くない。だから、好きじゃなくなった。
「なんとなく好き」な人たちについて八月四日に書いてるが、MALICE
MIZERは俺にしては珍しく、「なんとなく好き」な人たちの中で「嫌い」に限りなく近いところへ移行した人たちである。
だから、発売になったばっかの新しいアルバム、買おうかどうしようか迷っているのである。
あんまり興味ないんだよなぁ…うん、「嫌い」になったというより「どうでもいい」存在になってる。こういうのはホントに珍しい。
ただ、現在進行形の彼らがどうでもいい存在だからといって、過去「なんとなく好き」だった頃の彼らまでどうでもよくなってしまうわけではない。
というわけで、今日はこれでした。以上。
弐〇〇〇年八月二十四日(木)
今日は松岡英明に流れかけたところで、思い直してGRASS
VALLEY。上領さん大好き。
『STYLE』『LOGOS』『瓦礫の街〜SEEK FOR LOVE』の三枚をコンポに喰わせる。
GRASS VALLEYもやっぱり、八十年代の方々である。上手い。問答無用で上手い。
俺はだいたいの場合、ベーシストかギタリストを気に入って、その他にボーカルも好きってなるパターンが多い。それはもちろん性格とかの面での話だけど。
そんな中でGRASS VALLEY。珍しくドラマーにハマる。
上領亘。今年で三十六歳になるとは思えないお兄さんである(笑)。
だって好きなんだもん。
上領さんが気になったのは、最初は雑誌だった。彼のソロデビュー時の写真というのは、なんとも不思議だったのだ。
肩につくかどうかくらいの長さの髪を後ろで一つに結んで、その髪も服も全部が黒で。
とてもとても不思議なお兄さんだったので、ちょいと気になって、ソロアルバムから入った。
そこから経歴をさかのぼってさかのぼって、たどりついたGRASS
VALLEY。お気に入りである。
元々、シンセを多用した音には弱い。TMに弱いとこからもわかるでしょ。その意味でもツボだし、曲も好み。そりゃハマるって。ただ、惜しいことにこれまた廃盤になってるけどな(泣)。
話戻って上領さん。あっちこっちひっくり返して調べてみたら、意外な人物が「尊敬してる人」として上領さんの名を挙げていた。
現L'Arc〜en〜Cielのドラマーyukihiroである。びっくり。
だが、yukihiroのインタビュー読んでて納得した。
ドラムセットの組み方も、フレーズの癖も、音色の好みも、そこかしこに上領さんの影響が見えるのだ。
ただ、上領さんにできてyukihiroにできないことがある。人間味のある音で叩くこと。
上領さんの音は、打ち込みの音みたいに正確なんだけど、それでもやっぱり人間が叩いてる音なのだ、ちゃんと。
yukihiroのは時に、ドラムマシンより機械くさい音になる。そこが違う。
曲にもよる。上領さんの音が似合いそうな曲もあるし、yukihiroの音が適してる曲もある。それでも、俺はやっぱり上領さんの音の方が好きなんだな。
その上領さん。先日、これまでにないほどのびっぐ・あーちすとのサポートをつとめた。
T.M.Revolutionである。それもスタジアム。びっくり。思わず生中継を標準で録画したのは、もちろん現在進行形の上領さんを拝むためであった(笑)。
弐〇〇〇年八月二十五日(金)
本日、どうにもこうにもぐったりしててどうしてみようもなかったので、どうにか安らごうと思い立って、SCARE
CROWの『立春』とボーカルのいずみさんのソロアルバム『水彩』をセレクト。
ここでいわゆるヒーリングミュージックとかに行かない辺りがなんとも俺様。
SCARE CROWはやっぱりオムニバスで聴いて、「なんなんだろう、この人たちは…」と思ったのが最初だった。
バンド名は雑誌で見て知っていた。写真が出てた。どこにでもいそうなだぁくなお兄さん方に見えたんだが…俺の思い違いだろうか? もしかしたら別のバンドと勘違いしてるかも。
とは言うものの、音を聴いた時は久しぶりに本気で「何者よ!?」と思ったものだ。
上手いのだ。九十年代も後半のインディーズシーンは、顔だけでどうにか売れちまうバンドが多かった。そういう類のバンドが大半のオムニバスに、なぜこんなバンドが?
