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e5 企業の資金調達
会社の資金調達 新株発行の3つの方法 新株の手続 資本市場の種類 証券取引法 有価証券報告書 企業情報のディスクロージャー インベスター・リレーションズ 社債 格付け 発行要件 社債の発行手続
会社の資金調達の方法
会社の資金調達方法としては、利益の内部留保、利益準備金、資本準備金、減価償却などの内部資金と外部資金とがある。外部資金には、一般市民が銀行などに預託した資金を、企業が銀行などから資金を借り入れる「間接金融」と、株式市場などの資本市場から直接資金を調達する「直接金融」とがある。
新株発行の3つの方法
企業が新株を発行して資金を調達する場合には、@株主に新株引受権与えて新株を発行する「株主割当増資」、A一般公衆から株主を募集して新株を発行する「公募増資」、B特定の第三者に新株引受権を与えて新株を発行する。「第三者割当増資」の三つの方法がある。
新株発行の手続
新株発行は、まず株主の募集を行う。株式の発行方法・条件、割り当てる相手などは、一部の例外(閉鎖会社、株主以外のものに対し特に有利となる発行価格を持って新株を発行する場合など)を除いて取締役会で自由に決定できるのが原則である。次に株式の申込みを行う。株式の申込みは原則として、代表取締約が作成した株式申込証に決定事項を記載して行う。株式の申込みがあると、これに対して取締役は株式の割り当てをする。この時現物出資をなす者がある場合は、取締役は、現物出資に関する事項を調査させるため、検査役の選任を裁判所に請求することを要する。
会社は、払込期日の週間前に、新株の額面・無額面の別、種類、数、発行価額、払込期日及び募集の方法を公告し、または、株主に通知しなければならない。新株の引受人は、払込期日までに全額の払込をし、または現物出資全部の給付をしなければならない。これにより、新株の引受人は払込期日の翌日から株主となる。
新株の発行によって、会社の発行済株式総数や資本の額は当然に増加することになるため、取締役は変更登記をしなければならない。
資本市場の種類
資本市場とは、株式や社債などは企業が発行する証券を取引する市場である。発行する証券によって、国債市場、地方債市場、株式市場、社債市場、投資信託・貸付信託の受益証券市場などがある。特に株式市場は企業にとって重要であり、かつ経済のバロメーターとして利用される事もある。株式市場には、株式を売買する「流通市場」と新規に発行された株式を取り扱う「発行市場」とがある。証券取引所は、発行市場、流通市場の両方の役割をになっている。
株式公開は、「上場」と「店頭登録」がある。東京、大阪の市場では、その上場基準などにより1部と2部の市場があるまた、近年、東証マザーズやナスダック・ジャパンなどの新市場が設立された。
証券取引法
株式公開会社においては、株式の売買を通して株主が変動している証券市場を、常に健全でかつ活発な状態に保って置く事が会社にとっても株主にとっても、また潜在的な株主(投資家)にとっても重要なことである。その役割をになっているのが「証券取引法}である。
その主要な内容は、公開企業のディスクロージャー、インサイダー取引の規制、5%ルールの導入、損失補填の禁止、証券取引等監視委員会の設置、自己株式取得の緩和などである。
証券取引法と会社法を比較すると、@証券取引法は投資家保護を第一の目的としている。A証券取引法は公開株式会社にのみ適用される。B証券取引法の規制は主として情報開示(ディスクロージャー)を促進するという形でおこなわれる、などの相違点がある。
有価証券報告書
有価証券報告書とは、証券取引法に基づき、投資家保護の観点から、公開企業がその事業年度毎に作成し、財務大臣に提出する書類である。証券取引法では、このほかに6ヵ月毎に半期報告書、または臨時報告書を提出しなければならない。
有価証券報告書には、当該会社の目的、商法及び資本または出資に関する事項、当該会社の営業及び経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項、当該会社の役員に関する事項、当該会社の発行する有価証券に関する事項、その他公益または投資家保護の為必要かつ適切なものとして財務省令で定める事項を記載しなければならない。
企業情報のディスクロージャー
