イースターを待ちわびて
Hearts and Mindsの2回目です。今回は最初の65年から米軍撤退の72年までのシナリオで、前回と同じくY君が米軍・政府側、私が北・ベトコン側です。
65年、前回北・ベトコンは有利な所での戦闘と地域支配を重視し、結局行き詰りました。そこで今回は北ベトナムの補充力を生かすよう、損害に構わず攻撃を重視することにしました。北はまず戦車を手に入れ攻撃の準備を整えますが、米軍のリマサイトでラオスへの手痛い空爆を食らい、リマサイト除去に手番を使わされます。北・ベトコンは第3ターンでようやくケサン侵攻のキャンペーンを発動するものの、支配地域は伸びずキャンペーンによるダヴは入らず、与えた損害で払わせるはずのクーデター防止コストも、カードでキャンセルされてしまいます。米・政府軍は北支配地域を3つ減らして7とし、結局増えたダヴはたった1。北・ベトコンには厳しいスタートです。
66年、米・政府軍はシーロード作戦を発動し、順調にメコンデルタを支配して3ホークを獲得。一方北・ベトコンはイア・ドランクで中部に攻勢を掛けるものの、米・政府側の守りは固く、Darlacが落とせずにキャンペーン得点はまたも無し。北・ベトコンは支配で2、RPG7で米戦車を破壊して1、米・政府に同等以上の損害を与えて1の計4ダヴ。差し引きでまた1ダヴ獲得に留まります。これ、やっぱり北がだめなパターン?

67年、米・政府軍はBuffを使った激しい空爆と地上攻撃を掛け、北のベテランが全滅!北は絶望的な状況になり、戦略の行き詰りは明らかです。やむをえず北・ベトコンは方針転換し、北ベトナム軍とベトコン総がかりで支配の拡大を図ります。これにより支配地域が11か所になって3、鉄の三角形キャンペーンで1、ブーントグルで韓国軍を倒して1と、北・ベトコンは計5ダヴを獲得し政治意志を少し挽回します。
68年、北はベテラン無しの厳しい状況ですが、ダヴを稼ぐのは支配の多い今しかないと、テト攻勢を発動します。この攻勢は他のイベントカードの効果もあって大成功を収め、青ユニット3つを含む大戦果によって北・ベトコンは8ダヴの獲得に成功し、政治意志を互角近くまで戻します。またベトナム政府はクーデターを避けるために多くの出費を強いられました。
69年、米・政府軍が中部で支配を奪回する一方、北・ベトコンはメコンデルタを中心に支配を広げます。北・ベトナムはさらに限定戦争で追加移動をして13地域を支配し、このターンは5ダヴ獲得となりますが、まだ米・政府が1点有利な状況。
70年、米軍の撤退により細っていく米・政府軍に乗じて、北・ベトコンは攻勢を強め、多くの支配を獲得します。しかし油断して敵のいない北部の地域を空けたところに上陸されて支配を奪還され、結局北支配地域は前年と同じ13で5ダヴ獲得。米・政府側の1優位は変わりません。
71年は、米・政府軍がスターライト作戦で北部へ、北・ベトコンがメコンデルタで南部への攻勢を行います。これは全てのターンで北部を全支配した米・政府側の方が勝り、この年のダヴ獲得は2のみ。米・政府側が2点有利の状態で最終年を迎えます。
さていよいよイースター攻勢の年、72年。北・ベトコンの逆転はあるのか?この年は全ての米軍が撤退し、北には大戦車軍を含む9ユニットもの増援が入ります。しかし北・ベトコンが逆転するには、この年11ものダブを稼がなければならず、ハードルはかなり高くなっています。北・ベトコンは自らの損害を顧りみない激しい攻撃を開始。政府軍の損害は嵩み、さらにそれで手薄になった所に、北・ベトコンは支配を広げていきます。しかし政府軍もクーデター防止のコストに気を配りつつ必死に反撃。はたして結果は?
まずイースター攻勢による得点は、政府軍を16個撃破で4ダヴと5都市支配で2ダヴ。そして69年以降で1ダヴと支配地域14で4ダヴ。合計はちょうど11ダヴ。北・ベトコンはぎりぎり逆転勝利を掴みました。

Hearts and Mindsはバランスも良さそうなことが分かり、あちこちで両軍が入り混じりながら、強いはずの米軍が政治的に追い詰められていくというベトナム戦争らしい戦いができて、広い範囲で考えさせられるなかなか良いゲームではないかと思います。
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