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                     日経の経営記事    01/07/16〜01/07/31



             旧世代の製品は整理  日経産業新聞  2001.7.16 17面

 「一番難しいのは古い製品を捨てること」。日立ツールの竹内丹社長が新製品開発と同じくらい重視しているのが、旧製品の整理だ。「新しい製品を世に出して利益を出すことが経営の根幹」だが、その一方で顧客の要求があるからと古い製品をいつまでも残しておくと「製品開発のサイクルがうまく循環しない」と強調する。竹内さんは6月末の社長就任とあわせ、社内で「製品」という言葉を使わず「商品」と呼ぶように改めた。売れない製品は商品とは呼べないことを従業員に意識させるのが狙いだ。一方で「当社の努力だけでは何ともならない。顧客や流通サイドにも理解を求めていかないと」と、社外にも意識改革を訴えていく。

             コメントー自社の存在価値を貫く

 「新しい製品を世に出して利益を出すことが経営の根幹」だという。その路線をとる以上、徹底してそれを貫くためには中途半端なことはしないということだ。それが企業としての存在価値を確立することになる。企業としての存在価値を確立しようとすることは、時として「顧客の要求」に対応することと相反する場合がある。そこで求められるのが戦略的意思決定であり、中途半端になってはいけない。

           東武ストア 本部人員を2割削減    日経流通新聞  2001.7.17 8面

 東武ストアは本部の事務部門職員を約2割削減する組織変更を実施した。重複業務を一本化して本部のスリム化を図り、店舗や営業部門の人員増で競争力を高める狙いだ。幹部社員が店舗を回って現場の問題点を吸い上げる新部門も立ち上げた。今回は、総務・人事担当の業務本部と開発本部を業務部に一本化。各店のクレーム処理や法務担当の店舗業務部と、在庫管理担当のコントローラーを廃止し、それぞれ営業推進部と物流部に移管した。これに伴い5月1日現在で93人の本部人員は、74人に減った。現場を重視して、19人は店舗や営業部門に再配置した。新設したのは営業活性化推進室で、福田秀穂社長が室長を務める直轄組織。開発や人事、経理担当の部長らがメンバーで、店舗を巡回して商品構成や店舗設備、チラシのデザインなど営業面の指導や問題点のヒアリングをする。

         コメントー既存組織にはない特別部門を設置する

 重要な経営課題を解決するためには、特別部門を設置することも選択肢の一つだ。既存部門が本来やるべき仕事だからと言って放置しておいては、先送りになるばかりかも知れない。

           多様性欠く旅行商品     日本経済新聞 2001.7.18 11面

 『お待ちください』から『はい、直ちに』に変わらなければならない」。日本旅行業協会の松橋功会長(JTB会長)は、旅行会社の接客意識の改革を訴える。インターネットで航空券などを直接販売する動きが拡大、「航空会社やホテルと消費者の距離が近くなっているのに、まだ旅行会社は窓口で顧客を待たせている」と指摘する。
 旅行会社が生き残るには「単にチケットを販売するだけの存在ではないと自覚すべきだ」と言う。「多様化する個人の志向に的確にこたえる商品づくりが必要。安さを追求するあまり、同じような内容のパックツアーが多い」。サービス産業としての存在意義が問われているといいたげだった。

        コメントー組織の「標準感性」が個人の感性を麻痺させる

 顧客対応のスピードや質について、あなたの企業の「標準感性」はどれほどのものだろうか。顧客の視点に立って、その「標準感性」が容認できるものかどうか、熟考してみよう。

