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e7 契約に関する法務知識
契約とは 契約の分類 企業が行なう取引の特徴 契約の成立要件 契約の主体 契約の有効要件 売買契約成立の効果 債務不履行 履行の提供 担保責任 危険負担 債権と物権 不法行為
契約とは
契約は当事者に一定の権利・義務の発生・変更・消滅をもたらし、その契約内容が法律上の強制手段に裏打ちされている。契約には法的拘束力がある。単なる約束では、約束を履行しなかった者は道義的に非難される事はあっても、それ以上その者の責任を追求する手段はない。
契約によって、当事者間には債権・債務関係が生じる。債権とは「特定の相手方にある一定の行為を要求する権利」のことで、その債権を持っている人の事を債権者という。反面で債務とは「債務に対応する相手方の義務」をいい、この債務を負担する者を債務者という。
契約の成立段階では、債権・債務関係が変動(発生、移転)することになる。権利(債権)を有するようになった者は、権利が実現する様に要求(請求)することができ、これに対して義務の内容を実現させる(債権を満足させる)ことを、「履行」または「弁済」と呼ぶ。
契約の分類
契約の分類には、「目的による分類」と「性質による分類」がある。
「目的による分類」には売買、贈与、交換など財産を移転する契約、賃貸借、消費貸借、使用貸借など貸し借りについての契約、雇用、請負、委任など労務を提供する契約、寄託、組合、終身定期金などその他の契約がある。
「性質による分類」は、民法の規定の有無で「典型契約」「非典型契約」、目的物の有無で「諾成契約」「要物契約」、債務の発生状況で「双務契約」「片務契約」、代金等の支払義務の有無で「有償契約」「無償契約」などに分類できる。
企業が行う取引の特徴
商法では企業の行う取引活動を「商行為」という概念として定め、この商行為を行う者を「商人」(自己の名を持って商行為を為すを業とする者)と呼んでいる。そして、これらの概念を商法適用の基礎としている。商行為には、高度に営利性や投機性があるため、誰が行っても1回きりでも商行為とされる法律行為である「絶対的商行為」、十分に営利性がありえい業として反復継続した場合に商行為とされる「営業的商行為」、承認が営業のためにする補助的な行為である「付属的商行為」の3種類がある。
契約の成立要件
契約が有効に効力を発生するまでは、成立要件、有効要件、効果帰属要件、効力発生用件の4つのレベルの検討をする必要がある。
契約の「成立要件」は、当事者と目的、意思表示の合致である。これがないと契約は成立し得ない。「有効要件」とは契約が成立したとしても、それが法的保護に値するのかを検討する必要があることで、「効果帰属要件」とは、代理人を使って契約する場合に代理人の行った契約によって債権債務が発生したり物権が移転したりする効果は、代理人に依頼した本人に生じる。このように本人に効果が帰属するための要件の事である。「効力発生要件」とは、その契約に条件がついている場合はその条件が満たされないと債権債務は発生しない。
契約の主体
権利の主体の事を人と言い、権利の主体になれる事を権利能力という。そして権利能力を持っているひとのことを権力能力者という。
契約の主体は、大きく自然人と法人との2つに分かれる。自然人というのは私達人間の事で、法人というのは法が人と同じように認めたものである。契約を結ぶ場合のように、自ら権利を取得し、義務を負担する行為を法律上有効に行なうためには、さらに意思能力と行為能力が必要である。
意思能力とは、法律的な効果を発生させるのに必要とされる正常な判断能力を言う。行為能力とは、契約などの行為を行なう高度の判断力をいう。
民法では、意思能力の無い者やその不十分な者を、一定の年齢または手続きによって画一的に制限能力者として定め、制限能力者の行為は取り消す事ができるとし、その保護者をつけている。制限能力者には以下の4種類がある。@「未成年者」とは20歳未満の人をいい、一人で有効な契約はできず、法定代理人の同意が必要な者である。A「青年被後見人」とは精神薄弱者や痴呆の高年者など一人で有効な意思表示が出来ないため家庭裁判所で後見開始の審判を受けている者である。B「被保佐人」とは成年被後見人よりは軽い精神上の障害がある者である。C「被補助人」とは精神上の障害の状態は軽いが、一人で法律行為をさせるためには不安だという者である。
契約の有効要件
(1) 取消と無効
以下の場合、契約は無効または取消となる。
