TOP目次・産業動向2000年度>1国際化進展>2経済の地域統合>3産業空洞化とアジア経済>4地域環境問題>5バブル経済と新価格体系>6規制緩和>7金融ビックバン>8行革・分権はスタートライン>9大型提携・合併>10インタ-ネット新時代>11デジタル化で生活一変>12ハイテク・技能の再認識>13スタンダードの時代>14日本的経営の再構築>15地域産業・社会の激変16流通革命が一段と激化>17新しい消費者像>18マーケティングの新潮流>19女性の社会進出>20高齢化社会の入り口に立つ>21バイオ技術の産業化

流通革命が一段と激化


流通産業は大きな変革の渦中にある。日本人の消費生活は1980年代に、欧米へのキャッチアップを終えて成熟段階に入り、純国内産業の小売、卸売業は大きくならないパイをめぐって競合がますます激化。米国を主体に外資系が参入、安い輸入品も増えており、業種・業態をとわず変化が進みつつある。

現 状 解 説

「新業態が相次ぎ登場」

 小売業の激動は「97年商業統計」ではっきり裏付けられた。大型店から零細店まで集計した全国の商店数は142万店となり、始めて150万店を割り込み、94年に比べて5.4%減った。コンビニエンスストア、スーパーなどは大幅に増えたが、中小零細店が激変したのが主因。
 日本の流通革命は60年代に本格化した。ダイエーなどスーパーによる流通業がメーカーをリードする変革が皮切りとなり、その後はコンビニが若者をとらいた品ぞろいを軸に経営で成功した。99年2月期の経常利益はセブン-イレブン・ジャパンが1172億円を記録し、流通トップの業績を維持した。60年代以降、一貫して多段階の流通構造を効率化、低コスト化することが重要な内容になっており、中小零細商店の合理化を迫ってきた。商業統計は現在も一層激しくそれが進展している事を示している。
 変革は流通構造の効率化のほか、消費の多様化・高度化に対応した業對創造、商品戦略などがますます重要になっている。質的な変革ともいえ、このところメガショッピングセンター(メガSC)、カテゴリーキラー、アウトレットモール、パワーセンターなどの新しいタイプの商業施設、業態が相次いで登場、展開する様になっているのが実態です。

「中心市街地の空洞化問題が深刻に」

 立地面では商業集積の郊外化がさらに激しくなっている。日経産業消費研究所が秋田市、高松市、高崎市の郊外化の実態を調べた。(98年4月)3市とも回答の55%以上が「二〜三年前に比べ中心部より郊外の買い物が増えた」と答えた。変革は暗の側面も持つ。中心部商店街の空洞化は深刻な社会問題になって来た。全国の商店街の内空き店舗のある商店ガイは75%で、内50%以上が1年前より増えた。売上減少も80%に達した。郊外の大型店、大型商業施設との競合のほか、商店主高齢化など活性化を妨げる条件も多い。高齢社会化にともなって近隣にあって、利便性の高い商店街の役割は大きくなる。空洞化の歯止めと再活性化は重要な課題である。

 将 来 予 測

「国際化、ポスト大店法がキーワード」

 21世紀初頭の日本の流通構造は「国際化」「ポスト大店法」がキーワードになる。国際化は、外資系の参入活発化と国内小売業の海外展開・多国籍化による相互依存関係の強化、輸入品の増加に伴う価格革命が進む。
 米国や欧州の紳士衣料、家具、化粧品専門店、ドラッグストアなどが日本進出の計画を明らかにしているほか、新しいタイプのサービス業の進出などが目白押し。国内の流通業の海外展開は、東急ハンズが2000年にも、アジア地域で現地企業と組み「ハンズ」店を展開するなど、各種業態のアジア市場開拓を目指す動きが広がって行く様だ。現地で調達した商品を国内の店舗でも販売し、競争が国際的に進もう。

「チャネルキャプテンが変革の中心」

 2000年6月から、大店立地法が施行され、基本は規制緩和の流れで中小零細店が減っていくだけでなく、大型流通業同士の競争が新たな業界再編・統合に繋がる可能性が高い。メーカー〜卸〜小売のチャネルキャプテン(流通の主導者)争いも激しくなる。
 情報収集は小売業が主導権を持っているが、的確に分析・将来を見通す事が出来るかは、別の判断力・構成力が必要です。大きなトレンドときめ細かな当面の変化を見極める能力が試される。流通業とメーカーの戦略的同盟の動きもあって、再編・統合も垂直、水平の両方向から新局面に入って行く。

   更新記録 01.03.21