赤壁
かさいさんとブリッツウォーをやりました。このゲームは60ユーロ、輸入すれば楽に1万円以上するゲームを、コマンドマガジンがたった4000円で出してくれたお買い得な二次大戦戦略級です。他のゲーム同様に誤訳があったり、明確化と訂正が反映されていなかったりしますが、英文ルールが公開されているのでたいして支障ありません。
前回みつけさんも加えて3人でバルバロッサシナリオをやってみたのですが、ソ連の戦力が異常に少なくて(2年近く生産を続けているはずなのに、キャンペーンの開始時と同じ位しかない)、どうにもバランスが悪いことがわかりました。
そこで今回は訂正を反映した英文ルールに基づき、キャンペーンシナリオをやることにしました。また3人だと前半ソ連プレイヤーが暇なので、2人プレイです。私が枢軸を持ちます。
第1ターン、ポーランドは最善と考えられる、ワルシャワ3、ボズナニ2、クラクフ1の配置です。
ドイツの攻撃も最善を尽くします。参考に手順を書いておきます。
航空支援
ワルシャワに2個
移動
東プロイセンから 歩兵3→ダンツィヒ、歩兵1→ルブリン
コツァリンから 混成3→オストロレンカ、歩兵1→ダンツィヒ
キュストリンから 歩兵3と歩兵1→ブレスラウ
ブレスラウから 混成3→タルヌフ
オストラヴア 歩兵3攻撃活性化
補給 6.5消費
電撃戦
ダンツィヒとオストロレンカよりワルシャワ
1:1から川、ドイツ、戦車、航空で3:1
ブレスラウ、オストラヴァ、タルヌフよりクラクフ
5:1からドイツ、戦車で7:1、歩兵3*2と混成3が前進
通常戦
ダンツィヒ、オストロレンカ、クラクフよりワルシャワ
3:1からドイツ、戦車、航空で7:1
ポーランド軍はボズナニへ退却
ポーランドの反撃に注意して前進
明確化で、味方支配スペースに退却するとオーバースタックする場合は、非支配スペースに退却できるそうなので、それによってスペースを奪還されないよう注意が必要です。
ポーランド降伏後1940年早春まで、ドイツはUボートでの通商破壊、デンマーク、ノルウェーの征服を進めました。
なお明確化によると、攻撃された国は外交フェイズを待たずに活性化します。そのため、今回はやりませんでしたが、ノルウェーが降伏する前に、イギリスはトロンハイムへ陸軍を海上輸送できます。
ドイツはノルウェーで戦う覚悟をするのか、フランス降伏後にスウェーデンまわりでノルウェーに陸路で侵攻するのか、検討が必要です。ノルウェーを放置する手もありますが、連合軍もスウェーデン回りの陸路でドイツに進めることを考えると、躊躇する選択です。
1940年晩春になると、ドイツはフランス侵攻を開始します。ブリュッセルとランスを同時攻撃しますが、残念ながらランスが1ターンで落ちなかったため、フランスの攻略には夏一杯かかります。
この間イギリス軍は空軍を温存します。というのも、このゲームでは海軍だけで敵の上陸を阻止できすることはできず、一旦上陸されると海上輸送を止める方法はありません。代わりに唯一英本土を守るのが、上陸前にイギリス有利な空戦でイギリス空軍を全滅させることを要求するルールで、イギリスの命運は空軍の数で決まってくるのです。
その後独ソ戦のための補給と戦力を確保し、西方の要塞化を進めるため、枢軸はアフリカもユーゴも放置しました。ユーゴについては、東に転進するついでに、途中で寄り道して攻めた方が良かったかも知れません。
一方ソ連は第一撃で歩兵から攻撃を受けないよう、前線から2スペース下がった所に壁を作って待ち受けます。フィンランドは、攻撃にかかるコストに比べ、得る物が(訂正により3戦力歩兵2個に増やされてもなお)少なすぎるので、手をつけませんでした。
そして1941年晩春、ソ連侵攻は開始されます。ソ連はどのスペースもフルスタックなので、歩兵の届かないドイツの攻撃は、6個の混成軍による1ヶ所しか行えません。こんなペースでドイツは大丈夫なのか?
と思ったのも束の間、ソ連の番になってみると、破れた戦線を塞ぐためのユニットを動かすのに、大量の補給が必要なことに気づきます。このターンは戦線を再構築するものの、次のターンのドイツの攻撃で再び穴を開けられて、装甲が突破してくると、もはや補給が足りず戦線を作れません。時間も残り少なかったので、とりあえずこれで決着としました。
やはりソ連の堅い壁戦略は無理でした。第三帝国やサードワールドウォー、Paths of Glory同様、「不利な時は逃げろ」の原則は大抵正解です。優勢な相手に平地で立ち向かう方法を研究し続けるのは愚かなことなので、今後は縦深防御を研究します。
この規模の戦略級二次欧州大戦ゲームとしては、今までのどのゲームよりもプレイが楽で、ルールも簡単なのでその場で説明して始められます。考え所はさすがに第三帝国ほどは多くないですが、それでも中小国侵攻、補給のやりくり、生産の重点、要塞化場所、攻防の転換時期、多くある連合軍の反攻ルート等、十分なゲーム性があると思います。
ただ一つ惜しいのは、類似ゲーム同様プレイ時間が長いということです。それが苦にならず、多少なりとも英語が読める人であれば、日本版は値段以上の価値のあるゲームだと思います。もし既に持っている人は、完ぺきになった例のないイラータを待つより(第三帝国のひどかったこと)、ルールはそれほど多くないので、頑張って英文を読んでプレイすることをお勧めします。
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