Gargoyle
“鬼神〜実録「未来劇薬」〜”発売記念ツアー 鬼神再生 2001.08.23 新潟Z-1
もう覚えてない。なにがなにやら。どこでどの曲やってどの曲の時に誰がなにしてたのか、全然まったく覚えてない。アンコール何回あって何曲やったのかすら覚えてない。こんなにトンでしまうのも珍しいわ。
というわけで行って参りました、二年半ぶりの六人目復帰戦、Gargoyle in新潟。会場すげーちまっちゃくてびびった。前JUNK BOXの半分くらいしかねぇよ、すげぇよ。ステージも狭いっぽい。奥行がない。ドラムの山台ないから勝治兄さん見えないし。牙様の頭のお飾りがステージ天井の照明に当たっちゃうくらいだし。客席は八〜九列がやっと。てーか当日券で整理番号が106ってなに。
でもね、足元からがつがつ低音が響いてきて、足からアタマのてっぺん目掛けてトリハダ上がってくようなあの感覚。あれはやっぱ、おっきいとこじゃダメだなーと思ったのだ。ライヴハウスをほんとの意味で楽しく使えるバンドの一つだと思うのだよ。話戻して、当日券買いにカウンター行った時のこと。会場は地下一階。入口入ってすぐ階段降りていくんだが、その階段の途中に。
なんでいるんですか横田さん(驚)。しかももしかして横田さんの二段上くらいに座り込んで携帯で大阪の話をしてたブルージーンズのオーバーオールのお兄さんは桐田さんですか?
びっくりするって。いやマジで。思わず足を止めてしまいました。
で、恐る恐る降りていって見つけたカウンター前には案の定、本間GENさん。
その時点で整列開始まで五分ほどしか残ってなかったのに、とてもじゃないがちょっと歩き回りでもしないとクールダウンできそうになくて(ライヴ以外での至近距離接触は人生初なのだよ)、開場まであちこちだらだらと無意味に歩き回ってしまいました。やれやれ。で、ライヴ詳細。覚えてない。それで終わるのは悔しいので参ります。
と言ってもね、覚えてるのはもはや「演ったであろう曲のタイトル」と「『人の為』のハジけっぷり」とアンコールラストの騒ぎくらいなのだよ(笑)。まあそれでもないよりゃマシか。
とりあえずね、客席の狭さが驚異的。すごいよ。学校の一般的なサイズの教室より絶対狭いって、あそこ。PA席まで全部入れて、やっと教室くらいだろう、きっと。狭すぎ。
しかし、狭いということはそれだけ近いということ。それはそれで嬉しいやね。
開演までは暗幕が張られてたステージフロント、客電が落ちると裏地なしだから透けて見える(笑)。で、下手側の青いスポット浴びてたTOSHI兄さんのシルエットが暗幕に映ってたんだが、それがもうホンモノの1.2倍くらいのサイズに見えるのね。そのくらい、ステージも狭い。そして、低い。マジで。天井が低い。ステージは底上げしてあるから余計に天井までが低い。驚異的な狭さに反比例して音がいいのが特徴。アタマは『future drug』からなにか来るだろうと思ってたら大間違い。「HALLELUYAH」でした。びっくり。次が「Genom」かなんかだった気が。すでにうろ覚え。そして、最初のMCより前に「ときめき」なんか来ちゃってて。その後も懐かしどころがちらほらと。
最初のMCからして牙様、これが多かった。
「楽しい」
とにかくこの単語の頻度が高かった。や、いつもわりとそうか。今日も、なのか。バンドやってる中で一番楽しいのはライヴやってる時だ、とか、ライヴが楽しいからバンド続けてるんだ、とか。
そういうのライヴの度に実感しながらやってたら、そりゃ飽きないわな。
「みんなの心の中へ、入っていきたいと思います」
その前フリから来たのがたぶん「曼陀羅の民」。だったような気がする。
この時、それまで穏やかに話してた牙様の眼が、曲タイ言うと同時に変わったのは見えた。この人の「切り換わる瞬間」を、表情の細部までわかる距離で見たのは初めて。
