たくみ くんの参戦記

新潟県出身の全日本ラリー二駆&四駆ナビゲーター
(02年10月05〜06日 MASCラリーの巻き)

  オープンCP1点に笑ったMASCラリーの巻

  どうも、高橋 巧です。

  どうやら週刊ラリー参戦記は、これにて不定期発行に。
  4週目のラリーは、中部地区戦のMASCラリー。
  今回の相方は、シロキヤの牧さん。
  2週前のモアと同じコンビです。

  MASCは、久々のナイトラリー。
  それもレキ無し。
  しかし、1SSまでにメインの2本のSSの下見をさせる。
  今回の設定は、
   SS1  2.9Km  初めて使うせこい林道
   SS2  2.9Km  SS1の逆走
   SS3  3.5Km  伊勢神。中低速コース
   SS4  2.4Km  モッキ。今回のコースでは、最高速?
   SS5  2.4Km  SS4と同じ
   SS6  3.5Km  SS3と同じ
   SS7  2.4Km  SS4,5と同じ
   SS8  3.5Km  SS3,6と同じ
   オールターマックの23.5Km。

   参加台数は、
  C四駆クラス 12台(出走11台)
  C二駆クラス  2台
  B二駆クラス 16台(出走15台)
  A四駆クラス  2台
  合計32台。ちょっとさびしい台数か?
  しかし、MASCということで、
  追い上げは、全日本の勝田選手。
  それも本番車で“世界”の晝田さんを脇に乗せている。
  どうやら、翌週の全日本戦の練習のようです。
  でも、あんな極悪非道なクルマに追い上げられては...

  まずは、SS1までの下見セクション。
  SS3と4を1回づつ見る。
  当然、ペースノートを作るが、通常のレキと異なり1回しか見れない。
  信じきって行くとちょっと危険かも?
  とりあえず、SS3の伊勢神から。
  最後の1Kmくらいで前ゼッケンに追いつく。
  ペースが狂って、詰まってしまう。ここら辺は、あまり精度良く作れず。
  SS4のモッキ。
  ここは、シロキヤラリーでも使うので、牧さんのホームコースか?
  しかし、その分油断したのか、左右逆にコーナーを読んだところが...
  後半部分は危ないぞ!

  あっという間に下見終了。
  そして、初見で走るSS1に。
  ここは、ペースノートなし。
  先行車の河野さんがSS1スタートにいる。
  道の雰囲気を聞くとロングコーナーが多い、いやらしい道とのこと。
  SS1スタート。
  3つ目くらいのコーナーが、やっぱりロングコーナー。
  なにしろ2週前のモアで発覚したのは、
  牧インプレッサは低回転からのリカバリーが効かないということ。
  やっぱり、裏切りコーナーで回転数が落ちると、まるで加速しない...
  何度か失速して、ゴール。
  タイムは176秒。

  プールしてSS2なので、ここでSS1のタイムを聞いて回る。
  ゼッケン2の萩沢選手がぶっちぎりの167秒!すでに9秒差。
  しかし、2番手はゼッケン1の徳能選手で、175秒。
  我々のタイムはさらに1秒遅れの3番手。しかし、176秒は他にもう1台。
  179秒までにもう5台。
  萩沢選手が一歩抜け出ている。
  ちなみにBクラスの全日本の天野・井上組 トレノが、172秒。
  同じく全日本組の山口・南組 レビンが、173秒。
  テクニカルコースでは、Bクラス全日本組にやられてしまいました。

  そして、プール地点で全車通過を待つのだが、
  C二駆で中部チャンピオンシリーズのCクラスシリーズ優勝を狙っていた
  (中部チャンピオンシリーズは、駆動形式別のクラス分け無し)
  小川・御領コンビのEP91スターレットが刺さったとの事。
  さらに、Bクラスではミツバの高橋・内野 レビンが車両トラブルでリタイヤ。

  そして、小川・御領コンビは、このプール地点でさらし者に...

  御領さん 『1.06Kmでリタイヤ。』

  小川さん 『ダートラより短い...』

  これで、小川・御領コンビの野望は潰えました。

  SS2、SS1の逆走。
  この林道がいやらしい道っていうのは判ったのだが、何しろ初見。
  なにが起こってもおかしくない!

  で、やっぱり起こっちまった。

  スタートしていくらも行かないうちに、
  コーナーを読み間違えたのか、ブレーキロックからドアンダー!
  牧さんは地蔵になったようで、そのままアウト側の崖にまっしぐら!
  “今日は、もう終わりか...”と思ったら、
  ブレーキペダルの呪縛から開放され、道の上に留まることに!