本気で首をかしげた。マジで。
信じられなかった。だって上手いんだもんよ。
なんでインディーズの中でもいわゆるヴィジュアル系だったのか。なんでこんなに上手いのになかなか活動の噂を聞かんのか。
謎は今でも尽きないが、とりあえずいずみさんのソロより前に解散はちゃんと発表されてる。
そのいずみさんも今はどこでどうしてるやら? 他のメンバーもまた然り。
もったいないんだってばさ! インディーズで細々とでもいいからやっててよ! って思う。
これだけのことをやれるバンド、今なんてほとんどいないぞ。
インディーズでもこれだけクオリティの高い音を出せる。それを思い知らせてくれる。
今の若手のインディーズバンドの連中に聴かせてやりたいね。
ちなみに本日も中古でなかなか安らげそうなものをゲット。
疲れてんだろうな、俺…。
<本日の戦利品>
・Zabadak『遠い音楽』
・Zabadak『桜』
・V.A.『KISSxxxx』 ※楠本まきプロデュースのイメージアルバム…みたいなヤツ。
本日は昨日の戦利品からZabadakを。どうにもこうにも安らぎたいらしい。
んでもってお出かけだったので、例のごとくテープに落としていざ出発。
今日も最強に機嫌の悪いうちの車のスピーカーをどうにかこうにか丁寧めの運転でなだめつつ、歌い走る。
これまた例のごとく、おかんと二人旅なので、おかんが気に入って一緒に歌ってたりした。
こうなると二人して発声がどーの発音がどーのとやかましい。
ま、狭い車中、誰に迷惑かけるわけでもないのでいいんだが。
それにしても、とっても不思議なユニットである。とっても不思議な曲を作れるお兄さんと、とっても不思議な声で歌うお姉さんとが組めちゃうんだもんなぁ…なんで世の中というのはこうもうまくできてるのか?
主にお歌うたい兼鍵盤屋さんの上野洋子さん、現在は脱退してしまっている。でもね、歌やめたわけじゃなくて、歌ってるからいいの。
音楽を表現することにどっぷり浸かった生活してた人というのは、それをある日突然やめてしまうことってできるんだろうか?
いるんだろうな、できちゃう人。でも、ワガママを承知で言わせてもらえば、俺の好きなミュージシャンには、この疑問にはNOと答えてほしい。
俺の好きなミュージシャンに限らない。俺にとってどんなに駄作を出してくるヤツでも、それでも音楽をやるということを楽しんでるんだと思いたい。
「音」を「楽」しむから「音楽」なんじゃん?
心の底からそう思う。
聴いてる側が楽しいものは、演ってる側も楽しんでるんだと思いたい。
……なんか楽しい音を聴きたくなってきた。バカなのでもなんでもいいから。
今日は先日ドライビング・ミュージックにしそこなったZZIGZO。いや、前夜「バカなの、バカなの…」と考えて、「ファッション
モンスター 2」に思い当たっただけなんだけどさ(笑)。
というわけで、『血と汗と涙の裏側のハッピー』と『MONSTER
MUSIC』が本日の餌。
ZIGZOは、ファンなら知ってるかと思うが、二次発生的っつったらいいだろうか? そういうバンドである。一度はプロとして活動したことのある方々が集まったバンド。ボーカルのTETSUだけはZIGZOが初のメジャーバンドだけど、以前やってたのもインディーズではけっこう有名どころのバンドだったしね。
要するに、音楽から離れるきっかけともなりうる、解散とか脱退とかをそれぞれに一度は経験しながら、それでも音楽から離れなかった人たちの集合体っていうこと。
それ自体はべつに気にするようなことじゃない。キャリアのあるなしに関わらず、いい音楽を演れる人たちが好きなのでね、俺は。
彼らの音は、本当に楽しげだと思う。もちろん、楽しいだけじゃなくていろんな感情が詰まってるんだけど、トータルの印象が楽しげ。楽しい気分になりたい時に最適って感じ。
「音」を「楽」しむから「音楽」なんじゃん?
って、昨日書いた。が。どうもそればっかりではなさそうな人も多少はいる気がするのね。
とりあえず思い浮かんだのは、GacktとLUNA SEAのSUGIZO。レコーディング後の彼らのインタビューで、「散々苦しんだ」だの「辛かった」だのって言葉を見かけたのは、一度や二度じゃない。
じゃあ、彼らにとって「音楽」は「楽」しいものではないんだろうか?