最後列のすぐ前からでもそれが見えるほど狭い会場だってことも影響はするんだろうが、ほんとに牙様は「眼」の人だなぁと思った。そこから先はもうどこでどの曲やったかほんとに記憶の彼方。
以下、上記も含め「たしかこれはやってたはずの曲」のタイトル。順不同。どうせ順番わからんのだから、思い切ってアルバム順にまとめてしまったよ(笑)。
・DESTROY/BARA 薔薇 VALA
・ときめき/ヂレンマ
・人の為/HALLELUYAH/DOGMA
・HUNTING DAYS
・我が闘争
・潜在的幻狂覚無差別覚醒菌感染者
・Mark/僕らはやがて水へとかえる
・若草の君
・future drug/B・B/桜満開/曼陀羅の民/It's Battle Time/ZIPANG/Genom/ガキ帝国/GUSH!!/open the gate
……覚えてるだけでも二十三曲……アンコール何回あったんだっけな、これ……
会場、地下にあるので、客席酸欠(爆笑)。と思ったら、ラストのトークで「この前ここでやった時も景色歪む感じだったけど、今日もちょっと歪みました」というKENTAROちゃんの発言が。ステージ上も同様に酸欠だった模様。狭いもんなぁ。気になったのは与太郎君。の、ギター。演奏中だろうが曲間だろうが、機材に向き直ってるシーンがけっこうあったんだよなぁ。あと、本編だかアンコールだかすでに記憶にないが、どっかで明らかに音のバランスおかしかったこともあった。それまでKENTAROちゃんの音しか聴こえないほど音出てなかったのが、曲中に突然音デカくなったシーンがあったはず。トラブってたのは間違いないんじゃないかと。大したことなきゃいいんだけど。
覚えてる限りの楽しかったシーンを幾つか。もう完璧順不同だが。
えーとえーと「我が闘争」。牙様が。間違った…んだよねぇ、あれ。歌詞とかじゃなくて、入るタイミングを。CDで言うと1:53付近。一拍分かな、遅かったと思うんですけど(笑)。もうメンバー笑う笑う。牙様も心なしか、正面に向き直るまでに時間かかってた気が。私の思い違いだったら失礼。でもTOSHI兄さんは笑ってたよ。それは覚えてることの一つ。「桜満開」の前フリで、牙様が言ってたことも印象的だったなぁ。自分の周りにいる人を見たらその中心にいる自分の姿も見えてくるっていう話。周りがどうしようもなかったら自分もどうしようもないんだろうし、自分がちゃんとしてると周りもちゃんとしてる人多いし、って。そんな話。Gargoyleは周りに恵まれてきたっていうことから入った話。
いつも思うけど、牙様は当たり前のことしか言わないね。普通のことだと思うんだよ、この人の言葉って。歌詞でもMCでもそういうの多いなぁと改めて思う。
「桜満開」「僕らはやがて水へとかえる」「若草の君」。この三曲だけは順番これでよかったはず。
「僕らはやがて水へとかえる」の最後のサビ、牙様、ノーマイクで叫んでました。さすがにコーラスに消されはしたが、その表情だけでも充分伝わるものがあるから強いよね、この人は。
「若草の君」の最初も、牙様がマイクスタンドから一歩下がって、生声で「若草の君 死にたもうこと なかれ」というセリフを言った。生声だよ。届いちゃうんだよ、それが。マイク通さなくても聴こえるんだよ。
私事だが、三年前初めて参戦したGargoyleのライヴが、「我意在族」の新潟2DAYSの二日目だった。その時の一曲目がやっぱり「若草の君」だった。当時から今までずっと、この曲を含め牙様の歌詞がざっくり刺さってくるのが何曲かあるんだが、その内の何曲かは今日目の前に叩きつけられた。「若草の君」もその一つ。
んなことされて俺が、俺如きが勝てるはずもない。完敗。そして、相変わらず爆笑もんだったのが「人の為」。KENTAROちゃんがまず牙様に「うちの王子様」呼ばわりされるとこから始まったからね(笑)。「お互いに相手の衣装は着られんよな」とか言いつつ。そりゃまあ牙様がKENTAROちゃんの衣装着たら似合わんだろうけどもさ(笑)。ちなみにこの日のお衣装は、牙様が『鬼神』でっていうか「未来劇薬」で着てた黒いの。何本かツノついてるやつ。で、KENTAROちゃんは白の王子様コートでした。でも背中、斜めに青いライン入っちゃってんのね。ギターのストラップが汗で色落ちしてコートの背中に移っちゃってんのね。すげぇよ。
