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                日 経 の 経 営 記 事  01/07/01〜01/07/15



   光文社社長  体質改善で出版不況克服   日経新聞  2001.07.02 14面

 出版不況は我々出版社に大きな原因がある。読者が何を読みたいのか考え、社内から反発を受けても体質改善を進めなければならない。当社は総合情報誌「週刊宝石」の改革案を現場に求めたところ、現状維持が良いとの答えしか返らなかったため休刊した。「カッパブックス」など書籍分野の現状にも満足していない。今春からは新しい新書シリーズの刊行を検討している。電子文庫の配信も手掛けているが、事業として収益を上げるにはまだまだ。我々は紙媒体を中心としたコンテンツ(情報の内容)会社であり、デジタル事業に全力をあげるつもりはない。電子文庫は将来の変化に備えて「窓」を一つ開けておくという位置づけだ。

            コメントー 現状維持は最大のリスク

 もし文字通りに「現状維持が良い」と回答したのだとすれば、それは大変なことだ。ましてや発行部数は最盛期の半分以下にまで落ち込んでいたとなると、通常の感覚では考えられない。そのような観点でみると、「社内から反発を受けても」という文面が説得力をもって迫ってくる。「現状維持」回答は、改革への反発の現われと解釈することができる。

          自分の市場価値過大評価     日本経済 2001.07.03 13面

 コンサルティング会社のアンダーセン(岩本繁日本代表)は2日、「ビジネスマンの人材市場価値と転職に関する意識調査」をまとめた。大企業(従業員1000人以上)の中高年(45歳以上)社員が転職する場合の自身の市場価値について、平均で現在の年収プラス106万7千円とみており、大企業若手(35歳以下)社員などに比べ自身を高めに評価していることが明らかになった。大企業の若手社員が現在の年収プラス33万4千円、ベンチャー企業(従業員300人以下)の中高年が年収マイナス41万4千円、ベンチャー若手が年収プラス32万7千円となった。大企業の中高年社員の評価が高くなったことについて、アンダーセンは「本人の能力と、肩書で自然についてくる業績とを混同している面がある。さらに若手に比べ、転職市場の実情についてもよく理解していない場合がある」としている。調査は大企業などのビジネスマン5068人を対象に実施、1222人から回答を得た。

        コメントー人材の市場価値を考える

 人材の価値を市場価値と社内価値とに分けて考えると、今回の記事にある調査結果について、新たな視野が開けてくる。すなわち、社内での経験年数が長く、社内スキルにも長けた大企業の中高年社員が自分の市場価値を過大評価したというのは、市場価値と社内価値との区別がついていないことの現われと見ることができるのだ。そして、あなたの企業に直接的な収益をもたらすのは、市場価値の高い人材だと考え、処遇しよう。

   遺骨をプレートに お墓に代わる供養提案   日経新聞  2001.7.4 地方経済 33面

 「お墓を利用しない新しい供養の形を提案したい」。エターナルジャパン(東京・墨田)の野沢司社長は故人の焼骨を細かく粉砕して、プレート状に焼き固めた「エターナルプレート」を販売している。
都心の墓地不足に伴うお墓の高騰、遠隔地の墓参りに悩む人々に、「遺骨をコンパクトなプレートの形に変えることで、自宅に置いて身近にいつでも故人を偲(しの)ぶことができる」と訴える。企業の新製品説明や社内教育のビデオ制作を手掛けていた野沢氏がこのビジネスを発想したのは約10年前。義理の母親が亡くなった際の葬儀や納骨の方法に疑問を持ったのがきっかけだ。「日本人は遺骨を大事にすると言われるが、実際にはお坊さん任せだ」。死生観や宗教観の変化で葬儀の形式こそ変わってきたが、火葬後の遺骨の扱いについては墓に埋葬する以外ほとんど選択肢がないのが実情。遠くに墓を確保するため多大な費用をかけるぐらいなら、手元に置きいつでも供養する方法はないか。行き着いた先が、エターナルプレートだった。4年前に大阪のセラミック加工会社と提携。商品化に約2年かけ、昨年1月から本格的に事業をスタートさせた。プレートは焼骨(リン酸カルシウム)を50ミクロン程度に粉砕、強度を持たせるため金属化合物の粉末を混ぜ合わせた上で、1平方センチ当たり2000キロの高圧で成形、セ氏1300度の高温で焼成して作成する。
 都内や近県はスタッフが直接遺骨を引き取り、約1カ月半で商品を引き渡す。白、茶色、緑など5色を選べ、価格は幅40ミリ、長さ90ミリ、厚さ12ミリの標準タイプ(重さ約120グラム)で20万円。希望により名前や死亡年月日、写真などの彫刻も入れられる。同社はプレートのほかに、遺骨をパウダー状に粉砕しコンパクトな球体グラスに収める「エターナルパウダー」という供養方式も提案している。ペット用にもプレート、パウダー両方式を用意している。
 「自宅にお骨を置くことに抵抗があるなど、新しいスタイルが理解されるにはまだ時間がかかる」。ホームページを開設するぐらいで、積極的な営業活動は行っていないこともあって、現状では受注は月3件程度にとどまっている。今後は葬祭会社や墓地・霊園関連会社からパートナーを募る。墓地問題で悩みを抱える人や「自分の生きた証(あかし)を形にして残したい」と考える人々のニーズを掘り起こす方針だ。

