TOP目次

         
                  日経の経営記事      01/10/16〜01/10/31


       都内と成田を結ぶ 乗り合いタクシー    日本経済新聞  2001.10.16 31面

 東京エムケイ(東京・中央、青木信明社長)など都内と千葉県内のタクシー各社は12月をめどに、都内在住者の自宅と成田空港を結ぶ乗り合いタクシー事業に参入する。
 旅行カバンを抱えて電車を乗り継がずに空港と自宅間を行き来できる手軽さと、一般タクシーに比べた低料金を売り物にする。参入するのはエムケイのほか、東京ジャンボハイヤー(東京・葛飾、阿部武社長)、アルファ交通(千葉県大栄町、加藤末昭社長)、千葉交タクシー(千葉県成田市、飯島完社長)。ほかにも参加を検討している企業がある。一日の運行台数は合計70台程度になる見込み。各社が月内にも関東運輸局に認可申請をする。
 一台7−9人乗りを想定しており、往路は予約を集めて近隣の乗客宅を回って乗せる。復路は空港内に各社共同のチケット販売カウンターを設け、同方向の客を乗せる。運行時間は早朝から深夜までで、帰宅便は10−20分ごとに空港を出る予定。乗車料金は会社ごとに異なるが、一人3500−5000円程度になる見込み。一般タクシーなら都心から2万円程度かかるため、一人で利用する場合はかなり割安になる。自宅が23区か武蔵野・三鷹市にある乗客が対象で、これを4ブロックに分け、ブロック内は同一料金にする案を軸に詰める。

                     コ メ ン ト 

両極の中間には、新たな市場を発見することができる。では、その「中間」というポジションで、どちら寄りに軸足を置くのがよいのか、顧客の期待を踏まえてしっかりと考えてみよう。

              狂牛病 個体管理の徹底課題     日本経済  01.10.18 3面

 厚生労働省は18日から全国の食肉衛生検査所で食用牛すべての狂牛病の感染検査に乗り出す。同省は、検査開始後に政府として牛肉の「安全宣言」を出す方針も明らかにした。ただ感染の有無を巡って、疑いの段階で発表する一部自治体と、確定診断を待つ国の対応との違いが表面化。食肉の安全は確保できても、感染牛が今後も見つかる可能性があり、消費者の不安心理払しょくは容易でない。18日からの全頭検査の対象となるのは、年間約130万頭に上る食用牛。検査では食肉衛生検査所が簡易検査で「陰性」を確認するまでの最低5、6時間は出荷を見合わせなければならない。このため東京都中央卸売市場の食肉市場では新たに大型冷蔵庫を導入、「2日分の約700頭分の枝肉や内臓は保管できる体制を整えた」という。
 簡易検査では、牛の個体ごとの枝肉や内臓の厳格な識別が不可欠。東京都では解体した牛は頭、内臓に分けてそれぞれに同じ番号札を付け、頭から取り出した延髄は袋に入れ、これにも同じ番号札を付けて検査に回す。陰性なら都の衛生局の職員が検査済の印を押し、翌日の競りに掛ける。
 個体管理がずさんだと、延髄の検査で感染の疑いがあると診断された時に、その個体の出荷を円滑に止めることができなくなる。全国の2割弱に当たる約19万頭の食用牛を1年間に処理する北海道。当初は「検査機器の準備が整わない」と18日には間に合わないとしていたが、今週に入ってぎりぎりメドがついた。道食品衛生課は「一日400−500頭までは検査できるよう準備しているが、食肉処理場の処理能力、保管能力が追いつかない可能性がある」という。
 鹿児島県では18日、県内8カ所の検査所で、140−150頭の牛の解体を予定している。当初は230頭程度の出荷が見込まれていたが、同県生活衛生課は「慣れないため時間がかかる可能性もある。初日と2日目は関係者に出荷の抑制をお願いした」と話しており、確実な検査結果を最優先する方針だ。ただ今回の措置は、市場の入り口で狂牛病の牛の肉を完全にストップし、店頭や食卓に並ぶことを阻止する仕組みができたことを意味するにすぎない。
 千葉県の狂牛病の牛の感染源が特定できない中で、第二、第三の狂牛病の牛が出てくる可能性は否定できない。