そのKENTAROちゃん、「Gargoyle入ってから七年半経ちました。七年半頑張ってきた俺に、みんな感謝して」とか言ってましたわ(笑)。Gargoyle自体が14年だから、もうKENTAROちゃんと与太郎君が揃ってからそんだけ経つんだね。ああ、確かに君は頑張ってるよ!と思って拍手。笑いながらだけど(笑)。
「ええと、どっち(与太郎君とTOSHI兄さん)にしようかなぁ…」と迷ってたKENTAROちゃんから「この人の毒舌、聞きたい?」と言われたTOSHI兄さん。新潟を称して「米がうまい、水がうまい、酒がうまい、空気がうまい。……田舎やん」。いや、当たってるがよ(笑)。「水道の蛇口ひねったら酒出てきたらええなぁ」ってそれはさすがに無理(笑)。「お前ら、イジメテ君か!?」との発言が出たのもこの時。TOSHI兄さんの毒舌をこそ聞きたいというのはやはりイジメテ君思想だよなーとか思ってたら、ちょっと違ったらしい(笑)。なに、そういうキャラクターがどっかに存在したわけ? ごめん、俺、わからんかった(爆笑)。
与太郎君はTOSHI兄さんに「ちっちゃい人」と言われて「ちっちゃくないわ!」と。「ちっちゃいんじゃなくて、ちっちゃく見えるだけや! 光の屈折かなんかでな。小学校の時理科で習ったやろ」と、本人すら苦笑いするほどに無理なこじつけ方をしてました(笑)。あと、みんなして「台風どっか行ったな(前日の朝くらいに新潟をかすめていた)」っていうのをネタにしてたから、与太郎君もその流れは外してなかったはず。
で、勝治兄さんが。台風ネタに引っかけて、前に出てきた時から頭上で右腕をくるくる回し、ついでに「♪ブーメラン、ブーメランっ」。違うってば(爆笑)。「お前ら一人一人が台風の目になれ!」と、自らもアタマぐるんぐるん回したりしててね。これがおっかしかったんだー(笑)! 「むすんでひらいて」の度にアタマぐるんって回すの。客席が笑いっ放しなのを「お前ら、俺がやってるの見て笑ってるだけで、自分じゃやってないだろう。ちゃんと目開けて見てるんだぞ!?」とちょっとご立腹。許してくれたけど(笑)。ちなみに俺がどのくらい笑ったかというと、腹よじれて「むすんでひらいて」すらロクにできないほどでした(笑)。しまいにはサンバのリズムまで引っ張ってきて煽ってた勝治兄さんに合わせて、牙様までなんかのリムかなぁ、叩いて遊んでたし(笑)。
そして牙様。踊る踊る! 妙に色気あるんだよなー、牙様踊ると(笑)。あのー、踊るっちゅーても「曼陀羅の民」とかでやるようなのと違います。サンバなのよ(爆笑)。それもモニターかなんかの上に立って、もう天井に手ついて身体支えられるくらいの高さで、腰で踊る(笑)。ちょっといいもの見たかもしれない(笑)。アンコールの何回目だかすでに記憶はないが、牙様が。
先に一人だけ出てくるのは、裏で他のメンバーが曲を選んでる間の繋ぎなわけで。
「なに喋ろうかなぁ……踊るのはやったしな(笑)。もうね、いい加減喋ることもないんでぇ……黙ってます」
……ほんとに黙ってんだよ、その先(笑)。時々ポカリ飲んだりしつつ、客席眺めて口閉じたままにまーっと笑ってみたり。しばらく後に一言。
「……耐えてます」
客席爆笑。
しかも、他のメンバー出てきたと見るや「今むっちゃくちゃ喋ってた」と大嘘つくし(笑)。で、この直後だったか更に次の時だったか。
新潟県内三箇所のローカル・ミニFMでオンエアされてるRISKYの番組、月一回Gargoyleも担当タイムがあるんだよー、という話になった時が。これが。
間に入れるCMも自分らで録音してるんだそうだが、その一部、実演(大爆笑)。
