絶妙なルール変更
 
 War in the Pacific: 1941-1945を子供連合軍、私日本でやりました。前回考えた自作ルールを使います。


 第1ターン、連合軍の兵站はパールハーバー、エリス諸島、ポートモレスビー、ブルーム、レイテ、セイロンの新配置で、アメリカ地上軍をインドに派遣しやすくします。日本はいつも通り資源地帯を取りますが、新ルールで隣接支援が弱いので、リスクのあるマニラではなく確実なホランディアに上陸しました。そして中国を攻撃するため大陸に12地上ユニットを集めます。
 第2ターン、日本は武漢の中国軍1ユニットに対し3ユニット、重慶8ユニットに対し9ユニットを送って、重慶は継続戦闘。第3ターンは資源の目が良かったので、日本は重慶を落としただけでなく、連合軍が固めていたティモールの占領にも成功しました。しかし連合軍はその間にバンコクを占領して来ます。

 その後も日本は資源の目が良く、第4ターン第5ターンでバンコク、マニラ、シンガポール、レイテ、グアムと順調に落としていきました。ここは新ルールだと必ずしもこんな楽には行かないはずなのですが、日本はかなり運が良かった。

 これでヴェンジェンス作戦の入る1943年第6ターン直前に、日本は丁度絶対国防圏完成が間に合いました。そして連合軍はまず日本艦隊に打撃を与えないと国防圏侵入は難しいので、南アフリカにスウィープ艦隊を集結しています。しかしこのターンはまだヴェンジェンス作戦無しで攻撃するには戦力が足りません。連合軍は攻撃を見送り、日本は艦隊をマニラ、レイテ、パラオの三角地帯に集結します。
 第7ターンもヴェンジェンス作戦は出ず、連合軍スウィープ艦隊は日本の小艦隊を襲撃して除去するに留まりました。そして第8ターンも作戦は出なかったので、これ以上待てない連合軍は日本に艦隊決戦を挑みます。連合軍はこの戦いに勝利し、日本にかなりの損害を与えましたが、日本も残しておいた資源で艦隊1つ以外は修理を完了できました。

 そして第9ターン、最後のチャンスにヴェンジェンス作戦発動。前のターン日本の直接の被害は少なかったのですが、修理のために艦隊を後方に下げることになったので、艦隊への陸上機支援が薄くなっています。連合軍これは良いタイミング。
 連合軍は艦隊を2つに分けて日本の2個艦隊を襲撃し、うまく行けば両方全滅させられます。まずはパラオの空母2ユニットの艦隊を順調に殲滅。そしてマニラの空母1ユニット艦隊ですが、ここで日本の目が大きく勝り、大損失を受けながらも全滅を免れました。
 それでも半壊した日本艦隊にもう決戦をする余力は無いので、日本は残存艦隊をまとめてやられないよう散開させます。そして連合軍も今度は上陸主体に切り替えるため、スウィープ艦隊をパナマへ、上陸艦隊をラバウルに送りました。


 1944年入りした第10ターン、連合軍の絶対国防圏への第一歩はトラック島。日本は付近に3つの陸上機を置いていましたが、隣接支援が弱体化した新ルールでは、連合軍全力の上陸を食い止めることはできません。これで貴重な足場が築かれます。しかし連合軍が全力を出し切ったため、日本はカウンターでダーウィンに奇襲上陸し、一時的に連合軍の資源を減らしました。そして連合軍は国防圏内に基地ができたので、スウィープ艦隊を廃して全艦隊を前線に再配置することにします。
 続いて第11ターン、連合軍今度はバンコクに上陸しこれを占領。その際日本は陸上機1ユニットを失います。そしてそこからの支援を受け、第12ターンに連合軍はシンガポール奪還を試みましたが、ここは継続戦闘となります。しかし今や継続戦闘に大量の部隊を送れなくなったので、日本は勝ち目の無いこの場所を争うのを諦めました。
 そして第13ターン、戦力に余裕の出て来た連合軍は、ここでグアムとブルネイへの同時上陸を敢行。連合軍はシンガポールを含めた3か所同時占領に成功し、日本は特攻で英空母と引き換えに陸上機を喪失します。この年連合軍は資源の目が良く、日本に有利なコブラ台風も最高戦争指導会議も出なかったのが幸運でした。日本は潜水艦にやられても補充の利くパラオと海南島に地上軍を送り、最後の年に備えます。


 そしてついに1945年第14ターン、連合軍は日本の残存空母2つを潰しつつ、集められた日本陸軍の守りも撥ね退けて、パラオとレイテを占領します。これで東西連合軍の支配地が繋がり、南方の日本占領地域は孤立させられました。ここでも日本は特攻に突き進み、守りの要の陸上機を失ってしまいます。
 第15ターン、連合軍はマニラと海南島に同時攻撃。マニラは陥落させたものの、日本が守りを固めていた海南島は継続戦闘となりました。もはや予備兵力の無い日本は、海南島に僅かな援軍しか送れませんが、自国なので損耗は補充することができます。両軍とも送れるだけの陸上機を送り、次のターンここの帰趨はどうなるのか?
 そして最終16ターン、結局この年も日本は国体護持や連合軍の意見対立といった強力なカードを引けず、後は不利な状況の海南島の攻防が勝負を決めることになります。しかし実は連合軍には油断できないことがもう一つありました。日本は本土に残る残存艦隊で空いている港にカウンター上陸し、逆転勝ちしてしまう可能性があるのです。これを防ぐため、連合軍は2つの日本艦隊に攻撃を仕掛けて移動を封じました。
 さあ最後の戦い。海南島で連合軍は優位にありますが、勝利は絶対ではありません。そしてサイの目は?逆転を許さず、連合軍の勝利となりました。



 今回のルール変更で、思った以上にバランスもゲーム性も絶妙になり、両軍とも終始考えどころの多い良いゲームになりました。
 中国ルールの変更と隣接支援の弱体化により、中国攻略でも絶対国防圏建設でも日本の成功は確実ではなく、序盤から緊張感のある展開になります。またヴェンジェンス作戦が出るまで何もできなかった中盤も、日本の航空要塞弱体化による僅かな優位を利用して、連合軍は日本にジャブを撃ち続けられます。もし最終的にヴェンジェンス作戦が出なくても、連合軍は他の日本艦隊に足止め艦隊を当てることにより(数が多ければ損傷だけで済む)、空母部隊で日本艦隊1つを集中攻撃して潰せるでしょう。そして終盤では上陸戦が難しすぎることも無くなり、勝利条件がどれも達成可能になったので、連合軍も日本も攻防の幅が大きく広がりました。
 
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