        派遣登録者にネット研修      日経産業新聞  2001.7.23 17面
 
 人材派遣大手のリクルートスタッフィング(東京・千代田、花田裕社長)は8月、派遣登録者にインターネットを使った研修システム(eラーニング)を導入する。パソコン操作、語学、情報技術(IT)の3分野を設け、派遣登録者が自宅のパソコンで学習できる環境を整える。初年度、延べ7500人の受講を見込む。料金は無料で、eラーニングを通じて派遣スタッフの専門能力を底上げすると同時に、スタッフ教育費用の抑制にもつなげる。
 新サービスは「ELAN」(エラン)。開発費や運用費など約1億円を投じる。パソコン操作はワード、エクセルなど8コース、語学研修は英語検定のTOEIC対策と一般英語の16コース設ける。ITはマイクロソフトの資格試験対策などを設定する予定。パソコン操作は全登録者が受講可能。ただ語学とITは、就労中のスタッフを優先的に受け入れる。
 希望者が同社のサイト上で登録番号や氏名を入力すると、IDとパスワードを付与する。各コースとも受講期間は1−2カ月。東京、大阪、名古屋の研修センターに10人の対応要員が常駐し、利用法に関する質問に答える。
 同社の2000年度の新規登録者は2万4千人。今年度は2万8千人に増える見込みで、教育費用の増大が負担となっている。従来型の集合研修は教室や講師を確保するため、一人当たり1時間、最高1万円の費用がかかるという。ネットを使ったeラーニングは遠隔地でも利用可能で、スタッフ教育の効率化につながると見ている。
 パソナ(東京・千代田)など大手派遣各社は、昨年からネット研修の導入を進めている。ただ米国のコンテンツ(情報の内容)を日本語化したマンパワー・ジャパン(東京・千代田)を除き、無料で提供するのは珍しい。

     コメントーティーチングから「学び手」主導のラーニングへ

 既に多くの業界・業種・業態では「顧客主導」がキーワードとなり、それを軸に競争が展開されている。教育・研修についても、「学び手主導」が主流となってもおかしくない。「学ぶ」という極めて個人的かつ属人的な行為においては、「学び手主導」こそ究極の着地点のはずだと考えられはしないだろうか。「eラーニング」の普及は、コストダウンの要請や技術の進歩といった背景を持ちつつも、「顧客主導」へという時代の底流をなす考え方を反映したものだと受け止めておきたい。あなたの企業の教育・研修の仕組みは「学び手主導」となっているだろうか。「教え手主導」でいくら「教えて」も、「学ぶ」姿勢が欠けていれば無駄になってしまう。


    旅行英会話ソフト 音声入力、英語からも翻訳   日本経済新聞  2001.7.24 31面

  NECは23日、マイクを通じた音声で日本語を入力すると、英語に翻訳して合成音声で読み上げるパソコン用の旅行英会話支援ソフトを発売した。英語から日本語への翻訳にも対応。旅行前の英会話練習ソフトとしても使える。価格は2万9800円。「たび通(つう) アメリカ旅行編」は、ホテルでのチェックインやレストランでの注文など、旅行に必要な約7千通りの例文を登録。付属のマイクを使って日本語の文章を入力すると一番近い例文を検索。英語の訳文と一緒に画面に表示したうえで、訳文を音声合成で読み上げる。米国旅行に用途を絞り、英語から日本語への翻訳も可能にした製品は初めてという。
 ただ実際に旅行中の「通訳」に活用するにはノートパソコンを持ち歩く必要があり、今後はPDA(携帯情報端末)などにも対応させる計画。

        不可分なのに注目が偏っていることがある

 物事には始めと終わりがあるし、聴くことと話すことのように、不可分な関係にあるものも多い。両方を見比べて、より注目度の少ない方に着目すると、そこにビジネスチャンスを見出すことができるかも知れない。

            コンビニ向け、地道に   日経産業新聞  2001.7.25 13面

 「コンビニエンスストアのドリンク剤の取り扱いがなかなか進まない」と渋い表情なのはゼリア新薬工業の伊部幸顕社長。3月にコンビニ向けにドリンク剤を発売したが、コンビニの本部レベルで採用されても、店頭に並ばないケースが少なくないという。「薬の量販店など他の販路にも投入していかなければ」と考えている。ただ、コンビニルートの開拓をあきらめたわけではない。テレビCMには「過去に手掛けたがうまくいかなかった」と及び腰だが、キャンペーンなど販促策は積極化させている。「店頭に置いてもらうには何をすればいいか考え続ける」と長期戦を辞さない構えだ。