                      コ メ ン ト

品質を確保するための方策として、検査による不良品流出防止に頼り過ぎてはいないだろうか。それは高コストを招く。不良品の発生防止策がなくては、品質管理とは言えない。

           運転中もメール送受信     日本経済新聞  2001.10.17 13面

 NTTとホンダは16日、車の運転中に、手をほとんど使わずに音声で電子メールをやり取りしたり、近所のレストランなどの情報を聞くことができるドライバー用情報システムを開発したと発表した。来年中に技術を完成し、まずホンダ車に搭載する。運転者に電子メールが届くと、あらかじめ登録したキーワードを参考に重要部分を抜き出し、「2時から本社で会議です」などと合成音声によって車内のスピーカーから伝える。
 「了解メールを送信しますか」と音声で尋ね、運転者が「はい」のボタンを押すと返信する。システムは情報センターのサーバーと自動車を第三世代携帯電話で結んで構築する。飲食店や商店などに関する情報をサーバーに蓄積しておき、車が近くにさしかかると「近くにラーメン屋があります。案内しますか」などと伝え、「頼む」と言うと道順を案内する機能もある。
              コ メ ン ト

あなたの企業で扱う製品は、一定の条件下でどうしても必要だという製品だろうか。ならば、その制約条件下にない環境では、あれば非常に便利、という製品になり得る。

     企業内FA制度 大卒入社3年目で権利    日本経済新聞  2001.10.19 11面

 松下精工は来年4月、若手社員がやりたい新規事業や職場への異動を自ら希望できる「フリーエージェント(FA)制度」を導入する。大卒社員なら入社3年目から35歳になるまでFA宣言する権利を持つ。
 各事業場の人事担当者らで構成する会議で承認されれば希望がかなう。従業員のやる気を引き出すための企業内FA制度で若手社員を対象にするのは珍しい。導入する「ヤングFA制度」の対象者数は全社員の約2割に当たる371人。毎年11月末までに自分が手掛けたい新規事業などを会社側に伝える。
 翌年1月に人事担当者らが事業化や異動の是非を議論、認められれば4月に新しい職務に就く。若手数人で新規事業を提案してもよい。同社は2000年から50歳以上の社員を対象とするFA制度を導入済み。来年初めからは50歳以上の希望者に再教育または月給3カ月分の準備金を提供、社外への転身も支援する。従来のFA制度は利用者の8割が希望をかなえており若手からも同様の制度を望む声が上がっていた。

                   コ メ ン ト

あなたの企業には、自己責任を貫くことのできる社員がどれだけいるだろうか。また、そのように社員を処遇する仕組みができているだろうか。そうしなければ、結果として、組織としての競争力を失うことになりかねない。

      「地獄の黙示録」 2000円で再公開   日本経済新聞  2001 10.22 14面

東宝と日本ヘラルド映画(東京・中央)は2002年1月以降公開予定の「地獄の黙示録」の入場料を通常より200円高い2千円に値上げして公開する。
同作は1980年に公開されたものに未公開シーンを追加したもの。上映時間が3時間23分と普通の作品より長く上映回数が少なくなるため、入場料金を高く設定し、安定した興行収入の確保を狙う。同作は前回の公開時に興行収入35億円を稼いだ話題作。今回はフランシス・F・コッポラ監督の再編集で53分の未公開シーンを追加した。全国約130−150館での公開を予定し、50億円程度の興行収入を見込む。

           コ メ ン ト

あなたは「時間」も経営資源の一つだと考えているだろうか。収益の実現など、「時間」の要素がビジネスの成否を左右することが多い。「資源」として有効活用し、価値を高めることを考えてみよう。


        HOYA純利益137億円 眼鏡レンズ好調       日本経済新聞 2001.10.23 19面

 HOYAが22日発表した2001年9月中間期の連結純利益は、前年期に比べて微減の137億円となった。利益率の高い半導体製造用のマスクブランクスや光学製品などエレクトロオプティクス(EO)部門が落ち込んだが、眼鏡レンズなどビジョンケア(VC)部門の伸びで補った。中間配当は前年同期比5円増の25円とする。連結売上高は2%増の1,184億円。眼鏡レンズは米国が19%増、欧州でも15%伸びるなど、海外市場が好調だった。VC部門全体では9%の増収となった。
 EO部門は4%の減収。VTR(ビデオテープレコーダー)向けが不振だった光学ガラスは14%減った。半導体メーカーが開発投資を抑制し、高品質のマスクブランクスも落ち込んだ。連結営業利益は228億円と5%増えた。情報技術(IT)不況の深刻化で苦戦するEO部門に代わり、市況変動の影響を受けにくいVC部門で利益を確保する事業戦略が奏功した。通期の連結売上高は前期比3%減の2,300億円前後、連結営業利益は11%減の400億円程度になる見通しだ。

                  コ メ ン ト

あなたの企業の事業ミックスは、需要変動のリスクを吸収するものになっているだろうか。もしそうでなければ、新規事業案を検討・評価する基準としてそれを加えておくとよい。


