日経の経営記事 2001年 NO3(6・01−6・15)
キンコーズの コピー値下げ 日経新聞 2001.6.1 35面
キンコーズジャパン(東京・港、西田良三社長)は1日から、A3サイズ以下の大きさのコピーサービスや、コンピューターの保存用書の出力サービスなどの料金を下げる。コピーは白黒が1枚10円を9円に、カラーは同60円を49円(A3サイズは同120円を98円)にする。コンビニエンスストアではカラーコピーが通常50円で、割安感を強調する。全国の「キンコーズ」全53店中、52店で一斉に値下げする。コピー枚数が5001枚から10000枚では、白黒は一枚9円から同8円となる。保存文書の出力では白黒が同50円から9円に、カラーは同60円から49円(A3サイズは同120円から98円)に下げる。同社では会議用資料の作成などを代行しているが、「コンビニでカラーコピーし、キンコーズの製本サービスを利用する客が多い」(西田社長)。このためコンビニ価格を念頭に値下げした。7月1日からはポスター用などの大型カラー出力サービスでも、20%程度の値下げを実施する予定だ。
コネントー 現場で起きている事
「・・・客が多い」という表現は、現場の、体感する情報の特性を現わしている。「多い」とは具体的に何人あるいは何割なのかというのは可能だが、現場の生の声とはこのようなものだ。数字の裏づけは後からとればよい。数値を分析していくことは大切だが、数値ではわからなくても、現場をみれば一目でわかったりする。
メールマガジンとネット通販を連携 日経新聞 01.06.04 15面
東急百貨店は7月、個人や企業が広告付きのメールマガジンを発行できる専用サイトを開く。メールマガジンに、東急百のインターネット通販の広告を掲載し、通販の売り上げ拡大を目指す。百貨店各社はネット通販に力を入れているが、メールマガジンと連動した販売促進策は百貨店で初の試み。
初年度に発行者3000人程度のメールマガジンサイトに育てる計画だ。新サイト「Mail it!?」では、希望する発行者のメールに自社のショッピングサイト「e109」の広告を掲載。読者が広告をクリックして「e109」へ移動して買い物をした場合、商品売り上げの2%をメール発行者に還元する。通常メールマガジンでは、発行者は原則無料で情報を配信する場合が多いが、広告収入が見込めるようにして質の高いメール発信者を集める。同社の2000年度のネット通販の売上高は1億2千万円と前年度に比べ倍増した。2001年度はメールマガジンサイトとの連携でさらに2倍以上に拡大する計画。
コメントー ビジネスシステムでの役割を拡大
ネット上でのビジネスでは、いかに集客するかが重要なテーマとなっている。メールマガジンを使った集客手段は有効なものとして定着してきている。メールマガジンのビジネスシステムには、購読者を除くと、発行サイト、発行者、広告代理店、広告主の4者が関わる。一つのビジネスシステムに関与する複数の存在のうち、自社がどの役割を担うかを考えてみることは、戦略検討の上で欠かせないポイントだとは言えよう。
一度検討してみる価値があるだろう。自社の関わるビジネスシステムの全体を見渡しては。
パソコン教室 マンション集会場で 日 経 01.06.07 31面
パソコン教室を運営するフューチャーインスティテュート(東京・渋谷、鶴谷武親社長)は7月から、大京と提携しマンションの集会場を利用した入居者向けのパソコン教室を始める。大京はマンションにインターネット常時接続システムの導入を進めており、フューチャーが講師を派遣、主婦や子供にパソコンやネットの実践的な利用法を習得してもらう。
フューチャーは子供、主婦、シニア、ビジネスの4コースを用意。同社が集会場を賃借し、パソコンを貸し出す。地域の情報誌作りなど具体的なテーマに基づき、イラスト作成やネットによる情報収集を自然に習得する。各コース週1回で受講料は月額1万円前後の予定。大京の子会社がマンションの管理組合に開催を呼び掛ける。初年度は首都圏で10カ所、500人の受講を見込み、3年後には全国100カ所に拡大する。大京は昨年1月以降発売のマンションに0.5−1メガ(1メガは100万)ビット回線の高速ネット接続を標準装備している。昨年10月にはNTTエムイー(NTT―ME)と組み、ネット接続サービスの新会社を設立、新築・既存物件への導入を進めている。
