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e4 株式会社の機関
株式会社の機関 株主総会 取締役 取締役会 代表取締役 監査役 会社の計算 利益配当
株式会社の機関
商法では、株式会社に株主総会、取締役会・代表取締役、監査役の3つの機関を置くことを定めている。
株主総会
資本の所有に基づく最高意思決定機関である。株主総会は発行済み株式数の過半数の株主出席により成立する。株式総会では、
(イ) 会社の基礎ないし営業に変動を生じる事項(定款の変更、資本の減少、解散、合併、営業譲渡等)、
(ロ) 機関の選任、解任、計算に関する事項(計算書類の承認および利益配当の決定)、
(ハ) 経営陣による権限濫用の危険が大きい事項(事後設立等)などを決議する。決議は出席株主の過半数または3分2以上の賛成による特別決議で行われる。ただし、株主総会で決議できる事項は株式会社の基本的事項のみに限定されている。
会社は定時株主総会を毎年1回、一定の日時に召集しらければならないが、臨時総会は必要に応じて臨時召集される。
どちらも、原則として取締役会が召集を決議し、代表取締役がその決議にしたがって召集する。各株主に対しては、総会の日の2週間前までに、総会の議題、召集場所、召集日時を記載した書面(召集通知)を発送する(発信主義)。
株主総会は、株主の所有する株式の多数決(1株1議決権の原則)で会社の意思が決定される。
近年、一般株主は単に株式配当と株価にもっぱら関心をもつ無機能株主と化しているおり、大規模化した株式会社では出資者が多数で、実際に株主総会に出席する株主は少なく、株式総会は事実上取締役で決められた事項を形式的の承認する場となっており、無機能化していることが問題となっている。
取締役
取締役は、取締役会の構成員として会社の業務執行についての意思決定に参加する共に、他の取締役の職務執行を監視する義務を負う。取締役自体は株式会社の機関ではなく、取締役会という機関の構成要素である。
取締役は、株主から経営を全権を委譲されている。そのため、取締役は株主総会の決議を遵守して、会社のために忠実にその義務を負う「忠実義務」がある。商法では、「法令を遵守し忠実に職務を遂行する義務」(忠実義務)が定められている。また、善良な管理者の注意義務をもって業務を執行する「善管注意義務」がある。
商法で、取締役の員数は3人以上が必要であり、それ以上の具体的な員数については定款で定める。取締役の任期は2年(会社設立時のみ任期は1年)を越えることはできない。
商法では取締役と会社の利害が衝突する場合について、競業避止義務と利益相反行為の制限の規定をおいている。取締役の報酬額の決定にあたっては株主総会の決議が必要である。
商法では取締役は様々な責任を負っている。商法では取締役の会社に対する具体的な責任を定めている。法律・定款違反やや違法配当議案の提出、違法な中間配当等である。責任を負うのは、その行為をした取締役およびその行為が取締役会の決議に基いてされた時は、決議に賛成した取締役もその行為をしたものとみなされ、連帯責任を負うことになる。また、取締役が善良な管理者としての注意義務、忠実義務なでに違反して会社に損害を与えて場合には、会社がその責任追求の訴えをしなければならない。会社がこれを怠った時にここの株主が会社に代わって損害賠償責任の追求をすることができる制度である。株主代表訴訟の規定がある。
取締役が第三者に損害を加えるにつれて故意・過失があったときは、民法上の不法行為が成立し、損害賠償責任を負う。また、取締役がその職務を執行するについて、悪意または重大な過失によって第三者に損害を与えた場合には、その損害を賠償しなければならない。その行為が取締役会の決議に基づいて行われている場合には、決議に賛成した取締役も同じ責任を負う。
取締役会
取締役会、株主総会で選任された取締役全員で構成された合議体で、業務上の意思決定や代表取締役以下の役員相互の監視を行う、商法上の機関である。取締役はその構成要素である。
おもな決議事項は、(イ)代表取締役の選任・解任、(ロ)管理職の人事、(ハ)重要な組織部門の設置・改廃などである。
取締役を任命するのは、実際は代表取締役である。大企業などにおいては、多数の取締役からなる取締役会を召集して討議した後、重要事項を決定するのでは迅速な意思決定ができない。そこで取締役の機能は現在では常務会や経営会議が実質的に代行し、代表取締役の権限の絶大化により無機能化傾向がある。
代表取締役
