TOP経営法務>e1事業開始、会社設立に関する知識>e2会社法e3株式と株式会社>e4株式会社の機関>e5企業の資金調達>e6株式公開の手続>e7契約に関する法務知識>e8知的財産(所有)権に関する知識>e9企業結合と企業買収>e10倒産法制>e11その他の法律知識

e3 株式と株式会社


株式会社とは 資本制度 資本3原則 所有と経営の分離 株式 株主の権利と義務 株式の種類 端株制度,単位株制度 株式の譲渡

株式会社とは
 社員(出資者)の地位が株式という細分化された均等な割合的単位の形をとり、出資者(株主)は出資価額の限度で会社に対してのみ責任を負う(有限責任)会社のことである。株式の地位の均等な割合的単位と有限責任に伴う機構上の特色は、株主の個性喪失と大規模な資本の形成とにある。
@ 株主平等の原則: 社員(株主)の地位の大きさが、その個性ではなく客観的な持ち株数によって決まること。つまり、誰であっても、その株数に応じて均等にとり扱われる事。
A 間接有限責任: 出資者(株主)は出資価額の限度で会社に対してのみ責任を負うこと。
資本制度
 資本の意義: 会社債権者を保護するために「資本制度」のことである。資本は、会社財産を確保するための基準となるする一定の計算上の総額であり、その額は、原則として株式の発行価額の総額とされる。株式会社の資本の額は、1000万円以上である事を要する。(最低資本制度)
資本3原則
資本についてはいかのような3つの原則がある。

@ 資本充実の原則: 資本の額に相当する会社財産が名目的にではなく現実に払い込まれること。
A 資本維持の原則: 資本の額に相当する会社財産が現実に維持されていること。
B 資本不変の原則: いったん定められた資本の額を容易に減少させることは出来ないという原則。
所有と経営の分離
 株主が直接経営に関与するのではなく、経営の専門家である取締役会に経営を一任し、監査役(大企業では監査役のほかに会計監査人)に取締役の業務執行状況を監査させることで、企業の所有と経営を分離させ、機動力的な活動が行えるようにする事を、「所有と経営の分離」という。株式会社の大きな特徴です。
株式
 株式とは、株式の地位を意味し、株式会社以外の会社一般に当てはまる持分と同じ意味である。均等の単位の形をとる株式は、原則として1株が株主総会における1票に当たるので、株主はその持ち株数によって権利の割合が定められる。それゆえ、株式は株主の会社に対する割合的地位とも言われる。株主はあくまで持ち株数の割合によって会社の経営に参加し、企業利益の分配を受けることが出来るのである。
株主の権利と義務
 株主の権利と義務には以下のようなものがある。
@ 権利: 株主の権利には「自益権」と「共益権」がある。「自益権」とは株主が社員として経済的利益を受けることを目的とする権利のことで、利益は配当請求権や残余財産分配請求権などがある。「共益権」とは株式が会社構成員としてその経営に参画することを目的とする権利で、株式総会の議決権などがある。
A 義務: 株主は、会社設立や設立後の新株発行などに際して、株式の引きうけ価額を限度とする出資義務を負う。これを株主の有限責任という。
株式の種類
 株式には、額面の有無、権利の優劣、議決権の有無などによりいくつかの種類に分類される。
@ 額面の有無: 券面額を有する額面株式とそれがない無額面株式とがある。両者の権利内容に差異はない、相互の転換も可能であるが、額面(券額面、株金額)は均一であることを要し、額面未満での発行は認められない。
A 権利の優劣: 自益権については、利益配当ないし残余財産の分配に関して、普通株のほかに優先株または劣後株を発行する事が可能である。たとえば、利益配当に関する優先株を発行した場合、会社は、優先株主に予め定められた一定額の利益配当を支払った後でなければ普通株主に対して利益配当を行うことが出来ない。それゆえ、優先株は一定の限度で、社債的な側面をもっている。
B 議決権: 共有権についても議決権のない株式を発行することができる。議決権のない株式とは、配当優先権を認める代償として議決権がないものとされる株式である。
端株制度、単位株制度
 1株に満たない持分を取り扱う制度として、「端株制度」と「単位株制度」がある。
 端株制度とは、1株に満たないが100分の1株の整数倍のものは端株として存在を認めることにいしたものである。端株主には議決権等の共益権は認められず、一部の自益権のみが認められている。
 単位株制度とは、昭和56年改正以前から存在する既存社会に対して適用されるもので、将来法律によって出資単位が5万円になるような株式の併合が行われるまでの経過措置である。端株の場合と同様、共益権の行使は認められないが、端株の場合には定款で認められた場合にのみ利益配当請求権と新株引受権が与えられたのに対し、単位未満株主には当然認められる点が異なる。
株式の譲渡
@ 株式譲渡自由の原則
 資本維持の原則から、株主は株式会社から株の払い戻しを受けることは出来ない。しかしそれでは株主が投下資本の回収ができないので、株式を自由に譲渡することにより、その対価を取得するという方法で投下資本を回収することが可能となる。
A 株式譲渡の制限
 株式の譲渡自由の原則に対して様々な理由により制限がある。
 1) 商法による制限  

 権利株の譲渡制限: 法律関係の複雑化や混乱を防止し、株式会社設立の迅速化をはかるために、会社の設立または新株発行の効力発生前における株式引受人の地位である権利株の譲渡を制限している。当事者間の譲渡は有効であるが、会社との関係では効力を生じない。

 株式発行前の株式譲渡制限: 株式発行前の株式譲渡は当事者間の譲渡は有効であるが、会社との関係では効力を生じない。
 自己株式取得の禁止: 自己株式の取得が禁止されている理由は、資本維持の原則に反すること、株主平等原則に違反することなどから、会社が自社株を買い取る「自己株式の取得」は禁止されている。ただし、商法改正により、自己株式取得の許容範囲が広がった。
 子会社による親会社の株式取得の禁止: 子会社が親会社の株式を取得することは、自己株式の取得と同様の弊害があるので禁止されている。
 定款による譲渡制限: 我が国における株式会社のほとんどは非公開会社であり、通常、株主の変動はない。商法は、閉鎖性維持の要請を認め、株式の譲渡には取締役会の承認を要するという定めを定款に置くことを許している。
 2) 独占禁止法による株式の取得制限
   独占禁止法では、競争の実質的制限、あるいは不公正な取引方法にあたるような株式の取得を禁止している。
 3) 証券取引法によるインサイダー取引の規則
   証券取引法では、会社の役員など、いわゆるインサイダーが、不公正に株式を取得することを禁止している。




【参考】
【用語】
【関連説明】
【50音検索】

ページTOPへ
最終更新日 02/01/16