  た、助かった!

  でも、しっかり失速して、ボ、ボ、ボ...全然、加速せん!

  小川・御領コンビのリタイヤ現場では、
  道に辛うじて引っ掛かっているスターレットを見て思わず笑う!
  笑ってる場合じゃないのは判っているが、
  他人の不幸は、我が身の幸福か?
  で、しっかり笑ってしまったので、その分タイムロス?
  タイムは、180秒。
  刺さりそうになったのと、他にも失速しているので、こんなものか。
  萩原選手は、169秒。
  徳能選手は、178秒。

  この時点でのトータルタイムは、
  1.萩原・棚木組  336秒
  2.徳能・山村組  353秒
  3.高畑・荒井組  354秒
  4.中川・杉山組  355秒
  5. 牧 ・高橋組  356秒
  ちょっと出遅れてしまったか...
  そして、すでに萩原・棚木組は、一人旅状態。

  ちなみにSSのつなぎのCPは、所要時間がわかっているオープンCP。
  カウントダウンして入ればよいのだが、きりの悪い秒になるので面度臭い。
  で、幸いF−ROMが付いているので、SSモードでのCP INに。
  これで、勝手にラリコンがカウントダウンしてくれる。
  このおかげで、つなぎのオープンCPは何事も無くクリア。
  しかし、このオープンCPが後々重要になるとは、
  この時点では誰も思っちゃいない。

  SS3、伊勢神。
  ここからは、ペースノートラリー。
  おまけに牧さんの知っている道。
  ここは、そこそこに決めて、207秒。
  ベストは、萩原・棚木組の204秒。合計 540秒。
  すでに萩原選手は有視界走行によるペースダウンとか?
  それ以下は、
            SS3タイム  トータルタイム
  2.徳能・山村組   205秒     558秒
  3.中川・杉山組   208秒     563秒
  3. 牧 ・高橋組   207秒     563秒
  5.高畑・荒井組   211秒     565秒

  SS4、モッキ。
  ここはホームコースなので、それなりに決める。
  ノートが左右逆の箇所もあったが、無事通過。
  そして、SSゴール。
  チェックには、あの中部一性格が●いと称されたN村さんいる。

  私      『ベスト何秒?』

  N村さん   『君たちがベスト!』

  私と牧さん 『これで、ベスト?』

  なにしろ、東日本と近畿で散々やられていたクルーなので、
  “ベスト”と言われても実感が無い。

  ここまでのタイムは、
             SS4タイム  トータルタイム
  1.萩原・棚木組   133秒     673秒
  2.徳能・山村組   133秒     691秒
  3. 牧 ・高橋組   131秒     694秒
  4.中川・杉山組   136秒     699秒
  5.高畑・荒井組   135秒     700秒

  久々に秒差の争いをしながら、サービスへ。
  サービスには、SRSの金子社長も来て、

  金子社長  『高橋君、今日はどう?』

  私     『今日はいいですよ!クルマが壊れるっていう気がしない!
         安心感が違います!』

  ここ数戦の感じとは、ちょっと違う!

  1STまででトップの萩原・棚木組との差は大きく、21秒。
  前の徳能・山村組とは、3秒差、後ろの中川・杉山組とは、5秒差なので、
  2位狙いで2STに挑む。

  まずは、モッキのSS5。
  ここは気持ち良く走る。そして、ゴール!
  でも、SS4と同じみたい?

  私     『ゼッケン5番、(2分)10秒になりませんか?』

  N村さん 『11秒。でも、ベスト!』

  ちっ、折角、“なりませんか?”って丁寧に聞いたのに!N村め!
  でも、さっきより速かったと思ったのに、全然変わらず。
  しかし、徳能・山村組は135秒だったので、1秒逆転して2位に。

  SS6、伊勢神。
  2回目は、気持ちよく決まる。
  タイムは、202秒。
  チェックの横田さんに

  私     『ベストは?』

  横田さん 『君たち!』

  私     『ゼッケン1番は?』

  横田さん 『(3分)24秒!』

  しめしめ、これで差は3秒になりました。

  チェック前の時間調整で、各クルーの順位を確認すると
          SS6終了時、トータルタイム
  1.萩原・棚木組       1012秒
  2. 牧 ・高橋組       1027秒
  3.徳能・山村組       1030秒
  4.中川・杉山組       1040秒
  5.高畑・荒井組       1041秒
  すでに、萩原・棚木組はマージンを十分活かすべく、クルージングモード。
  4番手、5番手の中川・杉山組,高畑・荒井組も熾烈な争いに。
  しかし、なにやら徳能・山村組は、
  オープンCPで1秒くらっている?との噂も。
  まさか、オープンCPで減点もらっているはずが無い。うそだな!

