崩壊の瀬戸際
 
 CATACLYSM (A second world war)の2回目の対戦です。今回は世界戦争になったら2ターン後に終了と解釈していましたが、正しくはそれと1945−46年のいずれか遅い方でした。
今回はY君が共産陣営、子供が民主陣営、私がファシスト陣営です。


 まずファシストから見ると、ドイツが非常に厳しいように見えます。ソ連は国中が制限地形でしかもソ連側だけこれを無視でき、さらにNo retreatもあっては、ちょっと独ソ戦で勝てる気がしません。
 また民主陣営を攻めるにしても、まずフランスが固い。このゲームでは要塞をパリに作れて、時間はかかるもののコストは歩兵と同じ。初期のドイツ軍は弱小ですし、ヒストリカルの時期まで待ったらフランスはガチガチになりそうです。
 じゃあドイツは守りに徹して点数は日本に稼いでもらう手はどうかと言えば、おそらく後半にアメリカ様が降臨して到底守り切れないでしょう。
 そこで考えたのは、第2ターンにドイツがフランスに、日本がソ連に侵攻し、これで早めに世界戦争を起こしてアメリカが大して介入できない内に終わらせようという戦略です。(前述の通りこれはルール誤りで本来はこれだけでは勝てません。)そしてもし運が良ければ、ソ連のシベリア鉄道開通前に日本が侵攻に成功して、ソ連を降伏させてサドンデスも有りえます。(こちらの方は正しいルールでも可能性があります。)

 第1ターン、他陣営が動員状態に入らないまま進められると、いつまでもStatus quoが続いて苦しくなるので、民主陣営は前回同様安定度チェックで旗を買います。そしてアメリカとイタリア以外は戦争委任度を上げ、日本は真っ先に動員状態に入ります。そして日本が侵攻したのはソ連傘下のモンゴル。ソ連はこの動きの意図を警戒して、早々シベリア鉄道を開通させます。政権交代を目指していた民主陣営ですが、なぜか民衆の信認は厚く、フランスが不安定化したのみでした。
 第2ターン、まずフランス政権は崩壊し、同盟中小国はチェコだけになって、安定度は動揺に戻ります。ドイツは動員状態に突入し、ベルギーを外交で手に入れ、戦車を完成させてベルギーに送ります。そしてパリ侵攻。奇襲効果と戦車で2回攻撃すれば大体落とせるはず。ところが空戦も陸戦もドイツ全然ダメ。パリは諦めてなんとか空のロレーヌを占領するものの、フランスの安定度は下がらず、ドイツ軍は壊滅一歩手前。奇襲って一体何?

 一方極東では日本がソ連に奇襲攻撃。まずモンゴルからシベリアに侵攻して極東ソ連軍の補給を切り、続けてイルクーツクを攻撃して補給のないソ連軍を撃破。さらにここに兵站基地を築きます。極東に残るソ連軍は臨海地域に残る補給の切れた歩兵1つのみ。これぞ奇襲、これぞ電撃戦。


 第3ターン、イギリスはフランスとの同盟に成功して参戦。フランスに来援するとロレーヌからドイツ軍を叩き出します。英仏4対ドイツ2の空軍力では次のターンドイツが持たなそうです。
 一方東方では事件が。ソ連がホームフロントでピンゾロを出してしまい、ずっと盤石だったスターリン政権が一気に不安定化。ここで日本が先手を取って臨海地域を取れば、ソ連は一気に降伏ゲーム終了の危機です。日本とソ連どちらが先手を取るかの息詰まるカウンター引きと数々の攻防戦の結果、ソ連はぎりぎり持ちこたえます。おしい。
 第4ターン、民主陣営はドイツに対して侵攻を開始し、ドイツは危機に。しかしここでドイツは総力戦に突入し、戦力を再建して、再びロレーヌに侵攻します。総力戦の全力攻撃は+2修正が付いて、ドイツの目も良くロレーヌは陥落。そしてホームフロントで弱っていたフランス政権は、これにより崩壊します。ここで降伏チェックはロレーヌ占領による1のみでしたが、フランスは1を出してしまい降伏。ドイツは一発逆転の僥倖を得ます。
 さて前のターンまでずっと日本が優勢だったソ連極東戦線では、日ソ共に総力戦に突入すると、最後の戦いが始まります。しかし総力戦突入で入る委任攻勢は、日本1に対して、ウラルの大工場群を持つソ連は3。あらかじめ買ってあった分もあって、尽きることのないソ連の大攻勢は「ずっと俺のターン」状態。シベリアしか残っていなかったソ連の領土は、イルクーツク、満州、臨海地域と広がり、ついに北海道までソ連の手に落ちます。しかもソ連にはまだ1攻勢が残っている。終了前に最後の攻勢が引かれその目標は東京。もしこれが成功すれば、日本が降伏してソ連は勝つかもしれません。しかし東京ははぎりぎり持ちこたえゲーム終了。ファシストの勝利となりました。(本当は勝ってません。)



 色々ルール間違いや適用忘れがあったので勝敗は参考程度ですが、各陣営とも優勢な時期やあと一歩で勝てる瞬間があっておもしろかったです。早くから戦争を始めたためか1ターン平均1時間半くらいかかり、このペースで最終ターンまでやると結構時間がかかりそうですが、これだけさまざまなことを含んでこの時間であれば十分でしょう。またこのゲームをやると当時の各国の戦略がどうだったという話が盛り上がります。
 ファシスト陣営はドイツと日本を合わせた戦略を考えないと、全く勝ち目がありません。そして両方で対応しなければならないのは、共産陣営も民主陣営も同じです。そういう点で考えると、4、5人プレイも可能とは書いてありますが、実質3人専用と思った方が良いようです。
 それからこのゲームの戦闘はかなり振れが大きく、優勢な攻撃も結構失敗します。また戦争の狙いが相手の政権を崩壊させることだったり、総力戦攻勢が非常に強力である反面、政権運営を危険に晒す諸刃の剣だったりするのも特徴的です。

今回気付いたルール注意点
・サドンデスが無ければ少なくとも1945-46までゲームは続く。
・戦争状態なら委任の上昇はチェック不要。
・Satus quo終了時の旗獲得。
・補給状態は作戦移動前に判定する。
・支援ユニットは補給不要。
・奇襲効果は1作戦のみ(攻勢全体ではない)。
・ウラルはソ連軍しか入れない。
 
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