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日経の経営記事 01/12/16〜01/12/31
人材派遣 人事職が高値 日本経済新聞 2001.12.17【17面
人材派遣市場で、人事の専門知識や業務経験がある人材への引き合いが強まっている。人事制度を改革、経営効率化や能力主義導入をめざす企業が増えているためだ。派遣会社が受け入れ先企業に請求する料金は首都圏で2千−3千5百円(交通費別、一時間当たり)程度と高水準。人事制度改革の陣頭指揮がとれる人材だと4千円を超えるケースもある。特にベンチャー企業や中小企業からの受注が増えている。
企業の間には人事制度の改革による組織活性化で厳しい経済環境を乗り切ろうとの姿勢が強まっている。人件費の固定を避けるため、そのための人材は派遣でまかなおうとしていることが引き合い増の背景。「他企業で人事部門を経験した人材は制度運用方法などで新しい視点を持ち込んでくれるとの認識が深まってきた」(パソナ=東京・千代田)ことも一因だ。ベンチャー企業からの引き合いは、ある程度規模が大きくなった段階で人事経験者を雇って規模にふさわしい組織づくりを図りたいとの狙いが多い。一方、人事の経験はその人が勤めた企業にだけ通用すると思われていたため、登録者が少ない。このため、派遣料金は当面高値で推移しそうだ。
コ メ ン ト
あなたの企業の提供するサービスを本質をとらえた場合、自社業界だけでなく他業界から参入してくる可能性を見逃してはならない。全く別のルールで参入してくるため、大幅な低料金で参入される可能性もある。
北海道の人材活用 建設請負を強化 日本経済新聞 2001.12.18 17面
求人広告制作のクイックは北海道を地盤とする人材派遣・紹介会社のキャリアバンクと協力し、建築・土木などのアウトソーシング(業務請負)部門を強化する。
北海道で過剰感の強い建設関連の人材を、キャリアバンクを通じて来春にも受け入れる。首都圏で再開発関連の建設案件が増えていることに対応する。主力の広告事業の伸びが鈍化しているため、アウトソーシングを収益の柱に育てる。建設関連の業務請負は月80件前後の引き合いがあるが、人材不足から成約件数は受注の10−15%にとどまっている。首都圏では商業ビルやマンションの工事が増加、ゼネコン(総合建設会社)からの外部委託が増えている。中でも工事現場の管理業務を担う30代の施工監理技術者などが不足している。
キャリアバンクからの人材紹介により、クイックは建設分野の稼働人数を現在の100人前後から2003年3月末までに140−150人に引き上げる。技術者の年収の5−10%を紹介料としてキャリアバンクに支払う。2003年3月期の部門売上高は、今期見通し比3割増の7億8千万円前後を見込む。北海道では公共事業の縮小と地域経済の低迷で、建設土木の人材余剰感が強い。キャリアバンクはクイックと協力することで建設関連分野を開拓、人材移動を促して収益拡大を狙う。両社は人材紹介分野でも手を組み、企業情報・人材情報の共有化を目指す。北海道へのUターンやIターン希望者の情報を蓄積するなど、主要顧客の中堅・ベンチャー企業に人材を紹介する。クイックは求人広告、業務請負のほか、人材派遣・紹介に力を入れており、全国で幅広く企業や人材の情報を収集する。
コ メ ン ト
市場をセグメントして競争優位性を確保するには、複数事業の交点にある複合事業を発見し、取り組むのも一策だ。そこから成長拡大を図るには、ハードではなくソフトに着目しよう。。
営業支援各社が事業拡大 日本経済新聞 2001.12.19 17面
企業の営業や販売を受託代行する営業支援各社が営業拠点を新設したり取扱商品を拡充するなど事業を拡大している。景気低迷で大手メーカーなどが人員削減を加速し、販売部門の外部委託需要が高まっているのに対応する。
