たくみ くんの参戦記

新潟県出身の全日本ラリー二駆ナビゲーター
(02年4月6〜7日ツールド・九州の巻き)



やっとラリーのシーズンになりました。
今年も全日本二駆ナビゲーターで始まる ぺるかむこと 高橋 巧 です。

今回は、名古屋のガッキーさんこと稲垣さんと組むことに。
ガッキーさんは、昨年、パイクスピークにも出場した国際ドライバー。
それも転落リタイヤ!
で、パイクスに飽きたのか、諦めたのか、ラリー界に復活。
なんと新車のセリカ作るという大技に...

クロスミッション無し、強化ブッシュ無し、おまけにエアコン付き!
全日本車輌とは思えない高級車。 しかし、3月に練習に行った感触では、けっこう走るな!と言う感じ。
それに、いままで乗ったクルマの中では、いちばんかっこいい!

九州は、東京からは遠いけれど、フェリーがあるのでそんなに移動は辛くない。
今回は、九州までは大した波乱は無く、無事、レキ会場に到着。

金曜のレキ日は天気も良く、土曜日も晴れると思い込んで
ハイスピードなラリーを想定してペースノートを作成。
まさか、翌日、あんな悪天候になるとは、このときは思いもしなかった。
天気もいいので、気持ちよくレキをする。
いつものことながら、七山村の林道は、すばらしい!
ガッキーさんは七山村が初めてだったので、
『ラリーのために作られた林道です!』と言ったら、本当に信じちゃったみたい!?
でも、本当、いい道だ。

レキでは、後ろがHくん。
ナビのこじこじさんはレキには出ないので、ビデオを積んで走っている。
でも、どう考えても、こじこじさんがビデオを見てペースノートを作るわけが無い!
ということは、Hくんの車載ビデオは誰のため?
それは、最も下っ端の僕のためか?

宿に帰り、Hくんのビデオを見てペースノートの確認。
その間にHくんは、こじこじさんを迎えに。
で、登場、こじこじさん。
 こじこじ  『ぺるかむ、ペースノート写させて!』
 ぺるかむ 『はい。』
素直に渡さないと後が大変そうなので、すぐにペースノートを渡すが写す気配は無い。
でも、ビールと焼酎は無くなる気配。
 こじこじ  『ぺるかむ、はやくペースノート写して!』
 ぺるかむ 『....』
やっぱり...COPYに行く気は全然ないらしい。
でも、Hくんは“SSスタート、500mでリタイア”が得意技のようなので、
まあ、多少間違っていてもいいか!?
ということで、こじこじさんのためにペースノートを写す。
これできっと、京都ですばらしい宴が付いてくるだろう、ね、こじこじさん。


土曜は朝から雨がぱらつく。
スタート会場ではNRSの同じ名前の巧くんのナビのM城さんと久しぶりに会う。
 M城    『かっこいいクルマに乗ってるな。』
 ぺるかむ 『いいでしょう!』
 M城    『明日、乗るクルマ変わるか?』
 ぺるかむ 『あっ、それいいですね!』
どうやら、ガッキーセリカはけっこう目立つらしい。

セリカは今年からBクラス。
今回のエントリーは、22台。うち21台出走。
ガッキー&ぺるかむ組は、ゼッケン29.
クラスゼッケン順としては、後ろから10番目。
ガッキーさんの国際ドライバーとしても実績(?)が効いたか?
とりあえず、目標順位も10位。

雨が少しづつ激しくなる中、スタート。
昨年までのAクラスのときは、あわただしくスタートしていたが、
Bクラスはなんてゆっくりできるんだ!
で、スタートし、TC1に向かう。
今回は、チェックカード方式ではなく、TC方式。
TC1の時間調整の列に付くが、1つ前ゼッケンのF木さんが来ない。
TC INの時間になっても、F木さんは現れない。
 ガッキー  『どうすれば、いいんだ?』
 ぺるかむ  『TC INの時間になったら、TCに入ればいいです。』
どうやら、ガッキーさんはTC方式のラリーは初めてだったみたい。
でも、前ゼッケンのF木さんがいなくなって、強敵が1台消えたってことか?しめしめ。

結局、F木さんは超地元なので、SS1の場所を勘違いして、別なSSに行ったそうだ。
地元過ぎるのも、困ったもんだ。

SS1
とりあえず、セリカ初SS。
おまけにBクラスのスピード感がどんなものかと、不安もある。
初SSスタート。
『5Lから5L 5R 5L 4Rlong....』
と読んでいくが、いつのまにか、ロストしそうに...なぜ!?
お、遅い....
Bクラスは速いと思っていたのだが、ウェットのため思ったよりペースが上がらない。
それで、セリカよりも速くにペースノートを読んじまった...
でも、このSSは、まあまあのタイム。
ここだけが、唯一まともなタイムだった...

