よく耳にする病気
マイコプラズマ肺炎

 肺炎は以前、子どもを死に至らせる重症感染症として恐れられ、肺炎球菌、ブドウ球菌、インフルエンザ菌などによる細菌性肺炎が主体でした。しかし近年、日本では抗生物質の進歩、多用などにより細菌性肺炎が激減し、代わってウイルスやマイコプラズマなどによる非細菌性肺炎が増えてきています。
 現在、幼児や学童が罹患する肺炎の多くはマイコプラズマ肺炎です。この肺炎はmycoplasma pneumoniaeよって起こされ、細菌とウイルスの中間に位置し、そのため臨床症状も多彩で、肺炎の他、発疹、中耳炎まれではあるが髄膜炎、小脳性運動失調、心筋炎、造血系合併症、関節炎などを起こしてきます。4年周期で流行することが知られており、好初年齢は5から9歳。流行は飛沫感染によって起こるため保育園、学校、家庭、などの比較的閉鎖性のある集団内で流行します。潜伏期間は3週前後。
 症状は発熱と持続性の頻発する激しい咳が特徴で、咳は早朝および就寝時に増強します。治療はマクロライド系抗生剤が有効で、M, pneumoniaeには細胞壁がないため細胞膜阻害剤のペニシリン系やセファロスポリン系は無効なのです。


アデノウイルス感染症

 アデノウイルスは乳幼児の呼吸器系感染症における主要病原ウイルスのひとつです。このウイルスは現在のところ49種の亜型が知られており、その型方により多彩な病状を示します。日常よく見られるもとしては、咽頭炎・滲出性扁桃炎、咽頭結膜熱(プール熱)、結膜炎、胃腸炎があり、その他、肺炎(重症化するものとしてアデノ7が有名)、出血性膀胱炎、腸重積を引き起こす腸間膜リンパ節炎、髄膜炎など多彩です。
 咽頭炎・滲出性扁桃炎(アデノウイルスによる)
 症状は高熱(39〜40度が3〜7日持続(平均4.5日)し、のどが真っ赤になり、ぐったりしてかなり重症感があります。時に結膜炎を伴い目が真っ赤になります。潜伏期間は5から7日。診断は迅速キット、白血球増多、CRP陽性によります。治療に関しては、特効的な有効な治療薬はありません。対症療法となりますが、重症化し易く、点滴や入院が必要な方もかなり多くいます。



溶連菌感染症


 A群βー溶血性レンサ球菌によって発症する しょうこう熱,咽頭炎,扁桃腺炎などを総称して溶連菌感染症と呼んでいます。
 飛沫により感染し潜伏期間は2から3日で、症状は喉の痛み,発熱,発疹(顔,体に細かい発疹が広範に出現し、皮膚全体が赤くなる)嘔吐などです。
 診断は迅速診断によりその場で診断が確定できます。
 本症は治療しなかったり、不完全な治療ではリウマチ熱や腎炎などの合併症の発症率が高まるため、診断をはっきりさせ約10日間の抗生剤の投与が必要となります。また兄弟には高い確率で伝染しますので予防的な抗生剤の投与を3日間ほど行います。
 合併症である腎炎の発症のチェックの為2〜3週後に尿の検査をします。




RSウイルス感染症


 RSウイルス(RS-virus)は,Respiratory Syncytial Virusを略したものです。Respiratory は「呼吸の」と言う意味で,呼吸器系に感染するのウイルスです。このウイルスに感染すると高熱と咳が出ますが、特に乳児ではゼロゼロしたり、哺乳力低下、呼吸困難など重症化し易く、入院を要する事が多くなります。つまり乳児に細気管支炎・肺炎を引き起こす代表的なウイルスです。流行は晩秋から早春が中心で、潜伏期は5日前後、治癒までの平均期間は約8日間です。再感染もありますがだんだん症状は軽くなります。


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