平ヶ岳タイムトライアル          2008年9月15

 

平ヶ岳は2003年以来5年ぶりである。魚沼の山の中では一番手強いと思っている。

11日に守門岳、13日に谷川岳に登った後だったが、すごく体調がいいので今日はタイムトライアルを

やってみようと思っていた。

 

深夜に銀山平経由で鷹ノ巣駐車場に向かい、4時に入った。駐車場にはあと2〜3台分しかスペース

がなくギリギリで入れることができた。半分は山泊りの人の車と思われる。

すでにヘッデンを付けて歩き回っている人もいたが、何人くらい先に出発したかはわからない。

左右の車の中では朝食を摂っているようなので、私もおにぎり2個で朝食を済ませた。

最初に登ったときは往復で14時間、2回目以降は12時間かかったように記憶している。

したがって5時に出発すれば明るいうちに帰ってくる自信はあった。

 

車が並んで、その中で登山準備をしている図はパドックの中の競走馬に思えた。

アスファルトが白み始めた4時45分から準備にとりかかり、50分にスタートした。

下台倉山までの最初の2時間は急登で、一番たいへんなところだ。ところが今日は気温が低いので

全く汗をかかない。下台倉山まで1時間30分で登ることができた。そこで休んでおられたご夫婦は

100名山を目指しておられて、平ヶ岳は初めてとのことだった。4時半に出発したそうだ。

「平ヶ岳はたまご石と山頂裏の湿原がポイントですよ」と教えてあげた。

この2人を抜いた時点で9人抜きだった。

 

平ヶ岳といえばぬかるみが多くて歩きにくい山という印象だったが、歩きにくい箇所は木道が

整備されて、早足で歩くことができた。

 

この後は泊りのグループと何組かすれ違ったが、登りの人はもういないかと思われた。

それでも池の岳までに4人抜いた。池の岳頂上におられた若いおふたりは4時に出発したそうだ。

記念撮影をしている間に私は山頂を目指した。これで15人抜きと喜んだのもつかの間、山頂付近には

団体さんが見えた。通称皇太子コースを来たのだろう。短縮コースを3時間ちょっとで登ったとのこと。

山頂までは新しい階段が整備されていた。平成20年施工とあったから、今年の工事だったのだろう。

 

9時5分に山頂に着いた。4時間15分はもちろん自己新記録。

団体さんが記念撮影の最中だったが、しばらく待って私も写していただいた。

山頂の喧噪を避けて裏の池塘でチューハイとおにぎりで軽い食事をした。

 

今日はいったい何組の団体さんが近道を登って来たのだろう?追い越したりすれ違ったり、どうも

自分のペースで歩くことができない。それでも10時にたまご石に着いた。

後ろにぴったりくっついてきた男性が「林道への道はどちらですか?」と聞いてきた。

変なことを聞くなぁと思って「どちらから来ましたか?」と訪ねたら「沢登りで来た」とおっしゃった。

道理で団体さんとはちょっと違うと思っていた。「恋ノ岐に車がある」とおっしゃった。

「それならこの団体さんと同じ道を下ればいいですよ」

 

10時半に再び池の岳に戻り、今度は缶ビールで至福のひとときを過ごしていた。

途中で抜いてきた男性とご夫婦が追いついてきたので、雑談を始めた。

男性は先月末から飯豊や東北の山に入り昨日は会津駒、その前は1泊2日で至仏山と尾瀬燧に登った

そうだ。明日は越後駒、明後日は雨飾山の予定だそうだ。1012日には東京に帰らなければ

ならないが、それまでは登られるだけの100名山を回るとおっしゃっていた。

 

1120分、この男性となら一緒に下りても大丈夫かなと思ったので誘った。

(家でHPを書きながら50分も休んでいたことに気が付いたが、それだけ話がはずんだのだろう)

下りながら「最近人に抜かれたことがないのでビックリした。休まずに歩けば抜き返されると

思っていたがついに追いつけなかった」などとうれしいことをおっしゃった。

「そう、私は2回休憩をとったけど、今日はタイムトライアルをしているから帰りも飛ばすよ」

と断った。100名山を目指すだけあって最後までぴったりとくっついてきた。

 

途中でヘルメットを持った若い男女に追いついた。「沢ですか?」と聞いたら「2泊3日で

沢を登ってきた」とおっしゃった。この男女も恋ノ岐に車があるとおっしゃるので

「帰り道だから送りましょうか?」と誘ったが「下にチャリがありますから」と断られた。

鷹ノ巣から恋ノ岐まで何キロあるか知らないが、すごい人がいるものだと思った。

 

駐車場まであと30分というところで先行するグループが見えた。どこから来たのだろう?

一緒に歩いていた男性は声をかけたらしく「あのグループは夜2時から歩き始めた」と解説して

くださった。それでは山頂付近ですれ違ったはずだが、あまりにも大勢いたので私にはわからなかった。

抜きながら人数を数えたら8人いたから、これで25人抜きになった。(^_^)v

 

2時を過ぎてから時計ばかり気にしていた。2時20分までに駐車場に戻れば3時間で下りたことになる。

林道に出たらあと10分。「3時間より早いか遅いかは大きな違いだから走りませんか」と提案された。

異論があるはずがない。2時17分駐車場着。2時間57分は予想外の記録だった。

 

彼の話によれば「100名山をやった人でも平ヶ岳を10時間以内で往復した人はほとんどいないはずです」

うれしいことを言ってくださる。ちなみに私は9時間半で往復したが、50分もの雑談が悔やまれる。

 

今日は涼しくてほとんど汗が出なかったので、2リットル用意した水も500ccしか飲まなかった。

私のリュックにはまだ半分凍っているペットボトルが2本あったので、1本プレゼントした。

 

「銀山平までは1本道だけど一緒に行かないか」と提案したが、少し眠りたいとのことだったので

別れた。私も走っているうちに眠気が襲ってきて途中10分ほど休んだ。

それでも4時半には家に着いて、夕方の鯉の管理をすることができた。 (^_^)v

 

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