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                    日経の経営記事     01/08/01〜01/08/15



            「楽しく生きる」日本6割   日本経済新聞  01.8.1 42面

 人生の目標は、楽しんで生きること――。日本青少年研究所(千石保理事長)が、日本、韓国、米国、フランスの中高生を対象に生活意識などを調査したところ、こう回答した生徒の割合が日本で6割強を占め、4カ国の中では突出して高いことが分かった。また、日本の生徒は将来に悲観的で、学校生活では勉強より友達関係を重視する傾向が顕著だった。調査は、各国の青少年の社会や学校、職業などに関する意識を探る目的で、昨年7月、東京、ソウル、ニューヨーク、パリの中学2年と高校2年の生徒を対象に実施。各国とも900から1000前後の有効回答を得た。
 人生で最も大切な目標を、7つの選択肢から一つ選んでもらったところ「楽しんで生きる」と回答した割合は、日本が最高で61.5%。韓国も選択肢の中では最多だったが34.7%と日本の半分程度。フランス(6.3%)、米国(4.0%)では少数派だった。米国では「高い社会的地位や名誉を得ること」が40.6%で最も多く、フランス17.8%、韓国7.5%。日本は1.8%に過ぎなかった。学校生活で重要なこととして「勉強」と答えたのはフランス29.0%、米国26.9%、韓国19.8%、日本19.0%の順。「受験準備」「就職準備」とする回答も日本が最も少なかった。逆に「友達関係」を重視するのは日本が54.9%と最多だった。
 また、「21世紀は人類にとって希望に満ちた社会になる」と思う割合は、日本が33.8%にとどまり悲観派が目立ったのに対し、他の3カ国は60−80%と肯定的な見解が多数派だった。千石理事長は「1970年以前は日本は目標がはっきりした社会で、若者の将来像もそれに合致した傾向があった。70年代以降、社会が豊かになるとともに日本の若者から夢や希望が失われ、それが人生観にも反映している。努力目標がはっきりしている米国とは対照的」と分析している。

          コメントー 社員の価値観の変化に対応する

 企業が人の集まりであることを考えると、社員の価値観を踏まえた人事・組織政策をとる必要がある。最も重要な経営資源である「ヒト」の問題なだけに、社員の価値観あるいは労働観の変化は経営に大きな影響を与える要素として重視しておくべきだろう。社員の価値観や労働観の変化を無視して、組織・人事政策を決めていないだろうか、あるいは放置していないだろうか。最も重要な経営資源である「ヒト」の変化に応じて、マネジメントも変化させていかなければならない。


      乾電池式ごますり器 水洗いで掃除簡単に   日経産業新聞  2001.8.2 7面

 松下電池工業は業界で初めて水洗いができる「乾電池式ごますり器BH―924」を10月10日に発売する。下部のゴマすり用のステンレス刃のうすを取り外して、水洗いできる構造を採用した。また均質なゴマがすれ、ゴマをする時間が従来品に比べて約30%短縮した。価格は3980円で、月1万台の販売を目指す。同社は1978年に業界で初めて乾電池式ごますり器を商品化して、今回で8製品目。従来は電池とモーターの上にゴマを入れる容器とうすがあり、すったゴマがごますり器の側面を通って下から出てくる構造を採用していた。側面にゴマが付着し、掃除しにくいという消費者の声に対応し、下部にゴマすり用の刃を設置する方式に構造を見直した。

         コメントー市場を創造すること

 今ある製品をどうやって既存市場に浸透させていくかというマーケティングもあるが、少しひねり、からめ手で市場を創造していく仕組みづくりもあるのだ。既存製品を既存市場にもっと売り込むことを考えるのはよい。一方で、新たな市場を創造することを考えてみよう。それがマーケティングの醍醐味だ。


