喫煙が肺がんをはじめとする多くの癌や心筋梗塞などの心臓病の原因となる事は科学的な裏付けもあり、また広く知られた事実でもあります。1995年には世界で300万人、日本で9.5万人がタバコのために死亡したと推定されています。欧米諸国では1960年代より様々な喫煙防止に対する取り組みが行なわれてきました。その骨子は@喫煙の健康影響に関する情報提供A個人を対象とする禁煙支援と喫煙防止教育B広告規制、禁煙場所の拡大などの環境整備や法的規制などです。これらの対策により欧米では国民のタバコ離れが進み、肺がんの罹患率、死亡率が減少してきています。因みに成人男性の喫煙率(2000)はスエーデン19%、英国27%、米国26%、日本49%でした。一方、日本では喫煙防止に対する取り組みが非常に遅れています。WHOが以前より提案していた「タバコ・コントロール枠組み条約」にも長年難色を示し、昨年度ようやく受け入れを表明したのが現状です。また昨年5月に施行された「健康増進法」の第25条で「学校、病院などを管理する者は、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう」との方針を提示するまでになってきました。

このように日本では喫煙防止への取り組みは始まったばかりではありますが、喫煙を習慣づけ無い為にも学校現場での対応が重要となります。生徒たちに喫煙の健康影響に関する情報提供と禁煙支援そして喫煙防止教育を行なって行く事が基本ではありますが、学校の敷地内全域を禁煙空間に設定できるよう職員の方々の理解と努力も必要ではないかと思われます。


喫煙防止への取り組み