ゆるがない戦略
 
 War in the Pacific: 1941-1945をY君連合軍、私日本でやりました。ルールは中国再配置も、パナマ・南アフリカからの艦隊襲撃も禁止せず、さらに前回考えた
・重慶へは日本軍を再配置できず、移動コストも2となる。
・中国から日本地上部隊がいなくなると、以後中国内の飛行場は中国支配アイコンに変わり、そこに中国軍を再配置できるようになる。
を使います。

 第1ターン日本は例によって資源へクス+マニラ。再配置では大陸に陸軍12ユニットを集めます。そして第2ターンの重慶攻撃は失敗し、陥落したのは第3ターン。ただ中国攻略にコストが掛かるようになった割には、マラリアの影響もあってシンガポールとホランディアは難無く陥落します。これにより結局いつものように第4ターンには絶対国防圏が完成しました。
 こうなると連合軍の攻勢はヴェンジェンス作戦待ちになりますが、なかなか出ないので資源量で優位に立った第8ターンに全艦隊襲撃を行い、7ステップの損害を日本に与えました。そして第9ターンにヴェンジェンス作戦で、連合軍は日本空母艦隊と本土に逃げた損傷艦隊を襲撃して撃滅。日本はもう艦隊決戦をする戦力が無くなったので、残った艦隊を分散します。

 こうなるといつもの流れであり、日本の国防圏が固すぎて最終ターンまでに連合軍が勝利条件を達成するのは無理。日本の勝利です。


 中国攻略に時間とコストを掛けさせたくらいでは、絶対国防圏戦略は全く揺るぎませんでした。歴史上の日本の戦略(無戦略?)を全て誤りと断じ、全く別の戦略を考えさせるという点だけでも、このゲームには絶大な価値があります。しかし日本が正しい戦略を見つけた後でも、ゲームとしてバランスが取れるようさらにルールを変更し、不自然だと思われる点も一緒に修正することにします。

・陸上機による隣接へクスへの支援は1ユニット1戦力とする。その場合イベントで1戦力になるものは0.5戦力(端数切捨て)に、3戦力になるものは2戦力になる。
 航空要塞の構築が国防圏の要というのはこのゲームの根幹なので、本当はこれを修正したくありませんでした。しかし日本艦隊を壊滅させてすら連合軍の反撃が全く間に合わないのは、これが最大の原因なので、バランスを取ろうとすると変えざるをえません。HJの太平洋艦隊で隣接メガヘクスへの航空支援が弱まるのに倣いました。

・相手の陸上機のいる継続戦闘へクスへ地上部隊を再配置する時は、1アクションにつき1ユニットしか送れない。また1へクス島は、継続戦闘での地上部隊のスタック制限を6個とする。
 日本は中国に勝利すると大量の地上部隊が解放され、継続戦闘にはこれらを送り込んで必ず勝てますが、これは日本の輸送・補給能力からして過大過ぎると思います。特に限られた面積しかない島に置ける数は、さらに制限されるはずです。またこの変更により、継続戦闘への海上輸送は潜水艦の被害を受けやすくなります。

・勝利条件
a. 3つある日本の補給源ヘクス以外に「日本の支配する港」が存在しない。または、
b. 「戦闘終了時に」、3つある日本の補給源ヘクスか「沖縄」のどれか1つに連合軍地上部隊が「上陸していて(継続戦闘でも良い)」、かつ「補給を受けている」。または、
c. 日本に原爆を投下した(4.3参照)。
 a.の勝利条件はあまりに難しすぎてほぼ達成不可能なので緩和します。
 勝利条件の達成時期は「いつでも」なので、b.の勝利条件では連合軍の地上部隊が本土に上陸しなくても、海上に姿を見せるだけで勝てることになりますが、それは変です。また沖縄は地図上では九州も含んでいて本土と地続きになっており、上陸すると日本軍が陸路で増援にやってくるので、上陸の価値・難易度は本土と変わりません。
 この変更でb.は少し難しくなりますが、日本は容易になったa.と両方に対応するジレンマが生じるので、全体としては勝利条件を達成しやすくなり、戦略の幅も増えるのではないでしょうか。
 
インデックスへ