        夜勤離れが悩みの種    日本経済新聞  2001 10.24 11面

 「深夜のコンビニをのぞくたび、働き手が多くてうらやましくなる」。THKの寺町彰博社長の悩みの種は国内従業員の“夜勤嫌い”だ。国内工場が生き残るには「24時間、365日生産して稼働率を高めるしかない」。だが若い社員でさえ、夜勤には強く抵抗するという。この弊害が昨年の繁忙期に表面化。本社の24時間生産要請にいち早く対応したのは中国の工場で、国内工場は一番対応が遅かった。「夜勤を嫌がっているうちに海外に負けてしまう」と繰り返し説いているが、現場にはなかなか伝わらないと嘆いていた。

              コ メ ン ト

経営者と従業員とでは、立場も物の見方も異なるため、思いがなかなか伝わらないかも知れない。それを嘆いているうちはまだよいが、尻に火がつけば、思い切った意思決定も必要になると覚悟しておこう。


        「需要急増でサポート困難」     日本経済新聞 2001 .10.25 13面

仏診断薬・検査機器大手の日本法人、日本ビオメリュー(東京・港、フレデリック・ベノリエル社長)は炭疽(たんそ)菌感染を検出できる診断薬「アピ50CH」の医療機関や食品メーカーなど一般向け販売を中止した。
同診断薬を使うには検査精度を高めるため使用法の指導など支援が必要だが需要急増で十分なサポートができないと判断した。当面は国立感染症研究所など公的な鑑定検査施設への製品供給にとどめる。一般向けの販売再開は未定という。国内で炭疽菌を検出できる診断薬を販売しているのは同社のみとされている。同診断薬は炭疽菌を含むバチルス類と呼ばれる約50の菌を検出できるキット。米の炭疽菌感染事件を受け注文が急増。19、22日の2日間のそれぞれの注文数は通常の10倍の約50セットに膨らんだ。

              コ メ ン ト

 注文があるのに納品できず、売上が立たないというのは辛いものだ。要因としては、品薄で欠品している場合と、物流に問題があって納品できないといったことがあるだろう。あなたの企業の製品に伴うサポートを別料金にしていないとすれば、その経費は製品価格に上乗せされていることになる。それが顧客にとって納得性のあるものかどうか、吟味してみよう。


       YUASAの社内分社 不振続けば「退場」    日本経済新聞  2001.10.26 15面

 YUASAは社内分社の経営指標が一定水準に達した場合に解散処分とする「社内倒産制度」を来春導入する。収益、累損、借入金の3項目でリストラを義務付ける「イエローカード」と解散処分の「レッドカード」の基準を定めた。社内分社の存否を決める基準を社内で明示するのは珍しい。経営責任を厳格に判断することで、競争力の向上につなげる。この制度の対象は1日付で設立した14の機能別社内分社(ディビジョンカンパニー)。自動車用電池の製造や産業用電池の販売など事業分野別の10社と、生産技術や調達など横割り業務の4社で、2000年3月期の業績から適用する。
 イエローカードは最終損益が2期連続で赤字になるか、累損が分社の際に割り当てた資本金の20%に達したり、本社からの借入金が融資枠を超えたりした場合に適用する。一つでも該当すればディビジョンカンパニー社長への権限委譲を見直し、経営企画部が再建策を作って実施する。その上で3期連続最終赤字か債務超過、あるいは本社からの借入金が融資枠を再び上回る事態に陥れば、社内分社を解散。他の社内分社に統合するか、事業から撤退する。

               コ メ ン ト

業績が思わしくない事業について撤退を検討するなら、過去実績よりも将来成果の予測を重視しよう。赤字転落しない限り事業を存続させるというのであれば、経営判断はいらないし、その事業に従事している人材も活かされない。