営業支援会社はメーカーから直接商品を仕入れず、社員がメーカーの営業員の名刺や制服を身につけて活動するのが特徴。スーパーや量販店などに新商品を売り込んだり在庫を確認する法人営業と、アルバイトなどを募集して店頭で商品説明や販促キャンペーンをする個人営業がある。飲食品に強いマースジャパン(東京・文京、笠原紀夫社長)は来春から店頭でBS(放送衛星)デジタル放送会社の営業代行を始める。加入者獲得や顧客管理業務などを担当する。従来は大手メーカーの支援が多かったが、新市場に参入した企業がサービス立ち上げ時から比較的少ない営業費用で顧客を獲得しようとするニーズにこたえる。
情報家電が主力のバックスグループは10月に仙台、11月に札幌に営業拠点を開設した。12月からは日用品メーカーの営業支援も始めた。販売店在庫の定期確認など情報家電で蓄積したノウハウを他の商品にも活用する。飲食品関連などのマーケティング・コア(東京・渋谷、沢井博憲社長)は来夏までに新潟など8都市に拠点を新設し、全国31都市に拡充する。店頭アンケートなどで顧客のし好を分析し、メーカーなどの販売戦略を助言するコンサルティング業務も強化する。バックスやマーケティングの拠点拡大策は携帯電話などのメーカーが全国で一斉に販促活動する動きに対応したもの。地方での店頭営業アルバイト獲得なども一括して請け負う。
コ メ ン ト
あなたの企業では、販売員・営業員を単なる「売り子」だけでなく、市場・顧客との接点と考えているだろうか。売るだけでなく、情報収集も重要な役割だということを自覚させ、企業としてそれを重視しているだろうか。
菓子に置き薬方式 日本経済新聞 2001.12.20 31面
江崎グリコは同社製の菓子を詰めた箱を企業のオフィスに置き、ビジネスマンやOLに販売するサービスを始めた。
オフィスの潜在的な菓子需要を掘り起こし、普段あまり菓子を食べない男性会社員にも売り込む。大阪市内で試験的に実施しており、来年3月から東京でも始める。新サービスの名称は「オフィスグリコ」。オフィスで菓子を食べるOLが増えていることに加え、残業中の間食などで男性にも需要があると判断した。ただ、茶やコーヒーのように経費で菓子を購入する企業は少ないため、家庭の置き薬で知られる「富山の薬売り」を参考に独自の販売方法を開発したという。企業の了承を得たうえで、チョコレートやビスケット、栄養食品など10種類27個の菓子を入れた段ボール箱大の菓子ボックスをオフィスに置く。利用者は菓子を取り出した時、ボックス上の代金箱に代金を入れる。価格は全商品一個100円。品ぞろえは約80品目あり、代金回収員が毎週商品を入れ替える。冷菓を入れたアイスボックスも、菓子と同じ仕組みで提供する。菓子、冷菓とも、代金不足や商品の盗難などによる負担は原則としてグリコ側が負う。
コ メ ン ト
あなたの企業の属する業界では、メーカが流通をコントロールしている度合はどの程度だろうか。コントロールが弱まると、販売チャネルは多様化し、自由な競争も促進されていく。
ウェブで顧客サポート 日経産業新聞 2001.12.21 5面
コンピューター大手の米サン・マイクロシステムズの日本法人、サン・マイクロシステムズ(東京・世田谷、菅原敏明社長)は、ウェブ上でサーバーなどの技術サポートをいつでも受けられるサービスを今月下旬から始める。
