CRAZE
glory_ways...unknown JAPAN TOUR 2002 2003.2.6 渋谷AX
相変わらずPA席前しか取らない俺様、今回はPA席を囲う柵を一辺にとる形で三角地帯が作られており、そこにカメラ用の三脚が立っていたため、その三角の先端よりちょっと上手寄りに陣取る。客席後方のドアが閉められても、俺の前はまだ約1mほどは空いていたが、その向こうのフェンスが見えるほどではなかったし、フェンスの向こうの最前エリアはけっこう詰まってるようだったので、それなりの入りだったものと思われる。
BGMはわかるものがなかったんだが、どれもこれも太鼓屋さんの好きそうな感じだなーと。
ところで、客入れが進んでからもステージ上で照明が点いたり消えたり動いたりしてたんだが、それはまだ作業が進んでいたということかい? それとも遊んだだけか。どっちだろう。この時点での問題は、2階席下手側フェンス際。
……その黒地に白の『BOMBER BASS 飯田成一』しかも成ちゃんの顔入り横断幕はなんですか。
気がついたら、俺のすぐ後ろの三角地帯に入ったカメラさんがしっかりそれ録ってたし(笑)。
よくよく見れば、「BOMBER」の「O」の中に「爆音」とか、名前の上に「Fightttttttttttttt!」とか。誰が作ったんだか知らんが、遊んでんなぁ(笑)。SEと同時に暗転、しばらくして出てきたメンバーの衣装等がすでに記憶の彼方に飛びつつある……まぁ皆さん毎度恒例な感じではあったわけだが。
板谷祐。デコのタオル巻きは相変わらず。上はツアーグッズTシャツだったろうか。忘れた。
瀧川一郎。Tシャツが紫でした。ギターも紫でした。代わりに、秋にがっつり紫に染められ切られていた髪がけっこう伸びて、茶に戻っていた。下はジーンズ。けみかるうぉっしゅな感じで。
飯田成一。ごめん、可愛かった(断言)。上はTシャツだったんだが、下がまさかモスグリーン系のチェックの七分丈のパンツだなんて誰が思うよ。色はともかく、チェックって。あんた幾つ(笑)。
菊地哲。わかりません。定番のTシャツに半パン辺りじゃなかったかと思う。元気げだった。かなり元気げだった。
SEの終わりに畳み掛けで一曲目「STRAIGHT THE MAN」。この後は初MCの後に新曲(タイトル「LIFE SPEED」と聴こえたが違うかも)を挟んで、アンコールの最後に「baby punks」を足した以外は、昨年九月に新潟で見たのとほぼ同じメニュー。二ヶ月の間を置いたとはいえ、ツアーファイナルという点に重きを置いた模様。ケジメつけんの好きだからね、この兄さんら。納得。
で、ライヴそのものなんだけど。兄さんら、嬉しいのは嫌ってほど伝わってくる。わかるから、ちょっと落ち着け(爆笑)。
と思うほど、とにかくテンションが高い。同じかそれ以上にテンション上がることも多いはずの客席前方エリアすら置き去りな感じに見えるほど、ステージ上だけ異様にテンションが高い。客席とステージのテンションの噛み合わない状態は、なんとこの後、本編ラストスパートに入る辺りまで続いた。と、俺は思った。客席ももちろんテンションは高いんだが、なんとか食らいついていこうとする客席を振り切らんばかりの勢いで爆走してくれるんだ、ステージ上が。かみ合ってなかったねー、上と下が……。
それが特に音に出ているのはもちろん、二ヶ月前のライヴ延期の原因となってしまったdr.菊地哲。テンポまで速いんだよ(笑)。おかげで成ちゃんがちょっとテンポ抑え気味に弾いて引き止めてたくらい。しかもそれでもやっぱり止まれない(爆笑)。機材は一郎氏がボグナーのアンプにギター最低三本。全部LPで、紫が二本と蛇革が一本。
成ちゃんのはアンプが恐らくマーシャル。ベースはフェンダーかなんかのが一本と、ボディカラーが白でピックガードがミラーのが一本。白いのは後半戦で登場。
