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b1財務会計の概要


財務管理の意義 企業会計と財務管理 会計法規 企業会計原則 簿記と決算

財務管理の意義
 企業経営における「財務」とは、企業経営を基礎とした時の資本の流れである。すなわち企業経営に必要な資本を調達活動したり、調達した資本を色々な形で運用活動したりする事である。このような企業の財務活動を計画し、統制する事が財務管理である。一方財務活動の過程においては、いかに利益を獲得するか、いかに支払能力を維持し、企業財政の健全性を保証するかが重要な課題となる。財務管理は、収益性目標及び流動性目標達成のための企業活動という側面を持っている。
 財務管理=資本の調達と運用という財務活動
       =収益性目標と流動性目標を達成しつつ
       =財務計画と財務統制によって展開
企業会計と財務管理
 企業会計は大きく財務会計と管理会計とに区分される。
財務会計は株主、投資家、債権者、国・自治体、消費者、地域住民などの外部利害関係者に、企業の経営成績・財務内容を報告するための会計である。財務会計は、決算会計・外部報告会計・法律会計の特質を有る。
 一方、管理会計は企業内部の経営管理者を対象として、意思決定や業績管理に役立つ資料提供を目的とする会計である。
管理会計は経営者会計・内部報告会計の特質を有している。このため財務計画と財務統制にとっては、財務会計以上に管理会計が重要視される。

   財務会計と管理会計の対比
同文館 西沢修 「財務管理演習」
財務会計
(伝統的な決算会計)
管理会計
(財務管理で使用)
会計実体 企業全体 部門やプロジェクトもなりうる
会計期間 必要(継続企業を前提) 特に必要がない
貨幣測定 常に貨幣で測定 貨幣以外の用具でも測定される
実現主義 製品の引き渡し時に実現 左以外の時も実現する
原価主義 実際原価しか利用出来ない 関連原価も利用される
損益対応 全社的な損益が計算される 部門別にも損益が計算される
客観性 情報には証拠が必要 証拠は必ずしも必要はない
継続性 堅持される 必ずしも堅持されない
公開性 外部者に対して一定の公開性を有する 管理者に対し完全な公開性
保守主義 実績は保守主義に計算 計画にも確立も使用さる
会計法規
 財務会計については、利害関係者の利害を調整するために、法律・規則・原則などによるいわゆる法的規制があり、会計法規に従った処理が強制される。
規則 目的 方法 対象 提出先
商法 商法計算書類規則 債権者・出資者の保護 分配可能利益の算定 株式会社 株主総会
証券取引法 財務諸表規則
連結財務諸表規則
中間財務諸表規則
投資家の保護 利益業績の明示 上場会社
店頭登録
会社など
財務大臣
法人税法等 課税の公平 課税所得の計算 全企業 税務署
会計公準
 企業会計において設定される基礎的前提条件、会計の諸慣習や諸原則の基盤を形成する最下部構造である。一般には次の3つが広く支持されている。
@ 企業実体の公準・・・・・会計の客体である企業は所有者または資本主から独立した存在であるという前提。企業自体を会計に計算対象にするという事である。
A 会計期間の公準・・・・・企業は継続企業(ゴーイング・コンサーン)であると仮定するため人為的に一定の期間を区切って、この会計期間を対象にして業績を測定するという前提。
B 貨幣価値の公準・・・・・会計が対象とする企業の資産や資本は、すべて貨幣金額によって評価し計算するという前提。
企業会計原則
 企業会計原則は、財務諸表作成の基準として、企業会計の実務の中に慣習として発達したものであって、@一般原則、
A損益計算書原則、
B貸借対照表原則、
C企業会計原則注解   の体系より成り立っている。
                                         発生主義の原則
                                         総額主義の原則
                ---損益計算書原則            費用収益対応の原則
                                         区分表示の原則
  企業会計原則                              実現主義の原則
                                    │ーー 完全主義の原則
                ---貸借対照表原則       │   総額主義の原則
                                    │    流動性配列の原則
                                    │ーー 取得原価主義の原則

企業会計原則(一般原則)
@ 真実性の原則 : 企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するもので無ければならない。
A 正規の簿記の原則 : 企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って,正確な会計帳簿を作成しなければならない。
B 資本取引・損益取引区分の原則 : 資本取引と損益取引とを明瞭に区分し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。
C 明瞭性の原則 : 企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対して必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らしないようにしなければならない。
D 継続性の原則 : 企業会計は、その処理の原則及び手続きを毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。
E 保守主義の原則 : 企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がる場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。
F 単一性の原則 : 株主総会提出の為、信用目的のため、租税目的のためなど種々の目的のため異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されるものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示を歪めてはならない。
簿記と決算
企業が自社の財産、収支などに関して一会計期間の業績を数字でまとめ、経済活動の結果を評価・報告する事を決算といい、財務諸表(決算書とも呼ばれる)として作成される。財務諸表は日日の取引記録の集計結果であり、その記録を行なう方法または業務の事を簿記という。
 @ 会計記録
   日々の取引の記録を行なうツールとして用いる紙片で、勘定科目を用いた仕訳という手続で記録を行なう。
 A 総勘定元帳
   会計伝票を勘定科目ごとに集めて分類・整理して転記されたもの
 B 試算表
   総勘定元帳をともに勘定科目ごとの残高を算出したもので、損益計算書・貸借対照表を作成する際のスタートに位置する
 C 精算表
   試算表をもとに損益計算書・貸借対照表を作成する手続として、精算表という一覧表を用いる。用途に応じ6桁・8桁・10桁の書式がある
 D 決算書
   精算書の中でおこなわれた日々の取引記録から、損益計算書・貸借対照表を作成する家庭で附加する、決算時特有の修正手続の事である
 E 損益計算書・貸借対照表
   一会計期間における利益額あるいは損失額を示したものが損益計算書であり、決算時点で保有している財産状態を示したのが貸借対照表である。


【参考】
【用語】
【関連説明】
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