電話対応に比べ過去の問い合わせ履歴を残しやすく、電子メールよりも障害などへの対応が早くなる。サポート体制を強化することで顧客からの信頼性を高める。同社が始める新サービスは「オンライン サポート センター(OSC)」。今月21日にもサービスを始める。サンのサーバーなどの製品の購入者であれば、基本的な機能を年中無休で無償利用できる。複数の同社製品の稼働状況をモニターできるソフトを配布するほか、よくある障害の対処法や技術情報などを閲覧できる。来年4月をめどに、指定の日時に同社の技術者と文字で会話のように情報をやり取りできる「チャット」も開始する。利用者がテーマを提案でき、アドバイスを受けることができる。サーバーメーカーのサポートは従来電話や電子メールが主流で、ウェブで即座にサポートを受けられるのは珍しい。サンでは来年6月をメドに、問い合わせの4分の1をウェブ経由に切り替える方針。同社はサーバー購入者に対し、さまざまな保守を受けられる有償サービス「サン・スペクトラム」をすでに実施している。サービス加入者には、OSC上で修正ファイルの配信やソフトのアップデートなど、より詳細な情報を利用できる。サンは、企業の情報システム構築に使うUNIXサーバーで最大手。同社に寄せられる問い合わせは電話やメールなどを合計すると毎月2300件余りに達する。同社では、問い合わせの25%をOSCでのウェブ経由に移行することで、管理コストの削減にもつなげたい考え。
コ メ ン ト
あなたの企業の社内情報は、どれだけ顧客と共有されているだろうか。顧客との情報共有は、顧客との一体化をもたらし、利益の共有へとつながっていく。
オーダーメードのオフィス家具 納期、規格品と同水準 日経産業新聞 2001.12.25 17面
プラスはオーダーメード(注文品)のオフィス家具事業を拡充する。
オフィス家具の需要は情報技術(IT)の普及や業務合理化の加速に合わせて配置や製品が多様化。販売を拡大するためには顧客ニーズをきめ細かく吸収する必要がある。同社は注文品の営業担当を大幅に増やすなど販売・生産の両面を強化し、規格品と同水準のサービスや納期を実現する。注文品を担当する営業員を2002年度中に現行の約2.7倍に相当する160人体制へ増やす。プラスのオフィス家具営業は約300人体制で、注文品を担当する約60人は規格品との兼任。来年度、規格品営業も兼務する形で担当者100人を追加する。
両製品を手広く扱うことで、顧客企業の細かいニーズに応えやすくなるとみている。プラスは注文品の売り上げが売上高に占める比率を現在の1割から3割以上に引き上げる。営業員の教育も急ぐ。規格品の営業は販売店が中心なのに対し、オーダー品は顧客企業のオフィスを直接訪問する場合が多い。机やいすなどの単品を売り込むのではなくオフィス全体の総合的なデザインや機能性に配慮しながら、顧客に的確に提案できる高度な能力が求められる。担当者はデザイナー部門や工場などで研修し、図面の書き方、素材などについて習得する。生産についても、群馬県前橋市にある工場を活用し、注文品の受け入れ体制を整える。注文を受けてから納入するまでの期間を従来の3分の1に相当する71日程度に短縮し、規格品とほぼ同じ水準にする。東京都心では来年から再来年にかけ、新規オフィスが大量供給される見込み。オフィスの移転は家具メーカーにとって事業機会が広がるが、不況の長期化を反映して企業は移転を機に業務効率化を一段と進めるのは確実。コスト削減に直結するオフィス提案がメーカーに求められている。
コ メ ン ト
あなたの企業は自社や自社の事業・商品をどのようにポジショニングしようとしているだろうか。そのポジションは、イノベーションにより存在価値を失ってしまうことはないだろうか。
トヨタグループ 中古部品の流通網構築へ 日経産業新聞 2001.12.26 12面
トヨタ自動車がグループの力を結集し、中古自動車部品のリサイクル事業を強化している。
トヨタが全国の部品販売店と連携して中古市場の整備に乗り出しているほか、豊田通商が中古部品販売大手のビッグウエーブ(愛知県七宝町)と提携して中古部品の電子商取引を始めた。整備工場からは「中古では必要な時に手に入りにくい」と不満が根強い中で、米国並みの中古市場整備を目指している。「安いなら中古部品でもかまわないけど」――。時間かかる部品探し ある整備工場で、修理に訪れたドライバーが中古部品を希望した。バブル期に購入した自動車の買い替え時期をずらし、傷んだ個所を割安の中古部品を使って修理しようと考えた。だが、整備工場から「中古だと手元にないので時間がかかるよ」と断られた。
