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                  日経の経営記事      01/11/16〜01/11/30


       ミュージック・ライフ、ネット上で来春復刊      日本経済新聞 2001.11.19 14面

 音楽出版大手のシンコーミュージック(東京・千代田、草野昌一会長)とシステム開発のインフォワークス(東京・港、中神康裕社長)は、1998年に休刊した老舗の洋楽総合誌「ミュージック・ライフ」を来年3月にインターネット上で復刊する。ライブ映像の配信などネットの特性を生かし、新しい読者層の獲得を狙う。専用サイトを開設し、新作CD批評、来日アーティスト情報、国内外の音楽ニュース、過去の「ミュージック・ライフ」に出た写真や記事を掲載。コピーバンドのライブの映像も視聴できるようにする。音楽マニアがライブ演奏などのスコア再現を競うコンテストもネット上で実施する。
 サイトの閲覧では会員登録が必要だが、登録自体は無料。有料会員制度もあり月額300円を支払う会員には、過去のアーティスト写真、アーティスト関連商品、コンサートのチケットなどの販売サービスを提供する。同月額千円の会員に対しては、着信メロディーのダウンロード、プロのアーティストのライブ映像配信、CDやDVD(デジタル多用途ディスク)ソフトの販売などのサービスも提供する。ネットでの復刊で2年後に50万人の会員、5億円の売上高を見込む。

             コ メ ン ト

もしリアルタイムで流行を追い駆けるなら、流行が廃るつれてビジネスも細っていく。しかし、時の試練を経ても変わらぬ価値を持つものを見つけることができれば、ビジネスの命脈は保たれる。

       関電と大ガス 共同で事業化調査会社     日本経済新聞  01.11.21 13面

 関西電力と大阪ガスは20日、来年1月に折半出資で事業化調査会社を設立すると発表した。経営効率化や社会貢献などが対象。第一弾として、気温変動に伴う経営リスクを軽減する天候デリバティブ相互契約のほか、屋上緑化技術の事業化などを検討する。両社はエネルギー事業で相互の事業分野に参入し競争を繰り広げているが、いずれも地域に根差した企業として共同事業の推進を目指す。
 新会社は、オージーかんでん共同企画(大阪市)で、資本金は1千万円。社長は未定だが、関電から派遣する。従業員はテーマごとに両社の社員が兼務する方式とする。両社はテーマ選定のための運営委員会を設置。合意案件から順次、オージーかんでん共同企画で事業化調査を始める。新会社は企画に専念するため、事業化の際にはそれぞれのテーマごとに事業会社を設立する。当初は天候デリバティブ、緑化技術の活用のほか、自動遠隔検針、海外事業、廃棄物リサイクル技術の活用、社会貢献活動について検討する。天候デリバティブについては、東京電力と東京ガスが同様の取り組みをすでに始めている。緑化技術は両社の研究部門のノウハウを持ち寄り、事業化の可能性を探る。

             コ メ ン ト

他社とのアライアンスを考える場合、取り組むビジネスモデルは既に決まってしまっているだろうか。どうせなら、ビジネスモデルの企画段階から始めてしまった方が賢いかも知れない。


   紙の電子商取引会社 開業から半年で撤退        日本経済新聞  2001.11.22 11面

大手の製紙会社と紙商社の共同出資により今年5月に開業した紙の電子商取引会社、ペーパー・イー・サイト(東京・千代田、瀬崎元彦社長)が、このほど営業を停止した。取引が伸びず、わずか半年で撤退を強いられた。同社は王子製紙、日本製紙の二大製紙会社と日本紙パルプ商事、国際紙パルプ商事(東京・中央)の二大紙商社が共同出資で昨年7月に設立した。
紙の二次卸、印刷会社、出版社など約100社が加入し、年間100億円の売り上げを見込んでいたが、ほとんど取引が成立しなかった。「インターネット活用体制の整備が遅れている企業が多く、電子商取引が受け入れられる素地が整っていなかった」としている。今後、解散手続きに入る。丸紅傘下のフォレストネット(東京・港)、日商岩井が出資したイービストレード(同・千代田)が運営するベイツボ・ドット・コムなども事業拡大を狙っているが、「価格的な魅力は乏しい」(市場関係者)。

