テト崩れ
 
 ベトナム戦争全体をカード併用で扱う2人用ゲームHearts and Mindsを買ってやってみました。ゲームはカードドリヴン同様、カード1枚を出すことでそこに記載されたポイント分のアクションを行えます。ただイベントは排他的選択ではなく、アクションポイントの中から購入する形で行い、残りのポイントでアクションも行えます。1966年から1972年までのシナリオで、Y君が米側、私が北ベトナム側です。

 66年、北ベトナムは支配や韓国軍の撃破等でこの年4点を稼ぎ、また南ベトナムのクーデター阻止に2資源を使わせます。(安定化された地域数より多くの損害を受けると、南ベトナムはその差分の資源を払わらなければならない。)アメリカ側は中部でのキャンペーンを目論んでいたようですが、ベトコンの妨害により支配が難しく実行を断念しました。
 67年は北がメコンデルタ方面でのキャンペーンを実施。キャンペーンは、最初のターン(カード1枚を使った1アクションの事)だけ戦闘に強くなり、各ターンにゾーン内の支配数が一定以上ならダヴ(アメリカの厭戦気分、事実上の勝利得点)をもらえます。前年に準備を整えたアメリカも、中部でのキャンペーンを発動します。アメリカ側のキャンペーンは、ゾーン全ての支配が必要で、ダヴとは逆のホークが入ります。互いにキャンペーン得点の獲得を中心に動いて戦闘は少なめで、得点は差し引き北がダヴ3つ獲得です。
 68年はテト攻勢が可能になる年ですが、資源をため切れていなかった北ベトナムはこれを延期。サイゴン近郊でのキャンペーンを発動して南側に攻撃を掛けますが、キャンペーン得点はできず、北側の支配も6まで減って得点は少なめ。カンボジアに戦力を集め、来年のテト攻勢の準備をして終わります。
 69年、北ベトナムはついにテト攻勢開始。これは大量の増援と共に同時にたくさんの資源を使って、通常のキャンペーンより多くのダヴを得るチャンス。北は攻撃を繰り返します。しかし北側の損害が多い割には、南ベトナム軍に損害を吸収されて米軍に損害を与えられず、地域支配による追加得点も得られず、結局キャンペーンによる得点は損害による2点のみ。5ダヴでサドンデスはぎりぎり免れたものの、もう北ベトナムに勝ち目はなさそうなのでここで投了しました。


 北ベトナムは地域支配による得点に偏り過ぎて、攻撃が足りなかったのかもしれません。せっかくできたベテランを失うのが嫌で、序盤ヒットエンドランを中心にしていましたが、補充力を生かして損害無視で米軍に攻撃を掛け、点数と戦力差を両方稼ぐ手もありそうです。また今回はあまりベトコンを攻撃に参加させませんでしたが、もっと攻撃にも使っていいのかもしれません。
 ベトナム戦争全体を扱って1日で終わり、正規部隊とベトコンゲリラ、カードによる政治や軍事的状況変化など、結構いい感じのゲームな気がします。
 
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