サイは投げられた
 
 かさいさんがVictory Point GamesのCaesar XLを買ったのでやってみました。小さめのマップ、少ない駒、簡単なルールで、カエサル対ポンペイウスのローマ内戦をテーマとしたゲームです。簡単ながらレギオンと同盟国軍の新兵とベテラン兵、外交による都市との同盟、都市あたりの維持上限と維持費、強行軍、リーダーの特殊能力などのルールがあります。特に特徴的なのはフォルムカードで、これが引かれると場に出され、カードに書いてある条件(都市の支配や金の支払いなど)を満たすとこれを入手できます。フォルムカードを手に入れると、継続的にその効果を得られ、政治的勝利得点としての価値もあります。
 勝利には2つの方法があります。相手の最高司令官がいなくて自分の最高司令官がローマに居り、25ポイント以上の支配地差あると軍事的勝利。自分の持つリーダーとフォルムについている政治勝利ポイントについて、元老院派と民衆派の差が7以上あると政治的勝利です。このことから政治的勝利を狙うには、どちらかの派閥に肩入れしてフォルムカードを入手しなければなりません。
 初期戦力は両軍大差なく、最初にカエサルがローマを取っても、収入では東の豊な土地をかかえるポンペイウスの方が有利に見えます。カエサルの戦闘能力の優位は小さく、カエサルは最初分散しているポンペイウスの軍を各個撃破していくしか道はなさそうです。サイ振りの結果私がカエサルを持つことになりました。

 初期ゴールドが多かったカエサルは、バルセロナに対する外交に失敗すると、精鋭第10軍団とマシリアから強行軍させた2つの軍団を持って優れた戦術でローマを落とし、残りの戦力も1つをマシリアの守備に残してノバカルタゴを落とします。するとポンペイウスは大軍を持って来て、ローマのカエサル主力とマッセナのポンペイウス主力でにらみ合いになります。
 ここでポンペイウスは同盟軍を1D6個手に入れるカードで1を出し、手に入れた同盟軍でアレキサンドリア(東で最も収入が多い)を支配します。するとカエサルはクレオパトラを味方につけ、一時その収入を無効にします。さらに捨て札を手に入れるカードで同盟軍カードを取ると、4を出して逆に味方同盟軍でアレキサンドリアを奪い取り、アルメニアにも地歩を築きます。
 このままにしておけないポンペイウスは主力を引き揚げてアレキサンドリアを奪還しに戻ります。そしてその間にカエサルはウティカのポンペイウス側都市を制圧し、イタリア近辺に支配を広げて戦力も充実してきます。そしてポンペイウスがアルメニアを狙って兵力を分け、ポンペイウス自身がキリキアに移動した瞬間、カエサルは準備していた海軍カードで一気にポンペイウスを襲います。



 戦術が冴えポンペイウスを丸裸にしたカエサルでしたが、惜しくもポンペイウスは討ちもらします。ポンペイウスは周囲の支配を捨ててまで戦力を集めカエサルに逆襲しますが、カエサルは一戦して退却し深手は負わせられません。ポンペイウスはさらにこれを追ってクレタに攻め込みますが、準備されていたクレタ島城塞カードに撤退を余儀なくされます。もはや収入で完全に引き離されてしまったポンペイウスはここで降伏することとなりました。



 簡単なゲームながら、金を兵力や外交、カード購入、強行軍、維持費、フォルムカードに振り分ける所や、土地支配のための兵力の分散と戦闘のための兵力の集中のジレンマなど、なかなかおもしろいと思います。またこれがS&Tで似たようなゲームばかり作っているミランダ先生のゲームかということにも驚かされます。

 
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