  モッキのSS7。
  スタートでリタイア車の情報をもらう。

  オフィシャル 『中間地点過ぎてから、右コーナーに三停板2枚あります。
          手前とリタイヤ地点です。』
  そして、スタート。
  2つ目の“6から3L”でいきなりラインを外して、
  変なライン取り、妙な風にINにつく。何やってるんだ?
  どうやら、ブレーキを踏もうとしたら、
  アクセルとブレーキペダルの間に足が入って、
  心臓バクバクになっていたそうです。
  そして、中間地点を通過して、まずは1枚目の三停板。
  どこだ、リタイア車は?
  2枚目の三停板。あれ、リタイア車は?
  あっ、いたいた、道から外れて薮の中に黒いトランクが見えた!
  しかし、ここで、リタイヤ車に見とれて、ペースノートを1行とばす!
  あれ、全然、合ってねえ!

  牧さん 『ここ、Long6L!』

  2行ほどロストして復活。でも、すぐゴール。
  いろいろやりましたが、前2回と変わらず、131秒。
  徳能・山村組も同秒。相変わらず、3秒差。

  最終のSS8、伊勢神。
  3秒差なので、前の2回は2秒負けの2秒勝ちだったので、
  たぶん、逃げ切りだろう?と予想。
  そして、SSスタート。
  何事も無く、無難に走行。そして、ゴール!
  しかし、いまいちタイムがよくない感じ?
  ゴールの横田さんに

  横田さん  『27秒!どうしたの?前より5秒も悪い!』

  私     『ゼッケン1番、何秒?』

  横田さん  『24秒。』

  私、牧さん 『あ、あ〜....』

  横田さん  『どうした?』

  私     『並ばれた!でも、SS1で負けているから、3位か...』

  という訳で、二人して、かなりガックリ...
  ちょっと守りに入り過ぎて、無難に走り過ぎたようです。

  ゴールの駐車場で、徳能・山村組の減点を確認に行く。
  山村さんは、まだクルマの中でコントロールシートを計算している。

  私     『同減点みたい?減点いくつ?』

  山村さん  『まだ計算しています。』

  で、コントロールシートを覗き込むと、なにやオープンCPのところで、
  “1”と書いてある!

  私    『これ、ホント?』

  山村さん 『1点もらいました...』

  私    『やった!1点差で2位!』

  SSトータルは同秒でしたが、
  なんと徳能・山村組はオープンCPで1点もらっていたので、その差で2位に。
  一瞬にして、ガックリから小躍りモードへ。
  F−ROMのSSモードで、オープンCPを楽にこなせたのが勝因か?

  最終結果
              SS合計  CP合計   合計
   1.萩原・棚木組  1349秒   0秒   1349秒
   2. 牧 ・高橋組  1365秒   0秒   1365秒
   3.徳能・山村組  1365秒   1秒   1366秒
   4.中川・杉山組  1379秒   0秒   1379秒
   5.高畑・荒井組  1379秒   1秒   1380秒
  1位の萩原・棚木組はぶっちぎりの優勝。
  4位、5位もCPの1点差での決着でした。
  オープンCPでも油断できないということです。

  ちなみにBクラスも最終SSで波乱が。
  それまで、24秒のマージンを持っていた天野・井上組がバースト。
  それもスタート直後に。
  そして、そのマージンを吐き出す結果に...
  しかし、2番手の山口・南組は、計算間違いでペナルティ10点!
  結局、以下の成績に
              SS合計  CP合計 ペナルティ  合計
  1.天野・井上組  1386秒   1秒    0秒   1387秒
  2.横地・奥村組  1393秒   0秒    0秒   1393秒
  3.山口・ 南 組  1385秒   0秒   10秒   1395秒
  Bクラスも複雑な結果でした。
  バーストしても優勝、これはかなりかっこいい勝ち方だ!
  でも、その裏には、山口・南組のペナルティが...
  ラリーって難しい。

  結局、久々の入賞、それも今年初入賞でした。
  リタイヤ車に見とれていなかったら楽勝だったかも?
  今度からは、ちゃんと前見てノート読む!
  リタイヤ車を見ても、喜んで笑わない!
  でも、リタイヤ車の魅力は大きいで!
  それに、秒計時のオープンCPは侮ってはいけない!

  ということで、週刊ラリー参戦記の最終号は、
  今期最良の結果での締めくくりでした。

  たぶん、11月に今年の参戦記最終号です。
  もう、オフシーズンがすぐそこか...

  それでは



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