予防接種に対する基本的な考え方

*抗菌剤、抗ウイルス剤、医療の進歩により感染症をコントロールできると人類は過信しましたが、現実はまだまだまだの段階で、ワクチンによる予防が、最も良い対処方法であることを認識しました。また医療経済面でも予防が優っているという判断で、予防可能な病気に対して積極的に接種が行われるようになってきました。またがん予防として、子宮頚がんワクチン、B型肝炎ワクチンが導入され、今後もがんワクチンも増えてゆくものと思われる。

*ワクチンに対する考え方は2通りあり、。「個人防衛」と「集団防衛」
の2つがありますが、両者は密接に関係しています。個人に対する予防接種は、限界があり、抗体かが上がりにくい人がいたり、BCGのように予防効果が劣っているものがあったりで、確実に個人を病気から守るのは困難です。つまり集団での病気の発生をなくすことが重要となります。集団での病気の予防は、その病気によって異なり、例えば麻疹では集団の90から95%の人が接種を受けない限り流行を抑え込む事が出来ません。また接種回数も病気によって異なり、1から4回で複数回接種しなければ効果が十分でないものがほとんどです。



**日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

**各予防接種の接種年齢、注意事項は新潟県小児科医会のホームページを参照してください

定期予防接種

MR(麻疹,風疹)、BCG、三種混合、二種混合、4種混合(テトラビック)、ポリオ不活化(イモバックス)、日本脳炎
ヒブワクチン、肺炎球菌(プレベナー)、水痘

積極的勧奨を控えている
子宮頚がんワクチン(サーバリックス、ガーダシル)

任意接種(有料
(水痘、おたふくかぜ、インフルエンザ、ロタウイルス(ロタリックス、ロタテック)、B型肝炎、狂犬病、大人用肺炎球菌(ニューモバックス)


*県内であればいつでも何処でも予防接種を受けれます。詳しくは下記の広域的予防接種をご覧下さい。

広域的予防接種
 予防接種は平成6年の予防接種法改正により集団接種より個別接種を基本とする事となりました。まだ集団を主体とする市町村もありますが,患者さんの利便性を考慮して、新潟県ではいつでも何処でも県内の医療機関,かかりつけの小児科医で予防接種が受けられるよう広域的予防接種というシステムが全国に先駆け作られました。
 このすばらしい制度が認められ、全国の都道府県に新潟方式として広がっています。いずれは県単位でなく日本全国どこでもいつでも予防接種ができるよう働きかけてゆきたいと考えています。
 個別接種を行っていない市町村の子どもでも必ず個別接種が受けれます。詳しくはかか

新潟県小児科医会HP





**喘息発作には色々な誘因があります。
 乳幼児では風邪(ライノウイルス、パラインフルエンザウイルス)や気管支炎(RSウイルス)
などが誘因となる事が多くあります。
 一方4〜5歳以上の幼児、小学生以上では天候の影響を受けやすく、秋晴れのすがすがしい日や、前線が近づいてきて天候が崩れる前の日などに発作を起こしやすいようです。時間帯は朝4時がピークとなります。
 天候が関係する喘息で有名なものにニューオリンズ喘息があります。ある日その地域の喘息児が一斉に花が咲くように発作を起こしたのです。これと同じような事が私達の回りでも時々見うけられます。
 その他の誘因としては、冷たい空気(クーラーの効き過ぎ)、花火、線香の煙、走った後(運動誘発喘息)、外泊などがあります。こられの事は注意すれば避けられます。また外泊時に発作を起こすことが多く、これは寝具が変わったことによるようですので、外泊時は出来たら自分の寝具を持参するようにしてください。