      伊藤忠と専門会社 外食ベンチャー支援   日本経済新聞  2001.8.3 15面

 伊藤忠商事は飲食店のフランチャイズチェーン(FC)支援会社、コロンブスのたまご(東京・豊島、宇井義行社長)と共同で外食ベンチャーの支援事業を始める。コロンブスがベンチャーの発掘や新しいタイプの店舗(業態)開発などを手掛け、伊藤忠が食材供給や加盟店募集などを受け持つ。大手商社は取引先の食品メーカーや系列の物流会社などのネットワークを生かし、外食事業の強化に動いている。そのなかで伊藤忠は専門会社と組み外食ベンチャーの囲い込みを狙う。3年で30業態を開発する計画だ。
 伊藤忠はすでに「スターバックスコーヒー」などの物流事業を手掛けるなど外食関連ビジネスの規模は年間350億円。インターネット上で食材調達の電子商取引市場を運営するエバービジョン(東京・港)や、加盟店募集などを手掛けるウィンテグレータ社(同)も傘下に抱え、外食ベンチャーへの出資も含めてグループ全体で支援する。一方、コロンブスは有望な飲食店をいち早く発掘してFC化し、伊藤忠と共同で事業を拡大する。
 外食の市場規模は約29兆円あるが、大手100社のシェアは16%で中小・零細企業が大半を占める。最近は低価格志向などをとらえた新業態が急成長する例が多く、大手商社も関心をよせており、三菱商事は日本料理店などを展開する小林事務所(兵庫県川西市)や海鮮丼(どん)チェーンのまぐろ市場(東京・中央)に資本参加。外食向け食材供給の子会社も5月に設立した。

           コメントー新規開発もあれば発掘もある

 「隣のバラは赤い」「青い鳥症候群」といった言葉があるように、足元にある宝の山を見逃しているケースは多い。今一度足元を見直し、お宝の「発掘」作業に取り組んでみることも大切だ。新しいチーズを探し回るのもよいが、足元にあるお宝を見逃していないか、考えてみよう。「新規開発」も「発掘」も、新たな価値を創造することに変わりはない。


   企業向け製品・サービスに内外価格差   日本経済新聞  2001.8.6 3面

 経済産業省がまとめた「産業の中間投入にかかる内外価格調査」によると、日本の企業が購入する工業製品やサービスの価格は米国の1.87倍、中国の5.57倍にものぼり、依然として内外価格差が大きいことが判明した。日本企業のコストが高いことは国際競争力を弱め、国内の産業空洞化を進行させる要因にもなる。調査は2000年9−11月に7カ国・地域と価格を比較した。工業製品152品目、産業向けサービス33品目が対象。日本の価格はドイツの2.08倍、韓国、台湾、香港、シンガポールの新興国・地域の2.29−3.83倍だった。米国と比較すると、工業製品は1.03倍とほぼ同水準だった。金属製品、鉄鋼などの素材製品が0.96倍、電気機器など加工・組み立て製品は0.89倍と日本の方が安かった。しかしエネルギーは石油・石炭、都市ガスなどが高く、1.53倍だった。さらに産業向けサービスは2.73倍と差が大きかった。自動車修理、下水道、機械修理などが割高だった。中国と比べると工業製品は2.49倍、産業向けサービスは8.44倍と、価格差は大きい。日本から中国へ製造業の生産拠点を移す動きが加速しているが、人件費の違いだけでなく企業向け商品・サービスの価格差もこうした動きを加速させる一因となっている。
 7カ国・地域の平均と比べた場合の内外価格差は3.13倍。工業製品は1.76倍にとどまったが、産業向けサービスは4.47倍だった。情報サービス、不動産、通信などが日本企業にとって重い負担になっている。96−2000年度についてみると、米国、台湾、中国では価格差が小幅縮小したものの、ドイツ、韓国、香港、シンガポールでは拡大した。

             コメントー分析・比較して構造を見直す

 分析(ブレイクダウン)して、比較する。そうすると、どこに問題点や課題があるかが浮き彫りにされる。また、多くの場合、単にコストダウンをどうするかだけでなく、事業やコストの構造をどう改革しなければならないかというテーマの発見につながるだろう。コスト構造をブレイクダウンして同業他社等と比較してみよう。そして、あるべきコスト構造を設定し、改革目標と戦略を策定し、その実現に取り組もう。

