襲撃者
 
 私アングロプロイセン、あらいさんオーストリア、Y君フランス・ロシアで、Clash of Monarchsの後半1759年からのシナリオをやってみました。
 第1ラウンド、とりあえずオーストリアとプロイセンは戦力統合を行います。ブリテンがフランス支配の要塞攻略に向かおうとしたところ、イベントで補給網を破壊されて取り止めになります。
 第2ラウンド、ダウン元帥はドレスデンを奇襲しますが、一発落ちはならず、救援にきたフリードリヒに対し戦闘を回避します。一方ロシアは「フリードリヒは勝利を欲している!」を出し、プロイセンはソルティコフ公爵の軍に勝ち目の無い攻撃を強制され、ロシアは衝撃的勝利を得ます。
 第3ラウンド、ブリテンはフランスの要塞攻略を開始し、第4ラウンドには陥落させます。その後プロイセンは現状維持で勝てる上、オーストリアの前線の要塞は固いので、攻勢には出ず、軽兵でオーストリアの略奪を繰り返します。プロイセンにはすごい数の軽兵がいるので、夏が終わるまでにオーストリアじゅうが荒らしつくされました。ロシアも補給線が厳しい上に攻城砲がないので、要塞攻略を諦めてコサックによる略奪を始めます。プロイセンじゅうが荒らしつくされるのも時間の問題でしょう。
 これによりもともと戦意欠乏状態にあったオーストリアは、ドレスデンを占領するなどできなければ、最終ターンまで戦意が持たなくなります。オーストリアは、それまでの間にフリードリヒのいない要塞に奇襲的攻撃を繰り返すしかありませんが、戦意欠乏でカードが減っている上、ダウンのイニシアティブが3ではそう何度もできません。一方プロイセンの巨大な軽兵集団は、じきにフランス方面も荒らしつくすでしょう。
 フランス軍も最高指令官のイニシアティブが3で、ブリテンの攻勢を止め切れず、植民地戦争もロイヤルネイビーのあるブリテンが絶対有利です。プロイセン同盟がかなり有利に見える上、どちらもこの後虚しいアクションしかなさそうので、ここでやめてしまいました。

 このゲームでは戦力を分けると不利なだけなため、プロイセンとオーストリアの軍は、どちらも戦力統合して最大コラムでサイの目最大修正の戦力を保持するでしょう。するとまともなプレイヤーなら、戦闘はいつも五分五分にしかなりません。
 先発のWWW版では、戦力を集めると移動力が落ちる上、モラルの低い部隊を下手に加えるとかえって弱くなる場合もあったり、コラムに上限がないなどうまくできています。SPI/AH版のように、プロイセンは戦力が少ない方が強いというような奇妙なルールもどうかと思いますが、Clash of Monarchsの戦闘ルールは、後発でチャートや兵種が複雑にも関わらず、できがよくありません。
 それから攻城砲の無いロシアや、相手が堅くて攻めにくいプロイセンの作戦は、敵の要塞を攻めるよりも、軽兵の襲撃が中心になってくるでしょう。ロシアのソルティコフ公爵もオーストリアのダウン元帥も、自動的に戦闘回避ができるため、プロイセンが野戦で勝ちに行けないので、なおさらそうなります。
 そして他の国にしても、補給の関係から攻撃できる所はほとんど決まっており、実はプレイヤーの取り得る選択枝はかなり少ないようです。また戦術チットや戦争の運イベント、一般兵と軽兵以外の兵科の区別は、煩雑化するだけの蛇足だと思います。
 将軍の能力評価やすばらしくきれいで紙質のいいカードなど、周辺の部分はとてもよくできているのですが、どうもアイディア倒れの印象が強くなってきました。


 
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