代表取締役は会社の代表権を持ち、取締役で選任される。代表取締約が行った行為は対外的に会社の行為として認められる。代表取締役のゆうする「代表権」は、会社の営業に関する一切の裁判上、および裁判外の行為におよぶ包括的かつ不可制限的な権限である。ただし、代表取締約が定款所定の目的の範囲外の行為をしても無効である。
代表取締約の代表権を制限しても、それを知らずに取引をした第三者に対抗(代表権が制限されていることを理由に取引の無効などの主張)することは出来ない。第三者が代表権の有無や範囲を知ることは困難であるためである。
商法は、代表取締役らしい名称(社長、副社長、専務等)を会社から与えられている者を代表取締役と信じて取引した相手方は(登記を確認してなかったとしても)、保護される旨の規定を置いている。
監査役
監査役は取締役の業務を監査する。定数は1名以上である。監査内容は「業務監査」と「会計監査」である。業務監査は取締役の業務を監査することである。会計監査は、取締役やその他の会計使用人に営業状況や財産状況の報告を求めることである。
監査特例法(株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律)により、資本金が5億円以上の会社または負債総額が200億円以上の会社(大会社)は3名以上の監査役を置き、そのうちの1名以上は社外監査役(就任前の5年間にその会社または子会社の取締役や支配人その他の使用人でなかった者)を選任しなければならない。また、監査役は、互選で常勤監査役を選出するとともに、全員で監査役会を組織する。大会社では経理内容が複雑なうえ、利害関係人も広範囲で多数におよぶことから、特に会計処理の公正をはかる必要がある。そこで、監査役と並んで、会計の専門家である会計監査人の計算書類の監査をする。会計監査人には、公認会計士または監査法人が株主総会で選任される。
会計監査は監査役のほか会計監査人が担当する。また、資本金1億円以下の会社(小会社)では業務監査の必要はない。(大会社と小会社以外を「中会社」という)
監査役は以下のような権限を有する。(イ)取締役にいつでも営業報告を求めることができる、(ロ)取締役会の召集を請求できる、(ハ)取締役・会社間訴訟において会社を代表する等である。
会社の機関
会社の計算
商法は、企業(個人)に対し営業上の財産及び損益の状況を明らかにするため、商業帳簿(会計帳簿、貸借対照表)を作成しなければならないと定めている。取締役の恣意・不正を防ぎかつ会社財産の確保を図って株主及び会社債権者の利益を確保するためには、詳細かつ明確に損益及び営業用財産の計算関係を示すことが必要であるから、株式会社については、毎決算期ごとに、「貸借対照表」「損益計算書」「営業報告書」「利益処分議案(または損失処理議案)」「付属明細書」の作成が必要とされている。
計算書類の記載方法は、「商法計算規則(株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び付属明細書に関する規則)」に定められている。また、企業会計の実務の中に慣習として発達したもののうち、一般に公正妥当と認められたものを要約したものに「企業会計原則」だある。
計算書類の作成手続は、代表取締役が計算書類・付属明細書を作成し、取締役会の承認を受け、監査役の監査(大会社では監査役会及び会計監査人の監査)を受けた後に、計算書類を定時総会に提出して、営業報告書はその内容を報告し、その他の計算書類について、定時総会の承認を受ける必要がる。
利益配当
(1) 配当可能利益
株式会社は、株主に対して利益配当を行う際し、まず貸借対照表を基準として「配当可能利益」を算定する必要がある。
貸借対照表上の純資産額(=自己資本)から資本の額、すでに積みたてられた法定準備金の額及びその期に積み立てる利益準備金の額などを控除した配当可能利益の範囲内で行われなければならない。
(2) 違法配当
違法配当(いわゆるタコ配当)は無効である。違法配当は信用維持を目的とする粉飾決算とともにオコナレルことが多い。
違法配当ガオコナワレタ場合には、会社は株主に対して不当な利得としてその返還を請求できるのみならず、会社債権者も株主に会社に返還させるよう請求することができる。また取締役の責任の問題も生じる。
(3) 無償交付、株式配当、株式分割
企業の株主に対する利益還元方法は、利益配当には限らず「無償交付」や「株式配当」などもある。無償交付は法定準備金の資本組み入れに伴う株式分割であり、株式配当は配当可能利益の資本組入れに伴う株式分割である。いずれも発行済株式総数及び資本金額は増加するが、純資産額は変わらない。
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最終更新日 02/01/16