          コメントー仮説・検証のプロセスを経ずにはあきらめない

 仮説・検証のプロセスに忍耐強く取り組み、事業としての確立に成功して欲しいと思う。新商品が売れない、新規事業がうまくいかないからといって、安易に諦めてしまうのはもったいない。うまくいくための仮説を整理し、一つずつ検証し、軌道修正も行ない、成功へと近づいていこう。


            書店内に中づり広告   日経流通 2001.7.5 7面

 東京都内の中小書店で組織する東京都書店商業組合(東京・千代田)は、書店内に中づり広告を掲載する事業を開始した。電車内の広告と同様の手法で、「知的好奇心のおう盛な消費者が集まる書店の場所柄を生かす」という。出版物市場の縮小で閉店する中小書店が相次ぐなか、広告事業で書店経営を後押しする狙いもある。広告媒体名は「ブックス・アンド・マガジンズ 情報ステーション」。書店内にB3版ポスターが八枚掲出できる専用パネルを設置する。書店側は掲載収入を得る。既に関東地区にある375店舗が導入した。当初は書籍や雑誌の広告から始め、対象を順次拡大していく。2002年までに1500店への設置を目標にしている。

           コメントー 自主販促企画が広告ビジネスに

 販促用ポスターやPOPなどは、書店が売上を増やすために行なっているはずだ。出版社あたりが働きかけて供給・掲示を促進していることも考えられるが、店側が自主的な販促のためにそれらの掲示を行なう場合、広告料金を徴収することはない。それが中吊り広告になると、料金を徴収する広告ビジネスに早変わりする。店側が自主的に行なうポスターやPOPとの違いは何かと言えば、広告主の意思が反映されるかどうかだ。広告料金か何らかのインセンティブを支払わなければ、販促を店側に強制することは難しい。

                 ボトムアップ型経営目指す   日本経済  01.07.06 15面


              ヤマザキマザック社長山崎智久氏

入社して間もない1981年。生産子会社の立ち上げを命じられた。土地の買収や地元との折衝、設備の購入、社員の採用や教育……。創業家の長男には、当初から厳しい試練が待っていた。その後も、実父の山崎照幸社長(現会長)は、甘えを許さない難しい仕事ばかりを指示した。米販売子会社の社長として赴任した85年。米景気の後退で販売が伸び悩んだが、言い訳は認められない。「時差も関係なく、夜中にベッドのまくら元で社長からの怒りの電話が鳴る日々が続いた」という。91年に本社で国内営業を担当すると、バブル崩壊に直面する。今でこそ「良い勉強になった」とにこやかに振り返るが、当時は心中穏やかでなかったに違いない。6月28日に就任したばかり。いま最も危機感を覚えているのは「幹部の経営意識の薄さや、社員一人ひとりの主体性の乏しさ」。同社の社長交代は39年ぶりだ。強烈なリーダーシップで世界有数の工作機械メーカーを育てた照幸氏。その“カリスマ経営”を超えた、新たな経営手法を見つけ出すことができるかどうか。照幸氏は手塩にかけた新社長を「慎重で忍耐強さがある」と評し、本人は温和で落ち着いた物腰で「私は他人の長所を引き出すのがうまいんですよ」と切り返す。まずは、トップダウン型からボトムアップ型の経営への転換を目指すことになりそうだ。趣味は小型モータースポーツ「カート」。

              コメントー トップダウンでボトムアップを実現する

 優れたリーダーシップにより、トップダウンからボトムアップへの意識改革を進めていく。言ってみれば、ボトムアップにすることを(良い意味での)トップダウンで決める、といった面白い状況になる。要は経営には優れたリーダーシップが必要だということだ。となると、やはり本質的には、経営はトップダウンだ。本質的にはトップダウンなのだが、その企業で働く社員はボトムアップの姿勢で仕事に取り組む。そんな姿が理想なのではないだろうか。

