ベトコンの厄日
 
 今回はFire in the lakeを3人でやることになり、ショートシナリオで私がベトコンと北ベトナム、Y君がアメリカ、たかさんがベトナム政府です。期間イベントの選択ルールを使い、この時期のイベントでデッキが作られ、最初からAAA(トレイルが2より小さくならない)が有効です。


 まず最初のカード「ク・チ」でベトコンはイベントを選び、Binh tuyの基地をトンネルにし、北ベトナムとベトコンのゲリラを置きます。そして北ベトナムは結集&浸透で兵力を大動員します。続く上陸作戦では、ARVNが訓練で兵力増強、アメリカはイベントでBinh Dinhのベトコンを一掃します。
 そしてここでTay Nguyen攻勢を発動した北ベトナムは、南ベトナム外からの無料移動とさらに1スペースでの無料攻撃を得て、米軍5ユニットを吹き飛ばす大戦果。ベトコンは結集と腐敗で戦力を増強します。続くMACVで、ARVNは掃討、襲撃により南部低地のゲリラを干上がらせ、さらにイベントによる特殊活動で、アメリカは空爆を行って暴露されたベトコンゲリラを殲滅しました。
 そしてここでクーカード。直前のモンスーンに、ベトコンは結集を使って主に基地を作り、さらに徴税で資源を稼ぎます。ただこうなってみると、前回のベトコンの結集では経済価値2の地域もう2ヶ所にもゲリラを置いた上で、今回はテロ&徴税をした方が良かったのかもしれません。2の地域は差し引き3入るのに比べて、1の地域だと1しか資源が入りません。クーラウンドでは莫大な援助を受けた政府の資源が50にもなった一方、ベトコンはアジテーションに使って残りは10資源にとどまり、北ベトナムは18資源です。

 クーデター後、アメリカはダナンでプレイ外から軍3個を取り戻し、ベトコンは結集と腐敗で戦力を大増強し、政府に奪われた南部の低地Kien HoaとKien Giangの支配を崩します。そして次に北ベトナムは攻撃と砲撃で、南ベトナム最北部のQuang TriとQuang Namの政府軍を基地ごと全滅させ、米軍にも損害を与えます。その後ベトナム政府は限定作戦で戦力を再建します。
 次のカードは第116河川艦隊でしたが、アメリカはもうベトコン叩きは十分と見て、訓練、勧告により、自分の不正規、政府の戦力を完全にし、援助を増やし、フエを消極敵対から消極支持に戻します。ベトコンはイベントでメコン河に無料でゲリラを置きサボタージュを行います。これも次のベトナム政府のパトロール、襲撃でメコンデルタのゲリラは大半が狩り取られ、北ベトナムはUSAIDイベントで政府の資源、援助、パトロネージを2づつ減らしました。
 そしてアメリカの安定化、北ベトナムの戦力増強などしている内に、次のクーラウンド。政府の資源は61と無限にも近い状況、北ベトナムは22、ベトコンはアジテーション後9となります。北ベトナムは再配置で兵力を南方にシフト。そしてアメリカはここで兵力を引き上げてVPを55とし勝利条件を4上回ります。比較的早い時期のクーデターであり、アメリカは次のクーまでこれを維持できるでしょうか?

 クーデター明け、ベトナム政府は訓練統治で、クーデターの失敗による戦力減少の補充とパトロネージ獲得、ベトコンはドミノセオリーによりアメリカ軍を3個プレイ外にして3VPを減少させます。これによりアメリカのVPは7下がり、あっさり勝利条件を割り込みます。アメリカが勝ちに行くのは本当に難しい。そして北ベトナムは中南部で米軍基地を避けながら大侵攻、勝利条件にあと1点まで迫ります。そしてアメリカは安定化で中立のフエを積極支持にし、再び勝利条件に達します。
 しかし当然ベトナム政府は、統治でパトロネージを上げつつ支持を下げて米軍のVPを減らします。ベトコンは次のスターライト作戦の損害を軽減するため、限定オペレーションで手薄なKhan Hoaにゲリラを移動させるにとどまります。
 そしてスターライト作戦では、Binh Tuyでトンネル付きを含む基地2個ごとベトコンを全滅させます。なんというひどいイベント(トンネルは普通のイベントでは除去できないことには終わってから気づきました5.1.1)。そして北ベトナムはさらなる行軍と待ち伏せ攻撃で、ついに勝利条件に達します。ベトナム政府はまたパトロネージを貯め、そしてベトコンの番ですが、どうもテロが効果的な場所にゲリラがおらず、結集と徴税を行います。
 北ベトナムはもう十分広がっており攻撃、砲撃をした程度。アメリカもまた安定化です。そしてここでクーカード。丁度ここで先番になっていたベトナム政府は、一気に局面を転換すべくパトロール統治です。4都市を支配し、統治2箇所でパトロネージを4増やして、一挙に8VPを獲得して丁度勝利条件達成です。そして次はベトコンの番ですが、ベトコン自身は勝利の可能性は無く、北ベトナムをどう助けるかしかありません。そこでTay Ninhのベトコンが多すぎて北ベトナムが支配できないでいたところを、召集可能なユニットが足りなければ地図上から召集して引き抜けることを利用し、ここを北ベトナムの支配とします。これで北ベトナムも丁度勝利条件達成です。
 さてベトナム政府と北ベトナムが同点で勝利条件達成。この場合は?ルールブックを確認すると、同点ではARVNが北ベトナムより優先であり、1位ベトナム政府、2位北ベトナムとなりました。
 

 掃討と攻撃を一度にできるイベントが3回も出て、ベトコンは非常に厳しかったです。しかしこの時期のイベントはそもそもそういうイベントが多く、期間イベントルールを4人の時に使うとベトコンプレイヤーが苦しいでしょう。ただベトコンゲリラはもっと早い時期から各地に展開しておくべきでした。支配、支持を固められると後から入るのは難しくなるからです。

 なかなか勝ちにくいアメリカについて考えてみます。少なくとも前半はベトナム政府と協力するのが正しいと思います。しかし最終クー前期間に入ると、アメリカにとってベトナム政府が最大の敵となります。なりふり構わぬパトロネージ獲得が直接アメリカのVPを奪っていくからです。敵に見えるベトコンですが、逆にもうこの時期には入りにくい政府支持の地域にわざわざ手出しはしなくなるでしょう。
 ベトナム政府が経済価値2の地域2箇所でパトロネージを稼ぐと、アメリカのVPは4減ります。アメリカの安定化は通常1箇所なので、丁度中立で価値2の場所があってようやく4VP稼げるに過ぎず、無ければだんだん減っていくことになります。
 このことから最終前のクーでも、アメリカは安易に軍の最大引き揚げを行わず、政府支配と支持があって経済価値が2の所は、必ずARVN以上の軍を残していくべきだと思います。また訓練でアメリカがARVNのキューブを買ってやるのは、よく考えた方がいいでしょう。ARVNが対北ベトナムに必要な以上の兵力を持つと、それらはパトロネージのためにアメリカ軍に向かってくることになります。
 
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