米政権、小泉財政再建路線を批判
IMFが邦銀不良債権に最大関心寄せる
(須田慎一郎の金融コンフィデンシャル,kabuzakzak) 2002 年 1 月 08 日
「1月中にも、IMF(国際通貨基金)の代表団が日本を訪問する予定になっている。その目的とするところは、邦銀が抱える不良債権の実態を調査するところにある?」 「その調査結果は、対外的に公表することになっており、その段階でIMFが認定した不良債権の総額が明らかになるだろう」 在米シンクタンクの著名エコノミストがこう言ってみせる。つまり、邦銀の不良債権処理問題が、近々日米間のメーンテーマとして再び急浮上してくることは確実だろう。
もっとも、IMF認定の不良債権総額が、従来公表されてきた不良債権の総額を大幅に上回ることは必至
「IMF調査団の審査結果が、仮にそうした内容になったとしたら、邦銀の信用力が大きく落ち込み、再び金融システム不安が発生する可能性が高くなってくることは間違いない?」(大手都銀役員)
実はそうしたことを予見するかのような出来事が、昨年暮れの段階で起こっていたのである。昨年暮れ、静岡県御殿場市で米・ハーバード大学大学院が主催するシンポジウムが開かれた。このシンポジウムに、ダム米財務副長官とハバード経済諮問委員会委員長が出席していたのである。
「昨年9月に発生した同時テロ以降、米政府の高官はさして重要ではない国際会議については、テロを理由に出席を控えていたのが実情です。これまでそうした状況であったにもかかわらずここへ来て2人の米政府高官が、そうしたシンポジウムに出席するためにわざわざ来日したのには、2つの理由が考えられます。
1つは、米政府の対テロ戦体制が終息しつつある、ということ。
そしてもう1つは、米政府が日本の経済問題を最重要視しているということです」(財務省幹部)
前述のシンポジウムでダム財務副長官は、以下のような発言をしている。
「日本政府は、財政再建よりも不良債権処理を最優先させるべきだ。財政再建は後回しでもいい?」そして、この“ダム発言”は、ストレートな形で米国政府の意向を反映させたもの、と言えるだろう。
「とはいえ、こうした米国政府の意向は、えん曲的な形をとりながらも、小泉政策の批判となっているのです。もちろん官邸サイドにも、こうした“米国政府の意向”は確実に伝わっています。だからこそ、ここへ来て小泉首相の口から主要行に対しての“公的資金再注入論”を容認する発言が出てきているのです?」(官邸中枢幹部)
もっとも、官邸・金融庁サイドは、主要行に対する公的資金の再注入を決断したわけではない。いま少し事態の推移を見守る、というのが基本スタンスだ。
「そうした意味で、金融庁も官邸も、事態の深刻さをまだまだ正しく把握していない。タイミングを逸すれば大変なことになる?」(本稿冒頭のエコノミスト)
“2月危機”、“3月危機”は現実のものとなるのだろうか。
詳しくは http://kabu.zakzak.co.jp/kinyu/kiji/kinyu0107.html
参考に 毎日新聞 三連星 1/8 「おとなしい日本人」 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20020108k0000m020118000c.html
≪又でた再生法で救済か≫
ダイエーに産業再生法・再建策、主力行と最終調整 日経1/13朝刊
ダイエーの経営再建を進めるため、同社と主力取引銀行が産業活力再生特別措置法(産業再生法)の活用を検討していることが12日明らかになった。ダイエーの適用申請が認められれば、再建策の柱となる銀行による4000億円規模の債権放棄や債務の株式化がしやすくなる。政府系金融機関から融資を受けられる利点もある。再建計画の透明性が高まることもあり、政府も支持する方向だ。
産業再生法の適用申請を視野に入れ、ダイエーと三和銀行、三井住友銀行などの主力4行は約1兆8000億円(ダイエーオーエムシーを除く、2001年8月末)に上るダイエーの連結有利子負債を初年度となる2003年2月期に5000億円前後減らし、3年間で約7500億円減の1兆円強まで圧縮する方向で最終調整に入った。従来の計画を2年前倒しするとともに、新しい再建計画の初年度に負債圧縮を一気に進める。
経済産業省は昨年、産業再生法の対象を銀行の債権放棄を受ける企業にも拡大した。債権放棄を軸にしたダイエーの再建計画が同法の認定を受けた場合、初のケースとなる。平沼赳夫経産相は「ダイエーの再建を全面的に支援する」としており、同省はダイエーの適用申請があれば基本的に認める姿勢だ。小泉純一郎政権が進める銀行の不良債権処理に対応した企業再生のモデルにもなりそうだ。 http://bizplus.nikkei.co.jp/news/index.cfm?i=2002011207296b1
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昨日(14日日曜日)から、ダイエーを産業再生法で“救済”するという話が流れている。(15日1:30現在asahi、mainitiネットに掲載がない)
流通大手ではそごう・マイカル、別業種の最近では青木建設と、過剰債務企業を“実質倒産”で処理してきたことから考えれば、このような話が出てくること自体が、ある種の政策転換を物語っているといえるだろう。
「産業再生法適用」話は、そうごうの破綻直前にあった「救済話」と同じで、世論(政治家・評論家・メディアなど)の反応を見定めるための観測気球だろうか。
もしもダイエーへの産業再生法適用を本気で考えているのなら、小泉政権は、その「改革」政策を大きく転換させたことになる。