          企業対象に販促商品企画   日経産業新聞  2001.7.10  21面

 ゲームセンターの景品用キャラクター商品を企画・販売するエスケイジャパンは、企業の販売促進用キャラクター商品の企画事業に進出した。パチンコ店や自動車販売店、外食店が来店客に無料配布するキーホルダーやぬいぐるみなどを企画する。消費者の購買意欲を刺激するため、企業は販促活動に力を入れている。ゲームセンター向け景品で培った商品企画力を販促用商品で生かす。販促用商品専門の担当者を新たに5人置いた。内訳は営業が4人、商品企画が1人。流通・サービス会社や消費財メーカーから販促用キャラクター商品企画を受注する。国内外の企業に製造委託し、完成商品を発注企業に販売する。販売単価は50−100円で最低受注単位は1000個。年間1億円の売上高を見込む。

         コメントー販売促進のさまざまなストーリー

 企業が販促用商品を購入して顧客に配布するのは、販売促進のためであることは言うまでもない。あらゆるビジネスがハードを通じてソフトの価値を訴求しなければならないという原則をを踏まえると、販促用商品ビジネスを展開するにあたっては、単に商品そのものを上手につくることだけでなく、販促にどのように役立つかのストーリーまで提供・提案する必要がある。

            転職希望者 ネットで評価    日経産業新聞  2001.7.11 20面

 人材コンサルティングの市場価値測定研究所(東京・目黒、藤田聰社長)はインターネットを使った転職支援事業に乗り出す。個別企業と契約し、従業員の年俸査定に利用している評価システムの簡易版をネット上で提供、求職者が転職市場での評価を手軽にチェックできるようにした。1年後に約3万人の登録を目指す。大手企業を対象としたコンサルティング実施の信用力を武器に、外資系や情報技術(IT)関連企業への管理職クラスの人材あっせんを狙う。
 ネット上に「日本人財銀行」( http://www.bpbj.net )を開設、登録者の募集を始めた。求職者は年齢や学歴、職歴を記入し登録。IDとパスワードを受け取って「MVA(マーケット・バリュー・アセスメント)」に回答する。MVAは専門能力や性格などに関する80の設問から成り立っており、同研究所が回答をもとに評価を1000点満点で点数化する。図表でも結果を示し、相対評価が分かるようにした。求人企業はネット上で採用したい人材のポスト、技能、資格を設定する。同社が登録者を2段階で選抜。1ポスト当たり1−3人のをリストアップし、面談を設定する。手数料は転職先年収の30%前後を見込む。3カ月で5千人、1年後に3万人の登録者を確保、データベースを充実させMVAの精度を高める。2002年度には100件程度のあっせんを目指す。同研究所は1997年の創業で、従業員評価を年俸ベースで算出する仕組みを開発した。キリンビールや関西電力が導入し、利用者は延べ10万人に上る。ネット版はこのサービスを転用、入力時間が10分以内で済むようにした。

                コメントー事業の周辺に宝の山

 今回のような人材の市場価値評価サービスから転職支援ビジネスへの展開は、それ自体が立派に独立した商品なのだから、信頼性も高いと感じさせる。それを転職支援企業に外販する、あるいは提携するという選択肢もあり得たはずだ。しかし、転職支援ビジネス全体を考えれば、最も収益を稼げるであろう転職者の斡旋を手掛けなければ、宝の山をみすみす逃すことになる。

