信長後継者戦争
信長後継者戦争は、サクセサーズ第3版のルールをベースに、本能寺の変後の一連の戦いをテーマにしたゲームです。
初めてのプレイでは、中立地を分配する清洲会議も、家康が登場するカードも、第3ターンまで出てきませんでした。こうなると全4ターンの内3ターンまでが、中立城攻めや動員などひたすら退屈な作業になってしまい、しかも時間は9時間とあまりに長すぎました。動き始めてからは結構おもしろそうな気がしたのですが、このままでは厳しいです。
そこで今回は全3ターンとし、清洲会議と家康登場は第1ターンのカードに入れ、第2ターン以降は毎ターン5ポイントの増援を全員無料で受け取り、清洲会議前は守備されている中立城も2ポイント−攻囲修正を払えば外交で取れるというルールでやりました。
今日の1回目のプレイでは、私が明智で、市姫カードと、市姫を持ってVP+正統値最大なら勝つ勝利条件カードを、第一ターンに両方持って勝利。
あっさり終わってしまったので、全2ターンとしてもう一回やります。今回は私が柴田、北条、長宗我部、織田信孝となりました。ゲームの持ち主のY君は羽柴、徳川、滝川、織田信雄、かさいさんは明智、毛利、上杉、三法師です。
やっぱりこのゲームは最初から京と安土城を支配できる明智が有利です。明智は丹波への入り口福知山に、城主の秀満を篭もらせれば羽柴が来ても容易に攻め込めません。それを抜けたとしても、防御側に有利なシステムでは、明智を倒して仇討を手に入れるのは容易ではありません。逆に戦わずに近畿へ近づく道の無い羽柴は、明らかに不利です。
しかし明智の移動の目が悪く守りを固められなかったのを見たY君は、賭けで大返しを使って羽柴を丹波に侵入させます。Y君には攻撃戦闘カードや城攻めカードがあってのことでしたが、かさいさんはそれを察知したのか反撃を決意し、これを破ってY君の目論見は崩れます。
私は越中を支配した柴田を飛騨経由で美濃に向かわせ、岐阜の支配を狙います。ところがここに出てきていた安藤に対し、倍のサイを振りながら引き分けてしまい、退路が無いため壊滅的打撃を受けます。このゲームは自分の支配地にしか安全に退却できず、そうでないと全ユニットが1ステップの損害を受けるのです。
それでも私は長宗我部と織田信孝を両方持って四国を自動的に取れたことと、清洲会議を引いていて分配を先に選べたことで、VP的にはトップになって行きました。逆に明智を破れないとどうにもならない位置にいる羽柴を持つY君は、大きく水をあけられています。
さてこれを受けてかさいさんとY君は共同して私に向かう話し合いをしますが、その結果は驚きの内容。「かさいさんの明智は羽柴領を通って毛利領に入り、そこから四国攻めをする。」
私は「本当にそれやるの?Y君が近畿を取り放題になるよ。」と言いますが、再びY教祖のマインドコントロールに嵌ってしまったかさいさんの耳には届きません。私はかさいさんの全面侵攻を小田原評定で食い止めますが、Y君は美濃、尾張、伊勢、丹後、若狭、山城と、明智の居なくなった近畿の大半を支配してしまいます。あとは近江を取ればY君の勝ちは決まりでしょう。
「ほら言ったとおりだろう。」と言う私に、かさいさんはあくまで「運が悪かっただけ」と譲りませんが、さすがにこれ以上私を攻めている場合ではなく、山城目指してとって返します。山城の城は予想外に早く落ち、明智は京に迫ります。
後2ラウンドとなったこの状況で私は、さらに攻められたときに備えて持っていた2枚のサプライズカードの1枚を捨て、代わりに引いたのは大戦役でした。ここはやってみるしかないと、北条で駿河に攻め入ります。そして通常移動でも6の目を出して、さらに遠江、三河と一気に侵攻に成功します。この幸運でほぼY君の勝ちに決まっていた勝負が分からなくなりました。
Y君は強行軍で羽柴を山城に向かわせますが、明智に勝てず、かさいさんの番に京も奪われます。そして最後番の私はVPを確認し、長宗我部を使ってかさいさんの支配する堺を取るのが最も可能性が高いようなので、強行軍でこれを攻めます。互角の戦闘でしたが長宗我部は勝ち、私の勝利となりました。
私が時々書いているように、同じゲームやシステムの新版・改訂版が前より良くなっているとは限らないものですが、やはりこれもそうでした。
改造して大分退屈な時間を削ることはできました。しかしとにかくプレイが煩雑で手間がかかり、それにも関わらず勝敗が運まかせになりやすいです。プレイヤーは3人しか居ないのに、1ターンはサクセサーズの倍以上時間が掛かります。
煩雑なのは、
・全ユニットに名前があってセットアップが面倒。
・ユニットに所属地域があって、帰り場所を考えて損害適用したりや城の地元修正を受けるため、いちいち場所を探すのが大変。
・ほとんどのスペースに城があるので攻城戦に時間がかかる。
・同じスペースの武将をばらして別々に攻城戦を繰り返すので、さらに手間がかかる。
・天下人の判定のため異常に多いエリア数のVPを毎ラウンド正確に確認する必要がある。
・やたら影響の大きいカードをあれこれ心配して対策を取るため時間を食う。
運任せになりやすいのは、
・勝利条件がゲーム中に引いたカードで変わる。
・威力の強すぎるカードが多い。
・最初に配られる武将の有利不利が大きい。
・家康の登場時期による有利不利が大きい。
といった所が原因です。
また歴史的にも、
・勝利条件がカードで変わるので、今何を目的に戦っているのか自分でも分からない。
・攻撃側の戦の上手さは役に立たない。そのせいもあって歴史通りに山崎の戦いで羽柴が明智を破るのは絶望的。倍近くサイコロを振れる明智に、退路の無いヒストリカルルートで山崎を攻めるなど正気の沙汰ではない。
・そのため明智を討った上ではなく、明智を含めての領土分割会議になるのが普通の清洲会議。しかも信長が死んでから開かれるまで1、2年も掛かることが多い。
・史実では3日で三河に帰ってきた筈の家康が、平気で1年や2年伊賀山中を彷徨い続ける。
など、ヒストリカル派の人なら納得いかないだろう点も多いです。ただこの辺はそれほど歴史にこだわらない私たちにはあまり気になりません。
しかし長時間多人数ゲームで本能寺以後という期待のテーマであり、第3版とはいえサクサーズを流用したシステムは本来ならおもしろく作れるはずなので、もう少し改造して何とかものにならないかと思っているのですが、果たしてどうしたものでしょうか。
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