             コメントー特定の購買場面で売れるもの

 「店頭に置いてもらうには何をすればいいか考え続ける」という発言にも疑問を感じる。わからなければ、率直に聞けばよい。「どうすれば置いてもらえるのですか」と。「考える」という話ではないだろう。
一つの商品を成功させるには、差別化するコンセプトや商品の使用場面だけでなく、購買場面まで想定する必要がある。ある場面では購買されても、他の環境でもうまくいくとは限らない。


        企業用パソコン 納品時に箱回収   日本経済新聞  2001.7.26 13面

日本IBMはパソコンの配送に繰り返し使える「通い箱」を開発、8月から企業向けの納品で採用する。納品後に通い箱を回収するため、廃棄物の量を従来の段ボール製に比べ約9割削減できるという。新開発の通い箱は衝撃に強い発泡ポリエチレンボード製で50回以上繰り返し使える。パソコンを受け取った企業側に発生する廃棄物は、パソコンや周辺機器を覆うポリ袋だけとなる。一箱にノート型パソコンを最大6台収納できる。段ボール箱に一台ずつ収納していた従来方式に比べ積載できるパソコンが増えるため、一台あたりに必要な輸送エネルギーも約4割削減。通い箱は回収時に3分の1の大きさに折り畳め効率的に回収できる。

        コメントー変化が知恵と工夫を生み出す

 環境対策という新たな視点が、結果として、新たなコストダウン対策を生むきっかけとなっている。環境対策だからと言って、安易なコストアップは許されないという企業事情もある。逆に言えば、変化のない環境では、なかなか新たな知恵や工夫も生まれにくいということなのかも知れない。環境の変化は知恵と工夫を生み出すチャンスだと考えよう。環境の変化を恨むより、前向きにチャレンジして新たな価値を生み出すことを考えよう。


          ジュラシック・パーク3 USJで試写会    日経新聞 01.7.27 15面

 米国映画のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は26日、パーク内で映画「ジュラシック・パーク3」の試写会を開催した。劇場公開に先行した試写会をテーマパークで実施するのは珍しい。「ジュラシック・パーク」をテーマにしたライド(乗り物)は、園内で最も人気があるアトラクションの一つ。新作映画との連動で、話題喚起を狙う。

         コメント-ところ変われば価値変わる

 商品が売れないと、商品そのものの機能や価格や品質に気をとられがちとなる。そのような場合、視野をもう少し広げて、どのようなTPOなら魅力(価値)を最大限に発揮できるかという観点から新たな「売り方」を考えてみると、突破口を見出すことができるかもしれない。あなたの商品は、その魅力や価値を最大限に発揮できるTPOで売られているだろうか。TPOを間違えていると、売れるものも売れない。売れるTPOを真剣に考えてみよう。


          積水化学工業 住宅ネット販売軌道に  日経産業  01.7.30 20面

 積水化学工業が2000年4月に開始した戸建て住宅業界初の本格的なインターネットによる住宅販売が軌道に乗り始めた。発売以来、月間販売棟数は一けたの月が続いていたが、1月以降は10棟以上で推移。2001年度は前年度比4倍の200棟を目指す。営業員は契約まで一度も施主と会わない方針だったのを3−4回は会うように改めるなど販売モデルを確立しつつある。「当初の目標だった年間千棟の販売も2−3年後には実現できる可能性が出てきた」と高関哲也アットマークハイム企画部長は手ごたえを感じている。
 同社のネット販売は顧客が専用ホームページで会員登録し、プランや価格の一覧表をチェック。興味があれば同社スタッフと電子メールで商談を進める。電子メールのやり取りは平均で20−30回、多い顧客で100回前後になるという。実績で見れば積水化学の住宅のネット販売は決して成功とは言えない。事業開始時の年間目標千棟に対し2000年度の販売棟数は48棟にとどまった。開始半年後、思うように販売が伸びない中、不満点を尋ねるアンケート調査を実施。その結果、最も多かったのは「早く営業担当者に会いたい」という答え。「積水化学のブランドがあれば、営業員に全く会わなくても施主は安心して購入してくれると思っていた」と高関部長は頭をかく。そこで、敷地調査の報告や最終プラン確定の際などに会うよう改めた。もっとも、3−4回という商談の回数は「通常の3分の1から4分の1程度に過ぎない」(高関部長)。
 さらにネット販売の担当部署であるアットマークハイム企画部の人員や営業拠点を徐々に拡大。購入者による紹介客も増え、販売棟数は増加してきた。同社が住宅のネット販売に乗り出したのは、戸建て住宅会社に共通する高コスト体質を是正するため。ネット販売専用の住宅「アットマークハイム」の価格は3.3平方メートル当たり45万円からと同社の通常住宅に比べ1−2割安い。低価格を実現するためモデルハウスは建てず、営業員も現在、全国で14人しかいない。一棟当たり維持費が平均で月間100万円といわれるモデルハウスや営業員の人海戦術による営業手法は、戸建て住宅各社の足を引っ張っている。住宅展示場以外の営業手法の確立は戸建て住宅各社共通の課題だ。積水化学に続いて大手のほとんどは電子メールによる販売部隊を設置した。今後、積水化学の取り組みがさらに拡大すれば、戸建て業界でネット販売が本格的に定着する可能性もありそうだ。

