要塞と戦車と地中海
 
 初プレイの杉さんを交えたTriumph & Tragedy。杉さんがソ連、かさいさん西側、私が枢軸です。

 36年、枢軸は東欧、北欧で外交を進め、ハンガリーを衛星国とします。西側は低地諸国を保護、USA、ペルシャ、ポルトガルと通商し、ソ連はポーランド、トルコ、ギリシャと通商します。
 37年には、枢軸はチェコを衛星国にし、低地諸国を通商に下げます。西側は36年に作れなかった工場を2段階上げるだけで手一杯で、ソ連はギリシャ、ユーゴに手を伸ばします。そして38年、枢軸はソ連に代わってトルコと通商し、スペインを保護国とします。
 39年、激しくなってきた連合国の外交攻勢により、枢軸はトルコと北欧の影響力を全て失い、ソ連はユーゴを衛星国とします。ここでドイツは低地諸国を軍事占領する他に、3個のユニットを海路コルシカ島に送ります。この動きの意味は何なのか?
 そして40年春、枢軸は西側に宣戦し、フランスとマルタに同時侵攻。ドイツの戦力はやや少なめでしたが初期戦力のままのフランスはそのまま陥落し、フルステップのドイツ艦隊と歩兵で攻めたマルタ要塞も無事落城させます。そして夏にはドイツ2イタリア1の艦隊が、トリポリを発したイタリア機甲部隊と共にスエズ侵攻。スエズには2段階要塞もあって一発では落とせなかったものの、海上レーダーでイギリス海軍を沈め、秋にはもう1個のイタリア機甲部隊も追加してスエズ占領に成功します。
 これで枢軸の予定していた第一弾作戦は成功に終わりました。が、40年にはトルコの通商は再びソ連に奪還され、ポーランドはソ連の保護国となっています。枢軸は北欧、バルカンの影響力も失って資源が14しかなく、長期戦になったら勝ち目は薄そうです。そこでドイツの第二弾作戦として、ここからドイツ地中海派遣軍をインドか黒海に派遣し、デリーやバクーを狙うか、東部戦線を支援することにします。
 41年、ソ連の妨害により枢軸は未だにルーマニアを衛星国化できず、スペインの通商も西側に奪われます。枢軸はポーランド、バルト諸国に侵攻占領し、ドイツ派遣軍を黒海に送りますが、独ソ戦は翌年に持ち越します。
 42年、トルコはソ連の衛星国となり、ルーマニアはまた枢軸の衛星国にできませんでした。これにより黒海にいる陸軍は補給が切れてしまい、すぐにどこかに上陸しなければなりませんが、バクーはやはりそれなりに固められたようです。そこで、独ソ国境のソ連軍はレニングラード以外1ユニットづつしか居らず、これは奇襲でやられるのを前提にした弱小犠牲部隊だなと踏んだ枢軸は、春に全戦線で攻撃を開始します。実は枢軸はロケット砲を開発しており、杉さんは初プレイなので、私は結構独ソ戦を戦えるのではないかと期待していました。ところが蓋を開けてみると、ソ連の前線は全部レベル3要塞。1ユニットづつで攻めたキエフ、オデッサのドイツ南方軍と地中海派遣軍は壊滅状態、ベラルーシの中央軍集団も損害を受けます。
 そしてソ連プレイヤーターン、ドイツ中央軍集団にはソ連軍が襲い掛かります。その陣容はソ連の誇る大量の重戦車部隊。その強力な主砲にドイツ軍は一方的に撃破されて、ドイツ中央軍集団は崩壊状態となり、生き残りは命からがら逃げ延びていきました。
 ここで枢軸はもう東部戦線を維持できる見込みが無いので投了し、ソ連は平和の配当を7枚で8VPも獲得していて翌年には25VP達成がほぼ確実だったので、ソ連の勝利としました。


 杉さんは、よけいな中立侵攻はせずに外交を重視し、国境には要塞を並べて後方には反撃用戦車軍を量産し、できれば重戦車を開発するという、私が何回かの対戦の末最善だろうと秘かに考えていたソ連の戦略を、初めてにして完璧にやってきました。(どれ一つとして教えていません。)枢軸の攻撃前に「奇襲は強力だから形だけでも先に宣戦するべきだよ。」と何も知らないかさいさんは強く勧めてきましたが、すでに対策を見つけていた杉さんは迷わず拒否していました。さすがの手腕です。
 
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