哲は途中、最初の方のMC時にセットから離れるなんていう光景も見られたが、これはローディーさんがスネアを交換していたためだった模様。新潟でも見たシンプルなセットのままだった。「STRAIGHT〜」から「PARANOIAC」「I WANNA GO」と立て続けにきて、初MC。ここですでに、今回のライヴを含むツアーのDVDとビデオが出るぞーと告知があった。ビデオは、DVDを見られないヤツらのために、との発言が祐からあったが、この直後「俺のためでもあるんだけど」by 祐。彼もDVDプレイヤーを持たない人らしい。が、なんもここで暴露せんでも(笑)。
レコーディングもしてた、との発言に続いて、その成果たる新曲を披露。五月にシングルで出す曲らしいが、まさにシングル向きというか現メンバーのCRAZEの王道というか。まだまだ爆走する気満々ですね? という感じ。五月が楽しみだ。
「ひとりじめ」「LIP CRIME」「VOO DOO LOVE」と続いて、ここで再びMC。この時は祐がひたすら「ずっとずっとずっと!」と繰り返し叫んでいた(後で同行のお嬢さんズに確認したところ「ずっと」が八回だった模様)ので、この後に来る曲が丸分かり。「ずっと」の後には「一緒にいようぜ」だか「一緒にいてくれ」だかそんな言葉が来たし。案の定「WITH」「LOVE IS YOU」によるバラードコーナーでした。
この辺りでようやく哲が落ち着いたかと思えたのも束の間、「LOVE IS YOU」に続いた「交錯」は良かったんだが、「悪」のイントロで哲が遊ぶ遊ぶ。
「交錯」に引き続き成ちゃんががすがす弾き始めて、哲がこの辺で音入れてくるかー!? と見せかけて、入らない(笑)。それを数回くり返すうちに、一郎氏までもが音を出し始めてしまい、ようやく曲がまともに始まった頃には祐が雄叫びをあげていた。やっぱりテンション落ち着いてなかったね……元気なおっさんらだよ、ほんとに。ここでメンバー紹介のMCが入る。
vo.板谷祐、自己紹介。以下、ほぼ本人の言そのまんま。
「波乱万丈、此の世は未知也! 汗かき、べそかき! ロックンロール! 板谷祐でーす!」
……銀蝿かよ。年バレるっちゅーに。いや、バラしてるからいいんだけど、それにしたって(笑)。
続いて成ちゃん。ステージ上もすでに2階席下手の横断幕に気づいていたらしく、祐がそれを指差して見せると、客席が煽られて「ボンバーベース」コール。それを受ける成ちゃん、大変に嬉しげである。とっくに三十路突入してることを疑ってしまうほどにガキくさい顔で笑う笑う。コメントは大体以下の通り。
「こんなに入ってくれて、すげぇ嬉しいです。今日は頑張ります。頑張りましょう。……そんなカンジです」
……終始照れながらもメンバー中一番マトモというか一般的なコメントを出す男、飯田成一。しかし、頑張りますって。バラードコーナーも終わった本編半ばまで来て、頑張りますって。ここまでは頑張ってなかったんかい(笑)。
更に瀧川一郎。こちらも一郎コールを受けて満足そうにマイクに向かう。しかし、マイクスタンドが低めにしてあるせいとは言えわずかに上体を前傾して、両手を後ろで組んで喋るのは止めなさい。可愛いから。
「ありがとう。えー……(ステージ上を手で指し示して)四人いまーす。(ステージ袖を見て)スタッフもみんないまーす。(2階席を見上げて)友達もたくさん来てくれてまーす。(客席を見渡して)そして皆さんもいまーす。……ありがとう。……ってカンジ」
成ちゃんの締めをおちょくったつもりかもしれないが、同様に可愛いだけだと思ったヤツがここに(挙手)。新潟では楽しげだなーと思えた笑顔が、今回は楽しげなんだけどそれ以上に幸せそうに見えたので、それはそれで嬉しかったが。
そして締め。菊地哲。一郎氏のコメントが終わった辺りからすでに哲コールが湧いていた。ごくごく短いドラムソロもどきなんか挟んでみて、マイクを受け取った哲。
「えー、どっかのバカが、入院なんかしちゃってねぇ! そんなキャラでもないのにね!」
