被災者といえども若い人たちは会社に行っているわけで、日中は駐車場も閑散としている。
いつもぶらぶらと散歩している人も顔なじみになった。
ボランティアを誘ってはお茶のみをしている人もいるが、話し相手が欲しいのだろう。
ボランティアがお年寄りの話し相手になってくれることは、ありがたい。
「お茶ばっかり飲んでいるとどうかなりそうだ」と言いながら、近所の玄関先の雪まで片付けてくれる人もいる。
昨日は断水と言うことでボランティアさんと1軒1軒声をかけて回った。
共通の課題で自然と人が集まった。
「たまにお茶でも飲んでいかねぇかね」と言われたが、昨日はそんな余裕はなかった。
地域の茶の間というのは、先日紹介した河田珪子さんが提唱している活動だ。
田舎では昔からやってきたことで別に新しい活動だとは思わないが、新聞の記事のコピーをいただいた。
4〜5日前の新潟日報でも栃尾市の仮設住宅の集会所を「地域の茶の間」というタイトルで紹介していた。
泉水小学校では今日の午後児童会室を片付けて、来週から仮設の住民に開放してくれることになった。
敷物は?こたつは?ポット、茶碗は?細かいことはすべてボランティアさんにお願いしてある。
おばさん達の意見も聞いた方がいいだろう。
踊りの丸山先生を招いたら、などの意見もでているが、まさか授業時間に音楽はかけられないだろう。
町の体育指導員を招いてストレッチという意見もあった。でも体育指導員だって昼間は仕事をもっているし・・・
たまには保健婦さんに来てもらうのもいいかも知れない。
私は町の生涯学習推進委員として長寿塾の部長を5年もやってきた。
長寿塾のノウハウはボランティアさんに伝えてある。
長寿塾ではずせなかったのは、温泉をセットにした研修。平たく言えば日帰り温泉パック。
でもそれよりもっと人気があったのは子供達との交流。料理教室、昔話、竹とんぼなどなど。
そういう意味では学校の中に茶の間をつくるのだから、絶好のチャンスなのだが、先生方の考えはいかに?
午後からボランティアさんと一緒に泉水小学校に行った。
教頭先生に会うときは質問事項をまとめておくように、と言っておいたのだが、しっかりまとめてきた。
今度のリーダーは大阪から来た女性だが、まとめ方を聞いているだけで、すばらしい人材だと思った。
次は仮設でおばあさんたちの希望を聞くことにした。
一人暮らしだけど、キーボードをひくというMさんと
「昼間はひとりでいつも寂しい」と言っているTさんに目をつけていた。
Mさんは留守だったが、Tさん宅で一緒にお茶を飲んでいた。話が早い。
ところが漬け物の話や昔話が始まって、なかなか本題が切り出せない。
ようやく部屋の名前を「憩い屋」にすることが、ほぼ決まった。
「行ごいや」(いこうよ)に掛けてある。
最初から絵に描いたような地域の茶の間ができるはずもない。
まぁ、じっくりとやりたい。