日経の記事  生  産 No 1 01・05・01〜


        価格下げへ改善余地   日本経済 2001.5.31 11面

 “特注文化”が日本の物価を高くしている」というミスミの田口弘社長。国内メーカーの製品は特別注文の部品に頼りすぎていると批判する。「市販品を使うほうが安いのに、わざわざ図面を起こして作る部品が多すぎる」。背景には製品価格よりも自分たちの扱いやすさ、手配のしやすさを優先する「供給者の論理」があるとみる。金型部品などの通信販売を手がけていて感じるのは、納品伝票の書式が「メーカーごとに違うのはもちろん、同じ会社なのに工場ごとに違うケースすらある」。消費者本位の視点に立てば、価格の引き下げにむけて企業が改善できる点はまだまだあると言いたげだった。

     コメントー パートナーシップを築いてコストダウンする

 「特注文化」とはうまい表現だと思う。特注品は、量産品とは対照的な独特の市場を形成している。特注品の製造に特化して独自の地位を築いている企業、特に中小企業は多い。特注品は手間がかかり、高くつく。それが部品のみならず、最終製品の価格に反映される。記事の指摘にあるように、確かに消費者本位の視点に立っていないのかも知れないが、それが上述のような中小企業の収益を支えているとも言える。顧客密着や小回りが必要となる特注品は、中小企業が活躍できる分野だ。

 売り手からみれば、買い手にこうしてもらえればもっと安くできると思っていても、総額としての粗利益高が減ってしまうようであれば、コストダウン要求へのカウンターオファーでもない限り、わざわざ提案はしないものだ。寝た子を起こすようなマネはしない。その提案が自社にとってのコストダウンになるとしても、下手に切り出して売価を下げるように要求されてはたまらない。しかし、買い手への販売価格が下がれば最終製品の価格が下がり、需要を拡大することができる。だから、コストダウン提案は売り手にもメリットがある。本来なら、そのような関係を目指したいところだ。今回の記事でミスミの田口社長が言及している「改善できる点」には、そのような企業間関係を築いていくことも含むだろう。