            コメントー納得のいかないコストは負担したくない

 今の世の中、ただでさえ外食産業をはじめとして価格破壊が進んでいる。過剰な営業コストのように、必ずしも顧客が納得のいかないコストが価格に転嫁されている産業の場合、変革の余地はあるだろう。あなたの企業の提供する商品のコストのうち、営業にかかるコストはどれくらいだろう。その営業の方法は、真に顧客満足につながっているだろうか。そうでないとしたら、変革する(される)余地がある。


       書店への報奨金情報化対応で差
   日経流通  01.7.31 7面

 旅行雑誌「るるぶ」などを発行するJTBは、一定数量以上の書籍・雑誌を販売した書店に支払う報奨金制度を見直した。情報システムで管理した販売データを提供してくれる店と、売れた本のスリップを送ってくるだけの店で報奨金の額に格差を設けた。書店の情報化を促し、煩雑な販売データ処理を省いてコストを引き下げるねらいだ。新たに導入した制度では、販売データの提供方法などで書店を4分類して報奨金に差をつけた。最高は、販売時点情報管理(POS)システムでデータを管理し、さらにJTBの書店向け発注サイト「るるぶ書店の味方」の会員となっている書店で、1部当たり3円の報奨金を支払う。
 スリップを送り付けるだけで、発注サイトの会員でもないケースが最低で、報奨金は1部1円にとどめた。従来の報奨金制度では、書籍・雑誌ごとに一律の報奨金を設定してきた(ガイドブックで2円)。データ提供方法での差は付けていなかった。新制度では、報奨金を支払う最低販売数も従来の年間500部から千部に引き上げた。JTBは「情報化に投資し販売努力をする書店に報いるため、制度を見直した」としている。優良書店の囲い込みを進める狙いもあるとみられる。
 新制度の導入で、JTBが支払う報奨金の総額は従来の年間3000万円から8700万円に増大する。だが、年間1億円を超すスリップ読みとりなどのコストが大幅に削減できるため、全体の販売コストは削減できるとしている。他業態に比べ、書店の情報化は大幅に遅れている。業界関係者は、POSシステムを活用している店は5割程度と推計している。発注は「勘頼み」の店も多く、過剰に発注し大量に返品する書店も少なくない。書籍の市場が伸び悩む中、返品の増大が版元の経営
を圧迫している。JTBはインセンティブを与えることで、書店の情報化を支援。データに基づいた配本の仕組みを構築し、返品率を現在の30%強から20%代前半に引き下げる計画だ。JTBは「るるぶ」やガイドブックなど700点の雑誌・書籍を発行、出版部門の売り上げは年間150億円に達している。

            コメントー 経費削減は社内だけの問題ではない

 経費削減は社内の問題だと決めつけていないだろうか。得意先・取引先を巻き込むことにより可能となる経費削減策はないかどうか、視野を広げて考えてみよう。