バラマキ政府
 
 またHearts and Mindsを。1965年が崩れやすいようなので、今回は1966年から72年までを、子どもが米・政府、私が北・ベトコンで。歴史上既に終わっているキャンペーンカードは抜く選択ルールを使います。

 前にやった時と違い、子どもは米・政府軍で過剰に攻撃せず、支配潰しを重点的に行ってきます。そのため北・ベトコンがゾーンキャンペーンを行っても、あまり支配によるダヴが入りません。
 さらに米・政府は支配地に政府軍を1ユニットづつばらまき、北・ベトコンの支配を妨害する手も取ってきます。これは今までベトコンが行ってきた戦術ですが、安定化地域数に余裕があるとこんなこともできるようになってきます。しかも北・ベトコンが全力でこれを攻撃したら、半分くらい6を出され、戦闘でも劣勢に立たされます。
 そのため北の支配は年々流れ出るように消えていき、初年11から、8、8、5ときて、70年は6個しかありません。支配数が少なければ当然ダヴも不足していき、この年に北・ベトコンは敗北してしまいました。

(1969年の終わり)


 サイの目の影響もあったとは言え、政府軍1ユニットばらまきは北・ベトコンにとって非常に厄介な作戦です。ベトコンだけでは倒せず、戦力を集めていけば効率が悪くなります。
 北・ベトコンは対策を考えなければなりません。まずキャンペーンターンでは、支配すらせずにひたすら政府側に大きな損害を与えることに専念します。すると政府側はクーデターを防ぐためや部隊の補充のためにコストがかかり、行動を制限されます。これでその年の残りは、少ない抵抗で支配を増やすなり追加損害を与えるなりできるようになります。こうすることで66年以降は政府側の優勢が抑えられバランスが取れましたが、今度は65年の北・ベトコンの攻勢がきつすぎて、政府側が全然勝てなくなりました。

 これがまたなかなか対策が見つかりませんでしたが、子どもが手を考え出しました。それは政府軍だけでなく、アメリカ軍もペアにしてばらまくことです。キャンペーン等でアメリカ軍が危険な時は3分の2の確率で回避できますし、6戦力以下の通常攻撃なら逃げなくて済みます。アメリカ軍が裸の場合と違って、北のイベント攻撃にもある程度耐えられ、グリーンベレーが劇的に強力になります。その上で別に少数の強力な打撃軍を作り、戦闘を任せます。ばらまきでアメリカ軍の護衛が少なくて済む分、打撃軍は政府軍の割合を増やして、より損害に耐えられるのです。こうされると北・ベトコンは効果的に米・政府軍を倒せなくなります。
 第1ターンはもしベトコンを倒したり、赤旗を潰したり、スターライト作戦でホークを稼いだりがたくさんでき、損害も多く受けているなら、高いコストを払ってクーデターを避ける必要はありません。実際米・政府は第1ターンにクーデターが起きても途中勝利できました。
 守られるべき米軍を守らない。フルスタックの4ユニットでもなく、1ユニットでもなく、中途半端な2ユニットづつの部隊編成。必要なら政府がクーデターで崩壊しても構わない。経験則に反する手が正しいとは、私には全く思い浮かびませんでした。

 これで何度かやってみました。65年は政府側がDarlacに戦力を集中しないと、イア・ドラン戦役で北・ベトコンが好き放題して勝ってしまいます。そして集中すると、北・ベトコンのイベントの引きでDarlacを取れるかどうか、そしてクーデターを起こせるかどうかでゲーム全体の勝敗が決まる感じです。
 最初の運だけで決まるのでは今一なので66年から始めると、米・政府ペア戦略が強くて今のところ北・ベトコンに対抗策が見つからない状況です。
 
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