難しい問題だと思うし、答えはその時その時で変わるような気もする。
でも、最終的にはやっぱり「楽」しいと言ってほしい。
自分のすべてを吐き出して、それを音っていう形に変える。それはやっぱりすごく勇気も気力も要ることだし、そんなことの繰り返しになるレコーディング、「楽」じゃないのは想像がつく。
それでもやっぱり、演る側にとっても「音楽」は「楽」しいものであってほしい。
そう思うのは、ワガママなんだろう、きっと。
俺は「主義主張ありったけの想いを詰め込んだロックが好き」って、八月十六日に書いてる。そう言った俺がこういうことを言うのは、ワガママなんだろう。
だけど、レコーディングの時じゃなくてもいい、ライヴの時とか他人の音を聴いてる時なんかでいい。
レコーディングは辛かった苦しかったと漏らしたミュージシャンにとって、「音楽」を「楽」しめる時間が、どうかありますように。
弐〇〇〇年八月二十八日(月)
本日、かなりお久方ぶりのL'Arc〜en〜Cielである。『ark』と『ray』。
前日、楽しげなZIGZO聴いてても楽しい気分になれないほど疲れてて、ホントのことを言えば今日なんてなんでもよかったのだ。
それがL'Arc〜en〜Cielになったのは単に、ラック眺めてて目についたから。
たまにこういう日があるのだ。なに聴こうか迷って、でも特別強力に聴きたいものってのはなくて、でもBGMなしってのはやだなぁと思って、それで結局こういういいかげんな選び方する日が。
俺様、L'Arc〜en〜Cielを本気でとっても大好きだったのはすでに数年前の話である。
最近の彼らは正直言って、かなりどうでもいい。
元々、不思議バンドだったデビュー前後にハマったのだから、最近のかなりポップな路線にいってる彼らの音に魅力を感じなくても仕方ないのかもしれない。
ところが彼ら、たまぁにリターンズしてくるのだ。これがあるからファンをやめる気にならない。
今日の餌で言えば、「花葬」「forbidden lover」辺りがそう。不思議バンドだった頃の名残の見える、不思議な雰囲気を醸し出す曲。あと、今日の餌ではないが「finale」もそうだった。
結局のところ、(デビュー時とはドラマーだけ代わったが)同じ人たちがやってるんだから、そういうリターンズがあっても不思議はないってことか。
俺はそうやってリターンズの度に新作にふらふらと手を出してずるずると聴き続けてしまうのでね、だーかーらー、CDが増えていくんだってば。
ある一組のミュージシャンの音を、ある日突然すっぱり聴かなくなるなんてこたぁないからねぇ……。
でも、それでいいんだと思ってる。自分では。
ただ、CDの整理だけはちゃんとしろ、俺。春からの戦利品なんてすでに溢れてるしなぁ…。
昨日なんで、どうしても聴きたいものがなかったのか、わかった。
ロック系の新作に飢えてたんだわ、たぶん(大爆笑)。
俺様、東北某所在住だった頃に、とんでもない悪癖を持ってしまったのである。
週に一度は必ずCDなりビデオなりを買ってくる。これ。
金なくなるっつーになぁ……こんなだからライヴ行く金がないんだってば(笑)。
で、地元にリターンズして以降、悪癖には更なる拍車がかかっている。ってほどでもないが、欲しいと思った新作はちゃんと見事に入手しているのだ。
東北にいた頃は、生活費を削ってたからね。最低限の生活費だけは死守すべく、計算しながらCDを手に取ってたのだ。
それがただいま現在はというと、親元でのうのうと暮らしてる身なので、生活費の心配がない。イコール、CD屋と中古屋においてのみ、金が湯水のよーに消えていく。そして手元に戦利品。
……ダメじゃん、俺。
そんな俺様の本日の戦利品。GacktとL'Arc〜en〜Cielである。
L'Arc〜en〜Cielは昨日かなり散々なことを書いてるのに、なんで新作買うのか?
