代案としての戦争
Y君とStar borders:humanityを初めてやってみました。このゲームは宇宙の数々の星域で覇権を争っているグランドインペリウムと自由同盟の戦いを星域指令官としてプレイするゲームです。
ゲームはいくつかのマップを組み合わせて、惑星、アステロイド、深宇宙、ワームホールが接続リンクで結ばれた宇宙で行います。宇宙船ユニットには攻撃力、防御力、移動力、修理・サルベージ力、惑星攻撃力、旗艦能力、クローク能力が記されており、2ステップある大型艦と1ステップで再建時には表裏の別艦種を選べる小型艦に分かれています。
ターンはまずアクションフェイズの初めに、プレイヤーにさまざまな利点を与える開発カードを、手持ち補給ポイントの半分(最低でも2)を払うことで購入するか選択します。次に補給ポイントを消費して移動、修理、沈没艦の再建、要塞の建築を行います。移動はコストを払えば何度でも行えますが、敵やアステロイドに入ると終了です。
その後戦闘を行います。要塞の準備射撃後、非手番側が高速艦のみなら戦闘前撤退を選択でき、そうでなければ非手番側から順に攻撃が繰り返されます。攻撃は単艦攻撃以外に、攻撃グループを組むことで攻撃力を上げることができます。命中数が決まると命中を受けた側は、一命中ずつ順に盾になる船を選んで損害判定を行い、防御力より小さな目を出すと損害を受けません。これは残っている限り同じ船に何度でも適用できます。戦闘終了後、勝った側はサルベージ能力分サイを振り、破壊した艦数以下の目が1つでも出ると、重要情報を入手して、相手の開発カードを捨てさせたり、両プレイヤーとも使える共有カードにしたりできます。
最後に記録フェイズです。自艦のみがいて要塞の無い惑星を自分の物にできますが、直前にそこで戦闘していると、混乱状態で支配することになります。そして要塞惑星への攻撃を行い、混乱、包囲されていない支配惑星と艦を置いているアステロイドから補給ポイントを得た後(繰越不可)、混乱惑星の回復を行います。
第2プレイヤーも同じことを繰り返すと1ターン終了です。第1プレイヤーは毎回サイを振って大きいほうがなります。そしてゲーム終了時に非混乱・非包囲の支配惑星が多い方が勝利です。
今回のシナリオは、あまり特別ルールの無い「代案としての戦争」。自由同盟が帝国の皇位継承のどさくさに最後通牒をつきつけたら、帝国は戦争で応じたという設定のようです。Y君がグランドインペリウム(以下帝国)、私が自由同盟です。
自由同盟はイニシアティブで同点なら先後を選べるにも関わらず、先攻を取り続けた帝国は、先手先手で重要地点の制圧を続けます。自由同盟は初期カードが帝国1枚に対して3枚で始まるという優位があり、その中にあった独立勢力との提携で、支配惑星に隣接する空きのアステロイドからも補給ポイントを得ていました。しかしそれさえも帝国は呑み込んでいきます。
2つのアステロイドに隣接する要衝テラノヴァで、スターシップを主力とする自由同盟は、デストロイヤー、スペクター、レイダーからなる強力な帝国艦隊の攻撃に破れ、損傷したスターシップのみが落ち延びます。要塞化されていたテラノヴァは、惑星攻撃力を欠く帝国艦隊に持ちこたえはしているものの包囲状態になり、ついに中央の係争宙域から同盟の拠点が無くなってしまいます。

危機的状況の自由同盟。しかしここで起死回生の戦略移動カードを使います。足が遅くてセクターベースに眠っていたオークス艦隊を盤外に出し、次ターン以降係争宙域に盤外から繋がるリンクかワームホールに登場するというものです。そして自由同盟が選んだ再登場先は、、、テラノヴァ奪還作戦!
盤上の艦隊の支援も受けて必勝を期したこの作戦でしたが、なんと敗北。艦隊は撤退します。しかし登場艦は3個中2個が残っており、このタイミングで手に入れたシップヤードも使って損害をすぐに回復し、ようやく回ってきた先攻を使って再攻撃します。
かなり強くて高速の同盟軍スターシップは、撃沈されてもすぐに再建して戦場に戻すことができます。そしてそれに連携して敵を通過できるクローク能力を持ったスマグラーが退路を断ち、帝国艦隊を少しずつ削って行きます。帝国の最強艦デストロイヤーは強いのですが、足が遅いため一度失われると前線に戻ってくるのにコストがかかります。そのため前線での戦力は、だんだん同盟側に傾いてきます。
こうして支配が増えてくると生産上限の高い自由同盟は、多くの補給を生かしてさらに兵力を送り込み、ついに支配惑星数で帝国を上回ります。帝国も必死で艦隊を再建して、イニシアティブしだいでは逆転を狙ってきますが、ここでサドンデスの目が出て終了。自由同盟の勝利となりました。
このあと帝国による自由同盟星域での大反乱工作シナリオをやりましたが、最初3ターン帝国にセクターベースが無い間、カードの購入も混乱惑星の回復もできないのという重大なことを忘れていました。ただ結果としては当然帝国が勝ったものの、自由同盟にもチャンスが無かったわけではなく、結構ゲームになっていました。
小さなマップ、少ない駒数、簡単なルール、2時間程度という短さにもかかわらず、なかなか選択肢や考えどころがあって良いゲームだと思います。また個性的なシナリオや開発カードによる状況変化により、繰り返しプレイできそうです。
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