つづいて、SS2
ここは、『5L 5R クレストDOWN S120 5R 5L』 とハイスピード区間がある。
うまく車速を乗せれば、クロスミッション無し車でも十分いけると思ったのだが...
 ぺるかむ  『クレストDOWN S120 グレーチングの後 5R5L』
 ガッキー  『....』
肝心のストレートでは、スピードが全然、乗らない!
おまけにクルマもみにょ〜に静か。
全然、ストレート踏んでねえじゃねえか!と思ったら、シフトミスで5速走行。
で、肝心のストレートで車速は乗らんわ、その後のダラダラ走るわ、
タイムを聞くまでも無く、ダメ。
スプリントのこのラリーでは、このSSでもうかなりのロスト...
この時点で、けっこう諦めてしまいました...

SS3までにまた一段と雨が激しくなり、ウェットどころか完全にレインコンディションに。
SS3は、SS2の逆走。
SS2が上手くいかなかったので、今度こそは!と思ったが、
ガッキーさんは、もうこの林道は苦手モードに入ってしまったみたいで、安全運転。
前方ゼッケンの中部のY口君とはいい争いなのだが、
彼も調子悪いので、悪いもの同士比較しても....

SS4もいまいち。
結局1レグ、セクション1は不完全燃焼で、Bクラス11位。
でも、岡田セリカと同秒。C−ONE セリカには勝っている。

気分を直して、セクション2に行くが、さらに雨は激しくなる。
もう、道は川状態。

SS5、ここは運命のSS9の順走。
ナイトステージでライトポッド使用なのだが、靄と雨でロービーム走行。
こ、光軸が...右側が完全に真っ暗!
車検対応仕様になっていました。
おまけにガッキーさんは、こういうコンディションが苦手みたいで、
『踏め!』と言ったところも...
ビビリモードに入っているみたいで、全然お手上げ...

SS6,7,8も調子に乗れず...

で、運命のSS9。
やっと雨が上がる。しめしめ、セリカの真価が発揮されるか?
ガッキーさんも天気が晴れたので、気分も乗ってきたようだ。
このSSは、スタートしてしばらく高速の上りセクション、
その後、フラットから下りになるところ。

START! S50 6Rすぐ4Llong S20クレスト
(お、今までと違う、車速が乗っている!)
しばらく絶好調で、
5L5R 4R 4Llong S20
と、ここまで読んだら、
ド、ドガン!バッシャン!(あっと言う間に藪の中にいた)
4Rで道から飛び出してしまいました....

フロントから立ち木に激突して、さらに横に滑って助手席から立ち木に当たった。
助手席のウィンドウガラスが割れてしまいました。

普段のうるさいガッキーさんとは違って
SS中は、しずかなガッキーさんなので、
コースアウトしてから、
 ガッキー  『ごめん、大丈夫か?』
 ぺるかむ 『う〜ん、大丈夫です。』
激突する前に何か言って欲しかった...
ちょうどペースノート読んでいて、下向いていたときに、いきなり激突したものだから、
全く心構えも身構えも無し!
ナビゲーターにとって、最悪の条件。
当たった瞬間から、体が痛かった....

助手席側を下に斜めになっているし、助手席の脇には立ち木が...
っていうことは、運転席側から這い出なければならない。
ガッキーさんはすぐに外に出ようとしている。
でも、慌てず、こういうときは、まずは身支度をして。
まずは、ヘルメットのインカムのコネクターを外して、携帯電話を取って、懐中電灯を取る。
で、そのころガッキーさんはとりあえず、ドアの外に...
 ぺるかむ 『ガッキーさん、懐中電灯!』
とりあえず、ガッキーさんに懐中電灯を持って道の上で踊ってもらおうとしたら、
リアハッチの方に....三停板を取りに行ってしまいました。
おいおい、まずは道の上で踊らんかい!