         アルバイト採用を代行 繁忙期の旅館など対象   日経産業 2001.8.7 12面

 ホテルマンOBの派遣を手掛けるアイ・エヌ・ジー・エンタープライズ(INGエンタープライズ、東京・新宿、橋本伸社長)は、ホテルや旅館のアルバイト採用を代行するサービスを始めた。首都圏の学生など若年層の人材を対象に、募集、面接、採用までの業務を代行する。主力のホテルマン派遣にアルバイトを組み合わせ、総合的に人材を提供できる仕組みを目指す。
ホテルや旅館では繁忙期に合わせて、機動的に人員を増減させる必要があるため、アルバイトの活用が欠かせない。特に地方では思うように人材を確保することが難しく、恒常的に人手不足の状態。一方で都市部には一定期間、地方で働きたいという希望を持った若年層がいるとみており、両者のニーズをつなぎたい考えだ。当初、首都圏での面接など採用活動が困難な地方のホテル、旅館を顧客として想定していたが、採用コストを削減したい東京のホテルからの問い合わせも多いという。代行手数料は広告掲載料などを含み、3人までは10万円、4−8人が14万円程度。

            コメントー単品ではなく総合的な戦略の一環

 「アルバイト採用を代行」というタイトルだけを見ると、アルバイト雇用に関する新手のサービスが登場したかのような印象を受ける。しかし記事を読み込んでいくと、それはING社の総合的な戦略の一環だと考えた方が良さそうだということがわかる。あなたの企業のその商品・サービスは、総合的な戦略の一環として位置付けられているだろうか。単品では十分に魅力的な価値を訴求できなくても、総合的には大きな意味を持ち得る可能性がある。


               愛犬の気持ち 鳴き声で分析   日本経済新聞  2001.8.8 27面

 タカラは7日、愛犬の鳴き声から感情を分析し液晶画面に表示する「バウリンガル」を来年2月に発売すると発表した。小型マイクを通じて収録した声紋を6種類の感情に分類し携帯型端末に表示する。価格は12800円で、2002年12月までに20万個の販売を目指す。
 長さ6センチ、重さ60グラムの軽量小型マイクを犬の首輪に付け声紋を赤外線で携帯型端末に送信する。「楽しい」「悲しい」などの感情を分析し液晶画面に200種類の単語や絵で表示する仕組み。例えばフラストレーションがたまっている場合は「イライラ!」「ムカツク!」などが表示される。データを蓄積して一日の機嫌を100種類の文章で表示することもできる。
 声紋分類を担当した日本音響研究所と、携帯電話向けコンテンツ(情報の内容)開発のインデックスと共同開発した。将来は携帯電話を通じ外出先にもデータ送信できるようにする。

              コメントー優れた機能を演出して価値を創造する

 いくら画期的な機能を開発したとしても、それだけでは商品にはならない。用途を想定し、それにふさわしい機能(あるいは演出)を付加してはじめて価値あるものとなる。外出先から犬の状態がわかれば良いというだけなら、単純に無味乾燥な数値表示でもよかったはずだ。しかしタカラのように、犬の感情をカジュアルな単語や絵で表示する仕組みをつくれば、「楽しさ」演出商品として、価値は大きく高まるのだ。あなたの企業の製品は画期的な機能を持っているかも知れない。では、その価値を最大限に高めることができるような用途提案や演出がなされた商品開発はできているだろうか。


          都市緑化による気温低下 鹿島 予測ソフト開発    日本経済新聞  2001.8.9 15面

 鹿島は8日、都市の緑化を進めることで気温がどれだけ低下するかを予測するソフトを開発したと発表した。土地の利用状況や天気図などのデータを入力すると、緑化により都市部の気温や風、水蒸気がどう変化するかを自動的に算出できる。同ソフトを活用し、ヒートアイランド現象を抑制しやすい都市計画作りを提案していく。まず標高や気圧、交通量などを入力し、対象地域の地表面温度や湿度、風向を算出。次に再開発計画に沿って緑化場所や面積などを入力すれば、緑化による温度変化が予測できる。従来の模型を使った実験では温度、水蒸気の変化を再現できなかった。東京都が屋上緑化を義務付けるなど大都市部を中心に都市気候改善の取り組みが本格化しているため、精密な予測ソフトの必要性が高まっていた。