……どっかのバカって。あなたでしょうが。体調崩すのは馬鹿とは違うと思うが、「そんなキャラでもないのに」には全面的に賛成させていただこう。確かにそんなキャラじゃねぇ(笑)。二ヶ月の間は嫌なブランクにはならず、むしろいい静養期間になってくれた模様。ほんとに元気そうで音も揺れないし息もノーマルに上がる程度だったみたいだし、それでいいか、と。この後、「GOLDEN FLOWER PEOPLE」「Knock Your Soul」と来て、更にMC。ここまで来ると、宣伝事項もなければ喋りたいこともあまりないらしく、祐がノーマイクで雄叫びをあげるシーンが多数。しかし、広めの会場でやられると残念ながら後方は置き去りにされてしまうんだな。楽しげだからいいけど。
煽りに煽って「午後9時の太陽」。もう一度MCを挟んで、「すばらしき明日へ」「I LOVE YOU」「SHAKE YOUR HONEY」で本編終了。
「午後9時〜」を挟んでの二度のMCのどちらかで、すでにお馴染みの「We are CRAZE!」コールの最中、祐が他のメンバーを煽っていたシーンが見られたのが個人的には楽しかった。一郎氏→哲→成ちゃんの順に、向かい合って叫ぶ祐にノーマイクで叫び返すという。これ、祐は非常に楽しげだったんだが、一郎氏は自棄になったかのように叫んでいたし、哲はちょっとおどけていたように見えたし、成ちゃんは照れていた。三者三様。楽しい。アンコールは「TROOPER」から。衣装替えしたのは誰だったか、すでに記憶がない。一郎氏はTシャツ着替えてたな。成ちゃんもだ。そうだ、成ちゃんのTシャツが、なにかの顔らしきものが胸に描いてあるヤツだったんだが、その眼だけが蛍光塗料かなんかで、全体が暗めのライティングの時に足元からライト当たると、眼だけ光るんだよ。怖かった(笑)。
今回も弦楽器隊がコーラスに精を出していたんだが、やっぱり一郎氏のコーラスがめけめけ。あの人はダメです。歌っちゃいけない。叫ぶ分にはいいんだが、歌っちゃいけない(苦笑)。これもお馴染みの赤色回転灯を使用しての「0911」でアンコール一回目終了。
二回目は「TRUE HEART」と「ARMY」。この二曲が終わると哲以外はとっとと退場。しかし、哲がツアー中ずっと恒例にしていたデジカメでの客席撮影を終えた後、カメラマン女史が哲のドラムセットの中に入り、ステージ最前に出てきた哲に呼ばれて他のメンバーも再登場。メンバーが客席を背にステージ最前に並び、客席と共にドラムセットから写真を撮ってもらうという事態が発生。なんでそんなアマチュアみたいなんですか、この人ら。大好きだ、ちくしょう。
ここで哲がスティックなんかを撒いてる頃からだったか、客席からアンコール代わりに「baby punks」コールがあがる。しかし哲が、「そう言えばさっき、皆なんか言ってたね?」とだけ言い残してステージを去る。呼べってことかい、要するに。
呼び続けてる間に、カメラマン女史が哲のデジカメ写真を補完するかのように客席を撮り続けていたが、メンバーが出てくると同時に一旦退却。最後に客が呼んだ通り「baby punks」をぶちかまして終了。今回はステージ客席ともに、秋のツアーで回っていたような小規模のライヴハウスとは広さが桁違いだったので、メンバー側の動きなんかが特にかなり違って見えた。まぁそりゃねぇ、新潟のJUNK BOXのステージじゃ走り回れる人なんかいないだろうさ。なんせvo.のマイクスタンドとバスドラの間が大人の足で二歩あるかどうかくらいだと思う。彼らがツアーで回った他の会場も恐らく大差ないだろう。それから考えたら、走る一郎氏や回る祐が見られただけでも大違いで楽しかった。
ついでに、あくまでも個人的に昔から好きだった一郎氏のポーズ。両の拳を顔の前で握ってムダに力入れてるヤツ。往年のライヴビデオ等では幾度も見られたあれが、今回あったんだよ。vo.が祐になってからライヴに行き始めたという同行のお嬢さん曰く、祐になってからはほとんど見たことがなかったと言っていたから、久々に見たこれは密かに嬉しかったりしたのだ。今回の総括。最後までメンバーのテンションは高いままだった。ある意味凄かった。
演奏上の細かいミスだとか、メンバー間でも特に哲のテンションが高すぎて空回ってる感じがあったりとか、それがあまり気にならない、いいライヴだったと思う。以上。