中国とパナマの狭間
 
 War in the Pacific: 1941-1945の日本語版を、子供連合軍、私日本でやりました。


 「対中戦争にどれだけ深入りするかの自由裁量を日本に許すため、日本が中国に勝つチャンスを与える必要があった。」というデザイナーの意図に応え、今回日本の戦略は最初から中国全力攻撃です。
 まず最初の20リソース全てを使って、中国国内の全日本陸軍を集め、南側の中国軍を攻めます。この攻撃でそこの中国軍は全滅し、それに伴って日本軍も3ユニットが損耗しました。そしてスタック制限のためこれらの日本軍を一旦沿岸部に再配置し、さらに次ターンの重慶攻撃に備えて各地から陸軍を中国に送り込みます。一方デザイナーの訂正により、第1ターンに中国軍が再配置することはできません。
 第2ターン、日本はまた多くの資源を費やして、3ユニットの中国軍が守る重慶を攻略し、中国は降伏します。しかしこれに対して連合軍はマーシャルに反撃。日本も迎撃して撃退には成功したものの、これで資源を使い切ったため、大量の損耗を全く回復できませんでした。


 第3ターン、日本は補充に資源を使うため作戦は控えめで、ほぼ無抵抗のマニラ、レイテ、ラングーン、ホランディアを占領したのみ。連合軍は再配備でシンガポール、ブルネイ、スラバヤに防衛線を築き、ずっとパナマに艦隊を集め続けています。
 第4ターン、すでに基本資源量で連合軍を下回っている日本に、これ以上侵攻する力はありません。代わりに日本は、日本本土から南に連なる列島線で、陸海空共同のパシフィックウォールを構築します。前回の経験からすればこれはかなり固いはずなのですが、パナマに完全終結した連合軍の大艦隊が不穏な感じ。
 第5ターン、パスするとその時点で作戦終了となるので、両軍とも1ポイントずつ資源を刻んでいくいつもの応酬の後、資源の残りが丁度になった連合軍の全艦隊がパナマを出撃します。普通の港だとスタック制限が5個なので、距離に基づく資源をそれごとに払わなければならないのですが、パナマと南アフリカはスタック制限が無いので、距離分のポイントを全ユニットで1回払うだけで済むのです。
 これにより21ユニット42戦力もの巨大艦隊が、はるばるパナマから横須賀の日本艦隊を襲撃。一方日本は残り資源の関係で、集められたのは3つの陸上機を含めて18ユニット33戦力に留まります。戦闘の目は連合軍6に対し日本が4。日本艦隊は空母1を含む12ステップが損傷し、連合軍の損傷は5ユニット。日本完敗です。
 そしてどちらも資源を使い切っての戦闘だったので補充はできず、残存艦隊戦力は連合軍が圧倒的。もう次の日本海軍壊滅は確実で、そうなれば日本が早々に降伏するのは避けられないので、日本投了です。



 中国を降伏させるには莫大なコストが掛かるので、東南アジアへの侵攻も限られ資源地帯占領もままなりません。しかし中国で釘付けだった陸軍を本土防衛のために解放できるというメリットは、それを遥かに上回るでしょう。
 これにより強固な防衛線を作ることができましたが、それでもパナマ艦隊による攻撃は防ぎようがありませんでした。このパナマや南アフリカからの全軍攻撃は強すぎるので、何か間違いがあるのではないかと思い、ギークでデザイナーに質問し、英文ルールを送ってもらいました。
 すると日本版ではパナマと南アフリカに港がありますが、原版には無く(ギークの写真でもよく見ると確認できる)、そこからは上陸作戦を始められないことが分かりました。それでも今回のような上陸を伴わない艦隊襲撃はルール上可能なのですが、デザイナーはこの作戦について否定的な考えを持っておられましたし、遥か彼方のパナマから出撃すると燃料消費が逆に少なくなるというのは理屈に合いません。そこで次回はパナマや南アフリカからの艦隊襲撃を制限してやりたいと思います。
 それから原版では勝利条件が微妙に違っていて、条件a.は「3つの日本補給源ヘクスでも中国でもない所に、日本陸軍のいる基地(飛行場・港)が無いこと」が正しいようです。
 
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