待たないヨークと待ち受けるヘンリー
Plantagenet: Cousins' War for England, 1459 - 1485で、今回は初期シナリオのヘンリー6世。Y君がランカスター家、私がヨーク家です。
ランカスター家はロンドンにヘンリー6世とサマセット公。それに対しヨーク家は、当主のヨーク公リチャードがロンドンの北のイーリー、長子のマーチ伯エドワードがウェールズ境界のラドロー城に分かれており、どちらもロンドンから1回のコマンドで届く範囲にあります。
ヨーク家はこの各個撃破を防ぐため、マーチ伯に「イングランドは我が家」を付けて、攻撃されても無損害で復帰できるようにします。そしてヨーク公は北方に逃げながら、友好地域を広げていきました。
一方ランカスター家は、ヘンリー6世が兵力の多さによって動かしにくいため、サマセット公単独で西に進み、エクゼターに到達してそこの家臣を手に入れる準備を整えます。
第2ターン、ヨーク家はこのターンから出せるソールズベリー伯リチャード・ネヴィル(キングメイカーの父)の召喚に失敗。ランカスター家は一方的に北部にノーザンバーランド伯ヘンリー・パーシーを呼び出します。ヨーク家、これはまずい。
そこでヨーク公は北伐を決断。最初の能力引きで「ヨーク派は決して待たない」を付けていたのを利用することにしました。逃げ場の無いパーシーは攻撃され、亡命を余儀なくされます。そしてマーチ伯は本拠近辺で支配を広げました。
一方ヨーク公が北に離れたのを見たランカスター家は、ヘンリー6世がロンドンを空けて西に進み、サマセット公はカレーに渡航。このカレーはヨーク家の泣き所で、支配による価値が高いだけでなく、ウォリック伯リチャード・ネヴィル(キングメイカー)の本拠なので、ここに居られると彼が出て来ても徴税できないのです。
第3ターン、ヨーク家はやっとソールズベリー伯をヨークに召喚。ランカスター家もエクゼター公ヘンリー・ホランドをエクゼターに召喚しました。
ランカスター家はヘンリー6世とエクゼター公でマーチ伯を攻撃し、マーチ伯は我が家を使って次ターンに復帰します。その後ランカスター家は南部、ヨーク家は北部で友好地域を増やしていき、ヨーク家は北方領域の完全支配も達成。影響ポイントは少しヨーク家に傾き始めました。

第4ターン、パーシーは亡命から復帰し、マーチ伯も再登場。そしてここで折良く港にいたヘンリー6世にフランスからの援軍が到着し、12部隊の大戦力となった国王は、マーチ伯を追ってウスターまで北上します。さらにグレートシップでウェールズに上陸したパーシーが、ハーレックの支配にも成功しました。
これに対しヨーク家は、マーチ伯が北に逃げ、ヨーク公が南下し、ソールズベリー伯が北方で慈善事業に勤しみます。そしてヨーク派市長がロンドンを中立化し、貴族と家臣はランカスター家の方が多く、召集等でも影響力をたくさん消費したことから、影響ポイントは一気にヨーク家14ポイントまで傾きました。
そして第5ターン、ヨーク家はここで貴族を総動員。ヨーク公はウォリック伯を従えてロンドンに入城します。こうされるとランカスター家はロンドンの支配を取られただけでなく、ウスターのヘンリー6世とブリストルのエクゼター公が各個撃破の危機に。2人が合流すれば良さそうに見えますが、ヨーク家に「疑惑は絶えず罪悪感につきまとう」があることをスパイが突きとめていて、ランカスター家はそれが無意味であることを知っています。ではどうするのか?
するとなんとここでヘンリー6世はオックスフォードまで前進して、ロンドンに隣接して来ました。一体どういうことだ?付与能力によってユニットは3個勝るとは言え、内6個が弱い民兵で、武勇と家臣の数は1ずつ劣り、ヨーク公にはカルヴァリン砲もある。ヨーク公もウォリック伯も影響値は5なので「疑惑は絶えず罪悪感につきまとう」は効かない。ランカスター家の勝ち目は薄いと思うぞ。ヨーク公は疑念を抱きながらも、ヘンリー6世を倒せば追加の10影響ポイントも入って勝利が決まるので、ここで戦わない手は無いだろうと勝負を挑みました。
そして配置の後、ヘンリー6世は何を出して来るのか?それは「渓谷」。何?これは。第1ラウンドはヨーク公が戦闘から外れる。すると各個撃破されるだけでなく、第1ラウンドにしか使えないカルヴァリン砲も無効になってしまう。こんなカードがあったのか!
しかしもう撤退などできない。白兵戦力を2増やす撒き菱を出して最後まで戦うぞ。まずウォリック伯の戦闘。数の差は圧倒的で勝てはしないものの、全滅までにヘンリー6世の武勇と家臣を使い切らせ、重装歩兵を半壊させた。
そしてヨーク公の番。いくらヘンリー6世は兵が倍いるとは言え、武勇も家臣も既に無いのに対し、ヨーク公はどちらも2個ずつある。ヨーク公の方が有利なんじゃないか?ところがヨーク公の家臣も武勇もへなへなで、全然ヘンリーの攻撃を止められない。結局最後はどちらも残りの2発を本人が受けることになる。
そしてヘンリー6世はこれをみごと跳ね返したが、ヨーク公はここでも弱く防ぎきれなかった。ヘンリー6世の勝ちだ。ヨーク公もウォリック伯も戦死し10影響力も失ったヨーク家は、もうランカスター家を止めようが無い。ランカスター家の勝利である。

歴史ではあまり活躍できなかったイメージのあるヘンリー6世ですが、この世界では縦横に動いてヨーク公とウォリック伯を誘い込み、緻密な策略と采配で見事敵を討ち取る天才的武人の顔を見せました。
インデックスへ