          コメントー納得のいくシミュレーションで顧客を説得する

 世の中、顧客を納得させるだけの客観データを提示しないまま購買意思決定を迫るという営業スタイルが、まだまだまかり通っているように思う。そこを何とかデータ化し、シミュレーションして説明する仕組みを工夫する余地は大きいと感じる。あなたの企業では、データやシミュレーションを顧客に提示しているだろうか。また、それらは顧客からみて信頼に足るものだろうか。改善の余地がないかどうか、考えてみよう。


              ネット通じ自主参加 分散型計算利用広がる   日本経済新聞  2001.8.10 13面

 世界中のパソコンをインターネットなどでつないで同時に使う「分散型コンピューティング」が活発になってきた。100万台単位になると、スーパーコンピューターをはるかに上回る性能を発揮する。
 すでに抗がん剤の開発などの事業が始動済み。パソコンはボランティア参加なので、低コストで研究スピードを高められる。新しい利用法が今後、登場するだろう。<スーパーコン並み速度>米インテルと英オックスフォード大、全米がん学会などは4月、白血病の新薬開発プロジェクトへの参加者を募り始めた。白血病に関係が深い4種類のたんぱく質と新薬候補となる分子の構造などを解明、開発期間を数年短縮する狙い。プロジェクトでは、膨大な計算作業を小分けし、インターネットを通じて参加者に送る。各パソコンで計算した結果は再度ネットで主催者側に送り返す。インテルのホームページから専用のソフトを自分のパソコンに取り込めば、使っていない時に自動的に働く仕組みだ。
 今のパソコンの計算速度は1.3ギガ(1ギガは10億)フロップス(フロップスは一秒間に可能な浮動小数点演算の回数)ほどあり、15年前のスーパーコンピューター並み。分散型計算はその一部を利用するだけで、所有者が急にパソコンを使い始めても問題はないという。
 プロジェクト提唱者の一人、オックスフォード大のグラハム・リチャーズ教授は「大きな製薬会社でもなかなかできない研究が少ない資金で推進できる」と利点を語る。<地球外生物探索が元祖>この計算方式の元祖は、1999年5月に始まった地球外生物の探索計画「SETI@home」だ。プエルトリコの天文台にある電波望遠鏡で観測した電波を、米カリフォルニア大バークレー校を本拠に解析する。日本からこのプロジェクトに加わる岩手県立大学の山根信二助手は「しらみつぶしに計算するのに適した手法」と解説する。暗号の性能を評価するため、多数のパソコンで解読を試みる研究もある。弱点は、データの偽造やコンピューターウイルスに感染する危険性がつきまとうこと。地球外生物探査では、データに通し番号を付け偽造を防いでいる。ウイルス被害は今のところないが、ソフトを勝手に手直しされることもあったという。(中略)
 <新ビジネスも登場>日本でも独自の計画が芽生えている。高エネルギー加速器研究機構や産業技術総合研究所、東工大などが、スイスに2004年に完成する加速器で得られる大量の実験データをこの方式で解析する。データは専用線で送受信する。
 遺伝情報をもとに、がんや糖尿病などを治療する研究はますます盛んになる。米国では、一定額の報酬を支払って参加者を募り、データ解析を受託するベンチャービジネスも始まっている。特色を生かした新事業が出てきそうだ。

              コメントー社外の経営資源を活用する

 今回の記事は、社外のボランティア活用という方策があることを気づかさせてくれた。それをさらに掘り下げて考えていくと、人脈・ネットワークを含め、社外にある経営資源の活用も十分視野に入れて経営活動を行なう必要があることを感じさせられる。あなたの企業は社外の経営資源をどれだけ保有しているだろうか。その大きさはあなた自身やあなたの企業の存在価値を反映している。外部の経営資源をもっと活用することを考えてみよう。

           :::::8月11日〜19日は休載します::::