「欲しい部品が手に入るヒット率は15−20%にとどまる」。トヨタと組んで昨年2月に中古部品の試験販売を始めたトヨタ部品愛知共販(名古屋市)の渡辺純一常務は指摘する。国内で年間500万台が廃車となっているが、日本では中古部品市場は未成熟。ネット取引も導入 豊田通商の広野純弘取締役は「再利用の機運は高まっているが、供給能力の拡大が必要だ」と指摘し、流通網の構築を目指している。
同社によると、米国では補修部品市場は年間10兆円で、うち中古が15%の1兆5千億円を占める。これに対し、日本は3兆円の市場で中古は2.3%の700億円。20分の1の規模にすぎない。トヨタは今年10月、愛知共販だけで試験的に実施していた中古部品の販売を、全国33社の補修部品販売店に広げた。ドア、フェンダー、バンパー、ランプなど外装部品が中心。電子商取引も導入しており、修理工場など部品ユーザーは欲しい中古品をインターネットで検索し購入できる。
登録部品を増やすため、トヨタグループのほか、中古部品大手のビッグウエーブやNGPグループ(東京・港)と組んで情報を共有化した。自動車メーカーの系列の枠を超え、150万点の在庫から購入できる体制を整えている。豊田通商の部品リサイクルの前線基地は、今年4月に設立した子会社、エコライン(名古屋市)。部品を管理し、売買・決済までこなす「エコラインパーツシステム(EPS)」を開発した。全国に100カ所以上の拠点があるビッグウエーブとシステムを共通化しており、67万点の中古部品を登録している。(中略)経済産業省は来年にも自動車リサイクル法案を国会に提出する方針だ。日産自動車やホンダなども、中古自動車から使える部品を取り外して販売している。全国に5千カ所といわれる自動車解体業者をどのように巻き込み、中古部品を収益を生み出す宝の山に変えていくべきか。自動車メーカーの環境に対する取り組みが改めて問われている。(名古屋支社=武田仁)
コ メ ン ト
ビジネスを成り立たせるには、安定需要(市場)が存在すると共に、商品・サービスを安定的に供給する仕組みづくりが必要だ。新たなビジネスを考えるなら、それらの点に不備がないかをチェックしておくことが必要だ。
大人向け作品強化 コンテンツ産業に追い風 日本経済新聞 2001.12.27 12面
東映アニメーションの泊懋(とまり・つとむ)社長に聞いた。
――市場関係者の評価をどう受け止めるか。 「コンテンツ(情報の内容)産業に時代の風が吹いていると感じる。当社は過去にテレビ放映されデジタル化時代にも活用できるアニメ作品の蓄積が豊富なうえ、現在も多数の作品を劇場用アニメを含め世に送り出している。アニメの量産体制は一朝一夕に築けるものでなく、この点が高い評価を受けたのだと思う」
――来年の課題や期待する点は。 「当社の作品は子供向けが主体。30歳代などかつてアニメを見て育った大人向けの作品に力を入れる。少子化など国内の人口構成の変化にも対応していく。1995年に設立した東映アニメーション研究所で次代を担うアニメ制作者を養成しており、卒業生は当社が進めるパソコンを駆使したアニメ制作工程のデジタル化にも即応できる」
――なぜ世界で日本のアニメが強いのか。 「マンガなど優れたアニメ原作が多いことに尽きる。日本のマンガ文化は世界に類を見ない財産。一方でアニメ市場は全世界に求めることができる」
コ メ ン ト
あなたは時間がかかるものの着手を先送りにしてはいないだろうか。時間をかけることにより価値が生まれるのだとすれば、一刻も早く着手しよう。そうしなければ、価値を手にするのが遅れるばかりだ。