この時点で、1分くらい経過したので、
『つぎのクルマ、降ってくるな!』と祈って、とりあえず、1台通過するのを待つ。
で、無事通過してから、運転席から這い出るが、運転席のドアの重いこと....
ガッキーさんから三停板と懐中電灯を奪い取って、道の上でいつものように踊る。
もう1台通過してから、今回の観戦場所を決める。今回は、右コーナーのアウト側の土盛りの上。
手前のコーナーを駆け上がって、ガッキーコーナーのアプローチが今回の観戦ポイント。
 まずは、セリカだ!  あれ、抑えすぎ?
 次は、大桃シビック。    あらら、これも結構抑えて行く。
し、しまった!このコーナーはギャラリーには、つまんねえ!

ガッキーさんは、そのころまだ、セリカのところにいたが、
そこだとドライバーの視界に入って、抑えていくのかもしれない。
で、ガッキーさんを観戦ポイントに呼ぶ。
 ぺるかむ 『ガッキーさん、こっち来て!』
がっきーさんが観戦ポイントに来たころには、もうCクラス。
でも、やっぱりこのコーナーはいまいち!?はずれでした。

みなさんが、宿で宴会をしている中、JAFを呼んでセリカを引き上げに。
トレッカーで道の上に引きずり上げられるも、
ガッキーさんはセリカの鍵をサービス会場に忘れてくると言う大技に....
う〜ん、やはりかなりのショックだったようです。
だって、新車の初イベントだったもんな。

駐車違反のクルマのようにフロントを吊り上げられて、サービス会場にまで移動。
で、作業も無事終了して、JAFのおっちゃんに作業料&牽引費用を払うことに。
墜落現場からは、10Kmの移動で、5Km超過分¥3,000−なり。特殊作業費は無し!
なんて、良心的なおっちゃんや!と思ったら、ガッキーさんは、
 ガッキー       『¥2,000−にまけられない?』
 JAFのおっちゃん 『....それは、できません。』
な、なんて奴だ!この期に及んで、値切るか!
恐るべし名古屋商人!
これには、主催の七Tさんも呆れる...
 七Tさん  『これで、¥3,000−だったら、タダみたいなもんだろう...』
ごもっともです!

なんとか自走できるので、レグ2のスタートを見て、応急修理して帰路に。
レグ2のスタート会場では、みんなにいろいろ言われる!
特にM城さんには、もう、けちょけちょに
 M城    『かっこいいクルマだったのに...過去形だ』
 ぺるかむ  『約束どうり、交代して上げますよ!』
 M城    『そっか!止めとく。ナビゲーターが悪いからだな』
 ぺるかむ  『何言ってんですか、去年さんざんリタイヤしてるのに!』
 M城    『だから、1秒逃げ切りで、今は勝つことにしてるの!』
  さすが、トップナビゲーター、言うことが違います。

さらに、M公聖さんには
、  M公聖   『今年も(リタイヤ)?飛んだ?』
 ぺるかむ  『あんまり飛ばなかった!』
 M公聖   『でも、君、九州だめだね。』
 ぺるかむ  『そうなんですよ!完走率50%』
   M公聖   『(リタイヤしたのは)君のせいだ!』
リタイヤすると好き勝手言われます。完走って、難しい!

で、七山村のごみ袋を助手席の窓に貼って、出発!
なかなか頑丈でよろしいごみ袋で、京都まで破けることなく到着いたしました。
がっきーさんも京都に近づくにつれ、ショックから立ち直り、
大阪あたりでは、
 ガッキー  『来週の姫工は、もうやる気が出てきた。
         オサムに早く直してもらわないとな!』
  オサムファクトリーに着いたら、いつものガッキーさんに復活していました。

どうやら、オサムファクトリーのみなさんに散々迷惑を掛けて、
今週の姫工ラリーに出るようです。
近畿のみなさん、ガッキーさんのセリカは、かっこいいで!

そうそう、姫工ラリーのナビゲーターは、
ガッキーさんに負けず劣らずよくしゃべる妖怪Fさん。
また、うるさいクルーの復活です。

それでは、次戦は何かな?


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