答えは簡単。いい加減、彼らに見切りをつけるためである。
それと、最後の希望。
もういい、俺はもう彼らが新しく提示してくる音に感動できない。
そう思って、アルバムを手にした。
これを聴いて感情が動かされるものがなければ、彼らには見切りをつけよう。
そう思うのと同時に、最後の希望。
もしかしたら、すごくいい曲があるかもしれない。
両方を判断するために、購入。見切りをつけるにも先入観だけでやってしまわない自分を、ちょっとだけ、ほーんのちょっとだけ、自画自賛。偉いぞ、俺。
結果。俺の感覚に引っかかるものがなにもなかった。
よかった。これで心置きなく彼らから離れられる。
過去、大好きだった時代の彼らの音だけを愛していく決心がやっとついた。
今日の午後から明日の朝までコンポに入るだけで、このアルバムはたぶん箪笥の肥やし決定。
いずれ聴きたくなるかもしれないけどね。ふっとね。
そういう箪笥の肥やしなCDが、俺の箪笥にはいっぱいいっぱい眠ってる。
たまにそういう子たちを見て、ふと聴いてみたくなったりするのだ。
だから捨てられない。中古屋に売る気にも友達にあげちまう気にもならない。
そうやって、俺の手持ちのCDたちは細胞分裂を繰り返してゆくのだよ(笑)。
<本日の戦利品>
・Gackt『再会〜Story〜』
・L'Arc〜en〜Ciel『REAL』
弐〇〇〇年八月三十日(水)
一日かけて寝腐ってたので、なんと昨日の戦利品のGackt一枚だけで一日過ごしてしまった…珍しいこともあるもんだ。
今回のGacktのマキシは、ソロデビュー作に入ってたインストナンバーに歌詞つけたのと、アルバム収録の曲のライヴテイクだから、知らない曲じゃなかった。
つまり、知ってる曲ってことは新鮮さというのも完全な新作に比べてちょいと減ってしまうもので。
にもかかわらず、飽きもせずにたった三曲をエンドレスで聴くとは……いかにだらだらと惰眠を貪っていたか、よくご理解いただけるかと…(笑)。
眠る時のBGMにこだわりのある人というのは、多そうな少なそうな…俺には判断がつかんが。
俺はというと、はっきり言ってしまえばなんでもいい。
逆に言うと、眠れる時はどんなにうるさいBGMでも眠れるが、眠れない時はどんなに静かなBGMでも眠れない。
要するに、俺にとってヒーリング・ミュージックとかの類は、本来の効果を期待できないものであるっつーことになる。
それで安らげることもなくはないが、俺はそんなもんよりも、その時の自分の精神状態に合ったものを聴いてる方がよほどいい。
それは、ある時はクラシカルなものだったり、ある時はダンスミュージックだったり、ポップス寸前のロックだったり、バキバキのメタルだったり、いろいろ。
それが自分にとっての「当たり前」だから、例えば他の人に変だと笑われたりしたとしても、俺は気にせずいろんな音をBGMにしてることだろう。
人の好みは人それぞれ。最近、音楽に限らずそれを実感する機会が多い。
相手は自分とは違う感性の持ち主。
自分のものさしだけで相手を計るのは愚の骨頂。
でも、人の好みを「ああ、そういうのもアリだね」と受け止めるのは、綺麗事だろうか?
そんなことまで考えたりもする。
……いかん…Gacktの後ろ向き思考の影響か? どうも後ろ向きになってるな…
でもね、例えばこうなった時に、ものすごく前向きなポップロックに流れないで、あえてZI:KILLとか行ったりしちまうんだな、俺(爆笑)。
変ですかねぇ?
弐〇〇〇年八月三十一日(木)
で、行っちゃいましたのZI:KILLです今日は(笑)。『CLOSE DANCE』『DISGRACE-THE BEST』『ROCKET』の三枚。
ところが、今までZI:KILLをBGMに選んだ日と今日は、なにかが違ったらしい。
今までは、かなーり落ち込んでて、這い上がろうとか元気になろうとかしてみて、それでもダメで「じゃあもういいや」と思ってとことん落ち込む時限定だったのだ、ZI:KILLは。
しかし本日。なぜか、やたら楽しい曲ばかりが耳につく。
いや、楽しいはずはないのよ。基本がやたら後ろ向きなんだもん、TUSKは。特にZI:KILLの頃は。
後ろ向きなんだけど、勢いだけはものすごい曲にね、耳が行く。
「TERO」「HYSTERIC」「DEAR JUNK」「THIS TOWN DIE」「Bad
Man」「PEOPLE PURPLE」とかそこら辺。
楽しい。バカみたいに楽しい。なぜだ!?
自問自答しても答えが出んのだが、ZI:KILL聴いててこんなにも楽しい気分になるのは初めてである。いや楽しい。
散々聴き込んだミュージシャンの音を久しぶりに聴いた時ってのは、たまにこういう新たな発見があったりするから楽しい。
こんなこと書いてると、明日はまたやたら懐かしいモンに行きそうだな(笑)。