コメントー 教室は何処にもある
今回はマンション集会場でパソコン教室をという記事。教室という経営資源。あなたの企業のスペースという経営資源を見直してみよう。スペースにゆとりがなければ、将来的にそれが足かせとなるかも知れないし、遊休スペースがあれば活用策を考えよう。
ボーイング 「空のインターネット」離陸 日本経済新聞 01.6.11 3面
米ボーイングは民間航空機の搭乗客向けに人工衛星を使ったインターネット接続サービスでアメリカン航空など米航空大手3社と提携する。来年早々を目指している本格的なサービス開始をにらみ、まず3社で実験し、その実績をもとに事業を展開する。
ボーイングは2010年にも年間450億ドル規模の市場に成長すると予測している。今週中にも詳細を発表する。提携するのはこのほかユナイテッド航空とデルタ航空。3社とはこの事業を共同事業に発展させる可能性もあるという。ボーイングはまず3社の航空機計30機に送受信用のアンテナなどを設置、機内の乗客に向けて高速ネット接続サービスの提供を始める。顧客の評判がよければ3社は保有機全機(計約1500機)に装備を搭載する。
「衛星を通じたネット接続なら、長い距離を飛んでも切れ目なくネットを利用できる」としており、ビジネス旅客が多い日欧の航空会社にも積極的に売り込み、普及を目指す。ボーイングは昨年10月に機内向け高速ネット接続サービス「コネクション・バイ・ボーイング」を打ち出したが、来年初めの運用開始を控えながら、まだ顧客となる航空会社が決まっていなかった。来年早々のサービス開始時には、料金を1時間30ドル弱に設定する方向。ネット利用のほか、ニュースや映画などの配信も予定している。
コメントー 移動時間をニューズと考えると
飛行機内でインターネット。そこまでしてネットにアクセスしなくてはならないかとも思うが、オフィスでの常時接続環境に慣れてしまうと、不安かも知れない。例えば携帯電話、ウォークマンも使わない人は、読書や通勤電車内で、中吊り広告をみたり、外の景色を眺めていたりする。何かもっとすることはないのだろうか。ビジネスの観点からみれば、楽しく有意義に過ごさせてくれるような商品・サービスを提供できれば、ビジネスになる。実際、それらは既にビッグビジネスに成長しており、まだ開拓の余地がある。
「ゴジラの肉」缶詰 中は食肉 日経新聞 2001.6.12 31面
がん具大手のタカラは、映画「ゴジラ」に登場するキャラクターを題材にした「ゴジラの肉」などの缶詰を10月に発売、がん具店やホームセンターなどで販売する。タカラががん具菓子以外の食品を発売するのは初めてで、がん具メーカーが食品を販売するのも珍しい。発売するのは「ゴジラの肉」「キングギドラの肉」「ラドンのやきとり」「ゴジラの卵」「モスラの卵」の5種類。いずれも一缶580円。「ゴジラの肉」と「キングギドラの肉」はコンビーフで、「ラドンのやきとり」はまさに焼き鳥入り。「ゴジラの卵」と「モスラの卵」の正体はうずらの卵。中身はそれぞれ通常の缶詰と同じだが、キャラクターのラベルを付け目を引くデザインにした。同シリーズの製造は、国分が受け持つ。男性を中心に子供から大人まで幅広い層をターゲットにしており、今後商品の種類は約30種類に拡大する予定。
コメントー ラベルと価格設定によりカテゴリを変える
こんな缶詰、誰がどのような動機で買うのだろうか。驚かされるのは580円という価格だ。普通の缶詰のラベルを変えただけではないか。中身の味がどうかは知らないが、商売としては「おいしい」(売れればの話だが)。一般食品としては常識ハズレであるが、がん具としては普及帯の価格なんだろう。そう、これは一般食品ではなく、がん具なのだ。いわゆる高級ブランドも、同じような効果をもたらす。カテゴリを変えることにより高価格・高粗利益率を実現できる余地がないか、考えてみよう。