                 コ メ ン ト

新規事業を立ち上げると、市場がまだ十分に育っていないことがある。市場が育つまで我慢することを考えるのは一策だが、同時に、事業の本質的な競争力を見極め、撤退するか継続するかを決めよう。

   企業の調達 すべてに関与                    日本経済新聞 2001.11.26 15面

企業間電子商取引の草分けで、三井物産や三菱商事と組んで日本にも進出している米eスチールがニュービュー・テクノロジーズに社名変更した。1998年に鋼材の電子市場運営でスタートした同社だが、大手企業のサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)構築を支援する企業に業態を大きく転換した。マイケル・レビン会長兼最高経営責任者(CEO)に企業向けネットビジネスの将来性や限界などを聞いた。
――企業間電子商取引の代名詞にもなった社名を変えたのはなぜか。 「業態が鋼材の電子市場の運営にとどまらなくなったためだ。電子市場は今も存在するが、調達活動に関連するモノ、カネ、情報の流れのすべてに関与することで企業を支援する」
――売り手と買い手をつなぐだけの電子市場の限界が指摘されている。 「どれだけ多くの新しい取引先と出会うかではなく、すでに顔見知りの相手とどこまで密接に付き合うことができるかの方がよほど大切だ。
出会いの場の大きさをいくら競っても、参加企業の効率化につながらないなら意味がない。電子市場での受発注は企業にとって最初の一歩に過ぎず、部品や資材が組み立て工場にたどり着くまでの長い道のりはそこから始まる」
――米フォード・モーターなどの有力企業を顧客にできたのはなぜか。 「部品や資材の受発注だけでなく在庫管理や物流手配、決済などフォードが求める問題解決策をすべて備えていたからだ。インターネットベースのため、関連する業者が情報を共有しながら連携して仕事できる。
北米でのフォードの鋼材調達はすべて当社のシステムを使っている。具体的な金額は言えないが、フォードの効率は大幅に高まったはずだ。ここに当社が成長を続けられる理由がある」
――日本でも同様の事業を展開できるのでは。 「可能性はある。だが、SCMは日本企業が多くの点で先行している。例えばトヨタ自動車は独自のカンバン方式をベースにしながら、情報通信網と組み合わせて先端的なSCMを生み出している。
日本では鋼材に絞って取引仲介と物流を組み合わせるなど地域特性に合った事業を進める」(聞き手はニューヨーク=篠原洋一)

           コ メ ン ト

どのような業態を選択するかを考える前に、顧客にどのような価値を提供するのかを考えよう。提供価値をよりよく顧客に伝えるためには、どの業態が最適かを考えよう。

   購入額の一部、店舗に                  日本経済新聞  2001.11.27 17面

明響社はゲームソフトの販売に携帯電話を使うインターネット通販と同社のフランチャイズチェーン(FC)店舗を連動させる手法を導入した。店舗のポイントカード会員が通販サイトを利用すると、購入金額の一定割合をFC店舗に還元する。FC店舗がネット通販から利益を得る仕組みに変えることで、携帯ネット通販の売上高を現在の3億円から2年後に15億円前後へ拡大する。同社はNTTドコモのiモードとauのEZwebでゲームソフトの通信販売サイト「ゲームストア」を運営している。これまで通販利用者にはFC店舗「TVパニック」の利用の有無にかかわらず別途、利用登録してもらっていた。
今後は全国に360店あるFC店舗会員(約14万人)の場合はその会員番号が通販の利用番号として使用できる。FC店舗会員が携帯電話サイトを通じて商品を購入すれば店舗は購入額の8%分を手数料として受け取る。このほど通販利用者とFC店舗の顧客を一元管理するシステムを導入した。ゲームソフトは商品によって発売3カ月で半額程度になるなど価格の下落が激しく、店舗経営者は在庫を極力圧縮している。従来は店頭在庫が切れていても競合関係に当たるネット通販に顧客を紹介しづらかったが、新たな手法により販促効果を高める。

