逢いたくて逢いたくない人
(2000.11.2)
 その日は一ヶ月に一回やってくるのでした。遠くにあるときは待ち遠しくわくわくするのに、なぜ近づいてくるとこんなにも憂鬱になっていくのでしょう。その日が近づくと心かかるプレッシャーは大学受験以上(それは大げさやんか)になっていくのでした。
 それが始まったのはもうわすれてしまうくらいも前の事でした。まだまだ純情なzoro青年はとある後輩に誘われてある飲み会に行きました。そのころのzoro青年は他人とコミュニケーションをとることを極端に嫌い、一人で部屋にいることに安らぎを感じる荒涼とした青年で出会う人とはみんなその場限りのつきあいのつもりで言いたいこと言って嫌われてもいいつもりで話をしたり時間を過ごしたりしていました。「だって二度と会うこともなければ何言ってもいいじゃんか、相手の人権さえひどく中傷しなければと思っていました。その後輩君はとってもいい男で顔もろい楽しい人でなぜだか慕ってくれてました。その後輩君に誘われてその日は合コンにという話に。合コン自体興味はなかったのですが、行ってみると男の子数人とそれに匹敵する数の女の子がいたのです。zoro青年は、その中のひとりに好感を持ちましたが、どうせその場限りにするつもりで適当に相手を楽しませたり、自分も楽しんだりの数時間を過ごしたのでした。彼女が電車で帰る時間が近づきちょっと後ろ髪引かれて、また逢いたいなとも思いましたが、どうせもう二度と会うこともないまあいいでしょ。自分は女の子にはもてないから。と心に言い聞かせてその日は見送りました。
 しばらくたったある日の午後、とある勉強会でばったりその彼女と出会ってしまったのです。zoro君ちょっと有頂天。だってその勉強会は半年シリーズで毎月あるんですもの。次回は声をかけようと思ってせっせと会場へ。始まるまでは心のドキドキを抑えつつまわりをきょろきょろ。彼女を発見すると位置を確認して、距離ををはかったりして。そうなると勉強の事なんかとっても耳にはいるわけありません。もっぱらスライドの時間は睡眠に当てて(おいおい何しに一とるんじゃ)終了後のことを考えていました。ところがどうでしょういざそのときになると言い出せずに会釈をして別れることに。捲土重来をきして次回も望むもまた不戦敗に。そんなことをしてるうちに、蝉は泣きやみ、銀杏は散ってはや晩秋、一回も誘えないままその年も終了してしまいました。
 次年度もその勉強会に望むとまた彼女の姿が、そして自分の姿は去年のリフレイン。そのうちに何もできない自分に何か腹立たしくなったり、情けなかったりしてで落ち込むことに。
彼女には逢いたいけれどリフレインする自分がいるのでいっそ逢いたくない。そのうちには勉強会をさぼったり、途中退出したりでもう自己嫌悪の森の中に迷い込むのでした。そして彼女は僕のとっても逢いたくて逢いたくて逢いたくない人になったのでした
 そんなことを今年もしていましたが今年の勉強会も終わり、きっと彼女も彼氏なんかも作っていることでしょう。(確認はとれてないが、そうだったら幸せに)
教訓思い立ったらすぐ行動。一瞬の躊躇は大怪我の元。気合いの入りすぎにご注意を
そんなzoroも気だてのいい彼女を大募集中です。
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