(1) 錯誤 意思表示をした人(表意者)自身が勘違いしているため、自分の意思内容と食い違った意思表示をしている場合である。この時表意者に重大な過失がない場合に表意者が無効であることを主張出来る。 (2) 詐欺 騙される事によって、本来しないはずの意思表示をする場合、詐欺による意思表示は、表意者が取り消すす事が出来る。 (3) 強迫 脅される事によって、本来しないはずの意思表示をする場合である。強迫による意思表示は、表意者が取り消す事が出来る。 (4) 心裡留保 嘘や冗談のように、そのような意思(効果意思)がないのに、意思表示を行ない、表意者がそれに気付いている場合、原則的には有効であるが、意思表示が相手方が嘘や冗談である事を知る事が出来たのにうっかりして気付かなかった場合には、無効となる。 (5) 通報虚偽表示 相手方と通じて真意でない意思表示を行なう事で、いわゆるでっち上げである。虚偽表示は無効とされる。
(2) 契約内容の有効性
契約内容の有効性としては、@契約内容が実現可能なこと、A契約内容が確定出来るようなものである事、B適法である事、C社会的妥当性がある事である。この4つの要件を1つでも満たさなかった場合は無効となる。
(3) 契約の効果帰属性(代理制度)
契約の有効であっても、その契約を代理人を通じて行なった場合にその効果が本人に帰属するためには、効果帰属要件をみたす必要がある。
代理は、@本人が代理人に代理権を与える事(代理権の存在)、A代理人が相手方に、本人のためにする事を示す事(顕名)、B代理人が本人のためにする意思で法律行為を行なう事(代理行為)の3要件がすべてミタサレナけるば成立しない。
代理権がない者が行なった行為は、本人にその効果は帰属しない(無権代理)。ただし、本人がその者の行為を追認すれば、行為時にさかのぼって本人に効果が帰属する。
また、相手方から見ていかにも代理権があるように思われるときは、相手方の保護を図るため、民法は表見代理という制度を設けている。表見代理の該当する場合には代理権が無くても代理と同じ様に本人に効果が帰属する。
(4) 契約の効力の発生
契約は、有効に成立した時から効力が生じるのが原則であるが、当事者は、特約によって条件や期限をつける事により、契約の効力が生ずる時期を遅らせたり、効力を消滅させる事が出来る。
売買契約成立の効果
契約が成立すると、契約当事者に権利義務が発生する。
人のものに対する権利を「物権」、人と人の関係を「債権(債務)」という。売買契約が成立した瞬間(債権・債務の発生)、「所有権(物権)」が、売主から買主に移る。売買契約では債権の発生と所有権の移転が同時に行なわれるケースがほとんどである。
債務不履行
債務不履行とは、債務者が正当な理由がないのに債務の本旨に従った履行がない場合に事である。またあ、債務者の非難されうる原因(帰責事由)に基づいて、債務者が債務を本旨に従って履行できない場合に債務者の責任を「債務不履行責任」という。債務者は、債務者に対して損害賠償や契約解除などの債務不履行責任を追求できる。
この債務不履行には、@債務が履行出来るのに、債務者の帰属事由により、かつ正当な理由なく履行期限までに債務を履行しない事をいう履行遅滞、A契約締結時には履行が可能っだった債務が、その後債務者の帰責事由に履行が不可能になった履行不能、B債務は一応履行されたが、不完全な履行(目的物に不良品があったり、数量が不足している場合など)であって、債務の本旨に従った履行がされていない不完全履行の3種類がある。
この債務不履行の時に、債権者が出来る事は、@現実的履行の強制、A損害賠償の請求、B契約解除の3つである。
履行(弁済)の提供
履行(弁済)の提供は、債務者が債権者の協力ですぐに弁済する事が出来るような状態を作る事をいう。弁済の場合は、その内容を現実に行なう事を要する。
担保責任
特定物売買の買主を保護するために、民法は担保責任の規定をおいている。目的物に隠れた瑕疵があった時は、買主は売主に対して、損害賠償の請求や契約の解除が出来る。この担保責任は債務者の帰属事由がなくても認められる。
危険負担
双務契約において一方の債務がその債務者の帰責事由によらず履行不能となった場合に、その履行不能の危険を誰が負担するするのかを「危険負担」の問題という。
債権と物権
債権とは、特定の者が他の特定の者に対して、一定行為をする事を要求できる権利の事であり、物権とは特定の物を排斥的、直接的に支配し、使用、収益、処分出来る権利の事である。
債権 特定のものが他の特定の者に対して一定の行為を要求できる権利
物権 特定の物を排他的、直接的に支配し、使用できる権利
知的財産権 知的創造活動の創作者に与える権利
財産権
債権・・特定のものが他の特定のものに対して、一定行為をする事を要求できる権利
物権・・特定のものを排他的、直接的に支配し、使用できる権利
知的財産権・・知的創造活動の創作者に与える権利
不法行為
取引などの契約関係がなくても、債権・債務が発生する事がある。たとえば、自動車事故を起して、ある人が他人に損害を与えた場合は、加害者・被害者との間に契約関係がなくても加害者に不法行為責任が成立して、加害者が被害者に対して損害賠償責任を負う事になる。
【参考】
【用語】
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最終更新日 02/01/16