           コ メ ン ト

あなたの企業では、ビジネス成約に役立つ情報の提供者に対する情報の還元策は確立されているだろうか。もし確立できていないとすれば、それは情報収集の阻害要因になっているかも知れない。

      マーケティング情報 ネットで収集し提供     日本経済新聞 2001.11.28 15面

ガーラは27日、インターネット上の書き込みなどから情報を収集し、マーケティングデータに分析・加工して企業に提供するサービス「e―マイニングリサーチ」を始めたと発表した。発注から1−2週間で報告するので販促キャンペーンの効果や新商品への反応を迅速に把握できる。料金は数百万円を予定している。購入した商品や利用したサービスについて消費者が感想を書き込むサイトが増えており、生の声を集めやすくなっている。

              コ メ ン ト

無料で入手できる情報だからといって、そこから価値が生まれないというわけではない。収集・分析・加工の手間をかければ、それは価値を生み、ビジネスになり得る。

       花王、陳列作業など受託     日本経済新聞 2001.11.28 15面

花王は量販店チェーン向けの店頭作業の支援を販売子会社から分離し、専門会社で全国展開する。大手スーパーなどが店頭要員を削減し、メーカー営業員に商品陳列などの作業負担が増えている。花王は専門会社で店頭支援の強化と費用軽減を狙う一方、営業員を商談に専念させる。花王以外からも業務受託する。
店頭支援は花王販売の子会社、RJSが担当。昨年4月に東京でサービスを先行開始し、東京では花王販売が取引する2万店舗のうちチェーン店1000店舗の業務を受託した。130店舗への新商品の導入例では従来2−3週間かかった作業が5日に短縮。10月からエリアを北海道、中部、近畿、九州に広げ、来年4月に全国展開する。作業担当者は現在200人だが、来春までに300人に増やす。携帯電話で担当者に作業日程や作業内容を配信、自宅から店舗に直行させて稼働率を高める。
消費低迷や価格低下で量販店が人件費削減を進めた結果、メーカーが本部間交渉で決めた商談内容が店頭での商品陳列や販促活動に適切に反映しない例が増えた。販社営業員の訪問時間の4割を店頭支援業務が占める。業務分離で千数百人の営業員を品ぞろえや店頭企画の提案などに専念させる狙いも大きい。家庭用品ではライオンも再雇用社員を中心に店頭営業専従の人員を現在の150人から約3年で650人に増員するなど店頭強化策を打ち出した。
                 
                 コ メ ン ト

あなたは顧客の弱点を知っているだろうか。その弱点は本来、顧客自身が何とかしなければならないものかも知れない。しかしあなたがそれを補強することができれば、存在価値を強く訴求するチャンスになり得る。

      松下電工、配置転換円滑に  日本経済新聞 2001.11.30 15面

松下電工は事業部門などに所属する社員を、成長事業や住宅施工現場などに配置転換する研修・あっせん組織を12月1日付で設立する。新組織は人員に余剰感のある事業部門の社員を引き受け3−6カ月間研修を実施、人手を必要とする部門の仕事を習得させる。同社は事業構造改革に伴い今後2年間で社員1千人を配転する方針で、新組織を通じ配転を円滑に進める。本社直轄の新組織「人材・能力開発センター」は、まず電子材料部門などに所属する100人の社員を引き受ける。その他の事業部門からも人材を引き受け、2年間で全社員の6%に当たる1000人に新技能を教育する予定。研修中も社員の所属は従来いた事業部門に置く。研修後の再配置先は購買管理や介護事業、情報技術(IT)専門の営業部門などだが、外装材の施工や、社外に委託している作業も検討する。松下電工の社員数は現在約1万6350人だが、自然減を中心に今後2年間で1350人削減して1万5000人体制とする計画を打ち出している。

          コ メ ン ト

あなたの企業では人材配置が固定化され、柔軟性に欠いていることはないだろうか。「上」ではなく「横」を目指す研修システムを確立できれば、人材活用の柔軟性が高まり、機動的な人員配置を実現することができるだろう。