        80事業 離陸へダッシュ      日経産業新聞 2001.10.29 17面

 横河電機が社内ベンチャーを育成する「MATOI(まとい)」プロジェクトを本格化させている。毎秒40ギガ(ギガは10億)ビットの伝送速度に対応した光部品や新しい制御システムなど、80のプロジェクトが事業化を目指し動き出している。IT(情報技術)不況のあおりで業績が急激に悪化する中、横河は新規事業の活性化で収益体質の強化を目指す。「80の新規事業がそれぞれ30億円の売り上げを目指すことで、2005年度には新規事業全体で1800億円の売り上げを達成する」。「MATOI」プロジェクトを担当する内海岱基専務は闘志を燃やす。
 「MATOI」は江戸時代の火消し組が掲げた「まとい」から名付けられた。プロジェクトリーダーは「まとい持ち」と呼ばれ、プロジェクトの中では、予算から人事まで気を配る経営者の役割を果たす。横河は昨年10月に50の事業をMATOIとして認定、現在は80に増えた。「MATOIの認定を受けると、かなりの判断が現場に任されるようになる」。高速通信用光部品の開発プロジェクトでまとい持ちを勤めるR&Dセンターの三浦明・開発プロジェクトセンター長はこう話す。従来のプロジェクトでは責任や担当範囲が不明確な面もあり、部門ごとの縦割りの壁が障害になるケースもあった。だが認定を受ければ全社的なプロジェクトとして認められ、人材の確保、営業担当者との連携など「社内を動かしやすい環境ができた」と言う。IT事業部システム事業センター技術部の星哲夫部長は、MATOIの一つとして次世代ネット通信手順「IPv6」に対応した機器の製品開発を進めるベンチャー企業、インターネットノード(東京都武蔵野市)を立ち上げた。このほか、新たな分野の制御システム開発を目指し製品化にこぎ着けた「スターダム」、半導体製造装置などの位置決めに使う空気浮上式平面モーターなどMATOIから新たな事業が芽生えつつある。
 半導体製造装置の保守サービスを手がけたプロジェクトはすでにMATOIを卒業、横河エンジニアリングサービスの一事業部門に育った。もちろん、ヒト、モノ、カネの優先配分を受けるMATOIは、経営陣の厳しい目にさらされる。まとい持ちは3カ月に一度、経営陣の前で「事業化までのスケジュールや進ちょく状況について厳しい質問を受ける」(星氏)。すでに6つのプロジェクトがMATOIからはずれた。
 プロジェクトが目標とする売り上げ1800億円は同社の2001年3月期の連結売り上げのほぼ半分に当たる。達成は決して容易ではないが、同社が打ち出している雇用確保の方針を堅持するためにも新規プロジェクトの離陸は不可欠。横河の将来が80人のまとい持ちの肩にかかっているといっても過言ではない。

                コ メ ン ト

あなたの企業には経営者感覚を持った人材がどれだけいるだろうか。もし見当たらないとすれば、発掘・育成・確保をすることを考えよう。もし見当たるなら、新規事業を立ち上げさせて能力を発揮させよう。

       印刷49社一斉に取得 品質の国際規格    日本経済新聞 2001.10.30

神奈川県印刷工業組合(矢川邦夫理事長)に加入する49社が相次いで品質管理の国際規格ISO9002を取得し、11月2日に横浜市内のホテルで認証書の統一授与式を催す。組合員企業の体質改善と競争力の向上が狙いだが、組合事業としてISO取得を推進し多数が取得したのは全国でも例が無いという。ISOを取得していないと大手企業や官庁の入札に参加できにくくなっていることが背景にある。
ISOは企業が個別に国際的な認証機関から取得するが、同組合は昨年秋、組合員企業から応募を募った。この結果、組合員310社のうち最終的に49社が挑戦することになった。組合は、各企業と教育や認証取得支援などの契約を個別に締結。昨年10月から5班に分け教育を実施するとともに、企業ごとに品質マニュアル、作業手順書、帳票類の整備などを整備、審査・認証委託機関であるビューロー・ベリタス・クオリティ・インターナショナル(BVQi、本部ロンドン)の日本事務所(神戸市)に提出した。7月から8月にかけ審査が行われ、認証機関であるUKAS(ロンドン)から49社すべて認証されることになった。通常、ISO取得は1社当たり400万円から900万円かかり、取得まで1年半を要する。組合が目標を決めて指導したため、約150万円、約1年で取得にめどをつけた。

              コ メ ン ト

あなたの企業の商品・サービスの売り込み対象は誰だろうか。エンドユーザだけなく、多くのエンドユーザに多大な影響を与える存在は誰なのかを考え、攻略することを考えてみよう。

           病院向け給食 SRLが参入       日本経済新聞  2001.10.31 14面

 臨床検査受託最大手のエスアールエル(SRL)は30日、九州で病院向け給食事業を手掛けるメディフォース(福岡市、岩下照雄社長)に資本参加したと発表した。SRLは臨床試験以外の医療関連サービスを拡大している。将来は給食事業を九州以外にも広げ新たな収益源とする。すでにメディフォースの一部株式を取得しており、さらに第三者割当増資も引き受け11月末までに35.1%の株主となる。株式の取得額は明らかにしていない。
 資本参加を機に臨床検査を受託している医療機関などに給食サービスを売り込む。メディフォースは福岡市を基盤に給食用食材の提供や献立に合わせた食材加工などを手がける。

            コ メ ン ト

 新規事業として新たな業界に参入しようとする場合、業界イメージの彼我の差をよく考えておこう。格下の業界なら勝つ可能性が高くなるが、そうでなければ、競争優位性を確保するまでに相当の経営資源を注ぎ込まなければならないだろう。