一般職に管理職の道 日経新聞 2001.06.13 7面
あさひ銀行は一般職の女子行員などに管理職への道を開く。7月に「事務マネージャー」という職種を新設。希望者を選抜して融資や渉外業務のほか、将来は支店の課長といった立場で事務部門の管理などを担当させる。年収は実力に応じ最大で約4割増える可能性もあるという。これまで伝票の処理など定型の事務作業が中心だった一般職行員の意欲を引き出し、人材を有効活用する狙いだ。
事務マネージャーは当初約20人を登用、その後、150人程度まで広げる。候補者は行内での人材公募や上司による推薦で選び、2カ月の研修を経て各部署に配属する。年齢や資格は特定しないが、入行後5−7年の行員の選抜を想定している。一般職の行員が事務マネージャーとなると、融資相談や顧客訪問などを手掛けられるようになる。支店での預金や投資信託の事務管理の分野で、部門リーダーとして部下を指揮する権限も与える。実力次第で、課長や副支店長など幹部行員への道が開ける可能性もあるという。
コメントー なんにも新鮮さ感じられない
素直に読むともっともらしい記事なのだが、裏返して読むと、日本の銀行の古い体質を垣間見る思いがする。この時代の組織管理とは思いない。
堺屋最高顧問が協会に辞表提出 日本経済 2001.06.14 39面
2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会の堺屋太一最高顧問は13日、辞表を提出していたことを記者団に明らかにした。堺屋氏は辞任の時期などについては触れておらず、協会幹部ら周辺は慰留に努めているとみられる。堺屋氏はこの日の名古屋しないでの講演で「現行計画ではどんなに知恵を絞っても(入場者数は計画を大幅に下回り)赤字が出る。赤字の出るような行事は薦められない。もしそうならコンセプト(基本概念)作りや人材を選ぶことで私役目は終わったと(協会などに)申し上げている」と述べた。
コメントー 「やってみなければわからない」
赤字になると思いながらその地位に居座り続けるのはもっと無責任なことかも知れない。「わからない」という事を例えば事業計画で言えば、この事業で売上がどのくらいになるかが「わからない」となる。
売上は数量×単価で決まる。単価は市場の相場というもので、単価は「わかる」が数量は「わからない」。だから、売上が「わからない」のでなく、「わからない」のは数量である。では、本当に数量は「わからない」のだろうか。まずは市場規模を考えてみる。少なくとも、市場規模以上の需要はない。あとは市場シェアを、いつ、どこまで獲得できるかを考えればよい。どういう事象が起こり得るのか、それぞれの確率はどの程度か、は考えることができる。最も起こりそうだと思えるシナリオはどのようなものであり、最悪のシナリオにはどのように対応するか、考えることもできる。「やってみなければわからない」の一言で、徹底的に考えることを止めてはいないだろうか。
ダイエー経営陣 パートと語る会 日経新聞 2001.06.15 13面
経営再建中のダイエーは14日、東京・品川のホテルで、経営陣がパートの主婦らから店づくりなどに関する意見を聞く「パートナーさんと語る会」を開いた。関東地区の119店舗から計274人のパートが参加。高木邦夫社長らに現場で感じた疑問や提案をぶつけた。パートからは「売り場に従業員が少ない。競合店に接客で勝てないので増やしてほしい」といった要望や、「売れない商品がまだ本部から店に押し込まれている」などの厳しい意見も相次いだ。
コメントー 情報を聞くということ
この事は、上司にとっては、自分の存在意義を無視されたような形になるから、必ずしも愉快なことではない。辛辣な意見が出るとなると、なおさらだ。それでもやはり、経営陣としては現場のナマの声を知りたい。しかし、事実をありのまま報告することは、実は意外に難しかったりする。報告者が自分の立場を守ろうとすれば、報告を粉飾しがちになる。