多額の資金を投じる投資家が、安心して資金運用するためには、投資家先企業の詳細な情報が必要不可欠である。法的には、投資家保護の観点から、証券取引法に定める有価証券報告書、債権者保護の観点から商法で定める貸借対照表、損益計算書、営業報告書(計算書類)の開示が義務つけられている。しかし、有価証券報告書は公開までに時間がかかり、商法に定める計算書類では内容が十分であるとはいえない。そこで証券取引所では、法律で補うことのできない企業の重要情報について、適時開示すること、すなわちタイムリ-ディスクロージャー(会社情報の適時開示)を求めている。
タイムリーディスクロージャーは、以下の4種類に分類される
@決定事項に関する情報、A発生事項に関する情報、B決算に関する情報、C上場外国会社に関するその他の情報である。
タイムリーディスクロジャーの原則は、迅速、公平、正確、の3点である。近年では、インターネット等を使った情報公開が行われるようになっている。
インベスター・リレーションズ(IR)
インベスター・リレーションズとは、企業が行う投資家向けの広報活動や投資家向けコミュニケーション活動のことである。IRでは、一般投資家を会社のファンにすることが安定株主の獲得となり、最終的には資本調達コストの低下につながると考える。現在及び将来の株主に対する財務マーケティングに位置し、経営に関する情報をすみやかに株主や投資家などに開示する活動である。企業経営の目的を「株主価値の最大化」に置くケースも増えつつあり、高株式政策が挙げられる。具体的には、広報誌の発行、セミナーの開催などある。
社債
社債とは、株式会社のみに認められた資金調達方法で、株式会社が長期に安定した資金を調達する際に発行する債権のことである。社債はその募集形態から「公募債」に、発行条件によって転換社債(CB)、ワラント債(WB)、コマーシャルペーパー(CP)に分類できる。また、社債は画一的な取引には馴染みにくいので、我が国では9割以上が店頭取引で行われる。
格付け
企業が社債(公募債)を発行する際には、格付け機関による「格付け」の取得が必要な場合がある。格付けとは、債券の安全性(利払いの確実性)を示す指標で、投資家はこの格付けにより債券の安全性を知ることができる。格付けの名称などは格付け機関によって異なる。格付けはその債券の価格とは全く関係なく、その発行企業の業績や成長性によって決定される。
発行要件
市場が受け入れさえすれば、株式未公開企業でも公募債を発行することができる。また、格付けもBBB(トリプルB)以上でないと発行出来なかったが、この要件も緩和されている。
私募債の場合には「適債基準」が摘要され、一定の条件を満たさない限り、発行はできない。
社債の発行手続
公募債を発行しようとする会社は、まず、社債の募集を円滑に行うため、格付機関より格付けを取得する。つぎに投資家保護の観点から、重要な財務上限をを設けた各特約のことである。財務上の特約とは、発行会社にたいして一定の財務上の制限を設けた各特約のことである。
これが終ると、引受証券会社が、資金使途や企業内容などに関して審査を行う。発行企業の有価証券報告書などは虚偽の記載があれば、証券取引法の規定により、発行会社のみならず引受証券会社も投資家に対して損害賠償責任を負うためである。そして、商法の規定により募集開始前に発行金額、資金使途、償還方法について取締役会の決議を行う。また、発行企業は証券取締法の規定より、有価証券報告書の提出などが義務付けられるので、その準備もしておく必要がる。
次に、発行会社は引受シンジケート団の代表である幹事証券会社、社債管理会社、発行事務会社などと契約を締結する。そして、通常は社債発行日の1週間から1ヵ月前に社債の発行条件が決定され、社債の募集が開始される。引受証券会社は、募集期間が終了する申込期日に、取り扱った申込を一括して自己の名前で申込証を発行会社に提出する。発行会社はこの申込に対して承諾し、割当のことを「募入決定」という。
応募者は割当の通知により、発行日(払込期日)までは払込金額を引受証券会社に払いこむ。発行事務代行会社が各シンジケート団体メンバーから申込証通りの払込がなされたことを確認して、払込金を発行会社に引き渡す。社債券は発行事務代行会社が作成し、申込を取り扱った証券会社を経由して応募者に交付される。
【参考】
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最終更新日 02/01/16