「(水戸黄門オープニングのメロで)♪シーィディー買ーうーなーら、りーすきーぃだぁー」
とかね(笑)。挙句、牙様を黄門様に仕立て上げて「控えおろう!」とかもやったし。「この印籠が目に入らぬかぁ!」がKENTAROちゃんだったかなぁ。なんかフロント四人持ち回りでセリフ並べてましたわ。誰一人噛みもせずに(笑)。なんで慣れてんだよ(爆笑)。
他にも「♪ババンババンバンバン はぁリスキー!」とかあったな(笑)。
あとは「リスキー・ブラックモア」という言葉も出たなぁ。後でチラシにて確認したが、コーナー名らしいね。相も変わらず楽しげだぁね、この兄さんらはほんとに。それから、なんの話の時だか忘れたが、牙様が他の四人になにか同意を求めてたシーンで。最初は「ねぇ?(アクセントは前)」だったのが、「ねっ」とか「ねー」とか「……ね?」とかになっててね(笑)。可愛かったなー。与太郎君がたしか、右手でOKサイン出してた気が。TOSHI兄さんどうだったか忘れた。勝治兄さん見えなかった。KENTAROちゃんと牙様が向かい合って小首傾げてた時が「ねー」だったのだけはよおっく覚えてる(笑)。
あと、TOSHI兄さんが。「俺36だけど、こっから先の人生は段々短くなってくと思うよ。今の倍は生きられんと思う」てなことを言ってましたが、それを笑おうとして固まってしまった牙様もそう言えば同い年(笑)。そんなシーンもありました。
誰だか忘れたけど、「終わりのはじまり」やった時のTOSHI兄さんの「老いてますます盛ん」ってセリフを引用した人もいたなぁ。誰だっけ。
結成からの14年は早いようで、きっちりその分年くってるってことね。話少し戻してKENTAROちゃんのトーク時。「ツアーと一本のライヴの違いって、狭いハイエースでちっちゃくなってる時間があるかどうかって、そこだけやから」。要は、一本一本のライヴを大事にやってるんだよ、と。しかし問題はこの後。
そのハイエース、26万キロ走ってるんだそうだ。たまにドア開かなくなることもあるんだそうで。いや、そりゃそうだろ。驚異以外のなにものでもねぇ……これは笑う人より驚く人が多かった気がするなぁ、さすがに(笑)。
その後だったか、牙様も「今日が14年目の何日目やとか、そういうふうに思ってるわけではなくて、今日からまた新しいことやっていこうって思ってるから」ってなことを仰ってました。だからこの人たちの14年は、あっさりしてるように見えて濃いんだね、きっと。で、最後。曲がなんだったかすでに覚えてないけども(苦笑)。
曲の後半で、KENTAROちゃんがステージから降りてきました。またかよ(笑)!!!!!(←4回行ったGargoyleのライヴのうち、こういう光景は3回目)
しかも後を追って牙様も降りて来ちゃって。KENTAROちゃんは上手側の途中で足を止めたんだけど、牙様歩く歩く。一度は物販並べてあるとこに軽く腰掛けてたようにも見えた。最後列のすぐ前にいた俺より後ろまで行ってから、客席最前中央へ戻っていかれました。びっくり。
なににびっくりって、予想はしてたが牙様、俺より小(以下自主規制)
ふと気づいて見上げたら、KENTAROちゃんはGENさんに肩車されてました。GENさん肩車はやはり三年前に牙様がしてもらってたのを見たなぁ。えらい既視感。
この時なにが嬉しかったって、スタッフさん(だと思うんだけど)の機転。客電って蛍光灯だったんだが、牙様が降りてきた辺りの蛍光灯を咄嗟に点けてくれたんだよ。予定外のメンバーの動きにもがっつりついていくスタッフさん(推測)、ありがとう。ほんとの最後の最後、ほんとに楽しかったんだなぁって思える顔してました。五人とも。ああいう顔見られるとそれだけでえらい満足感あるんだよなぁ。Gargoyleに限らず。
そんなわけで今日も大変楽しいライヴでございました。おしまい。ああ、俺まだ大丈夫だー。と思った日。だった。幸せだね。