               現場改革も西武流    日本経済新聞  2001.7.12 11面

 そごうグループが民事再生法の適用を申請して12日で1年。新生の十合(そごう)は西武百貨店との提携を軸に再建を目指す。最重要課題である営業改革の担い手は約70人に上る西武出身者。役員や店長にとどまらず、販売現場の人材も派遣し、約5千人の社員に西武方式の販売手法を浸透させて売り上げ回復を狙う。ただ、旧そごうの企業文化とは異なるため融合には時間がかかりそうだ。今月から横浜、千葉など全11店で販売員を対象にした個人面談が始まった。販売員は販売実績に応じて四段階にランク分けされ、下位の販売員は派遣、正社員問わず売り場のマネジャーが面談を通じて一層の努力を求める。「派遣社員の場合、最低ランクであれば退社もありうる」(営業担当幹部)厳しい面接だ。ランク分けは6月から始めた「ミレニアムメンバーズシステム」と呼ぶ営業システムをもとにはじき出す。西武のノウハウを取り入れた数値管理を徹底したシステムで、現場責任者の大半は西武出身者が占める。社員の緊張感は高まっており、「店頭ベースの売り上げは回復基調にある」(横浜店マネジャー)店もある。
 東京地裁から民事再生法に基づく再生計画の認可決定を受け、十合は3月から西武出身者を軸とした新体制を発足した。主要ポストでは店長が11店舗中6店舗、総務、人事、営業企画など主要10部の部長職は8人が西武出身者で占める。ただ、幹部だけでは企業体質は変わらないため、部課長クラスなど約60人が出向・転籍し、各店で現場改革の指導に当たっている。各店には「販売長」などと呼ばれる現場責任者を始め、西武出身者2−3人が配属され、西武と同じ内容の業務スケジュール管理、商品の受発注方法などの浸透を担っている。西武が設立した販売員向けの教育専門子会社では西武社員だけでなく、十合社員への技術指導も開始した。

 約70人の常駐の西武出身者のほか、営業システムが稼働した6月には一時的な出向として10人を十合に派遣しており、今後も提携内容の強化に合わせて増員される見通し。しかし、「特に五十代中心に変化に即応できていない」(和田繁明社長)など現段階では融合効果は表れていない。「必ずしも西武流が合理的なわけではない」という声は旧そごう社員に多い。この一年で3千人を超す社員が去った十合。営業改革を果たすには、まず現場改革が欠かせないが、その道のりはなお遠い。

            コメントーどこを代えれば企業は変わるか

 今回の記事は「そごう」の話題。当メルマガでは、一つの企業を再生させるとはどういうことなのかをリアルタイムで目撃する貴重な機会だと位置付け、同社の再建劇を追ってきている。( http://www.shonan.ne.jp/~mori-hdk/200008/26tatenaosi.htm )そして今度はいよいよ現場改革。西武百貨店から現場責任者をそごうへ大量に送り込むという。現段階では再建に成功したと言ってよい日産自動車の場合も、ルノーから多数の人材を送り込んでいる。企業が変わる(変革する)ことができるかどうかはトップ次第だとよく言われる。トップが変われば幹部が変わり、そして現場の社員も変わるといったイメージが浮かぶ。この場合の「変わる」は、同じ人が仕事への取り組み姿勢などを改めることを意味する。そごうは、変革を果たすために、大量の現場責任者を送り込んでいる。これらの取り組み方の違いは、業態特性や企業の個別事の違いを反映している。自社の業態からみて、企業全体の変革へ向けてどこを大きく変える必要があるのかをしっかりと見極めよう。現在の人材が「変わる」ことが難しいのなら、「代える」ことを考えてみよう。

                日経産業新聞 2001.7.13【14面】

               ホンダ リサイクル部品販売

 ホンダは12日、中古車から取り外した部品の販売・修理サービスを開始したと発表した。解体するホンダの中古車や事故車から、ドアやボンネット、ヘッドライトなど16品目を取り外して再活用する。資源の有効活用や廃棄物の削減につながるほか、顧客にとっては新品部品に比べて安く購入できる利点がある。新サービス「ホンダ・リサイクル・パーツ」は、関東・甲信越地方の四輪車販売店全店にあたる800店でスタートした。中古市場での流通台数が比較的多い二世代前のモデル(「シビック」であれば1992−95年発売のモデル)を対象にする。長野県と埼玉県の車体の解体事業者と組み、検査や洗浄をしたうえで車の修理用に活用する。当面同社の埼玉県狭山市の部品流通拠点で1000点程度の在庫を持ち、販売店から注文があれば翌日に配送できる体制を整える。中古部品価格はメーカー純正の新品の45%で販売する。
 また新車にオプション部品を取り付ける際に、不要になったオーディオやホイールなど9品目の「取り外し部品」も販売する。ホンダは98年から解体車から取り外したドライブシャフト(駆動軸)やギアボックスなどをメーカーが再生加工して販売する「リマニファクチャリング」事業を手掛けており、中古部品の活用を拡大する。
 事業が軌道に乗れば、全国展開や対象車種の拡大を検討する。日産自動車も同様の事業を開始している。

    コメントー仮の価格をリアルな価値にする

 商品の価値をリアルなものにするには、販売ルートの確保が不可欠だ。販売ルートを持たない商品の価値はバーチャルなものに過ぎず、それでは「宝の持ち腐れ」だ。